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  • 「相手からも学ぶ」といった双方向の関係を取り戻す

    こんな投書がありました。 数日前、やまゆり園事件の裁判の記事では被告の証言としてやまゆり園での対応が載っていました。 「口調が命令的。人に接するときの口調じゃなかった。」 「人として扱っていないと思った」 「食事は流動食で、職員は流し込むというような状況。人の食事というよりは流し込むだけの作業に見えた」 相手をしている障がいのある人たちを「見下している」のは、どこの福祉事業所でも同じなんだと思いました。どうしてこういうことになるのか。 二つに共通しているのは「支援」という上から目線の関係です。相手がいろいろできないからやってあげる、という一方的な関係。 上から目線の関係は、時には相手から何かを…

  • ぷかぷか10周年アニバーサリー映画『ひろばのうた』(仮)

    2030年4月1日 一人の青年が広場に立っている。ベンチには気持ちよさそうに眠るセノーさん。 「あの広場のうた」を鼻歌で歌う青年の脳裏に、この20年の思い出が走馬灯のようによみがえる… こんな風に始まるぷかぷか10周年アニバーサリー映画『ひろばのうた』(仮)の製作がいよいよ始まります。 ぷかぷか10周年。ぷかぷかは何をしてきて、これから何をしていくのか。 それを映像で表現したい。 始まりは、10年先からこの10年を振り返ってみよう、というもの。ひょっとしたら10年先の社会は 「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ。その方がトク!」 なんてメッセージは、もう色あせています。 「そん…

  • たから君の存在が、学校を居心地のいい場所に

    先日神奈川新聞に「共生の学び舎」というタイトルで紹介されたたから君のお母さんのブログです。 ameblo.jp たから君がいることで、学校が少しずつ変わってきたようです。その変わり様は、まず子ども達だった、というところがキモですね。子ども達はほっとけば、どんどんいい関係を作ります。たから君と会うのが楽しみで、それまであまり学校に行かなかった子どもが喜んで行くようになった話もありました。 たから君の存在が、学校を居心地のいい場所にしているのだと思います。 これって、学校にとってとても大事なことですよね。それをたから君が、黙々とやっている。大人達がやれなかったことを、重度障害のたから君がやっている…

  • 相手を否定するようなことを言ったりしない

    3月4日、朝日新聞朝刊横浜版、津久井やまゆり園事件の被告の裁判での証言が載っていました。 「口調が命令的。人に接するときの口調じゃなかった。」 「人として扱っていないと思った」 「食事は流動食で、職員は流し込むというような状況。人の食事というよりは流し込むだけの作業に見えた」 被告の証言通りであれば、福祉施設としてはひどい現場だったと思います。 障がいのある人たちをほんとうに馬鹿にしています。相手を人として見ていません。こういうことが「支援」の名の下におこなわれているのだと思うと、なんだかぞっとします。 こんなやり方で接すれば、相手はひどく傷つきます。そういうことがどうしてわからないのでしょう…

  • 人としてのつながりは、大きなチカラ

    「いやぁ〜大変だろうな」って思ってしまうような日々の中で、尚も子ども達と楽しい日々を作り出しているお母さん。 ameblo.jp 「重度障害者は不幸しか生まない」といったやまゆり園事件の被告と、同じく重度障害と言われる子ども達と、こんなにも日々を楽しむお母さんは、一体どこがちがうんだろうと思います。 やっぱりどこかで人として出会っているのだろうと思います。それがあるから、どんなに大変な日々も楽しめたりするのだと思います。 うちの娘はパーソナリティ障害があって、調子が悪いときはほんとうに「助けて!」って叫びたいくらい大変です。それでもなんとかやっていけるのは、おだやかになったときの人としてのつな…

  • 甘夏パン!

