お萩 さん プロフィール

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お萩さん: お江戸の夢桟敷
ハンドル名お萩 さん
ブログタイトルお江戸の夢桟敷
ブログURLhttp://haginohara.blog.fc2.com/
サイト紹介文東京で綴る、お萩の大衆演劇感想。暮らしの中に“それでもなお”浮かぶ物語を見つめています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供45回 / 365日(平均0.9回/週) - 参加 2013/07/13 00:23

お萩 さんのブログ記事

  • 劇団花吹雪お芝居『河内十人切り』―他者であるお前―
  • 2017.9.25 夜の部@浅草木馬館弥五郎(桜京之介座長)の、まっすぐな目。「兄貴、お前が食え!」わずかに残った飯を熊太郎(桜春之丞座長)に突き出す。茶碗を抱える細い腕。そこには一粒の打算も保身もない。いっそ義理すらない。「食うてくれ!」ただ“お前が好き”だから、食ってくれ――。無心な思いというのは、どうしてこんなに胸を衝き動かすのだろう。熊太郎の、うう、うぅ〜…っという言葉にならない嗚咽が木馬館に響いていた [続きを読む]
  • 理由を聴かせて―芝居の中の死者の声―
  • “なぜ”ですか?《劇団天華『面影の街』9/13》「憎くて捨てたわけじゃない、生かすために捨てたんだと…」生き別れの兄弟。兄(澤村千夜座長)は、父親が弟(澤村丞弥さん)を捨てた理由を言葉少なに語る。澤村千夜座長《花の三兄弟 筑紫桃太郎一座『男血飛島』10/7》「友吉、俺はお前に合わせる顔がなかったんだ」筑紫桃之助座長演じる徳は、恩人である友吉(玄海花道さん)に罵声を浴びせた後で。がっくり膝をつき、ひどい態度をとっ [続きを読む]
  • 劇団天華on九条笑楽座 ―ケーキの仕掛け―
  • (2017年9月)華やかで、甘くて、口に入れた瞬間に嬉しくなって、でも儚く溶けてしまって、時々ひやりとする隠し味もあったりする。夏休みに訪れた九条笑楽座で天華さんを観ていると、ぽーっとした頭に浮かんでくるのは「ケーキ」の像だったりした??小屋と劇団の化学反応、という面白さ。それを味わうならやっぱり小さな小屋がいい。九条笑楽座はぴったりだ。整列するベンチ、黒とピンクのチェック模様のクッション。「幕、安全ピ [続きを読む]
  • 扉をひらく人 ―劇団あやめ・姫猿之助座長について9年前の思い出―
  • 飛び出してくる。この間、大阪にいた7/17(月)、九条笑楽座で「姫猿之助祭り」があると知った。猿之助さんの芸風をたっぷり味わってみたくて行くと、小さな小屋はいっぱいに埋まっていた。「本日お詰めかけのお客様、猿之助祭り、モンキーカーニバルへようこそ!」アナウンスする女優さんの声も嬉々としている。そして舞台にドドドと駆けこんでくる主役・猿之助さん。元気ではち切れそうな体。かつてその体は、浅草木馬館できれいな [続きを読む]
  • 里見要次郎総座長 誕生日公演お芝居『中山峠 どさ帰り』―15年前の恋―
  • 2017.8.6夜@後楽座里見劇団進明座 ゲスト・澤村千夜座長、花柳願竜座長お祝いムードに包まれた後楽座。里見要次郎総座長、お誕生日おめでとうございます!??岡山は東京からは遠いけれど、この日は運よく出張で広島にいたため、足を伸ばすことができた(∩´∀`)∩・舞踊ショー前に「ビデオ・写真は固くお断りします」とアナウンスがあったため、舞台写真は遠慮しました。・これからDVDなどで観る方も多いと思うのでお芝居後半の [続きを読む]
  • いつか止む雨 ―あんなもの、と誰かが言った―
