八重土竜 さん プロフィール

  •  
八重土竜さん: 七人と透明な私
ハンドル名八重土竜 さん
ブログタイトル七人と透明な私
ブログURLhttp://yaemogura.blog.fc2.com/
サイト紹介文ガチで小説家目指して小説書いてます。幼女が大好きです。アドバイスとかしていただけると嬉しいです。
自由文小説家目指して小説書いてます。
小説は俺得小説しか書きません。基本気まぐれで勝手で、適当なやつです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供37回 / 365日(平均0.7回/週) - 参加 2012/12/08 01:22

八重土竜 さんのブログ記事

  • 水王 10
  • 「それじゃあ、マリウスは妖精で、妖精の中の王様ってこと?」「だから、同じことを何度も言っただろう……」「マリウスの言葉は難しくって分かりにくいんだもん。クンリンとかギョクザとか、食べ物の名前かと思ったよ」「森人種と言うのは聡明な者が多いと聞いたが、どうやらその限りでもないらしいな」「……? ソウメイ? また食べ物の名前?」 首を傾げるカーラに恐れをなしたのか、マリウスが瓶の中でちゃぷちゃぷと揺れた [続きを読む]
  • 水王 9
  • 「うーん……ヒスイはね、いつも剣だけど、身長が高くってかっこいいよ。あ、あと仮面をつけてるかなぁ」「ふむ……私も瓶の中から出たら人の形なのだがな」「ああ、そうか。ヒスイの剣がマリウスの水なのか。じゃあ、マリウスが妖精でも変なことはないね」「あ? ……うん?」 と、マリウスがとうとう不思議そうな声を上げた。 彼の理解はどこにも追い付いていないようだった。 一人で納得していたカーラが気を取り直すように [続きを読む]
  • 水王 8
  •  時間は正午に差し掛かっていた。昼食を求める人波はほんの少しだけ後ろめたいものを抱えるカーラには居心地が良い。歩いていく人たちはきっと水の入った瓶を持つ森人種には全く興味を示さない。 目の前を煌びやかな衣装を着て日傘をさした女性が通り過ぎた。カーラがそれを目で追いかける。 その人が人ごみに消えたころ、瓶を太陽の光に透かした。水のなかにぷかぷか浮かんだ幾つかの目が彼女の目を追いかける。 「魔物かなぁ [続きを読む]
  • 水王 7
  •  人の気配がないのを覗って、カーラがテントの間から抜け出す。 街中に抜ければいいだけだと自分に言い聞かせて走り出すと、曲がり角から体の大きな男が姿を現した。 カーラの姿を認めると、怪訝そうに眉をしかめる。「お前、何だ? どこから入った?」「あ、えっと……」 うまい言葉はもちろん見つからない。嘘をつけるほど器用でもないのだ。 男がのしのしと迫ってくるので、後ずさりすれば後ろからも人の気配が近づいてく [続きを読む]
  • 水王 6
  •  瓶に浮いているその丸い粒をよくよく見つめると、その粒と確実に目が合った。 大きさは爪の先にも満たないようなものだが、カーラと似ている黄色い虹彩がきらりと彼女を見つめていた。「目だ!!」「こんなことで驚くのは早いぞ」 と、声が笑いをかみ殺すように言った。 その声は確かに瓶から聞こえているようである。「私はマリウスだ。マリウス・ロドロ・アレクシアウス」 瓶の中の何者かが淀みなく自己紹介を始める。カー [続きを読む]
  • 水王 5
  • 「お願いだ! 助けてほしいんだ! ここから逃げ出したい。私には帰らなければいけない場所があるんだ!」 切羽詰まった声が、悲鳴のように響いた。こんなに大きな声を出しては見つかるのではと思い、カーラがあたりの気配を探るが、人の息遣いはなかった。 きっとどうしようもないくらいに困っているのにがいない。色梟がカーラの顔を見つめたが、ふいっと視線をそらしてしまった。まだ子供だが、大きく膨らんだ胸の羽が成鳥に [続きを読む]
  • 水王 4
  •  入ったテントはがらんとしている。大人が十人は入れそうな広さはあるが、それだけだった。テントの端の方に丸められた紙ごみがまとめられている。カーラの目の前に左手のない木製のデッサン人形が転がされていた。 自分を呼んだ人は誰だったのだろう、あたりをぐるりと見まわすと、テントの端からまた土気色の手だけが付きだす。先ほどと同じようにぎこちない動きでカーラのことを手招きした。「こっち」 と声が招く。 後ろに [続きを読む]
  • 水王 3
