seitaro さん プロフィール

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seitaroさん: 阪急沿線文学散歩
ハンドル名seitaro さん
ブログタイトル阪急沿線文学散歩
ブログURLhttp://nishinomiya.areablog.jp/bungakusanpo
サイト紹介文阪神間にゆかりの小説随筆の舞台を訪ねます。野坂昭如、小松左京、谷崎潤一郎、須賀敦子、宮本輝、小川洋子
自由文火垂るの墓、歌う女、細雪、本に読まれて、にぎやかな天地、ミーナの冒険、涼宮ハルヒの消失
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供295回 / 365日(平均5.7回/週) - 参加 2012/10/10 09:42

seitaro さんのブログ記事

  • 『砂の城』の恩地勝之のモデルは遠藤周作?
  • 遠藤周作『砂の城』で主人公泰子の母が初恋をした相手は甲東園の恩智病院の息子勝之でした。勝之は東京の大学に行っていて、夏休みや冬休みに帰ってくるのです。(月刊神戸っ子1970年4月号より)遠藤周作の年譜では、昭和16年18歳で、上智大学予科に入学したものの、「籍をおいたまま、旧制高等学校を目指して仁川で受験勉強を続け、六月、受験勉強に対して空虚感がこみあげ、宝塚文芸図書館に通って日本や外国の名作をむさぼる [続きを読む]
  • ヴォーリズ建築の神戸女学院が劇場版『空の境界』に登場
  • 講談社ノベルズ版の『空の境界』の上下巻の解説で笠井潔氏は、『空の境界』は、探偵小説やSFなどの近隣ジャンルの読者を含め、多数の伝奇小説読者に衝撃を与えるに違いないとし、伝奇小説の起源から解説されています。その奈須きのこ『空の境界』第六章 忘却録音の劇場版アニメの舞台となる礼園女学院の映像はヴォーリズ建築の神戸女学院が使われていました。神戸女学院正門デフォレスト記念館からEnglish Zoneをのぞむソールチャ [続きを読む]
  • 遠藤周作『砂の城』出会いは宝塚文芸図書館
  • 遠藤周作『砂の城』の泰子の母が書き残した手紙から続けます。 泰子の母が十七歳になった春の出来事が綴られています。戦局が苦しくなった昭和十九年のことのようです。<春休みが来ました。母さんはその春休み、宝塚の図書館で本を借りだしては毎日、読みふけっていました。食べものはなく、ラジオからは荒々しい軍歌が聞え周りのすべてが荒廃してくると、学校でむかし習ったうつくしい詩や小説をもっともっと知りたくなったので [続きを読む]
  • スタンドバー・モンクのお薦めはコウベハイボールと『古本屋台』
  • スタンドバー・モンクは成田一徹さんの『カウンターの中から』でも紹介されたお店。久しぶりに訪ねました。<阪急王子公園駅から歩いて10分。夜の畑原市場。シャッターを下ろした暗く心細い通路の向こうに、スタンドバー『モンク』の灯を発見。まるでオアシス。心憎いばかりのアプローチだ。>昭和な風情が残る水道筋でも、一本南に入った特にノスタルジックな味わいのある畑原市場、よくこんな市場が生き残ってくれていたという感 [続きを読む]
  • 日本一心のこもった夙川のクリスマスツリー
  • 月刊神戸っ子4月号に夙川地区自治会が保管されていた、羽衣橋のクリスマスツリーの写真が掲載されています。https://kobecco.hpg.co.jp/31487/ このクリスマスツリー、現在は阪急夙川駅前のロータリーに移され、毎年点灯式には話題になるオハラさんのクリスマスツリーです。<阪急夙川駅南側の夙川に架かる羽衣橋の欄干に一本のクリスマスツリーが立ったのは、昭和二十三年十二月のことであった。立てたのは米・商船会社の神戸支 [続きを読む]
  • 遠藤周作『砂の城』甲東園で母が見た景色は
  • 遠藤周作『砂の城』で、主人公泰子の結核で亡くなった母が、泰子の16歳の誕生日にあけるよう遺した手紙から続けます。<もし、いつか機会があったら、電車にのって西宮北口という駅で宝塚行に行く阪急の支線に乗り換えてごらんなさい。十六歳の時の母さんが見た山や空をきっとあなたもそのまま眺めることができるでしょうから。母さんはあのあたりの風景が大好きでした。海からは離れているのに、まるで海岸近くのように松林が至る [続きを読む]
  • 『街道をゆく1』湖西のみち、近江最古の白髭神社へ