  • 「その扱いは、大衆演劇の役者さんだから、ってことですか」先日、ある役者さんに思わず聞き返した。彼が商業演劇に出演した際の、落とし穴に足を滑らすような想定外の不平等を聞いて。うん、と頷くその人の目がぱちぱち瞬いて。何を見ていたのか今もわからない。“「どうして私たちが大衆演劇の役者さんと同じ舞台に立たなくちゃいけないの」”1980年代。松井誠さんは、出演したイベントで共演の歌舞伎役者がそう言うのを聞いたと [続きを読む]
  • 劇団天華お芝居『林蔵』―この世の“向こう側”―
  • 2017.6.3@大江戸温泉物語ながやま目がきゅうっと上を向く。口から血を噴き出して、なにか魂的なものが飛び上がっていく。その先は?林蔵が身体を半分突っ込んでいる、はみ出した世界の先には?澤村千夜座長の演技を観るとき――どきりとするのは、たまに人物が正気をふっと逸してしまうような瞬間があるからだ。『お銀片割れ月夜』で子どもに戻ってしまうお銀ちゃんしかり、『お梶藤十郎』で狂った嗤いを見せるお梶しかり…感情が [続きを読む]
  • 劇団九州男お芝居『光と影』―旅芝居だからこそ―
  • 2017.5.20 昼の部@三吉演芸場大衆演劇のお芝居を観ていて、ああ…と胸を穿たれるのは。何気ないセリフや仕草の中に、フッと底なし沼をのぞくような心の深淵が開かれているときだ。そして思う。舞台の上の役者さんたちは、その価値にどのくらい自覚的なんだろう…?5月、三吉演芸場で観た劇団九州男さんのお芝居にもそういう一本があった。ほんのわずかなシーンで、大川良太郎座長演じるバテレン鬼十郎に鮮やかな色合いが差し込む。 [続きを読む]
  • I LOVE “女の子”! ―100歳になっても―
  • “女の子って何でできてる? お砂糖とスパイスと色んな素敵なものでできてるよ”こんなマザーグースとはいかなくても。大胆な決断力とたしかな強さを、柔らかな肌にくるんだ“女の子”は、なんて魅力的な生き物なのでしょう。と最近思ったのは、4/18(火)、橘鈴丸座長(橘小竜丸劇団)が大阪にゲスト出演したとき。梅田呉服座で行われた≪紀伊国屋章太郎古希祝い 澤村一門特別公演≫。仕事で大阪行きは断念したけど、タイムラインで目 [続きを読む]
  • 【告知】4/21(金)「カンゲキ」主催・大衆演劇ファンミニ交流会@関東
  • こんばんは!今回は普段のブログではなく、イベント告知です。大衆演劇雑誌『カンゲキ』、最近は関東の劇場でも売っているのを見かけるようになりましたね。関東方面の大衆演劇ファンへのご挨拶を兼ねて、大衆演劇ファンミニ交流会が東京で行われることに! このブログを読んで下さっている方で東京近郊の方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご参加を♪「カンゲキ」主催・大衆演劇ファンミニ交流会@関東4/21(金)19時スタート [続きを読む]
  • 天華ロスに落っこちて② ―澤村千夜座長が守ってくれた“やくそく”―
  • 驚いて、嬉しがって、失望して、泣いて、狂って――劇団天華・澤村千夜座長の身体に物語を通すと、感情が目まぐるしく変わっていく。たとえばショー【お梶藤十郎】の場合は…髪を整えるお梶の、恋の喜び。真実を知る、驚愕と悲しみ。やがて狂気を発して嗤う。自死の瞬間の苛烈な目。まるで喜怒哀楽がパリンと割れて、一粒一粒が鋭角になって、突き刺さってくるみたいだ。うん、ファンですね!我ながら!(笑)でも7月以降の天華さん [続きを読む]
  • 天華ロスに落っこちて① ―澤村神龍副座長が“座長”になる日―
