樹 さん プロフィール

  •  
樹さん: たゆたえども沈まず-有機化学あれこれ-
ハンドル名樹 さん
ブログタイトルたゆたえども沈まず-有機化学あれこれ-
ブログURLhttp://orgchemical.seesaa.net/
サイト紹介文日本のどこかで有機化学やってるひと。有機化学のことをつぶやいたり、天然物化学の話をしたりする予定。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供14回 / 365日(平均0.3回/週) - 参加 2013/04/11 18:50

樹 さんのブログ記事

  • 査読歴と紐付いた研究者プロフィールサービス・Publonsを試してみた
  • 新年度始まりましたね(今更感)。と言いながら新年度っぽい話は一切しません(ぉワシも残り少ない(たぶん)ので「沈まず」とか言ってるけどどうなることやら(ヽ'ω`)さてそんなことはさておき、よせばいいのに例によって結構なボリュームのやつを投下しようとヒーヒー言いながら書いてたら、こんなのがちょうどChem-Stationから!研究者向けプロフィールサービス徹底比較!(Chem-Station)最近山のように押し寄せ、登録が必須になりつつあ [続きを読む]
  • アジドを自在に区別して色々とくっつけた話
  • はいどもー、ブログでの個人による身勝手な直接発信の集積で混乱をもたらしてる人ですこんにちは!(????)(24)科学論文は広く社会のためにある (野依良治の視点, JST)※一応言っときますが、御大がここで言ってるのはわけのわからんトンチキ学説や胡散臭い理論(一次情報)をちゃんとした論文や学会無視してブログやらSNSで直接かつ一方的な発信する輩の話ですからね、念のため。さてそんな話(ぉぃ)は置いといて、今回はすっ [続きを読む]
  • 博士課程学生が論文の責任著者(Corresponding Author*)になってる話
  • もう博士論文公聴会シーズンも終わり、国公立あたりだと修士論文とか卒論発表真っただ中といったところでしょうか。論文かいてるー?さて博士論文や修士論文は書いてる学生本人だけの単著ですが、科学関係での学術論文は研究室のボスを少なくとも含んだ複数著者によるものが殆どです。そして論文にはかならずその内容についての責任を負う人間がおり、責任著者(corresponding author、コレスポ)と呼ばれます。大概の論文は名前にア [続きを読む]
  • 原料の純度で反応が行ったり行かなかったりした話
  • 合成反応において、用いたものに意図せず含まれていた不純物が成否に決定的となることがあります。野崎-檜山-岸-高井(NHK)反応におけるCr試薬中の不純物であった微量Niがカギを握っていた話は有名ですし、実は使っていた試薬は関係なくて、それに含まれていた微量成分だけが活性種だったという場合もあります。鉄触媒反応で当時ブイブイ言わせていたBolmが、実は鉄に含まれていた銅やパラジウムが真の活性種だとわかって以降、鉄触媒 [続きを読む]
  • 2017年有機合成化学論文オブザイヤーを勝手に選んでみた
  • 気付けば2017年も終わりですよどういうことなの。進捗どうですかというわけで年末特番よろしく、2017年に出た有機化学系論文の俺的オブザイヤーを雑にどんどん載せていきます。「ザじゃねえよ、ジだろ」という突っ込みはテンプレ過ぎるので無視。なお各部門3〜4報で合計20報近くもあるので大してセレクション感しない模様。しかも大半日本人の論文になっちゃってど う し て こ う な っ た。まあオブザイヤーというよりは [続きを読む]
  • 出ないはずの?エノラートの話 その1:Bridgehead enolates
  • カルボニルは有機合成でも基本にして重要な化学であり、そのなかでもケト・エノール互変異性の話は必ず頭の中に入れておかないといけない話です。通常のカルボニルはケトンでもアルデヒドでもエノール型は不安定でケト型を取っています。そんなカルボニルに塩基を作用させると、カルボニル部位とのケト・エノール互変異性ならびに立体電子効果によって酸性度の上がったα位の水素が引き抜かれ、エノラートが発生します。エノラート [続きを読む]
  • アリル位のC(sp3)-H酸化とC(sp2)の酸化の話
  • もうC-H activation(functionalization)が流行ってからだいぶ経ちますが、そもそもの大元のC-H官能基化はアリル位やベンジル位C-Hの酸化反応から始まっています。理由はお隣のオレフィンのπ軌道との相互作用によって、たんなるC-Hであるはずが軌道相互作用によって普通のアルキルC-Hよりも活性化を受けており、官能基化が容易であるためです。だからこそ何でもないC-H官能基化が高難易度であり、現在も1研究分野として注目されて [続きを読む]
  • 撤回された天然竜血分子が全合成で確かめられた話
  • 論文の取り下げについては某ありまぁす細胞の件でずいぶんと世間にも知られるようになりましたが、著者が訴える説の根幹が致命的に揺らぐ場合、↑のようなデータねつ造だけでなく、データの誤解釈や過大評価、再現性皆無、実はまったく違う因子もしくはコンタミが原因だったといった場合でも、retraction(撤回)という形で論文そのものが「なかったこと」になります。ただし「なかったこと」と言っても全く歴史上から消されるわけで [続きを読む]
  • お酒センサーの話
  • 今年はジンがブームらしいっすよ?京都の季の美をはじめとして最近はジャパニーズ・ジンいっぱい出てるし、サ〇トリーもジン前面に売り出すらしいっすよヾ(*´∀`*)ノどうもウィスキーがブームで枯渇した上に、売れるようなレベルにまで熟成させるのに時間がかかりすぎるというのも一因にあるらしいですが、もともとジン好きだから無問題ヾ(*´∀`*)ノ個人的なお勧めジャパニーズ・ジンは、ロックまたはストレートで楽しむならバレ [続きを読む]