  •  テントは人の話し声で揺れているようであった。大変興味深い見世物が終わって、ほとんどの人々がテントの出口へと足を向けていた。 カーラがもう一度ステージの方をうかがう。もう何もいなかったが、心のどこかでは引っかかるものがあった。 フードをかぶりなおした森人種(エルフ)が人波の中に紛れる。帰る人とすれ違うように歩いていく目をらんらんとさせた人たちをカーラは見ていた。きっと夜の部もあるのだろう。ほとんど [続きを読む]
  • 水王 2
  •  ステージに上げられたのはかごいっぱいに詰められた色とりどりの鳥たちだった。どの鳥もきらめく宝石を付けられている。 観客がどよめいた。あの輝く宝石たちを見てのことだろう。かごに詰められているどの鳥たちも決して珍しいものではなかった。 カーラがかごの中を一通り見るが、その中に彼女の探しているフクロウの姿はない。 狭いところに閉じ込められた彼らの口がパカッと空いた。「オハヨウゴザイマス!」 甲高い声が [続きを読む]
  • 水王 1
  •  小さなかごに魔物が詰め込まれている。さも珍しいもののように並べてあるが、それのどれもこれもカーラ・アルバストの目には新しいものではなかった。 自分よりも少し年上に思える女の子たちが虹色の蝙蝠の入ったかごをしげしげと見つめていた。 蝙蝠の暗い色の目がカーラをじっと見つめたが、黄色い瞳はそれに答えなかった。 きっとこの箱に入っているどれもこれもがこの強固な門と高い壁に囲まれたこの町では珍しいものなの [続きを読む]
  • 5月6月のお知らせ
  • ご無沙汰しております。八重土竜です。5月も中旬に入り気温がぐっと上がりましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか。私はバナナとイチゴのアレルギーに苦しんでおります。人生初と言っても過言ではない食物のアレルギーでして、戸惑いが隠せません。好きなものが食べられないって辛いですね。長々と放置してしまっていたこのサイトですが、今月から再び更新していこうかしらと思っております。片手間になってしまうことも多いかと [続きを読む]
  • 新年のご挨拶
  • あけましておめでとうございます、八重土竜です。皆様いかがお過ごしでしょうか。昨年イベントや私生活でお世話になった方々、またこのサイトを見に足を運んでくださる方々、この場を借りてお礼申し上げます。今年も何卒よろしくお願いいたします。私はルーンファクトリー4にドはまりしております。寝る間も惜しんでやってます。(白目)推しはジョーンズ夫妻です。夫のジョーンズさんがちょっと病んでてかわいい。(作文)新年早 [続きを読む]
  • 有効活用
  •  まただ、と思うしかない。男の心はこれをどう処分し、かつ有効に活用するべきなのかという思案に満たされていた。どうにも都合とタイミングが悪かった。「盾だね」「盾だぞ」「おっさんが使うの?」「カーラ使いたいか?」「大きくてカーラには持てないと思うよ」「傘とかにならなるんじゃないか?」「ならないよ。変なこと言わないで」「だよな」 男バラン・ジャージーと森人種(エルフ)の少女カーラ・アルバストの会話は軽や [続きを読む]
  • 再利用
  •  大人一人と子供四人の旅には色々困ったことがある。 一つ一つを挙げると切りがないが、まず解決すべきは彼らが今直面している不便だった。 旅をする中で武器というものは絶対に必要になる。それは大男と同じくらいの大きな剣であったり、妖精が成り代わった緑色の剣であったり、よくしなる弓であったり、鋭い短剣であったり、形のない魔法であったり。 それぞれがそれぞれの特性を生かして、最も使いやすいものを使うのだが、 [続きを読む]
  • 味知 2
  • 「ちょっとぉ!!」「アイシャが悪い」 と、手についた水を払い落とす。そのまま流れるように手はポケットに差し込まれた。小さなポケットから二つの飴玉を引きずり出して一つは自分の口の中に放り込む「。残りの一つは少し迷ってからアイシャの口の中に突っ込まれた。 口をもごもごと動かす二人が湖畔に座って、波の音を聞く。 クシャクシャになってしまったハンカチはフィアの手によって一生懸命に伸ばされてから折りたたまれ [続きを読む]
  • 味知 1
  •  砂の味がした。味というか、食感だ。小さな石の粒の、よく見るといろいろな色の、時々透明なものや、魔法石のような色まで混ざった、あの砂の食感がした。 葉っぱや、根っこ、木の皮、骨、角、虫、毛。いろいろなものを食べてきていたが、流石に砂はなかったな、と思い直して吐き出そうとしていたものをもそもそと噛んでみる。 奥歯にすり潰された音が骨にまで響いて、気持ちわるいような、何とも言えないような、小さく、柔ら [続きを読む]
  • 倦怠
