みずのゆう さん プロフィール

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みずのゆうさん: みずのゆうの 小さな小さな物語
ハンドル名みずのゆう さん
ブログタイトルみずのゆうの 小さな小さな物語
ブログURLhttps://ameblo.jp/yumizuno36/
サイト紹介文ここにはオリジナルの小さな物語を掲載しています。 童話や絵本あるいは癒し系の小説のような内容です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供4回 / 365日(平均0.1回/週) - 参加 2013/02/11 23:38

みずのゆう さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 『夢おち』
  • 「ちょっとずつ時間とか何かがずれていく感じなんだよなあ……。」「ふーん。で、どんな夢だったの?」「覚えてない。」「えーっ。」「100年分ぐらい、いっぺんに見たような気はするんだけど。」「まったくもう、しょーがないんだから。人をほったらかしにしといた責任はとってもらいますからね。そう!こんどの土曜日、あの映画、公開初日だから……。うーん。そう言えば、舞台挨拶ってどこでやるんだろ。もし……」いつもと変わ [続きを読む]
  • 『波音』
  • まっくらな海。繰り返す波音を、ぼくたちはただ見つめていた。ほんの数時間前の体育館での熱気が嘘だったかのように、風がほっぺたをすり抜けてゆく。負けたんだな……。3年間のつらい日々が、まるで空っぽになったケーキ箱のように、今はむなしく感じる。「わーーっ!」隣にいたキク太が、いきなり叫びながらぼくに飛びかかってきた。びっくりだ!なんだ、なんだ。あわてて抵抗する。(こいつ!ぼくを海に落とす気だな。)さっき [続きを読む]
  • 『冬の大三角』
  • やあ、ペテルギウス。久しぶり。一年ぶりぐらいかな。犬の散歩かい?よーしよし、シリウス、元気だったか。お前はいつもおとなしいな。おっ、わかった、わかった。プロキオンは相変わらずだな。これからどこへ行くんだい?そうか、狩りか。さそりに気をつけろよ。じゃあな。また来年の冬、会おうな。 [続きを読む]
  • 『星のカケラ』
  • ハロウィンの夜は、魔法がかかっている。誰でも、ほしいものを手に入れることができる。「へっ、へっ、へっ。オレは龍のつのを手に入れたよ。」「あら、あたしなんか夕焼けのしずくをビンづめにしたわ。」「ぼくは、これさ。」「なにそれ。」「ただの石ころじゃないか。」「ううん。これはね、星のかけらだよ。」ハロウィンの夜は、この星じゅうが魔法がかっている。いつもは見えないものも、きっと見つけられるんだ。 [続きを読む]
  • 『雨音』
  • “あめおと”?“あまおと”だよ。トタン屋根で水がダンスする音?そうだよ。人間は、その音を聴きたくてカサをさすの?そうかもしれないね。“あめおと”?“あまおと”だよ。 [続きを読む]
  • 『ぼちぼち』
  • 「ぼちぼち行こうか。」「ぼちぼち?」ぼくはおじいちゃんに聞いた。「ああ、『ぼちぼち』っていうのはね、『そろそろ』ってことだよ。」「ふーん。」「もう夕方になったからね。そろそろ家に帰らないと、お母さんが心配するよ。」「うん。ぼく、『ぼちぼち』がいいな。ぼちぼち帰ろう。」「ははは。ほらっ、グローブ忘れるんじゃないぞ。」あれから10年。県大会決勝、9回裏ツーアウト。マウンドから見上げる空は高い。おじいちゃ [続きを読む]
  • 『桐のゲタ』
  • 桐のゲタって、あたたかいんだよ。ぼくの通ってた高校は、ゲタ履きを伝統にしてた男子校だったから、真冬でもゲタを履いて登校してたんだ。裸足なのにね。普通のゲタはね、竹でできてるから雪の上を歩くと冷たくてね。でも、桐って、軽くてあたたかくて、すごく重宝してたんだ。今?いまはもう男女共学になっちゃってさ。ゲタ履きで通学する人なんていなくなっちゃったよ。あ、でも。もし女の子でも、桐のゲタ履いて登校する子がい [続きを読む]
  • 『星と海』
