seitaro さん プロフィール

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seitaroさん: 阪急沿線文学散歩
ハンドル名seitaro さん
ブログタイトル阪急沿線文学散歩
ブログURLhttp://nishinomiya.areablog.jp/bungakusanpo
サイト紹介文阪神間にゆかりの小説随筆の舞台を訪ねます。野坂昭如、小松左京、谷崎潤一郎、須賀敦子、宮本輝、小川洋子
自由文火垂るの墓、歌う女、細雪、本に読まれて、にぎやかな天地、ミーナの冒険、涼宮ハルヒの消失
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供287回 / 365日(平均5.5回/週) - 参加 2012/10/10 09:42

seitaro さんのブログ記事

  • いよいよ芥川龍之介も歩いた河童橋へ
  • 大正池から梓川に沿って上り、河童橋を目指します。途中で立ち寄りたかったウェストン碑。 霞沢岳と六百山を望む梓川のほとりに、英国人宣教師ウォルター・ウェストンのレリーフがあります。右が霞沢岳、左の山が六百山です。 ウェストン碑のある場所には、自然を大切にするためか大きな案内板はありません。見落としてしまい、引き返してようやく見つけました。 ウェストンは登山家として日本各地の名峰を制覇し、上高地にも訪 [続きを読む]
  • 戦争末期、理科少年・北杜夫が短歌にした梓川
  • 先日、はじめて上高地を訪ね、穂高連峰の景色に圧倒され、梓川の透明な流れの美しさにも感動して帰ってきました。 井上靖『氷壁』では梓川について、主人公の新鋭登山家・魚津恭太が遭難した小坂乙彦の妹・かおると上高地を訪れた場面で、次のように語られます。<「梓川ですよ」魚津は梓川の流れが初めてくるまの右手の方へ姿を現してきた時、かおるに教えてやった。「まあ、日本で一番美しい川ですのね」「日本で一番美しいかど [続きを読む]
  • 北杜夫の上高地帝国ホテル
  • 先日、上高地日帰りツアーに行ったとき、どうしても立ち寄りたかったのが上高地帝国ホテル。北杜夫は学生時代の上高地帝国ホテルの印象を、『上高地あれこれ』で次のように述べています。<そうして、初めに涙が出るような思いで接した上高地、次第に第二の故郷のような気持ちを抱いてきた上高地の懐かしい道を通り過ぎてゆくと、落葉松林の奥に、噂に聞いていた帝国ホテルの姿がほの見えた。当時はずっと閉ざされていて、山小屋風 [続きを読む]
  • 北杜夫が旧制高校時代に大感激した上高地へ
  • 以前から訪ねたかった上高地。いつかゆっくり散策したいと思っていましたが、先日、上高地日帰りツアーというチラシを見つけて、とりあえず下調べに。 特急とバスの乗り継ぎで、上高地滞在時間は3時間半でしたが、天候に恵まれ、大正池から河童橋までゆっくり散策を楽しむことができました。 上高地は、冬の穂高岳で起きたナイロンザイル切断事件に取材した井上靖の小説『氷壁』にも登場しますし、北杜夫はいくつかのエッセイで [続きを読む]
  • 原田マハ「希望のギフト」は甲山のテニスクラブが舞台
  • 原田マハ『スイート・ホーム』の第三章「希望のギフト」の舞台は西宮市にある甲山の中腹、会員制のテニスクラブ。 <九月下旬、まだまだ夏の暑さが残る午前中。それでも五ヶ池を吹き渡ってくる風は、頬に心地よい。「そろそろ休憩しようかあ」テニスコートのネットの向こうで、真君が大きな声で言った。私は、テニスのラケットを振り上げて、「うん、ええよー」と応える。>このテニスクラブは「阪急仁川テニスクラブ」に違いあり [続きを読む]
  • 原田マハ「あしたのレシピ」クライマックス場面は山手台北公園
