水円 岳 さん プロフィール

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水円 岳さん: いまじなりぃ*ふぁーむ
ハンドル名水円 岳 さん
ブログタイトルいまじなりぃ*ふぁーむ
ブログURLhttps://ameblo.jp/mizumaru-gaku/
サイト紹介文物書きブログです。エッセイ、詩、短歌、俳句、ショートショート、小説、ギャグ。渾然一体。(^m^)
自由文ショートストーリーの『えとわ(絵と話)』を中心に、ノンジャンルでいろいろ書いています。中・短編小説も公開してありますので、ご一読いただければ幸いです。(^^)
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供431回 / 365日(平均8.3回/週) - 参加 2013/05/06 12:51

水円 岳 さんのブログ記事

  • みす・ますたーど
  • 《ショートショート 972》『ミス・マスタード』幸子っていう名前は、時々不幸だなあと思う。幸せになるようにっていう願いを込めて親がつけてくれたんだろうけど、必ず幸せになれるっていう保証があるわけじゃない。思い描いてる幸せな姿と自分の今がひどくズレてきたら、名前でものすごく損をしている気分になっちゃうの。名前と実態にズレがあるのはわたしだけじゃないって、そんなの分かってるよ。健(たけし)っていう名前で [続きを読む]
  • おーのー
  • 「あなたは脳ですか?」いいえ、違います。「嘘をついてはいけません。脳がなければ返事できないはずです」脳があっても、口がなければ返事は出来ません。「ふむ。あくまでも脳であることを認めないわけですね」当たり前でしょう。事実、脳ではないのですから。「では、脳なしですね」それは脳ではなく、能です。「おっと、これはしたり。じゃあ、脳足りん」足りたとしても脳にはなりませんから。「脳になりたいとは思わないのです [続きを読む]
  • いみてーしょんごーるど
  • 《ショートショート 971》『イミテーションゴールド』ゴールドが本当にゴールドである必要は、実際にはあまりないんじゃないかと思う。腐食しない安定した金属であるという特徴は、利用面では確かに重要なんだろう。だがほとんどの人間は、身に纏ったり所有したりすることにのみゴールドを使う。そして、どんな美人も三日見れば飽きるというように、いかにゴールドの輝きが美しいと言っても寝食を忘れて見続ける奴はいない。希少 [続きを読む]
  • そらをくすぐる
  • イネ科植物の中でも大きく育つ種類は、穂が顔の辺りに来て存在感を感じますね。カメラを少し下から構えると、まるで穂が空をくすぐっているように見えます。水辺に生えるヨシ。乾いた場所を好むススキ。同所に生えることはあまりないと思いますが、彼らが風に乗せて飛ばす種子は空で一緒になるかもしれません。画像のは初秋の姿ですが、今頃は白髪になって、吹きすさぶ風にタネを乗せていることでしょう。千に一つ、万に一つ。それ [続きを読む]
  • しろのいみ
  • 《ショートショート 970》『白の意味』 (白いおはなし 10)白が白でいられるのは、白く見えるような光を得られた時だけだ。自ら白く輝かない限り、白は受けた光の色に染まる。必ずしも白くはならないのだ。そして己が白いということに強くこだわらない限り、光の悪戯に翻弄されてもそれほど支障はない。白猫の毛の色が多少他の色に見えても、だからと言って猫以外にはなりえないように。光で炙り出される白の変動には大した [続きを読む]
  • てはいしゃしんのわな
  • 手配写真というのは難しいんですよ。見る人の注目を集めるために悪どさを強調しているということじゃないと思うんですが、どれも極悪人に見えてしまいます。それは掲示側の狙いというより、見る側の意識に左右されるからかも知れません。犯罪者であることを強く意識するためか、どうしても人相が悪く見えてしまいます。当たり前ですが、逃亡者が『俺が犯人でござーい』などと凶悪な表情をしているわけはなく。変装や整形をしなくて [続きを読む]
  • たきとはくさん
  • 《ショートショート 969》『滝と白傘』 (白いおはなし 9)滝を撮影に行くなら、納涼も兼ねられる夏の方がいい。だが名の通った滝だと、夏は観光客でいつもごった返していて、落ち着いて撮れない。そういう人の多い状態が秋の紅葉シーズンが終わるまで続き、結局滝以外に見るべきものがなくなる初冬になって初めて、人影を気にせずゆったり撮れるようになる。観光客が滅多に来ない無名の滝に足を伸ばせばいいんだろうが、そう [続きを読む]
