kotan さん プロフィール

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kotanさん: charm
ハンドル名kotan さん
ブログタイトルcharm
ブログURLhttp://kotan07charm.blog.fc2.com/
サイト紹介文有閑倶楽部二次創作小説ブログです。
自由文サイト“charm”からお引越し中です。
二次創作小説を不快と思われる方はご遠慮下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供12回 / 365日(平均0.2回/週) - 参加 2013/02/22 18:28

kotan さんのブログ記事

  • ヒグラシが鳴く頃に
  • 玄関先に立つと背中側からふうっと冷気が漂い、広い日本庭園の奥の林で蜩が勢いよく鳴き始める。毎年この時季には耳にするはずなのに、どこか懐かしくて心が締め付けられそうになるのはなぜだろう・・・なんて考えていると引き戸が重い音を立てて開いた。「あら、やっぱり」「久しぶり」「チャイムで分かりましたわ。声をかけなくても、清四郎なのかしらって。やっぱり」「チャイムの鳴らし方に癖でもありますか?」「癖ではなくっ [続きを読む]
  • 君が笑えば。
  • 相手は、自分の心を映す鏡だ、みたいなことを野梨子に言われたけど、そんなことってあるのかな?魅録に可憐、美童に野梨子だって、みんなニコニコ楽しくしてるのに、清四郎だけはムスッとしてる。どんなに楽しい時だって、あたしを見るとイライラになる。そうなるとあたしだってイヤな気持ちになるもん…。きっと清四郎の鏡も、いつだってあたしがつまんなく映ってる。「あら、それなら悠理の心の鏡を清四郎に見せて差し上げれば? [続きを読む]
  • 夏に似た空
  • フロントガラスを弾くいくつもの滴が車のサイドへと流れていく。さっきまで降り続いていた雨は、気が付けばすでに上がっていた。こんなに遠くへ来るつもりはなかったが、今の彼女にはじっとしているだけの辛抱強さはない。びっくりするくらい、似ていた。そう、顔や笑った時の唇、話し方のニュアンスとその声色・・・何より、左の手首に着けているパワーストーンのブレスまでがそっくりだった。さっき、ショッピングモールの駐車場 [続きを読む]
  • 15秒の恋
  • 放課後の生徒会室で待ってるって言われて、それは運動部の活動予定の打ち合わせだと言うことは分かっていたけれど、なんか久しぶりにトキメイテしまった。以前はメチャクチャ好きで、どうしようもなくて、涙することもあったりしたのに、ちょっとそこまでではないから良かったけど。でももしかしたら、なんて期待して、過去の甘い記憶をよみがえらせる。例えば今からあたし達の間に、以前のような間違いが起きたとしてらどうなる? [続きを読む]
  • 彼等の中の一人
  • あれはいつだったかな?日暮れまでの時間が長くなった午後の窓辺で、俺はふとそう思った。寒波が続いたせいもあり、久しぶりのこの陽射しが遠く懐かしい記憶を呼び起こす。そう、あれは高等部三年になった始業式の帰り、初夏を思わせるほどの強い陽射しと気温が上がった春の日だ。俺達メンバー六人が仲間になり、いつも連れ立って遊んでいた。始業式で午前授業とあり、春休みの延長線上のようにして遊びに行くことに決めたんだ。ど [続きを読む]
  • I thought she knew
  • やけに底冷えがする日で、珍しく雪でも降りそうな気配があった。窓から空を見上げれば一面に雲が覆われていて、昼過ぎにしては辺りは暗い。夕方まで持つかどうか、外出が億劫に感じられるほどの冬の日。けれど億劫になる理由はもうひとつあって、それは幼馴染みの女友達の家へ訪問しなければならないからだ。彼女の家に行くのは数年振りになるかも知れない。高等部を卒業して、それぞれの将来に合った大学へ進学した。僕はもちろん [続きを読む]
  • silent day