  • 原田マハ『スイート・ホーム』の第二話「あしたのレシピ」は、35歳独身でオアシスキッチンの講師をしている未来先生と、29歳ウエブデザイナーの辰野始との恋の行方は、ペーソスと希望の入りまじったお話に仕上がっています。  洋菓子店「スイート・ホーム」で未来と辰野始は偶然出会い、辰野はオアシスキッチンの生徒となります。更に、未来は考えだしたレシピを記録するためのウェブサイトのデザインと運営を辰野始に頼み、しば [続きを読む]
  • 原田マハ「あしたのレシピ」の舞台は宝塚山手台のオアシスキッチン
  • 原田マハ『スイート・ホーム』第二章の「あしたのレシピ」の主人公は三十五歳独身でオアシスキッチンの講師を務める未来先生。 西宮市内の女子大の栄養学科を卒業という設定ですから、武庫川女子大かもしれません。 未来先生も宝塚山手台の住人。朝の目覚めの様子から始まります。<ベッドから抜け出し、カーテンを思い切り開ける。目の前がさっと開けて、大きな空と、遠くの海とが見える。眼下には、阪神間の街景色がなだらかに [続きを読む]
  • 原田マハ『スイート・ホーム』に登場する阪急オアシス
  • 『スイート・ホーム』で、主人公・香田陽皆がお気に入りの場所「オアシス」へ行く場面が描かれています。宝塚山手台のスーパー・マーケット阪急オアシスは、山手台中央のバス停から少し上がった所にあります。<テラスのあるスーパー・マーケット「オアシス」も、お気に入りの場所だ。サンドイッチとカフェラテを買って、お店の外にあるテラスのテーブル席に座り、のんびりと、ひとりブランチを楽しむ。テラスの横には並木の美し [続きを読む]
  • 原田マハ『スイート・ホーム』の洋菓子店のモデルを発見!
  • 原田マハ『スイート・ホーム』の主人公・香田陽皆の実家は宝塚山手台にある小さな洋菓子店「スイート・ホーム」です。 駅前のバス乗り場からバスに乗って、二つ目のバス亭・山手台二丁目でバスを降ります。<バス停で下りたら、最初の角を左に曲がってください。いくつかの角を曲がって、しばらくすると、ふんわり、甘い香りが漂ってくるはずです。クリーム色の壁の家。チョコレート色のドアのそば、大きなキンモクセイの木が目印 [続きを読む]
  • 宝塚山手台からの眺望(原田マハ『スイート・ホーム』)
  • 原田マハ『スイート・ホーム』の舞台となっている宝塚山手台からは、大阪の街や晴れた日には明石海峡まで、素晴らしい眺望が開けています。 第一章の「スイート・ホーム」の最後では、主人公の香田陽皆と山上昇は宝塚ホテルで挙式するというハッピー・エンドを迎えますが、挙式の前に、山上昇が香田陽皆を丘の上に連れて行きます。<そうして、私が連れていかれた場所。バス通りをずっと上がった、丘の上のバス停の近くだった。街 [続きを読む]
  • 宝塚山手台のループ橋(原田マハ『スイート・ホーム』)
  • 原田マハ『スイート・ホーム』で宝塚山手台からの眺望が何度も描かれています。山手台に住む主人公・陽皆が近所に散歩に出かける場面です。<この街には私の大好きなスポットがあちこちにある。ゆるやかなカーブを描いてバス通りをまたぐ歩道橋。大阪の街、晴れた日には明石海峡まで、広々と一望できる。高台の街ならではの得難い眺望だ。>バス通りまたぐループ橋は山手中央台と山手三丁目のバス停の中間地点、阪急オアシスのすぐ [続きを読む]
  • 1980年代心に残る神戸のお店(吉田篤弘『神様のいる街』)
  • 「神戸はどうして、これほど居心地がいいのか」と繰り返し自問していたという吉田篤弘さんは、『神様のいる街』で、神戸っ子以上に神戸通。神戸の歴史に残る名店を御存知でした。『神様のいる街』からです。<だから、本物もニセモノも、およそ、たいていのものは神戸で買っていた。同じものでも、東京で買うより神戸で買う方がふさわしいように思えた。食べることについても事情は同じで、何を食べてもいちいち美味しい。その秘密 [続きを読む]