  • 「じゃあ、兄さん。ちょっと行ってくるよ」「ああ。暗くなる前に――」「わかっているよ」 陽にかざすと透けるような、赤い髪の毛が翻った。「兄さんも、どこか出かければいいのに。ここは、いいところだよ」 最近買ったばかりのブーツで、よく出かける。木で出来た籠を持って、少しの飲み物と、食べ物を持って、武器は持たずに。 グスタフの最近は実に充実していた。 隠れなくとも良いというのが、こんなにも充実していること [続きを読む]
  • 真正
  •  さて、ここ最近の私の生活について特筆するべきこともないのだが、怒るようなことはたくさんあった。 少しそれの整理と自分の中で収めるためだけの文章を書きたいと思う。 先日のことである。友人に「そのピアスかわいいね。でも、左耳だけのピアスはレズビアンに見えるからやめたほうがいいよ」とありがたいお言葉をいただいた。 さて、この言葉において私が引っかかってしまった点は三つある。きっと、なんともない人からす [続きを読む]
  • 森の精 6
  • 「僕は、酷い人なんだ」「そんなことないよ」「あるんだ。聞いて。僕がどんなに酷い人なのか」 それが彼女の秘密であることをカーラは願わずにはいられない。「僕はどこで生まれたのか知らない。気がついたら、その場所にいたんだ。他の皆にみたいに、特別なところはなかったんだけど、ある日、人の傷を治せることに気がついた」「フィアの治す魔法のこと?」「うん。でも、僕はそれを特別だとは思ってもいなかった。だって、自分 [続きを読む]
  • 森の精 4
  •  虚の中の土は乾いている。フィアを中へ連れ込んだカーラはなんのこだわりもなくそこに寝転がった。フィアは木にもたれかかるようにして縮こまっている。時折心配そうに辺りを見回すが、たったのそれだけだった。 ふたりの間にしばらく会話はなかったが、その静けさを壊す音がとうとう鳴り響く。 フィアが自分のお腹をさする。カーラが緩く笑って今日採った木の実を差し出した。「今日の夕飯は木の実だね。いっぱいあるから、お [続きを読む]
  • 森の精 2
  •  今のフィアは初めて彼女に会った時の印象とは全く違っている。あの時の彼女はもっと活発で忙しなく見えたのだが、ここ最近の彼女はただただぼんやりとしたまま、何か考えているような感じだ。自分たちといるのが詰まらないと感じているのかと心配していたが、バランに対しても同じような態度をとっているので、彼女の本心はわからないままだ。 少し仲良くなったら違うかも知れないと今回森に遊びに誘ったのだが、こんなことにな [続きを読む]
  • 森の精 5
  •  黄色の瞳が、茶色のそれを覗き込んだ。「カーラはその七始祖の子孫なんだって」「そうなんだ」「驚かないよね」「うん」 フィアが頷く。小さくて傷だらけの少し冷たい手がギュッとカーラの手を握った。「だって、カーラはここにいるでしょ?」 それがフィアの精一杯の言葉だった。「そうだね」 とカーラが笑って頷いた後、二人はまた無言になった。 下を向いたフィアが下唇を噛んで深刻そうな顔をしている。「フィア、どうし [続きを読む]
  • 森の精 3
  •  フィアの戸惑いなどどこ吹く風でカーラが木の虚に頭を突っ込む。中は小さなふたりが寝るのには十分な広さだ。 戸惑いもなく慣れた様子で中に入ろうとするカーラの腕をフィアがしっかりと掴んだ。思いの外強い力に星が瞬く。「どーしたの?」「危ないよ」「中、広いし、外にいるよりあったかいよ?」「ダメ」「どーして?」「ダメなの、だめ。僕はカーラが心配」 フィアの言葉にカーラが笑う。彼女の関心が自分に向いているとい [続きを読む]
  • 今後について
  • こんばんわ、八重土竜です。先日のコミティアにて当サークルに足を運んでくださった方ありがとうございました。まともな宣伝と、対応ができなくて申し訳ありませんでした。本日は、このサイトや、八重土竜の今後の創作活動についてのお話があります。今年の初め頃から創作活動を少し休もうか考えていると色々なところで相談していたのですが、今回区切りをつけてその区切りまで活動することに決めましたので、ご報告させていただき [続きを読む]
  • 森の精 1
  • 「あれ? こっちじゃないみたい。困ったなぁ」 と、森の中で少女のぼんやりとした呟きが聞こえた。「迷っちゃったみたい」 とカーラ・アルバストが焦りの見えない呟きを後ろに立つフィア・ラッチェに向けた。 少女のどちらもまさかこんなに森が広く深いとは思っても見なかったのだ。 カーラの耳元でいくつかのピアスがきらりと揺れる。「フィアはどうしたらいいと思う? おっさんたちを探す? それとも探されるのを待つ?」 [続きを読む]