  • さんせだいどうきょ
  • 「若いっていいわねえ」「ええー? そんなことないよう。勉強しなきゃなんないしぃ、トモダチ関係めんどいしぃ、お金ないしぃ」「でも、お肌はぴちぴち、身体はぴんしゃん、若い男が選り取り見取りだろう?」「えー、えへへ」「おばあちゃん、あんまそそのかさないの。まだ尻が青いんだから」「ちょっとぉ、お母さん! なによう、その言い方ぁ」「ジジツじゃないの。ちゃんと赤く熟さないと、男なんか寄ってこないわよ」「お母さ [続きを読む]
  • きえたはっきゅう
  • 《ショートショート 968》『消えた白球』 (白いおはなし 8)「おお、宮田! ひっさしぶりやなあ」「ほんとにな。五十年、いや六十年ぶりか」「それ以上や!」「宇崎は変わらんなあ」「あほ。そんなわけぇないやろ」「はははっ。まあ、せっかく会えたんだ。あの時の話をしようぜ」「ああ、せやな」(シンフォリカルポス)「あの一球やな」「そう。おまえがノーヒットノーラン達成、完封勝利を目前にして最後に俺に投げ込んだ [続きを読む]
  • あおのもり
  • あおの もりであおい はながさくあおいそらを あおぎみてあおいよるの そこにねむるリンドウは、晴れた日でないと花が開きません。晴れた日には、その青が空と繋がるのでしょう。  苦き世を食みて竜胆青深し 竜胆。根が熊の胆よりも苦いのでその名が付いたとか。Save Me by Once Blueおしらせ:えとわの総話数四桁まで、秒読みになってまいりました。いつも通りに淡々と書き連ねていってもいいんですが、四桁という通過点 [続きを読む]
  • まじゅつしぞでぃあすりぶれうすのこととい しーずん1のあとがき
  • シーズン1 あとがき魔術師ゾディアス・リブレウスの言問い、そのシーズン1を通読していただき、ありがとうございます。いかがでしたでしょうか?本小説では登場人物が必ずしも固定されておらず、出入りがあります。主人公ゾディと屋敷への永住を決めた魔女アラウスカを除けば、屋敷に残ったソノー、メイ、エルスとて、いずれは屋敷を出る定め。使い魔も含め、必ずしも屋敷付きではないんです。たくさんの旅立ちを見送らなければ [続きを読む]
  • まじゅつしぞでぃあすりぶれうすのこととい やぎ2
  • シーズン1 第十二話 山羊(2)ジョシュアがメイからそっと離れて、テオの横に戻った。そっけなく背を向けようとしたテオを急ぎ呼び止める。メイに気を取られて、最も肝心なことを忘れるところじゃったわ。「テオ、しばし待て」「なんでございましょう」「お主に餞(はなむ)けがある」私は懐から竜鱗を出し、それをテオの眼前にかざした。「それは?」「お主と仕合っていた前代の竜が、お主にと遺した形見じゃ」「!!」「騎士 [続きを読む]
  • まじゅつしぞでぃあすりぶれうすのこととい やぎ1
  • シーズン1 第十二話 山羊(1)出会いと同じ数だけ別離(わかれ)がある。我々は、その当然至極のことをしばしば忘れる。いや……忘れようとする。じゃが、どんなに意識の奥深くに押し込めておこうとも、別離は来る。事実として。逃れようもなく。旅支度を整えたテオとジョシュアは、今日屋敷を離れる。そして、二人がここへ戻って来れるかどうかは誰にも判らぬ。私にも、な。されば私も屋敷に残される者も、その道中の無事をひ [続きを読む]
  • どっちむいていう?
  • 正面から言う。「あんたが好きっ!」「ごめん、俺、あんた嫌い」横向いて言う。「あんたが……好きなの」「ちょっと、あんた誰に向かって言ってるわけ?」俯いて言う。「あんたが……す……き」「はあ? 何言ってるか全然聞こえへん」同じ告白でありながら、顔のポジショニングが違うと、こんなに相手に与える印象が変わっちゃうんですねえ。ああ、めんどくさ。(^^;;まあコクってきたのがザクロじゃあ、わたしゃおーけーの出しよ [続きを読む]
  • えとらんぜ
  • 《ショートショート 967》『エトランゼ』 (でぃすたんす 10)「うーん……」「まきちゃん、どしたん?」俺の隣の席からにょきっと顔を出した鈴木が、弁当箱の中身に手を出そうとしたので容赦なく引っ叩く。ばしっ!「ちぇ」「ちぇじゃねえよ。ゼニこぎりぎりでやってんだから、俺の食いもんに手ぇ出すな」「へいへい」まあ、ぎりぎりなのは、俺だけでなくて鈴木も似たようなもんだがな。だからこそ俺らは馬が合った。そう、 [続きを読む]
  • ぽつぽつと
