ゆゆ さん プロフィール

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ゆゆさん: いちご牛乳の王冠。
ハンドル名ゆゆ さん
ブログタイトルいちご牛乳の王冠。
ブログURLhttps://ameblo.jp/w-3ms/
サイト紹介文やさしくちいさなやわらかいひと雫
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供11回 / 365日(平均0.2回/週) - 参加 2012/12/05 18:03

ゆゆ さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 世界の天井の上に美しの塔の鐘が鳴る
  • がらんがらんとカウベルの音が聴こえてきそうで耳を澄ました。遠くで牛たちが草を食んでいる。牧場の柵に沿って緩やかに続く道の先には、美しの塔がある。 「不意に開けた眼前の風景にしばらくは世界の天井が抜けたかと思う」かつて美ヶ原高原を訪れた山の詩人がそう讃えるほど、美しい草原がどこまでも広がっている。はじめてきたはずなのに、いつか見たような記憶がある。たしか、塔の中には階段があって…。 カーン、カーン! [続きを読む]
  • 金曜日には金木犀の花を
  • 金木犀の香りがほのかに甘く鼻をくすぐった。オレンジ色の小さな花を探し出せたら、はじめて秋を迎えた犬のように鼻をくっつけてしまいそう。いまさらながらアガサ・クリスティを読んでいる。推理小説は最初のページから結末を探しているようで、昔からどうも窮屈で食わず嫌いだった。でも、今はすっかりハマってしまう。いつの間にか緩んだ髪ゴムを結び直そうとしていると、金木犀の花がいくつかこぼれ落ちる。あれ?こんなとこ [続きを読む]
  • パッションフルーツの花とソーダ味の水色の空と
  • ガリガリ君を食べたのは、いつの夏以来だろうか。齧っても齧ってもシャリっとしかいわない。早くも溶け出して、水色の滴が指から手首へと伝った。 わたしの住む街では最高気温が40℃を記録した。暑いというよりも、酷く暑かった。パッションフルーツの揺れる葉から零れる陽射しをちらちらとさせながら、 サンダルで立体駐車場の階段を鳴らして上った。それがこの夏いちばん暑い日だった。 暑いと言うたびに消耗していったのは、 [続きを読む]
  • 夏の鹿の子模様
  • 真っ黒なまんまるの瞳が艶々に光る。『鹿注意!』の看板があったとはいえ、道路の真ん中で驚いて急に立ち止まる鹿に、わたしもフリーズする。人間とはじめて出会った鹿らしく、その瞳には驚きしかなかった。わたしだって、野生の鹿ははじめてだ。どうもはじめまして。哺乳類霊長目ヒト上科ヒト科のゆゆです。ほっそりとした脚が羨ましいです!なんて、あくまで友好的なのに鹿は1ミリも動かない。もしかして、さっきわたしが鹿肉 [続きを読む]
  • 薄い雲のその後ろを流れる天の川と70%の星空の夜
  • 天の川が小さな星の集まりじゃないと知ったのはいつだっただろう。今夜は天の川を探しにやってきた。 真夜中の霧ヶ峰高原の展望台は闇に沈んでいた。見上げると仄かに明るいのに、近くを見ようとするとぴたりと暗闇が貼りついてくる。こんなときに限ってサンダルを履いているなんて。踏み出す一歩も闇に紛れた。 満天には足りない70%の星空は、それでも小さな星まで見えた。北極星とそれから…。ひときわ遠く、ミルクを零した [続きを読む]
  • 桜色の希望的観測で
  • 花粉レーダーによると今日も「非常に多い」となっている。すでに飛び去った分を差し引いたとして、ひのきもあるから。ええと…。まだまだたくさんだ。 鼻をくすぐるのがたったひとつの花粉だったとしても、たぶん、くしゃみを3回はいけるはず。わたしにとって春は花粉でできているといっても過言じゃない。 満開の桜の下でやわらかな空を見上げると、それでも春が好きですと言ってしまうけど、今にもくしゃみが出そうなくしゃく [続きを読む]
  • パンはパンでも、はらはらするパンはなーんだ?