  • 季節はとうに春です――が。桜の木がピンクに膨らむ中、胸中の喪失感がだいぶ募り中。小倉・宝劇場のお外題がTwiterに流れてくると、明日このお外題かぁ良いなぁ、前に聞いたセリフあるのかなぁ、とか思いつつ。周囲の大衆演劇ファンもみんな、それぞれに観に行きたい劇団はあれど、多忙やら金欠やら観劇欲求には足枷が付きものらしく。春陽座ファンの姉は行ける月をひねりだして遠征計画を立てているし、劇団炎舞ファンの友人たち [続きを読む]
  • 劇団新お芝居『三人出世』―もしかしたらお前も―
  • 2017.3.9 @大島劇場友やん(新座長)の、のんびりした顔。定やん(錦若座長)の繊細そうな顔。島やん(優花形)のキリッとした主張の強い顔。『三人出世』を若き三兄妹が演じるというのがどういうことか。目鼻立ちのそっくりな三つの顔が運命を分け合う。「もしかしたらお前も、そんな風になってたかもしれんやんか!」このセリフは通奏低音のようだ。龍新座長。友やんの演じる愛すべきキャラクターの上に物語が乗っかっている。龍錦若座 [続きを読む]
  • ふるさとの春 ―“一般家庭出身”の役者さんのこと―
  • 息子さんが、娘さんが。大衆演劇の役者になって良かったと思ってくれるでしょうか。「今日、○○くんのお父さんとお母さん、観に来てるでしょう。ほら、あそこに親戚で固まって座ってる…」隣の人の話し声でそちらを見れば、本当だ、最前列に親戚一同。ある役者さんが舞台に登場するたび、大きな拍手を送っている。本人は照れくさそうにはにかんでいた。個人舞踊の最中、ご家族から贈り物を受け取るときには、家族を包むような拍手 [続きを読む]
  • 王子様の未来―劇団天華・澤村丞弥さんの誕生日に寄せて―
  • 背景にバラを飛ばしても違和感のない役者さん選手権第一位(個人調べ)。劇団天華の花形・澤村丞弥さんは、まるで少女マンガから抜け出してきたような方だ。≪丞弥まつり≫からの1枚美形と一口に言っても、好みは千差万別。目力強力なキツめの麗人もいれば、春の陽だまりのごときエクボふんわり美人もいるわけで。でも丞弥さんの癖のない美しさは、好みの壁をするんと抜けて、ほとんどの人が「キレイな人ね」と頷けるであろう涼しさ [続きを読む]
  • 春陽座お芝居『八つき子』―澤村心座長の部屋―
  • 2017.2.12夜@三吉演芸場澤村心座長が。「10年もの間、皆でわしを騙しくさって…!」あの上品ではんなりして、お殿様役やボンボン役が似合う心さんが。ずり落ちそうな眼鏡の下の目を潤ませて、酒瓶抱えて、どっかり足を組んで、悔しさに唇噛みしめている…。『八つき子』は心さん演じる板前・亀吉の人間くささに、観客が自らの生活を重ねずにいられないリアルな家族の物語だった。今まで持っていた、心さんのイメージとのギャップに [続きを読む]
  • 春陽座お芝居『御浜御殿綱豊卿』―春陽座という楽器―
  • 2017.2.7 夜の部@三吉演芸場「おはまごてん・つなとよきょう」…なんて、いかつい題なんだ(笑) 事前に友人に教えてもらったところ、真山青果作の史劇で、歌舞伎でも上演される作品だそうだ。私が今まで、大衆演劇で観たことのないタイプの芝居だった。上演1時間半の大部分が、心さん演じる綱豊卿とかずまさん演じる赤穂浪人・助右衛門の討論(!)に費やされる。観ていて思ったのは――舞台全体が“楽器”!????春陽座メンバー [続きを読む]
  • 戯作者たち―辰己小龍さん・藤乃かな座長・龍新座長―
  • ≪オリジナル芝居≫――お外題表にこの言葉が載っているとドキドキする。どんな話なんだろう、どんな演出なんだろう。つるつる出来立てのセリフに、新鮮なキャラクター。まるで、老舗ばかりがズラッと並ぶ商店街に、新規店が参入するみたいだ。大衆演劇のお芝居の多くは、むかーしから口立て稽古で受け継がれてきたものだ。先代から子どもへ、師匠から弟子へ。アレンジを加えられながら長い時間の中で熟成させられた、昔ながらのお [続きを読む]