  • いつからそこにあったのかぽつぽつと赤い火の粉が山裾に散っている火種は燃え広がって山を焦がすことはないただじっとして消えるのを待っている野の鳥についばまれ消されるのを待っているノイバラの実。鮮やかな赤ですが、小さな実です。莫大な緑の中では、ささやかな自己主張かもしれません。ノイバラは決して珍しい植物ではないんですが、薄暗い環境では生き残れないため、河原、刈り込まれる草地、明るい林縁などに生育地が限ら [続きを読む]
  • くみきょくもるふぉ こうし 3
  • ** 第一曲 光矢 **(3)博物館の作業室らしい部屋を出て、私は再び螺旋階段を降りた。降りた。間違いない。降りた。来た時にも降りてるんだよ。私が博物館の入り口ドアに戻るには階段を上らないとならないはず。だが、私は降りた。そして、あの部屋に行く時と同じように降りる途中で一度ステップを踏み外し、身体がふわっと浮く同じ感覚を再度味わってから。ごつい扉の前にたどり着いた。「ふうっ……」それを押し開けて外 [続きを読む]
  • くみきょくもるふぉ こうし 2
  • ** 第一曲 光矢 **(2)「ほう」螺旋階段は、そっけない作りではあったが独特の雰囲気を醸し出していた。壁もステップも手すりも全て木製で、隅々まで磨き込まれており、壁にはめ込まれた水滴型の電球が橙赤色の頼りない明かりをふわりふわりと足元に投げかけている。ぐるりを見渡しながらゆっくりステップを降りていたんだが、すぐに階下に降りられると思っていたのに階段が妙に長い。「えらい変わった作りだな」よそ見を [続きを読む]
  • くみきょくもるふぉ こうし 1
  • ** 第一曲 光矢 **(1)「よいしょっと」雑巾と見分けがつかない布バッグを肩にかけて、殺風景な自分の部屋をぐるっと見回す。それから、おもむろにドアを開ける。足を踏み出す前に、もう隣室のばあさんに捕まった。「徳さん。またスケッチかい?」「それしかすることがないからね」「まあたまた」「いや、本当にそうさ。退屈だよ。退屈した時間を束ねて市場で売ったら、きっと大金持ちになれるね」「ひゃっひゃっひゃ」歯 [続きを読む]
  • そらのすきま、すきまのそら
  • 《ショートショート 966》『空の隙間、隙間の空』 (でぃすたんす 9)いい人。お兄さんみたいな人。僕は、なぜかそう言われることが多い。もちろん好人物として評価してくれるのは、悪人だろくでなしだと言われるよりはずっと嬉しい。でもね。そう言っておけば無難でしょみたいな、面と向かってあんた人畜無害でつまんないねって言えないからみたいな、そういうバカにしてるニュアンスを感じちゃうのも事実なんだ。特に、女の [続きを読む]
  • さいしゅうせーる
  • 「秋物はもう最終セールになっててん、買うてきた」(ウラギンシジミ)「銀ピカやな。えっらい派手ちゃう?」「金ピカよりましや。それにこれ、リバーシブルやねん」「裏が地味なん?」「ちゃう。銀ピカの方が裏や」「最初から裏返しで着てるんかい!」(ハゴロモの仲間)「うっわ、それはなんぼなんでん地味過ぎや」「せやから売れ残っとったんやろ」「あんたぁ、腐っても枯れても蝶やろ? 秋物言うてん、もうちょい華を見せな」 [続きを読む]
  • れっどあんどぐれい
  • 《ショートショート 965》『レッドアンドグレイ』 (でぃすたんす 8)「斯波(しば)さん。情熱と無関心。どっちが強いと思う?」俺は、社食でする話ではないよなあと思いつつ返事を放る。「そらあ、無関心だろ」「どして?」「情熱はすぐに冷ませるけど、無関心はなかなか温まらないからさ」「ふうん……」彼女は、俺がまともに答えるとは思っていなかったんだろう。最初に驚きを見せたものの、その表情はすぐに曇った。俺の [続きを読む]
  • どう、ぎん、ちっそ
  • 「どう?」「どうにも。もう店じまい」(ムクゲ)「びぎん?」「えんど。もう店じまい」(ルリマツリ)「ちっそく?」「さんけつ。もう店じまい」(タマスダレ)同じことなど何一つないのに毎年繰り返される同じことば唯一が意識されることなく記憶の中をただ通り過ぎていくもろもろのことCu Ag Nまた再びその再びの時が今と同じではないことを知りつつもどうかまた再び巡って来ますように  セーターを編む手を止めて坊の守Not T [続きを読む]
  • ぐんたい
  • 《ショートショート 964》『群体』 (でぃすたんす 7)俺と桜井は、通い慣れた校舎を見上げながら馬鹿でかい溜息をついていた。「まだ一年も経ってないのになあ」「うん……そうなんだよねー」           −=*=−後輩から直電が来て、学園祭には絶対に来てくださいねと何度も念を押されたもんだから、渋々重い腰を上げた。いや、俺は高校が嫌だったわけじゃないよ。在籍していた三年間は、他の何にも代えがたい [続きを読む]