    天草から届いた甘夏を使った甘夏パンができました。フランスパンの生地で作っています。 甘夏を作っているのは、もう30年近いおつきあいのある川野美和さん。少し前ですが「あめつうしん」に載っていた「耕す日々」と題した日記にステキな話があったので紹介します。 円(まどか 小2)が夏休みで悲しかったことは子牛が死んだことだよ、という。そうだった。8月20日の夜、私たちがバンビと呼んでいる母牛が予定より二日早く産気づいた(川野さんは牛を育てています)。彼女は今まで二度とも安産だったが、様子がおかしいので見ると、子牛の尻尾が出かかっている。逆子だ。これは大変とすぐTさんを呼ぶ。Tさんは以前にも、逆子を難なく…

  • 『Pukapukaな時間』Vol.3

    『Pukapukaな時間』Vol.3ができました。全体的にアートのセンスが格段にアップしました。アートだけでなく、ぷかぷか全体がいろんな意味でバージョンアップ,進化したのだと思います。 アートディレクターにアーダコーダいわれながら悪戦苦闘し,仕上げた若い編集者に拍手!です。 障がいのある人たちと一緒に生きていく中で生まれたアートです。一緒に生きていくと何が生まれるのかがよく見えます。こういったものは社会を豊かにします。そのことが見ただけでわかります。 一緒に生きていった方がいい理由が、ストレートに見えるのです。 これは「障害者はいない方がいい」の言葉に象徴される「津久井やまゆり園事件」に対する…

  • 神奈川県への不信感が拭いきれません。

    神奈川県が津久井やまゆり園の支援について情報提供を受け付ける窓口を設置したようです。 www.pref.kanagawa.jp これ自体はいいことだと思うのですが、こういったことをどうして事件直後にやらなかったのかと思います。 事件の検証委員会が出した報告書では、防犯上の問題だけが書かれ、やまゆり園における支援の実態には全くふれていません。 全く調べなかったのか、調べたのだが、横やりが入って削除させられたのか、よくわかりません。いずれにしても支援の現場で起こった事件の報告書としては、不自然極まりないものだったと思います。 津久井やまゆり園は社会福祉法人が運営しています。社会福祉法人はNPO法人…

  • ぷかぷかのおじさん タカサキがゆく

    ぷかぷかしんぶん3月号に「ぷかぷかのおじさん タカサキがゆく」と題して、この 1年間の活動を振り返っています。ちょっとくたびれた感じの似顔絵がいい雰囲気。 茅野のイベントは参加された方の感想が素晴らしかったです。 www.pukapuka.or.jp ぷかぷか上映会も、見に来た方の感想がよかったです。会場の空気感をよく伝えています。そしてこの空気感こそ、やまゆり園事件を超えるために必要だ、と。 www.pukapuka.or.jp 『表現の市場』が終わっても、毎日お風呂で「ゆっくりゆきちゃん」を歌っているひよりちゃんの話がすごくいい www.pukapuka.or.jp しんぶんには載っていま…

  • 支援の現場にとって、社会にとってあの事件は何だったのかを考えたい

    支援の現場の人間がどうしてあのような悲惨極まる事件を起こしたのか、結局わからないままやまゆり園事件の裁判は終わってしまいそうです。せめて我々で支援の現場にとって、社会にとってあの事件は何だったのか、この先どうすればいいのかを考えたいと思うのです。 この集まりの中心になっている方は昨年10月に県に対してやまゆり園事件のことで質問状を出したとき、 www.pukapuka.or.jp 「高崎さんの問いは、根源的で、共同会に留まらず、今の入所はもちろんボクたち通所の施設にとっても、答えに窮するものだと思います でも、そこから逃げていては、改善はないので、この問いは重要ですし、これは全ての事業所に向け…