  • “分からない問題があるならいつでも訊くように”来週の期末テストに向けて目下?勉強中なあたしだけど、独りではちょっと集中力ない。けれどメンバーそれぞれ、お楽しみの冬休みに向けて頑張って勉強していて相手にしてくれない。そう、冬休みに入ってすぐに、あたし達は南の島へ遊びに行く予定。追試や補習なんて受けてられないよね。だからあたし、苦手な英文法にトライしているんだけど・・・やっぱり分からない。“いつでも” [続きを読む]
  • 冬の星空よりも惹かれるもの
  • いつもよりちょっとだけ早くクリスマス準備。今日は理事長のミセス・エールの部屋で飾り付け。学園内にある理事長室は、質素な部屋。まるでミセス・エールの人柄を象っているよう。あたしは大好きだ。野梨子と可憐はオーナメントのレイアウトやメンテナンス。魅録は天井の飾り付け。美童はミセス・エールとお茶菓子の買い出し。あたしと清四郎は、巨大クリスマス・ツリーの飾り付け。清四郎はツリーの真ん中や下の部分に、野梨子達 [続きを読む]
  • あいたくないわけじゃない
  • この間清四郎に言ったんだ。放課後の生徒会室で、メンバーは他にいなくって、あたしは自分で考えてもみないことを言っていた。「あたし、清四郎が好きだな」その時、どんな会話をしていたかちょっと覚えていない。なんか、食べ物のことだったか、好きなアニメとか、音楽のことだったかもしれない。だからホントは、「あたしもそれ、好きだな」だったかもしれないし、「あたしも清四郎とおんなじ、好きだな」だったかもしれない。け [続きを読む]
  • 数時間の、私だけの、優しいあなた
  • 霖が続くこの季節は、一番景色が変わっていく。雨が降り続き、気温はどんどん下がり、公園の木々の葉は色づき始める。時々晴れ上がる日の空気は湿度を失い、空は高く青く澄んでいて・・・けれど陽射しは夏とは違って弱く、淡い。あの日も確か霖が続いた後の久しぶりのお天気で、私は魅録が運転する車の助手席に座っていた。車の種類は分からない。ずいぶん古い型のドイツ車で、スポーツカーなのだと言っていた。白くてフロントが長 [続きを読む]
  • later on
  • 時々、でもそれは彼女のカウントによると月一回程度のペース。それでも、今となっては放課後の貴重な時間。その日も生徒会長との“今後の体育部の在り方”について話し合った。けれども既に“在り方”は決まっていて、形だけの書類作りともっぱらの雑談。日暮れ時間も早まり、午後の授業が終わる頃は夕方の気配すら感じられる。「そろそろ確定書類を作成して提出しないとね」「廃部は避けたいとみんな言ってる」「結局人数が少ない [続きを読む]
  • after that
  • あれから何度か部員数の少ない体育部の今後について協議された。まだ課題は保留ではあるが、今期は現状維持で通すことには決まっていた。けれども放課後の活動内容に変更を求める部について、担当教師と生徒会長、体育部部長での書類のやり取りは続いていた。時々、頼まれた書類を生徒会長宅へ届けることがあるのは、放課後の補習授業に出なければならない彼女の特権でもあろう。そういう時、彼女・・・悠理は、名輪の運転する車で [続きを読む]
  • the sequel to note 
  • 簡易給湯室の小窓から夕方の陽射しが細い通路へと延びる。どこか懐かしいその光の色と優しい肌触り。今となってはたった数分の過ぎたひとときでも、淡い記憶は彼女の中にしっかりと残されていた。あの新学期からしばらくして、悠理は体育部担当の先生に頼まれた書類を届けに菊正宗家に向かっていた。中身に目を通していなくても分かっている。人数の少ないクラブの活動をどうするか、と言う課題が提示されているに違いない。珍しく [続きを読む]
  • note
  • 新学期の昼下がり。満足するほど食べた学食のランチと、心地よい窓からの微風。珍しく誰もいない生徒会室で、窓を開け放してソファに寝転ぶ。「ああ〜キモチいい〜。午後はサボりだなぁ」新学期は授業らしい授業はまだなく、今日だって午後は体育館で応援歌練習。新入生には辛い時間だが、二年ともなるとお手本になればいい。不真面目な悠理には意味のない時間になる。満腹なお腹を抱え、質の良いソファが彼女を眠りへと誘う。ふわ [続きを読む]
  • girl talk.