  • 弟子𠮷治郎さんの『湖猫、波を奔る』で浜大津から湖西の日吉大社までやって来ましたので、更に北上して、司馬遼太郎『街道をゆく1』の湖西のみちをたどってみることにしました。目指すは近江最古の神社といわれる白髭神社。司馬遼太郎は『街道をゆく』の連載を、「日本人はどこから来たか」というテーマの答えを求めて、琵琶湖西岸の「湖西のみち」を選びます。そして渡来人の痕跡を湖西にみつけます。<われわれは叡山の [続きを読む]
  • 遠藤周作ゆかりの地が舞台となった『砂の城』
  • 『砂の城』は昭和51年主婦の友社より刊行された作品で、学生運動やハイジャックなどの時代背景ともに、遠藤周作が『沈黙』執筆にあたり何度も訪れた長崎、留学時代にも滞在したことのあるパリの風景、そして少年時代に過ごした西宮・宝塚を舞台にし、自身も患った結核体験も題材にした青春小説です。 主人公泰子が4歳の時、母は結核で亡くなりますが、小説の冒頭は、16歳の誕生日に本人に見せて欲しいと託した母の手紙に始まり [続きを読む]
  • 吉野山の奥千本・仙人の桜を観に
  • 今年の観桜シーズンもほぼ終わり造幣局の八重桜が残されているくらいになりました。 山の桜の総本山、吉野山の桜も今年は非常に早く、既に上千本まで葉桜となってしまいましたが、まだ満開という奥千本まで登ってみることにしました。 赤瀬川原平「仙人の桜、俗人の桜」で仙人の桜とは吉野山の桜のことでした。 赤瀬川原平さんが柿の葉寿司を食べながら吉野山を訪ねたのは、上千本あたりがちょうど見ごろのころでした。<私のと [続きを読む]
  • 琵琶湖巡りは『湖猫、波を奔る』を持って
  • 琵琶湖を巡るご当地小説としては、滋賀県出身の弟子吉治郎さんの『湖猫、海を奔る』がお勧めです。小説の舞台となった場所が示された琵琶湖周辺地図も巻末に掲載されています。 テレビのプロデューサーでもある弟子吉治郎さんは、彦根東高、関西学院大を経て中部日本放送に入社、テレビ番組の制作指揮という本職のかたわら、執筆されたそうです。  第一章は昭和55年、主人公の大津の坂本にる日吉大社の神官の一人娘斎木朱美と [続きを読む]
  • 成田屋さんの「桜もなか」
  • 神戸っ子4月号に和菓子の成田屋さんの記事が掲載されています.その取材に同行させていただき、私も成田屋さんのご主人が保管されている貴重な写真を見せていただきました。震災前の成田屋さんの立派な玄関。残念ながら震災で全壊し、現在はビルに建て替えられています。昭和13年に夙川に開店されたときの「團十郎もなか」をあしらったチラシです。九代目團十郎に認められ、その後千秋楽に御贔屓筋に配られるようになったそうで [続きを読む]
  • 原田マハさんの阪急電車と桜
  • 原田マハさんは1981年に山陽女子高を卒業して関西学院入学。1985年の卒業時に、就職先がみつからず、そのまま西宮に居残り、バイトをしながら専門学校を卒業され、1986年に東京に移ります。(Naked Maha 原田マハ公式サイトより)『おいしい水』は関西学院時代の経験をもとに書かれた小説ですが、そこに阪急電車と桜並木の美しさが描かれています。<高校生の時、大学の下見で初めてここにやってきて、この電車に乗った。電車とい [続きを読む]
  • ヴォーリズの洋館が小説に登場(『湖猫、波を奔る』)
  • ヴォーリズが居を構えた滋賀県には近江八幡以外にもヴォーリズ建築事務所設計の建築物が数多くありました。その洋館のひとつが、琵琶湖を舞台とした小説、弟子𠮷治郎『湖猫、波を奔る』に登場します。 第二章「穴を掘る」は中学二年の穴マニア林盛太郎が住んでいる家の庭に穴を掘る場面から始まります。<盛太郎の住まいは彦根藩三十五万石井伊直弼の城下町、滋賀県彦根市にある。家の敷地は内堀と中堀に挟まれた内曲輪( [続きを読む]
  • ヴォーリズさんのウサギとカメを見てきました
  • 豊郷小学校の図書館と講堂の紹介をしましたが、旧校舎の紹介が遅れました。校舎は二階建てですが、玄関のある中央部分だけは、三階建てになっています。幅2.8mの広い木の廊下、天井も高く立派で、大きな窓からの採光も十分です。現在は豊郷町教育委員会事務局もこの教室を使っています。 この敷地と建物を寄贈した古川鉄治郎がヴォーリズと理想の小学校建設に向けて相談していたとき、ヴォーリズが「ミスターフルカワ、学校のシン [続きを読む]
  • 赤瀬川源平『仙人の桜、俗人の桜』日本は桜の国だ