  • 度々フタミさんが「一緒にお昼食べよう」と言ってくれていた

    ワークショップに参加した方から、ぷかぷかさんと参加者の関係を語る素晴らしい感想が上がってきました。 ●●● 表現の市場が終わってまだ一ヶ月も経っていないのに、みなさんとあの場にいられた時間がすごく懐かしいです。 演劇ワークショップのお昼時間。 前から度々フタミさんが「一緒にお昼食べよう」と言ってくれていたのですが、いつもうちはお昼ご飯を用意していないので「マルエツにお昼を買いに行って来るから、先に食べててね〜」と言って買いに行っていました。でもフタミさんは、食べずに私達をマルエツまで走って(!)追っかけてきてくれることもあり、お弁当を持って来ているのにマルエツでの買い物に付き合ってくれ、それか…

  • 自立支援法の下でもこんな実践が可能

    3月12日(木)に北海道の岩見沢で、簡単なワークショップ、上映会、トークセッションを予定していましたが、コロナウィルスの関係で延期になりました。 半月ほど前、岩見沢にある「こくわの里」という施設から電話があり、『ぷかぷかな物語』読んで、すごくおもしろかったので、ぜひこちらへ来てお話ししてもらえないか、という依頼があり、今回の企画が立ち上がりました。電話してきたのは80才になるという施設長さんでしたが、シャキシャキして、ものすごい実行力、行動力のある人のようでした。 「こくわの里」は自立支援法成立以前の地域にできた小さな作業所ですが、自立支援法ができてから、それまで思っていたのと違う福祉の方向と…

  • 支援の現場が、発想を変えれば、今までにない新しい価値がたくさん生まれ、社会が豊かに。

    先ほどブログを書いたあとでふと思ったのは、そもそも支援の現場で障がいのある人たちと豊かなものを作り出そうという発想があるのかどうか、ということ。 「支援」は障がいのある人たちに「何かやってあげる」一方的な関係であり、一緒に何か新しいものを作っていく関係ではありません。そこがぷかぷかとの決定的な違いだと思います。 今まで何度も書きましたが、障がいのある人たちの作り出す価値を1、スタッフの作り出す価値を1とすると、支援という関係の中では1+1が作り出すものは、2ではなく1のままです。「何かやってあげる」ことが目的なので、障がいのある人たちが生み出すものを見つけ出し、それを生かそうという発想が生まれ…

  • 2月29日(土)福岡・大名クロスガーデンでの上映会は延期

    2月29日(土)福岡・大名クロスガーデンで簡単なワークショップ、『Secret of Pukapuka』の上映会、トークセッションをやる予定でしたが、コロナウィルスが広がっているため延期になりました。ちょっと残念ですが、ま、しょうがないですね。 津久井やまゆり園事件の裁判もあり、事件に絡めてぷかぷかがやっていることの意味を話そうかなと思っていたのですが、次の機会ですね。 被告は控訴しないようなので、多分死刑の判決が下り、裁判は終わってしまいます。どうして障害者支援の現場でこんな事件が起こってしまったのかは明らかにならないまま裁判が終わることになります。 私は事件が起こって以来、悲しくて、悔しく…

  • 本気で寄り添ってくれる人を見抜いているのだと思います。

    『道草』上映会、無事終わりました。お客さん、ずいぶん入っていました。200人くらいはいたでしょうか。とてもうれしかったです。 ツジさんが映画の宣伝映像で、映画の何がいいですか?と聞くと、「たぁー!」がいい、と言ってましたが、上映中、映画の中でヒロムさんが「たぁー!」と叫ぶと、ツジさんも合いの手を入れるように「たぁー!」と叫んでいました。こういう反応は私たちにはできませんね。ツジさんのおかげで、上映会のとてもいい雰囲気ができたと思っています。ツジさんに感謝!です。 久しぶりの『道草』、4回目でしたが、あらためて新鮮な気持ちで見ました。こういう人たちが街の中で暮らしているということが、何を差し置い…

