古石 さん プロフィール

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古石さん: きらいだから溺れる
ハンドル名古石 さん
ブログタイトルきらいだから溺れる
ブログURLhttp://blog.livedoor.jp/g_sec/
サイト紹介文オリジナルの小説(短篇)を載せています。 グロテスクホラー、ミステリなど。幻想、絶望に浸りたい時に。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供21回 / 365日(平均0.4回/週) - 参加 2012/10/24 00:20

古石 さんのブログ記事

  • クズ家(64-68)
  • ちょっと猟奇的な一家と、その飼い猫の記録。葛湯(クズユ)一家、略してクズ家。僕   … 拾われてきた黒猫。日々逃亡のチャンスを狙っている。64  昨夜の出来事です。 僕は夜道を一人歩いていました。 街中から外れたこの辺りにはネオンや街灯もなく、まったくの暗闇です。この時季にしては風が冷たく、雨が止んだばかりのアスファルトは酷くじめじめとしていました。 じゃり。と、音が鳴りました。視線をその方へ向け [続きを読む]
  • 霧の街(ミステリ)-23
  • 23 夜の中にいた。恐らくここは外だろうと、勝手に直季は想像していたが、真実のところはわからない。単にどこからか風が吹き付けているために、何となくそう信じ込んでいるだけに過ぎない。見上げてみるが、空と思われる頭上は暗くて、そこらに漂泊しているであろう雲の形どころか、一つの星すらも、何も見えない。冷たい地面からは、黒土のようなさらさらとした、しかしどこか湿ったような感覚が、裸足の足裏に伝わってきてい [続きを読む]
  • 霧の街(ミステリ)-22
  • 22 「……娘が〈冷酷非道〉になったのは、間違いなく、三黒先生の影響ですよね。……今すぐに、あの子の担任から外れてください。そうでなければ、この学校の教師であることを辞めてください。いずれかの対応がないなら、教育委員会に訴えます」 先立つ教頭に続いて職員室に入ると、挨拶もお座なりに、三黒は捲し立てられた。 明松さんのお母さんが見えています。そう事前に教頭から耳打ちされたことを思い出しながら、三黒は [続きを読む]
  • 『幻想映画館 2』(短篇ホラー)
  • ...just, for your despair(耐えきれない、絶望に)幻想映画館 -2  生温い、弱い風が吹いている。 暗い空には霞掛かった丸い月がぽっかりと浮かんでいる。雨粒で濡れた冷たい芝の上を裸足で歩いていると、ふと、いまはどのくらいの時刻なのだろうかと、不安になってくる。 自分のおよそ数メートル先を弾んだ足取りで歩いていた少女が、足を止めることなく振り向いた。 想像よりも白く幼い顔が、愉快そうにこちらを見た。「パパ [続きを読む]
  • ぼっこれ(ミステリ)-5
  • 5  苦い貌をしながら、慎は塵と埃で覆われた書斎の中を、片っ端から引っ繰り返していた。 昼間だと言うのに部屋の中は暗く、陰鬱である。天井の灯りは、スイッチによる反応をまったく見せない。単に電球の寿命切れというよりは、そもそも回路自体が意図的に切断されているのではないか……失笑にもならぬ、そんな想像が、なぜか頭に浮かんで消えた。仕方なく、デスクの上のランプのコンセントを繋ぎ、灯されたぼんやりした薄明 [続きを読む]
  • ぼっこれ(ミステリ)-4
  • 4 耶麻郡が発足されたのは、明治初期を幾何か過ぎてからのことであった。 幕末期には陸奥国に属していたもので、明治元年の会津戦争の後、岩代国の支配下となった。その後、正式に福島県の管轄となったのは明治九年のことであり、さらに二百以上あった村の数が二町三十四村にまで統合されたのは、市制、町村制が施行された二十二年以後になってからのことである。 一説には、当時、北山村と磐梯村の間に茅部村は存在するとされ [続きを読む]
  • ぼっこれ(ミステリ)-3
  • 3 目的の家屋に着くと、中は薄暗かった。 インターホンを押してみるが反応はなく、しかし戸に手を掛けると簡単に開いた。 石畳の玄関先には、薄闇に紛れて、なぜか男物の靴が一足だけ揃えて置かれてあった。 手探りで壁の電灯スイッチを見つけ指を当ててみるが、切れているのか、なぜか灯りは点かなかった。靴を脱ぎ棄て、几帳面に敷かれた褪せた色の絨毯を踏みしめると、その下の床張りが、ぎいぎいと厭な音を立てた。それに [続きを読む]