  • 「パンダは木に登るのは好きですが、大人になっても木登りが下手で木から落ちることがあります」なんていう可愛らしさ!結浜(ゆいひん)が右足を踏み外した。みんながはらはらしながら見守っている。パンダがいると聞いて和歌山のアドベンチャーワールドに行ってきた。パンダたちはお尻を向けて眠っているわけでもなく、本日の主役であることを知っているかのように、正面を向いて夢中になって笹を食べている。笹団子も熊笹茶も [続きを読む]
  • 1月のクマたちと小さな声で
  • 目下、茶色のクマが2頭も居すわっている。かれこれ10日以上にもなるはずだ。 インフルエンザに大当たりするなんてねえ?と少し痩せたことにも苦笑いしまう。新年にすっかり遅刻してしまった理由が、こうしてわたしの目の下にクマとなって現れていた。 できれば誰にも聞こえないように。小さな声で。でも、心から。2018年もどうかよろしくお願いします。ゆゆ。 [続きを読む]
  • うにゃんの右手と、あにゃんの左手も借りたい
  • 三毛猫のうにゃんとハチワレのあにゃんが並んでいる。その可愛らしさといったら、 わたしもすっかり招かれてしまうくらいだ。もちろん片手には、さっき買ったばかりのひと口齧ったメンチカツを持って。 ああ。猫の手も借りたい!と言っているくせに、ときどきこうして立ち止まってしまうのは、泣いても笑っても、メンチカツにソースがかかってなくても、今年も大晦日がやってきてしまったからだ。 * 今年もお付き合いいただき [続きを読む]
  • そして、軍艦島ノスタルジー
  • 水平線の向こうから、待ちわびるようにその姿を現した。小さな島というにはあまりにも圧倒的で、 それは全く朽ちた軍艦だった。 長崎県にある端島に行ってきた。別名・軍艦島。かつて海底炭鉱によって繁栄を極めた小さな島は、いまは無人島になって廃墟と化していた。 硝子のない窓という窓からは暗闇が覗いて見える。崩れかけた建物は風や雨によって日々浸食され、それゆえ鳥たちの住処になっているなんて。時間とともに忘れ去ら [続きを読む]
  • ノックしているのは?
  • 心臓の音が騒々しいほどに、どきどきと聞こえた。正しくは心臓の鼓動が伝わって身体が振動している。でも確かにあの時、鼓膜の内側からノックする音を聞いたんだけど。ある朝、突然左耳が聞えなくなった。突発性難聴だった。なんだかんだと今ではすっかり治ったとはいえ、ときどきチューニングが合わないような心地悪さが蘇る。今夜のような冷え込む夜にはきまって。 そういえば、立冬を過ぎたんだった…。設定温度に達したファン [続きを読む]
  • 10月に金木犀の風が吹くと
  • 深まりゆく秋が駆け足になって金木犀の風が吹きはじめた。木から落ちた小さな花が、くるりとつむじを巻いた。ああ。歩道の隅っこに甘さが凝縮していく。いつのころからかわたしの中で、金木犀とモンブランが密接に繋がっていた。たぶん、フォークでひと口掬ったような、そんな濃厚な甘さが似ているのかもしれない。金木犀の香りがするとモンブランが食べたくなる。それはニアリーイコールではなく、ケーキ屋さんへ辿りつく一連の [続きを読む]
  • 踊るスカートの裾、揺れる木漏れ日
  • まあるい形の木漏れ日が手のひらに落ちた。ぎゅっと手を握ると指の隙間から逃げて、そしてまた現れる。ときどき立ち止まっては、夏を掴んだ。 いつだって振り返ると夏は短いのに、はじまりはいつも新しいサンダルで、もたつきながら歩く速度で時間が過ぎていく。スカートの裾が揺れて、小さな風が脚をくすぐった。木漏れ日がくるくると踊り出す。蝉の鳴き声が爽やかに聞こえるのは、きっと今のうちだ。 [続きを読む]
  • 6月の水玉模様
  • ご機嫌を損ねているのは、閉じたままのわたしの傘だ。カラフルな水玉模様をまだ見ていない。 青空を仰いで、雨の匂いをかいだ。たしかに、近くまできているのだけど。紫陽花の柔らかな花の色はどこか遠慮がちで瑞々しい青葉は退屈そうに、葉の先にちらちらと日差しを揺らした。6月だというのに、いまだ雨待ちだなんて。だからといって、雨が好きというわけじゃなくて、たとえば青空に一点の曇りを見出すように、おでこに落ちるそ [続きを読む]
  • 雲に沈んでいた天空のポピー畑
  • 深く霧が立ちこめて、重ための一軍が足元に流れる。丘の向こうにあるはずの青空も、道路を渡る牛たちやポピー畑もすっかり雲の中だ。 圧倒的多数の赤色の中で、少数派の白とピンクが蝶のようにそよぐ。どちらが引き立て役かなんて、野暮過ぎる疑問だ。 今にも開きそうな蕾を息を止めて見つめる。飽和状態に達した霧が、わたしの前髪にからみついた。ああ。これじゃ傘が必要だ。もちろん、ポピーの蕾にそっと傘を差し出すために。 [続きを読む]