  • 『道草』上映のあと、シンポジウムをやります。

    明日の『道草』上映のあと、シンポジウムをやります。 出演は『道草』の監督・宍戸大裕さん、映画に出てくる岡部亮佑さんのお父さんであり、早稲田大学教授の岡部耕典さん、Cafeゆうじ屋オーナー、ラブ・エロ・ピース ボーカリストの実方祐二さん、NPO法人ぷかぷか理事長の高崎明です。 どんな話になるか、その場になってみないとわからないのですが、つい先日津久井やまゆり園事件の被告に死刑が求刑されたこともあり、やはりどこかで事件にはふれたいと思っています。 裁判では、どうしてこんな事件が起こってしまったのか、という一番大事なところが全く解明されませんでした。社会全体の問題と、支援の現場が抱える問題の二つがあ…

  • 障がいのある子どもがいることで、日常世界がこんなにも楽しく、豊かになる

    障がいのある子ども達は、とんでもなく自由です。それに引き換え、私たちはとんでもなく不自由です。だから彼らとのおつきあいに苦労します。 浅川素子さんもずいぶん苦労されたようです。それでもあるとき、ふっと発想を変えてみた。そうするとこんなにも楽しい空間、時間が生まれました。 お風呂の写真が感動的に素晴らしいです。障がいのある子どもがいることで、日常世界がこんなにも楽しく、豊かになることが、この一枚の写真から伝わってきます。うちには子どもが3人いましたが、こんなにも楽しいお風呂はありませんでした。 ameblo.jp

  • 2月22日(土)は、たくさん、たくさん、人を浴びに来て下さい。

    「人は、人を浴びて人になる」 人を浴びる。人を浴びることで、人は人になる。 教員になって最初の年、たまたま重い障がいを持った子ども達を受け持つことになりました。彼らとの日々は確かに大変なことがたくさんありましたが、それでも彼らのそばにいると、ふっと心安らぐことがたびたびありました。月並みですが、「人間ていいな」って、しみじみ思いました。障がいのある子ども達に出会って、初めてその言葉を実感することができたのです。 優秀と言われる人のそばではなく、あれができないこれができないといわれている人たちのそばにいて、人間を感じたのです。これは何なんでしょうね。そのわからなさに、人間の奥深さを感じます。 そ…

  • 楽しい、インパクトのある研修

    区役所の課長、係長クラスの方の人権研修をやりました。 ぷかぷかを一通り見学し、『Secret of Pukapuka』を見て、いつもなら感想を言い合ったり、私が話をしたり、質疑応答があったりなのですが、なんとなくもう少しインパクトのある研修にしたいと思い、詩を作るワークショップをしました。 見学と映画を見ての気づきを10行くらいの詩にまとめ、個人の詩を、集団の詩に編集し直し、それを相手に向かって朗読します。 感想をただ言うのではなく、詩にまとめる、という作業の中で、自分の体験したことに集中し、それをうまくまとめられたと思います。自分の詩の言葉をいったんばらし、ほかの人の詩の言葉とシャッフルし、…

  • 「重度障害者ですが、なにか?」 それを背中に貼り付け、彼らと一緒に黙々と歩いて行こう。

    「重度障害者」というと、知らない人にとっては、何もできない人たちで、その生活もすごく大変だろう、と思ってしまいます。 でも、そこにはあたたかな人の暮らしがあります。 yomidr.yomiuri.co.jp ブログに 《 初公判前に、犠牲になった娘の実名を公表した遺族の手記を読むと、障害のある子を家族が支えてきたというのは、ただの一面でしかなく、その子の存在によって家族の人生が支えられてもいたのだと改めて思う。人間の価値を、何か単純な指標で輪切りにすることはナンセンスなのだ。》 と、ありますが、ほんとうにその通りだと思います。重度障害者だから何もできない、ではなく、家族の人たちも、まわりの人た…