  • 今年の桜は早く、もうピークを過ぎてしまいましたが、「桜まつり」などの行事が各地で開催されるほど、日本人中が花見で大騒ぎになるシーズン。 赤瀬川源平『仙人の桜、俗人の桜』では「日本は桜の国だ」とシーズン到来を面白く解説されています。<日本は桜の国だ。春になると南から桜前線が攻め込んでくる。そうするともう日本中が大変なのだ。さあ攻めてきたというので、みんな弁当を作り、ゴザを用意し、いまはビニールシート [続きを読む]
  • 『月刊神戸っ子』4月号に夙川市場の写真
  • BSプレミアムで放映された『平成細雪』で大水害の場面で、夙川市場がモデルとなったと思われる夙川駅前商店街が登場していました。考えてみると、夙川市場は終戦直後から昭和49年まで存続した公設市場で、原作の阪神大水害の昭和13年にも、平成の時代にも存在してなかったのですが、夙川駅前の雰囲気がよく出ていました。 今まで夙川市場の写真を見ることはなかったのですが、『月刊神戸っ子』に2枚の写真が掲載されていまし [続きを読む]
  • 月刊神戸っ子4月号に「阪急夙川の昔と今」
  • 夙川の桜は今年は既に満開となり、もう一部散り始めています。『月刊神戸っ子』4月号には夙川地区自治会長の柴田氏が登場され、夙川自治会発足からの歴史的なトピックスを紹介されています。 これまで見たとこがなかった昔の夙川地区の貴重な写真が掲載されています。昭和20年代はじめの阪急夙川駅周辺。写真提供/夙川自治会 他にも西宮ブログでお馴染みの今村欣二さんの連載エッセイ『喫茶店の書斎から ? イワシのトレトレ [続きを読む]
  • 夜明けの桜が一番美しい(赤瀬川源平『仙人の桜、俗人の桜』)
  • 赤瀬川源平の旅行記『仙人の桜、俗人の桜』の最後の章「ベルリンの壁の跡に桜並木をー京都」では、京都市右京区の桜博士といわれている佐野藤右衛門さんを訪ねます。佐野藤右衛門さんといえば『京都人の密かな愉しみ 桜の皿の秘密編』にも登場。ドラマの方は高岡早紀さんが登場する何とも切ない悲恋物語でしたが、『仙人の桜、俗人の桜』に戻りましょう。 佐野さんと色々桜のお話をされていますが、夜明けの桜が一番美しいという [続きを読む]
  • 優雅な花見を小説に描いた谷崎潤一郎
  • 花見を題材にした小説はいくつかありますが、その優美さや機微を見事に描ききっているのは、何といっても谷崎潤一郎『細雪』でしょう。<毎年春が来ると、夫や娘や妹たちを誘って京都へ花を見に行くことを、ここ数年来欠かしたことがなかったので、いつからともなくそれが一つの行事のようになっていた。此の行事には、貞之助と悦子とは仕事や学校の方の都合で欠席したことがあるけれども、幸子、雪子、妙子の三姉妹の顔が揃わなか [続きを読む]
  • Helmet MountainとNetetotekoi Ikiと桜
  • 夙川公園の桜も今日で満開となりました。近くのニテコ池の桜です。50年以上前は、ニテコ池周辺や満池谷公園(現在の震災記念公園)あたりの方が夙川の桜より多く立派で、桜の名所でしたが、震災が痛手だったのでしょうか、めっきり少なくなりました。震災から21年が経ち、桜の樹が育ってきました。人出も少ないので、花見にはいいコースです。Seidenstickerが谷崎潤一郎『細雪』の翻訳でHelmet Mountainと訳した甲山を背景に、明治 [続きを読む]
  • 誰が名付けた“Helmet Moutain” 甲山の英語訳
  • 西宮のシンボルともいえる甲山。欧米人にはどう映って、どう呼んでいたか気になるところです。(上の写真はニテコ池から見た甲山) 先日神戸女学院講堂の定礎石を調べていると、「神戸女学院定礎式記念絵はがき」が昭和6年に発行されており、建設中の神戸女学院から見える甲山の写真がありました。その説明書きは、“Helmet Mountain" from the Observatory platform と甲山を“Helmet Mountain”と呼んでいるのです。この呼び名 [続きを読む]
  • 豊郷小学校にも神戸女学院図書館と同じ螺旋階段がありました
  • 豊郷小学校旧校舎群の正面校舎の左手に酬徳記念図書館があり、校舎とは渡り廊下で接続しています。 中に入ると、大きな明かり窓と机の配列は、神戸女学院図書館を思い起こさせるものでした。(上の写真は神戸女学院図書館本館) 戦前の子供たちの図書館の写真が展示されていました。天井の高い図書館での読書風景、この光景も神戸女学院図書館にそっくりなのです。 そして一番驚いたのは、神戸女学院図書館にもあった螺旋階段 [続きを読む]