  • Ugi多成分連結反応でポリマーを合成する話
  • 有機合成の反応をやってると大体1反応につき1成分しかくっつけてなかったり(同じやつを何か所にもつけることはあるけど)するので、いろんなものを一発でくっつけて合成できると大変効率的でかつカッコいいのです。そういった反応は多成分連結反応(multicomponent (coupling) reaction)と呼ばれ、クエンチしないone-potでの反応(不飽和ケトンに対する1,4-付加→生じたエノラートを使ってアルドール反応)もこの範疇に含まれます。個 [続きを読む]
  • エバポの話
  • 新年度ですねえ。ピッカピカの一年生としてはラボ研究に心躍るですよすいません嘘つきました〇年生の老害です。というわけで老害は老害らしく、研究室で汎用されるエバポの使い方について。 [続きを読む]
  • 提出構造と分子量が違ってた天然物の話
  • 異論が多すぎて怒られる気がしますが、天然物化学は昔から大まかに物取りと合成の2つがあります(ケミカルバイオロジーとかは今回の話と関係ないのでスルー)。天然資源から抗がん活性とか抗菌活性といった生物活性を指標にしたりして有用な成分を見出し、精製・単離し、新しい天然有機化合物を見つけてくるのがいわゆる物取り研究者の役割。ごくわずかにしか取れないような成分を様々な合成手法を駆使してその分子構造を決定してい [続きを読む]
  • 論文原稿や研究発表の最近の傾向の話
  • 論文は基本的にpeer reviewというシステムがとられていて、誰かに審査されてその判断をもとにエディターが修正指示や掲載の可否を判断します。なので出した論文がそのまま通ることは事実上ありません。この論文審査はエディターが大勢の研究者の中から利益相反のない、且つその分野に詳しそうな人を査読者として選定します。指名された側も自分が出した時に査読をしてもらっているわけだからそうそう無下に断ることもなく引き受け [続きを読む]
  • 冬コミ(コミックマーケット, C91)に行ってきた
  • 明けましておめでとうございます、今年も宜しくお願い致します。さて毎年やっていた「〜に行ってきた」シリーズ、過去「元素のふしぎ展」(2012)に始まり「深海展」(2013)、「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展(もうどく展)」(2014)、「単位展」(2015)と毎年続けてきましたが、なんと2016年はどこにも行っていません。なんてこったい!いや単に書くような展示会とかなかっただけなんですけどね。そんな中、ぎりぎり「2016年版〜に行ってきたシリ [続きを読む]
  • 高校生が高価な薬分子を格安で作った、という話
  • とあるニュースが先月末あたりから海外を中心に話題となりました。「大炎上男」が「1錠9万円」に吊り上げたHIV薬、オーストラリアの高校生が約230円で作り出すことに成功(engadget日本版)米の「最も憎まれた男」の鼻を明かした? 豪の高校生たち (BBC Japan)Australian students recreate Martin Shkreli price-hike drug in school lab (The Guardian)Students make $75.. [続きを読む]
  • 最近のアミド縮合法の話
  • 有機合成のための反応は数あれど、最も基本的かつ古典的な合成反応のひとつはカルボン酸とアルコール・アミンからのエステル・アミド合成・脱水縮合反応と言えるかと思います。単純かつ古典的な反応ですが、身の回りにはペプチドやらなんやらとエステル、アミド分子がゴロゴロ転がっているため、創薬分子をはじめその合成の需要は極めて高いのは今も変わりません。カルボン酸とアルコールもしくはアミンを混ぜるだけでもエステルや [続きを読む]
  • 第一回国際ナノカーレース2016
  • ノーベル化学賞が先日発表になりましたね。対象は分子ナノマシンでSauvage, Stoddart, Ferringaの三氏が受賞、順当な人がとった印象です。カテナン、分子エレベーターにナノサイズの実際に動く分子自動車などなど、最小のマシンと言えばマシン、おもちゃといえばおもちゃな感じ。Announcement of the Nobel Prize in Chemistry 2016と、そんななかその化学賞受賞者Sauvage教授の地元国フランスで、本ノーベル化学賞対象の研究で.. [続きを読む]
  • 2016年ACS社説から〜元素分析・基礎化学の死・筋トレ〜
  • 気が早いですが2016年ももうすぐ終わりですね、進捗どうですか?(ブーメラン今年もいろいろな革新的な論文が出たりでなかったりしましたね。個人的には全合成ではRyanodolの15工程全合成(Science 2016, 353, 912)Pallambins C, D 11工程全合成(JACS 2016, 138, 7536)タミフル60分合成(OL 2016 18, 3426)構造有機だと安定ゲルマニウムビニリデン(Nat. Chem. 2016, ASAP)2個入りポリイン.. [続きを読む]
  • 論文中に書かれた愚痴っぽい話
  • 科学論文というとやっぱり研究に関する難しい話ばっかり書いてる印象ですが、そこは人間同士ですので相手に何か言いたいことというものも出てきます。もちろん相手を侮辱するようなことは書けませんし、そうでなくても「紙面の都合もあるしいらんこと書くな」とはeditorによく言われることで、関係ある話ですら削られるくらいです。が、そんななかでも愚痴にも似たアピールのようなことが書かれていることもあったりするので、そん [続きを読む]