  • 2月29日(土)は福岡・大名クロスガーデンへ

    2月29日(土)、福岡の大名クロスガーデン(平尾バブテスト教会)で簡単なワークショップ、『Secret of Pukapuka』の上映、トークセッションをおこないます。ワークショップは心と身体をちょっと自由にします。ゆるっとなったところで映画を見て、みんなでわいわい話をします。 トークセッションは平良民枝さん、田中美香さん、吉川貴子さん、それに高崎の4人でやります。話がどんな風に展開していくのか、その場になってみないとわからないのですが、いずれにしても、ぷかぷかが今いろいろ創り出している新しい価値が、社会の中でどんな意味を持つのか、どんな風に社会を豊かにするのか、といった話になれば、と思ってい…

  • 「ぷかぷかさん」という言葉

    先日の朝日新聞に載った投書です。 6年前、第1期の演劇ワークショップの記録映画ができたとき、制作した宮沢あけみさんと、ぷかぷかで働く障がいのある人たちの魅力を語りながら、彼らのこと「障害者」っていうのはおかしいよね、映画のタイトルにも使った「ぷかぷかさん」て呼びたいね、みたいな話をしたことがあります。 その時は今みたいにみんなが「ぷかぷかさん」て呼んでなくて、どこまで広がるかなぁ、って心配していました。それが今や「ぷかぷかさん」という言い方がすっかり定着しています。 何でだろうな、と考えたときに、この投書にある 《 その壁は私たちの心の中にもあります。そんな壁をすべて取り除いたとき「しょうがい…

  • 「ぷかぷか人権研修会」の映像

    青葉区役所の人権研修会の映像ができました。 人権研修会というと、人権問題に詳しい方が来て、難しい、硬い話をして、聞く方は半分くらいは寝ていて、それでも人権研修会やりました、ということで終わってしまうケースがほとんどだと思います。参加した人は、ただ人権についての話を聞いたというだけで、何も変わりません。 様々な人権問題を少しでも解決しようという目的で開かれているはずなのに、こんな研修ではほとんど意味がありません。 じゃぁ、どうしたらいいの?というところで提案したのが、この「ぷかぷか人権研修会」です。 たまたま隣の区で障がいのある人たちのグループホーム建設に反対する運動があって、新聞に取り上げられ…

  • 「共生社会を作ろう」とかよりも、「おつきあいした方がトク」くらいの方が気持ちが楽

    最近、共生社会ということがよく言われますが、なんとなくそういう社会を強制されている感じがして、いまいち馴染めません。昔、障害者とは共に生きねばならない、なんていわれていましたが、なんかそれに重なるようなものを感じます。 障がいのある人たちと共に生きなくても、ふつうは特に困りません。だったら別に共に生きなくてもいいじゃん、となります。確かにそうです。でもね、彼らとちょっとつきあってみるとすぐわかるのですが、彼らとはおつきあいした方が楽しいし、いろんな意味でトクです。 「共生社会を作ろう」とかよりも、「おつきあいした方がトク」くらいの方が気持ちが楽で、長続きするような気がします。 映画『道草』の中…

  • すごくいい対談をやりました。

    すごくいい対談をやりました。ぷかぷかがやってきたこと、やろうとしていることをうまくまとめてくれています。ぜひ読んでみてください。 www.sustainablebrands.jp ぷかぷかの映画の上映会をやって、こういう対談があちこちでできるといいなと思っています。ご検討ください。問合せはこちら www.pukapuka.or.jp 以下のところで上映会とお話をします。簡単なワークショップもやります。ぜひお越しください。 ●2月29日(土)九州は福岡の大名クロスガーデン(平尾バブテスト教会) 問合せ kankanzosan@gmail.com 090-5987-2244 吉川 ●3月12日(木…

  • 映画を見て、彼らとちょっと道草食いませんか?