  • しまなみ海道の小さな島と瀬戸田の柑橘の甘酸っぱさ
  • 総じて塩味というのはどうしてあんなにも塩っぱいんだろうと、伯方の塩は敬遠した。それに比べて、尾道の桃の可愛らしさといったら。 徳島、香川、そして愛媛の今治からしまなみ海道へと、瀬戸内を巡る旅は生口島でひと休み。ジェラード専門店のドルチェ本店のテラスからは、瀬戸内の穏やかな海が目の前に広がっている。 ときどき、小さな白波が立つ。それがウミネコに見えたのは、高速船に反射した光のせいか、もしくはさっき通 [続きを読む]
  • オレンジ色のグラデーションの端っこの中心で
  • 階段の手すりにうっすらと降り積もる。見上げると、たわわな枝の先がぼんやりとオレンジ色をしていた。ああ。あれは絶対に見てはいけないものだ。 こんなに離れているのによく見えるのは、「あくまでイメージです」と曖昧にしていたいのに、まるでパブロフの犬のように反応して、大きなくしゃみがどうやら誘われてしまっている。 手すりに触れた指先が、じわじわと世界の中心になりつつある。くすぐられている鼻をつんと上に向け [続きを読む]
  • 重たい色のコートとごっそりと砂が入った靴
  • 踏み出した足が砂に取られて埋もれてしまう。身体をぐらぐらとさせながら、不揃いな形と間隔でわたしの足跡を砂浜につけていく。 長く伸びた髪は海風の吹く方向を探しだして、真っ白なおでこを日に当てた。んーー!気持ちいーい。ごっそりと砂が入った靴の中がさっきから気になっているのに、 そんな言葉が口をついた。 いつになく靴が窮屈で、いつのまにか重たい色のコートも似合わなくなって、今日は全てが不揃いなはずなのに、 [続きを読む]
  • もうすぐ春だけど、とはいえ春だから
  • 強いて言うなら、少し派手過ぎるんじゃない?そんなわたしのダメ出しが聞こえたかのように、仄かな梅の香りが鼻をくすぐった。明日には春がやってくることを知っていて、それでいて知らないふりをしてしまう訳は、曖昧で暖かい春にはいつも待たされてしまうからだ。絡まるように伸びた枝が、青い空に張り巡る。ひっそりと梅が隠れていたのも、きっとそのせいだ。たぶん、わたしだけじゃない。枯れ色をした下草の頑なな繊維につま先 [続きを読む]
  • 深い青色は、冬の海よりも深く青く
  • 水平線の上を流れる雲の前を、ゆっくりと自転車が走った。そのとき時間が止まって見えたのは、ちかちかと点滅する信号のせいなのかもしれない。 もうすぐ、海だよ!と言って、眩しさに手をかざした。生まれてはじめて海を見つけたみたいに、誰よりも先にはしゃいでしまうのは、きっとわたしの住んでいる街には海がないからだ。 今年はじめての海はT字路の交差点の突き当りの先にある。背伸びをして、その色を見る。忘れているこ [続きを読む]
  • 小さな声を春風にのせて
  • すずしろの端っこをちょっと噛みながら、この苦さが優しいんだよね?と。今年はまだはじまったばかりなのに、訳知り顔をして、七草の日には七草粥を大きなスプーンで掬いたい。 いつもより控えめに。でも心から。穏やかな1年でありますように。2017年もどうかよろしくお願いいたします。 ゆゆ。 [続きを読む]
  • かつて、ひとりのカープ女の子がいた
  • 大きめなキャップを被っているのは、まだ子供で頭が小さいからだ。かつて、ひとりのカープ女の子がいた。とはいえ、カープファンではなく、ただ兄のキャップが羨ましく、それに女の子だったから、カープの赤いキャップがお気に入りだった。金色の刺繍で飾られた古いアルバムを開くと、若かりし頃の母がいた。結婚式の白無垢の姿からはじまって、細い腕に抱かれた小さな兄やわたし、ああ。この青い車でどこへでも出かけたんだった [続きを読む]
  • ふかふかの羽毛とあったか駱駝色の脚
  • バルコニーの手すりを歩くスズメと、窓越しに目が合う。昨日えさをあげたばかりじゃない?海から吹いてくる強い風に、傾げた首の隙間から、ふかふかの羽毛がちらりと見えた。 こんなに晴れているのに、外は冬の空気が充満している。だけど、わたしの脚はズボンをまくるとあったか駱駝色だ。寒い寒いとばかり言っていたら、父がももひきを貸してくれた。ちらりと見え隠れするあたたかさは、寒かった記憶とさりげない優しさから作ら [続きを読む]
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