  • 突然可憐から呼び出された野梨子は、緊張した面持ちでドアフォンの呼び出しを押す。すぐにその当人が“今、開けるわ”とスピーカー越しに応えた。ホワイトデーの夜の呼び出しとなると、誰もが悪い予感を思ってしまう。けれど意外にも可憐の顔は普段と変わらず、茶目っ気たっぷりで舌を出した。「ごめーん。本当に予定なかった?」「ありませんわ。ホワイトデーだと言うのに、誰からもお誘いなんてなくってよ」「バレンタインにチョ [続きを読む]
  • 常に移行する時間、そして変わらないもの
  • “時間を味方につける”という言葉が、最近頭を過る。何かの小説だったのか、テレビとかネットの情報だったのか、それは定かではないが、生活の何かしらの時に先程の言葉が過る。例えば今、僕の目の前で幼友達であり喧嘩友達でもある彼女が朝食を取っている。厚切りのトーストに丁寧にバターをナイフで塗っている。ハチミツのディスペンサーを見つめ、トーストに垂らそうとしているのだろう。「悠理、コーヒーにミルクは?」「欲し [続きを読む]
  • 2月の空
  • このお話は、“夏空の飛行機雲”の続きです。。底冷えするような雨の土曜日、僕はひとりで生徒会室にいる。来年度の生徒会活動の予算や行程、引き継ぎ事項等をまとめるために登校したのだ。本当は月曜日の夕方までに仕上げれば良いのだが、今日、ひとり、ここで作業をしたくなって来た。誰にも邪魔されたくないと言うなら自宅での作業でも良いのだが、担当の顧問も職員室にいると言うので登校することに決めた。部屋が暖まる間、簡 [続きを読む]
  • おもいのおもさ
  • 放課後の生徒会室で、悠理がテーブルにもらったチョコレートを広げている。「ほう。今年も一番たくさんもらったの?」彼女の隣の席に座りながら、清四郎が訊く。「さーね。美童かな?」「数は悠理さ。質では僕だよ」ちょっと悔しそうな美童が、テーブルに並んで座る二人の後ろに立った。「どーでもいいもん、そんなの。バレンタインはとにかく、チョコをたくさんもらって食べるもの」「くれた人は覚えてないの?」美童が悠理に訊く [続きを読む]
  • Be Selfish
  • 目の前の綺麗な花束。大好きなスイーツ。欲しかった、手に入りにくい年代物のレコード。忘れるために自分から望んで機会を作った。そうして得た出逢いなのに・・・目の前の優しい笑顔に、どうゆう顔したらいいんだろう。欲しい物を全て目の前にした今、本当に、心から欲するモノが何なのかが分かるなんて。あたしが欲しいのは、形がなくって、香りもなくって。だから目で見て触ったり、顔を近づけたりしても分かんなくて。お金を出 [続きを読む]
  • これから
  • 真夜中に目が覚めて、ふっと思う。“初夢っていつ見た夢?”たった今見た夢がそうなのだろうか。それとも昨日のがそうだったのだろうか。もし今見たのがそうだとしたら・・・“正夢・・・”いや、見た夢が実際に起こるのが正夢で、夢そのものしかまだ見ていないのだから、どうだろう?いや、やっぱり違う。実際に起こりうる現実を考えすぎて、その延長で見たに違いないと考え直す。さっき夢を見た。あたしの知らない、でもあたしの [続きを読む]
  • さよならさんかく
  • 気の進まないクラス会だったけれど、魅録が幹事だったから仕方なく出席してやった。でもやっぱりツマンナイ。だって魅録は幹事だから忙しいし、学生時代にクラスメイトで仲良しなんてほとんどいなかったし、仲良しだった別クラスのメンバーだって全員が揃っている訳でもない。研修医で地方勤務の清四郎とスウェーデンに帰国した美童は欠席。広い会場のどこかにいるはずの野梨子と可憐は別クラスだから見当たらない。式の次第も順調 [続きを読む]
  • 冬の偶然
  • 美童の知人が主催するパーティの頭数でこのホテルに呼ばれた。呼ばれたのは可憐と悠理と僕。良くあるところの出会い系みたいなパーティ。野梨子と魅録は付き合い始めて間もないため、そんなパーティには参加したくないと言う。それはそうだ。僕だって参加したくなかった。悠理だってイヤイヤの参加だ。でも頭数で何とか頼むと言われると仕方ない。大切な仲間だし、悠理は後で美味しい食べ物をごちそうしてもらうようだし、パーティ [続きを読む]
  • きみの瞳に映るのは
  • 日曜日の午後の事だ。僕は少し早い期末テストの勉強会の為に剣菱家を訪れた。せっかくの日曜日とテストにはまだ時間があるとあって、悠理からは大反対の抗議を受けたが、正直今から始めたって遅いくらいと思っている。まずは小学校の教科書から開かないといけないくらいなんだから。彼女の部屋のドアをノックすると、は〜いと暢気な声が聞こえて、それからゆっくりドアを開けた。「お邪魔します。おや、もう机に向かって。雨でも降 [続きを読む]
  • 夏の道、秋の雲
  • 息苦しいほど暑かった夏が、いつの間にか通り過ぎている。毎日往来した田舎道も黒く長い影を作り、冷たい空気が漂っている。まるで夢のようだ・・・なんて、ちょっと大袈裟だけど、でもそうだ。短い夏を惜しまないように、僕は何度となく彼女に会った。小さなきっかけを必然に、そして必ず成し遂げるように。高等部最後の夏休み、僕は家族と避暑地の別荘で過ごした。僕が初等部高学年頃までは、毎年家族と夏を過ごしていた。医者で [続きを読む]
  • 秋が終わる頃までには
  • 窓の外では色づき始めた枝葉が、風に煽られるように揺れている。夏とは明らかに違う陽射しが木々の影を黒く、そして長く伸ばし、冷ややかな空気をそこかしこに漂わせていた。「何を考えてる?」窓辺に立つ悠理の華奢な背中に魅録は問う。先程、学園祭を二人で抜け出して彼の家へ来たのだ。普段の静かな校内とは違って、生徒も競うように盛り上げ、また外部からの来場者で賑わっていた。今、この場所に自分達がいなくても良いと判断 [続きを読む]