    2月22日(土)青葉公会堂で『道草』の上映会をやります。 彼らと一緒にちょっと道草食う日々は、自分の人生をちょっと楽しくします。 以前にも書きましたが、昔養護学校の教員になって最初に担任した子ども達は重度障害の子ども達でした。映画に出てくる青年達よりも、もっと障がいの重い人たちでした。でも彼らと出会ったおかげで、世界が何倍も広がり、何よりも毎日がすっごく楽しくなりました。この人たちのそばにずっといたい、と思うようになり、その時の思いが、今のぷかぷか設立につながっています。 彼らは私の人生を、ほんとうに豊かなものにしてくれたと思っています。それはぷかぷかが作り出してきたものを見ればわかります。 …

  • 私は、ここに描いた空を、湖を、木々を愛していると

    今朝の朝日新聞「折々のことば」 不出来な私の過去のように 下手ですが精一杯 心を込めて描きました。 石垣りん 「私」は、ここに描いた空を、湖を、木々を愛していると「きっぱりと思っている」。 ●●● 思い出したのは昨日東久留米の上映会で見た第5期演劇ワークショップの記録映画『ほらクマ学校を卒業した三人』。 ぷかぷかさんと地域の人たちが悪戦苦闘しながら6ヶ月かけて芝居を作った時の記録映画です。できあがった芝居は決して上出来とはいえなくて、昨日の上映会では「シュールでわかりにくい」といった意見も出ました。 それでも私は見て欲しいと思うのです。 下手ですが、精一杯心を込めた描いたものです。 私は、ここ…

  • ぷかぷかさんたちの姿をみて、生きる価値がないなんてとんでもない、と思った。

    明日2月11日(火)東久留米で第5期演劇ワークショップの記録映画『ほらクマ学校を卒業した三人』と『Secret of Pukapuka』の上映をします。 第5期演劇ワークショップには栃木から毎回新幹線に乗って来ている方がいました。中学生の息子さんが「新聞を読んで感想を書こう」という宿題に取り組んでいるときにたまたま朝日新聞に載った「障害者と一緒 豊かな生」という記事を見つけ、それがきっかけで親子で参加することになりました。 お母さんの方は、最後の反省会の時、ぷかぷかさんといっしょにやったワークショップが楽しくて楽しくて…と話ながら号泣してしまいました。号泣するほどの関係がぷかぷかさん達との間に…

  • 「うんこ」のおかげで私たちがちょっと解放され、自由になる集まり

    2月29日(土) 福岡の大名クロスガーデンという教会で『Secret of Pukapuka』の上映と、簡単なワークショップ、トークセッションをやります。 ワークショップは1時間ほどしか時間がないのでたいしたことはできないのですが、なるべく楽しいことを、ということで、谷川俊太郎の詩『うんこ』を朗読したり、歌ったり、「うんこよ今日も元気に出てこい!」という芝居を作ったりしようかなと密かに思っています。 なんとなく福祉の話の集まりになりそうなのですが、『うんこ』の詩を読んだり、歌ったり、更には芝居作ったりすると、福祉の「まじめな話」ではなくなります。そういうことが、今、大事な気がします。「うんこ」…

  • 2月11日(火・祝) 演劇ワークショップの記録映画、上映します。

    2月11日(火・祝)東久留米で『Secret of Pukapuka』と第5期演劇ワークショップの記録映画『ほらクマ学校を卒業した三人』をやります。 演劇ワークショップの記録映画は、なかなか上映する機会がないので、ぜひ見に来て下さい。障がいのある人たちと一緒に生きると何が生まれるのか、あるいは、一緒に生きる意味、といったものがよく見えます。 「共生社会を作ろう」とか「共に生きる社会を作ろう」とかよく耳にしますが、耳障りのいい言葉が聞こえてくるだけで、そこで何を作り出そうとしているのか、といったことがさっぱり見えません。具体性がないのです。どこまで本気なのか、と思ってしまいます。 演劇ワークショ…

  • 被告が裁かれて事件はおしまい、という問題ではないだろうと思います。

    やまゆり園事件の公判に関する記事 弁護士の「美帆さんは人間でなかったのか」との問いには「そういう言葉を使うのは忍びないですが人間としての生活ではないと思う」と話した。 被告にとって人間てなんなんだろう、と思いました。そういう人間のイメージがどこで作られたのか、が大きな焦点になると思います。 事件が起こった頃も、事件後も、やまゆり園では利用者さんを拘束するという虐待事件が起こっています。一昨年のNHKスペシャルでは13時間も拘束された女性の話が放送されましたが、相手を人間として見ていないからこんなひどいことが平気でできるのだと思います。そういった環境で被告は3年働いていたので、人間を見る目に何ら…