  • ぼっこれ(ミステリ)-2
  • 2 目的の駅に着いた頃には、すでに辺りは夕闇に包まれていた。纏わり付くような浅い夜気が冷たい空気となって、髪を吹き付けては去ってゆく。「……いい貌してるねえ、お兄さん……。ご旅行ですか…?」 駅舎を出ようとする時、不躾に駅員は慎にそう訊ねた。 慎が黙っていると、男は続けた。「お兄さん、もしオマネキチョウが目的なら、ここじゃないよ。ここは笊籬屋敷。名前は似てるけどね。アレは屋敷。屋敷駅。ここからだと [続きを読む]
  • ぼっこれ(ミステリ)
  • 1  ちらちらと頭上を雪が舞っている。頬を、鼻頭を、凍えるような冷気が突き刺している。 無機質なアナウンスが、電車の到着を告げた。 人波に続いて乗り込むと、すでに中は混み合っていた。到底疲れてはいなかったが、ぐずぐずと座りたい欲求が燻っていた。いつしか目の前の列は散り、この列車の中をふらふら彷徨っているのは自分だけのようである。幾つもの車両を渡り歩いた処で、ようやく二人掛けシートの窓際の空席を見 [続きを読む]
  • 『空っぽの…』(短篇ホラー)-3
  • 空っぽの… -3「………に…行くわ」「ああ…。……えっ?」 休日の夕方だった。この日は昼過ぎから大降りの雨が降っていた。寝ぼけた頭のまま寝室を抜け、リビングで寛いでいると、妻がちょうどコートを羽織っているところだった。「…え?どこ行くの?」ソファに座りながら妻を見上げると、青白いような顔が、ゆっくりと向けられた。「だから、病院よ」「病院…?体調でも悪いのか?」「べつに、そういうわけじゃないけど」「じ [続きを読む]
  • 『空っぽの…』(短篇ホラー)-2
  • 空っぽの… -2 それから、わずか数日後のことだった。 どたん、と大きな音がして深夜に目を覚ますと、隣で眠っていた筈の妻の姿はなく、寝ぼけた足で物音のする方へと向かうと、すっかり冷え切った風呂場で下着姿の妻が背を丸めてタイルの床に屈んでいた。「な、何してるんだ、こんな夜中に……」「あら、起きて来たの?」酷く血色の悪そうな妻の顔が、長い髪の隙間から覗いた。「何でもない。ちょっと転んだだけよ」「こんな時 [続きを読む]
  • 『空っぽの…』(短篇ホラー/改稿版)
  • 空っぽの…  ………ええと、何から話していいものか。 あの頃……妻がまだ生きていた頃は、僕にとって天国だったのか、地獄だったのか。幸せだったような気もするし、そうでなかったような気もする。 確かに言えるのは、生前妻はとても美しい容姿の持ち主で、僕の前だけで見せるほんのちょっとヒステリックな一面もあったけれど、育ちや教養面においても、僕には勿体ないくらいの相手だったということ。………いや、ちょっと [続きを読む]
  • クズ家(59-63)
  • ちょっと猟奇的な一家と、その飼い猫の記録。葛湯(クズユ)一家、略してクズ家。僕   … 拾われてきた黒猫。日々逃亡のチャンスを狙っている。59  よそ見をして歩いていたら穴ぼこに落っこちたのです。なぜこんなところに。  何者かが僕を罠に嵌めようとしているのです。許せないのです。 60  ぐにょぐにょした何かに襲われる夢を見ました。  え。 誰ですか。僕にネッククーラーを巻き付けたのは。 虐めなのです [続きを読む]
  • 『Ivy』(短篇ホラー)-2
  • Ivy -2 気が付けば、纏わり付くような夜気がリビングを満たしていた。慌ててソファから跳ね起きると、反動で太腿の筋肉が引き攣った。痛い。しまった。一休みのつもりが、すっかり熟睡してしまっていた。夕食はまだ食べていない。夫は?娘は?なぜ誰も自分を起こしてくれなかったのか?しかしそれにしても暗い。一体いまは何時なのかしら?… どうにもよく眠気の去らぬ頭でふらふらとリビングを抜けると、暗がりのプレイルームへ [続きを読む]
  • 『Ivy』(短篇ホラー)
  • 閲覧いただきありがとうございます。グロテスクホラー作品になります。ご理解のある方のみ、閲覧下さるようお願い致します。Ivy  けたたましい叫喚でロンは目を覚ました。 休日の朝だというのに、一体何事だろうか?そんなことを思いながら、枕元に置いていた腕時計を手繰り寄せると、針は午前三時半を指していた。朝どころかまだ夜中じゃないか。この時間に何の騒ぎが起こり得るというのか?横を見ると、すぐ隣のベッドで寝 [続きを読む]