  • 原田マハ『スイート・ホーム』がある街、宝塚山手台へ
  • 原田マハの『スイート・ホーム』を読んで、小さな洋菓子店「スイート・ホーム」のある街を是非見たくなりました。早速、阪急宝塚線で山本駅へ。 山本駅は宝塚山手台住宅への玄関口で、宝塚市内の宝塚本線の駅では宝塚駅に次いで乗降客数が多いそうです。駅前ロータリーから山手台行きのバスが出ています。<大阪・梅田から、山手を走る電車に乗ってきてください。駅前のバス乗り場で、バスに乗って、ふたつめのバス停で下りてくだ [続きを読む]
  • 三条杜夫『夜明けのハンター』に日本で最初の喫茶店「放香堂」が登場
  • 三条杜夫『夜明けのハンター 文明開化物語』はフィクションではありますが、神戸文明開化物語といったところで、様々なエピソードをうまく織り込んだ小説となっています。 表題となっているE・H・ハンターは、明治7年に神戸にハンター商会を、明治14年には大阪で大阪鉄工所(後に日立造船に発展)を創設し、この他、煉瓦や肥料、煙草、精米、損害保険など次々に事業を起こし、範多財閥を形成し、地元有志より北野天満神社の周辺 [続きを読む]
  • 朝ドラ「まんぷく」大大阪時代に登場する建物は超一流
  • NHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」が始まりました。第一話を見て、ストーリーだけでなく映像が楽しみになりました。最初の映像。もちろんCGでしょうが、大きなビルは阪急百貨店でしょう。上の写真は昭和45年の阪急百貨店。時は昭和13年、大東京市が誕生し勢いは陰りつつあるものの、まだ大大阪時代です。「べっぴんさん」で登場した大急百貨店、「半分青い」「マッサン」でも登場した?日の出ビールの看板が見えます。ヒロイ [続きを読む]
  • 「阪急宝塚山手台」のPRに原田マハさんまで起用した阪急不動産
  • 小林一三から続く伝統が、そうさせたのでしょうか。  阪急不動産は開発中の「阪急宝塚山手台」をPRするため、2011年にビッグ・ネームの原田マハさんを起用し、自社HPに、『スイート・ホーム』と題したweb.小説を公開しています。 創作にあたっては、一般から広く、住まいや家族に関する思い出やエピソードを募集し、それらのエピソードを盛り込み内容をアレンジ・脚色したそうです。  さすが、原田マハさん。心の琴線に触 [続きを読む]
  • 吉田篤弘『神様のいる街』でも神戸の「海側」「山側」が話題に
  • 以前、神戸の南北の呼び方について、石田香織『きょうの日はさようなら』から引用し、「海側、山側」と表現することを紹介しました。http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061501/p11768572c.html 東京都出身で、神戸が大好きな作家・吉田篤弘さんも『神様のいる街』で話題にしていました。<「海側」「山側」という言葉を初めて耳にしたのは、JR神戸線の高架下にある“丸玉食堂”のカウンター席においてだった。> これは [続きを読む]
  • 今月の芦屋での読書会、課題図書は向田邦子『思い出トランプ』
  • 今月の課題図書は向田邦子『思い出トランプ』でした。天気は曇っていましたが、会場のベランダから甲山と夙川河口が見えます。夙川河口から少し東側に目を移すと、西宮砲台が見ていますが、台風21号の高潮で、御前浜の全域が一端水没し、西宮砲台も被害を受けたとのこと。遠目にはわかりませんが、大丈夫でしょうか。 読書会に戻りましょう。向田邦子さんは、私の好きな作家のひとり。東京にいたとき、向田さんが生前住まれていた [続きを読む]
  • 吉田篤弘が書こうとしていた神戸を舞台とした二つの物語