  • 星 (今夜はひえるね。)海 (そうだね。)ひゅーんんん、んかぽ。星 (さかなたちもふるえているのかな?)海 (でもね、ぼくの中はけっこう温かいんだよ。)ひゅーんんん、んかぽ。星 (ねえ。)海 (なんだい?)んかぽ。んかぽ。星 (ぼくさ、心配なんだ。)海 (何がだい?) んかぽ。 星 (いつか、落っこちちゃわないかって。)ひゅーんんん。 海 (落っこちたら、ぼくが抱 [続きを読む]
  • 『混合リレー』
  • 「赤組の勝ちー!」「やったー。」「それにしても、よく逆転できたよね。」10秒前――「すごい、ほとんど差がなくなったよ。」「5人目までは、あんなに離されてたのにね。」「みっちゃんのパパ、なんであんなに速いの?」30秒前――「みっちゃん、ガンバレー!」「あきらめるなー。」「パパーッ、バトン!」 [続きを読む]
  • 第6部終了のお知らせ
  • こんにちは。みずのゆうです。第6部が終了しました。これで、17編×6部なので、合計102編の小さなお話を書いたことになります。ついに100編を超えましたね。実は、このショートストーリーを書き始めた頃に、ある尊敬する先輩から「まずは100個作ってみるんだね。」と、言われたのです。そこで、まずはそれを目標に、何年もかけて少しずつ作っていって、そして、ようやく目標に達成したのです。100編書くと、いろんなことが見えてき [続きを読む]
  • 『お墓参り』
  • ここは本当にいいお墓だよね。だって背景がきれいな山並なんだもん。おじいちゃんもここに眠ってるんでしょ。ひょっとして僕が入るときのことまで考えてくれたの?お父さん、昔から計画的だったもんね。お水飲む?最近ずっと暑いもんね。お父さん。また来るね。 [続きを読む]
  • 『一番暑い夏の日』
  • アスファルトに汗が落ちる。僕は小さな箱を両手でかかえて、小走りぎみに急ぐ。暑い。僕が、学級から預かった十姉妹を死なせたのは、今日の朝のことだった。餓死だった。鳥カゴの床に落ちた体は硬く、目がくぼんでいた。餌箱の粟は口で吹くとすぐに飛んでいってしまった。殻だけになっていたのだ。一粒残らず。どんなに最後の一粒を探したことだろう。後悔にひたる間もなく、僕はペットショップから新しい十姉妹を運んでこなければ [続きを読む]
  • 『I am a pen.』
  • 大丈夫よ。あなたが声を出さなくても、あなたが文字をかけなくても。わたしがあなたのペンになるわ。「看護師さん、点滴の針が少し痛いです。」ほらね。「看護師さん、部屋の温度が少し寒いです。」ね。完璧でしょ。「夕食、まだかなあ。」こんなことまでわかっちゃうんだから。えっ。「もう、いいよ。」なに、それ。「もう、いいんだよ。」わかんないもん。なに、それ。「もう、自由になっていいんだよ。」わかんないもん。わたし [続きを読む]
  • 『波』
  • 「砂浜と海との境目って、こんなにコロコロ変わるんだね。」「あったり前だろ、波が来るんだから。」「ほらみて。私いま、海に立ってる。ほらほら、動いてないのに今度は砂浜になったよ。」「だから、あったり前だろ。」「不思議だなあ。」「お前の頭のほうが不思議だよ。」「空が赤くなってきたね。もうすぐ陽がのぼるのかな?」「いや、まだもっと時間がかかるさ。」「あっ、鳥。……カモメかなあ。」「バカだなあ、海にいるから [続きを読む]
  • 『ポチ』
  • ポチが死んだの。こころにポッカリ、穴があいた。向こう側まで見えちゃう穴。セメントで固めようとしても埋らないの。のれんをかけて隠したけれど、風が通りぬけちゃうの。頭の中で、ポチの声がして、涙がこぼれた。するとね、涙の分だけ穴が小さくなるの。わん。ポロポロ。わん。ポロポロポロ。穴はどんどん小さくなって、消えてしまった。でもね。まだ、しみるの。だけど、穴はもう無い。ポチの声と、こぼした涙が、穴をふさいで [続きを読む]
  • 『別れ』
  • えっ。「ごめん……。」彼の声は、どこか遠くの国で響いているように私には聴こえた。なんだろう。瞳が熱い。下を向くと泣いてしまう。私は彼をじっと見つめた。ウソなんでしょ。きっときょうはエイプリルフールなんだよね。窓の外では、永遠を醸し出すように雪が降り続いていた。 [続きを読む]
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