  • らくがき
  • こんにちは。たいしたことないボリュームですが、久しぶりに落書きでもアップしようと思います。 で原寸。スマホからでも大丈夫ですが、PCからの閲覧推奨です。 [続きを読む]
  • 雑記
  • こんにちは。怖い話真っ盛りの季節…!ということでもないですが、現在新作ホラー短篇を執筆中です。まだすぐにはアップできそうにはないのですが、お楽しみに。---------------------------------『Ivy』(短篇ホラー)「……パパ。じゃあ、クマちゃんが生きている証拠を見せて……」 ロンにはアイビーという五歳になる愛娘がいる。父親として娘のすべてが愛おしく、甘やかしていたが、一つだけ大きな気掛かりがあった。それは、 [続きを読む]
  • 霧の街(ミステリ)-21
  • 21 昼休みの校舎で、ベランダに出てみると、すぐに目的の人物は見つかった。一人冷たい地べたに座って菓子パンを齧っている教師の横に、直季はそっと立つと、柵に寄り掛かった。「…寒く、ないんですか」「寒いよ」「……〈霧の中の悪魔〉って、一体何なんでしょうか?」「…唐突だな」「知っていますか?この町を取材していた、蔵影という記者が、亡くなったこと」「ふうん」「……恐らくですけど、蔵影さんは死の直前、霧の中 [続きを読む]
  • 霧の街(ミステリ)-20
  • 20  およそ三十分掛けて校舎から自宅に辿り着いた時には、すっかり日は暮れていた。 家の前の細い路地を抜けて玄関先まで来た時、少し離れた空き地の道路脇に、一台の灰色の乗用車が停まっているのが目に留まった。 不審に思っていると、車両のドアが開く音がして、運転席から白いワイシャツ姿の男が降りて来た。見知らぬ顔。ゆっくりと距離が迫る。口元だけに笑みを湛えながら、その男は真っ直ぐに直季の方へと足を進め、そ [続きを読む]
  • 霧の街(ミステリ)-19
  • 19 「………以降特別に屋上を開放するが、雨天決行、しかしこの天候じゃあまず見られないだろう。六時には施錠が入る。気の向く奴は行ってみるといい」 三黒が沈黙し、その目が己の腕時計を確認したところで、我に返った。 半ば上の空で話を聞いていたが、気付けば教室から教師は去り、朝礼は終わっていた。「……今の、何の話?」「花火の話」 椅子に座りながら隣に向けて訊くと、頭上から声が返って来た。「…明松さん」「 [続きを読む]
  • クズ家(56)
  • ちょっと猟奇的な一家と、その飼い猫の記録。葛湯(クズユ)一家、略してクズ家。僕   … 拾われてきた黒猫。日々逃亡のチャンスを狙っている。※21話、43話の続篇です。21話の閲覧には十分にご注意下さい。--------------------------------------------43  ……… 久しぶりにお父さんの書斎部屋に入りました。 相変わらず壁一面にひょっとこのお面が並んでいて不気味なのです。ふと、床に落ちている紙切れと目が合いまし [続きを読む]
  • シークレット・リンク3
  •  お久しぶりです。閲覧いただきありがとうございます。 〈目次〉ページ内に、 シークレット・リンク第三弾を設置致しました。 シークレットシリーズは、一旦これで締めくくりとなります。 終幕に相応しい闇を、用意致しました。  どうぞ、迷い込んでみてください。 [続きを読む]
  • 霧の街(ミステリ)-18
  • 18 部屋の窓から吹き付ける、降っているともわからぬ小雨に髪を湿らせながら、スマホを片手に、ぼうっとソファに沈み込んでいる。 時刻は昼時を示しているというのに、日差しはなく外は薄暗い。さらには、電気の付いていない部屋の中は、まるで夜のような暗さに満ちている。 午後二時半。平日の真昼間。退屈、ということもないけれど、特に何をする気も起らず、かれこれこうして数十分、ひょっとしたら数時間の間、直季はどう [続きを読む]
  • クズ家(53-55)
  • ちょっと猟奇的な一家と、その飼い猫の記録。葛湯(クズユ)一家、略してクズ家。僕   … 拾われてきた黒猫。日々逃亡のチャンスを狙っている。 53  ご飯の時間なので行ってみると、カップ麺が床の上に置かれていました。  お母さんめ。いやがらせなのです。 54  カップ麺の腹いせに、お母さんの鼻下を尻尾でもふもふしてやったのです。すると、 「……黒吉、ち [続きを読む]