  • 吉田篤弘の自伝的エッセイ『神様のいる街』からです。吉田篤弘は予備校時代、神田の古書店に通い、「古本を買うこと」の意味を知ります。それからというもの「本をつくりたい」と強く思うようになり、ふたつの文章を書き進めていました。<ひとつはとても長い小説で、「ゴールデン・スランバー」あるいは「黄金のうたたね」と呼んでいた。いくつもの物語がつらなった、物語のかたまりのようなもので、冒頭は神戸をモデルにした港 [続きを読む]
  • ポートライナーは横にまわる観覧車(吉田篤弘『神様のいる街』)
  • 吉田篤弘『神様のいる街』は、高校生の終わりごろから結婚するまでのあいだに起きたことを、神戸と神保町というふたつの街を中心に据えて綴った自伝的エッセイ。<どうしても神戸に行きたかった。行かなくてはならない。(いま行かなくては駄目だ)と、どこからか声が聞こえてきた。>と、筆者の宝物のひとつと云っていいビートルズのレコードを売ってまで、東京から新幹線に乗って神戸を訪れたのは、創作意欲を掻き立てる街だった [続きを読む]
  • 東京出身の作家吉田篤弘の『神様のいる街』は神戸賛歌
  • 『神様のいる街』は東京出身の作家吉田篤弘(1962年生まれ)の青春時代を描いた自伝的小説。久しぶりに青春時代の心を思い起こさせてくれる小説に出会いました。 冒頭は、次のように始まります。<周波数を探っていた。日曜日の深夜だった。その時間帯だけ空気がきれいになる。壊れかけたラジカセのチューニング・ダイヤルを一ミリずつ動かし、東京から五百キロ離れた神戸のラジオ局の電波をとらえようとしていた。聴きたい番組が [続きを読む]
  • 三宮神社の境内は歓楽街だった
  • 神戸大丸の向かいにある少し小さな三宮神社、開港直後に神社の前を通る西国街道で国際紛争に発展した神戸事件が発生し、鳥居の横には「史蹟神戸事件発生地」という立派な石碑が立っており、三宮の地名の由来ともなっている由緒ある神社です。 先日、ノマドな神戸異人館ガイドさんに案内いただいて、境内に戦前は湊川新開地と並び称せられるほどの大歓楽街となっていたことがわかる全体図が掲示されていることを教えていただきまし [続きを読む]
  • 辻原登『ジャスミン』神戸の関帝廟へ
  • 辻原登『ジャスミン』は上海・神戸を舞台とした大人の冒険小説。 主人公の脇彬彦と妹のみつるが関帝廟を訪れる場面が描かれています。<許禮平の母親が亡くなった。許家の墓は神戸の滝谷の中華義荘にある。遺体は冷凍保存されてボストンから飛行機で運ばれた。葬儀は、中山手の関帝廟霊堂で営まれる。彬彦はみつるから電話で知らされ、数秒ためらったのち、参列を決めた。>東京に住む彬彦は神戸オリエンタルホテル(ANAクラウ [続きを読む]
  • 阪神大水害の時、神戸のドイツ人学校は何処にあったか?
  • 谷崎潤一郎『細雪』で、昭和13年7月5日の阪神大水害の日に、お隣に住むドイツ人一家の子供たちもドイツ人学校へ行っていて心配する場面があります。<「わたしの旦那さん、ペータァとルミーを迎えに神戸へ行きました。大変心配です」シュトルツ氏の三人の子供たちのうち、フリッツはまだ幼いので学校へ行っていなかったが、ペータァとローゼマリーは神戸の山手にある独逸人倶楽部付属の独逸小学校へ通っていた。> これはほぼ実際 [続きを読む]
  • 『華麗なる一族』に登場していた思い出のカイザー・スチール
  • 山崎豊子『華麗なる一族』では、万俵家の次女・万俵二子と阪神特殊鋼の社員で鉄平を慕う一之瀬四々彦は密かに交際しており、二人が神戸の南京町で食事をする場面があり、こんな会話が交わされます。<「いいお店ね、よくいらっしゃるの?」「ええ、時々―、僕はこうした、熱気が漲っているような町が好きなんですよ、去年の春、ロスアンゼルスのカイザー・スチール社へ出張した時も、ロスのチャイナ・タウンへ晩飯を食べに出かけ [続きを読む]