  • それを掛け合わせたからこそあんなに魅力溢れる舞台になる

    浅川さん親子の演劇ワークショップ体験記。 「できないから助けてあげる、支援するというのが今の福祉の考え方のような気がします。でも私は、できないことを補い合うのではなくて、一人ひとりの持っているパワー(好きなこととか得意なこと)を出し合う方が社会は豊かになるんじゃないかなと息子たちを育てながら思うようになりました。 ぷかぷかの舞台はまさにそれを体現していたと思います。ぷかぷかさんを助けるために地域の人が出るのではなく、ぷかぷかさんだから出来ることと地域の人だから出来ること、それを掛け合わせたからこそあんなに魅力溢れる舞台になるのだろうと改めて思いました。」 ズバリ本質を突いていますね。以前からぷ…

  • 「だめ」と否定されてきた「行為を豊かにする装置」がぷかぷかにはあった

    今朝の朝日新聞『折々のことば』。 「処理」ではなく、「行為を豊かにする装置」としてのトイレのデザインを夢想する、というところ、ぷかぷかとおんなじだと思いました。 仕事のおしゃべりはまずいんじゃないか、と社会の中でいわれながらも、ぷかぷかでは「別にいいよ」と、仕事中もおしゃべり。そのおしゃべりがおもしろい、とファンがつき、ファンが売り上げを生み出しました。何よりもよかったのは、そのおしゃべりが、障がいのある人と街の人たちとの素敵な出会いを作ってくれたこと。おしゃべりが、街をちょっぴり豊かにしてくれたのです。「だめ」と否定されてきた「行為を豊かにする装置」がぷかぷかにはあったのです。 こんなまじめ…

  • 人は人との出会いによって回復する力があるということ

    久しぶりにいい本読みました。『人は、人を浴びて 人になる』という本です。昨日、朝、図書館で借りて、ちょっと読みはじめたらやめられなくなって、1日で読んでしまいました。 精神を病んだ精神科医の話です。お母さんが統合失調症で、子どもの時から大変な苦労をしています。著者自身精神を病み、リストカット、摂食障害、アルコール依存、自殺未遂…と大変な人生。精神科にかかり、主治医の出した向精神薬を浴びるほど飲んでも、私の精神は安定しなかった、といいます。 そんな著者を救ったのは医者や薬ではなく、「ふつうの人々」だったといいます。「ふつうの人たち」との素敵な出会いが精神をボロボロに病んだ著者を救ったというお話で…

  • 「ま、いいか」っていう感覚

    身代わり説はおとぎ話じゃないの、というブログに、 ●難病重度のエリート障害者・健一大内さんは 最近、思う様に動かん体に憤り見たいなん感じるけど、変わってくれとも、五体満足の体の癖にロスジェネだの生きづらさだの腑抜け連中の身代わりになった覚えも無いね😃 とズバリ。この人にとっては、五体満足の体のくせにロスジェネだの生きづらさだのいうのは腑抜けだ、と。日々の苦労がリアルに想像できます。 「身代わり」なんて話は、やっぱり健常者に心地いいファンタジーなのです。だからこういう話は受けるんだと思います。一時はやった映画『四分の一の奇跡』がいい例です。 健一大内さんのFacebookには 恵方巻🍣用、刺身🐟…

  • 「障がいのある人たちは私たちの身代わりになってくれた」というおとぎ話。

    シェアリーカフェでのセミナー、参加者の一人が「障がいのある人たちは、私たちの身代わりになってくれている。だから私たちは健常者でいられる」といったことをいわれ、なんかすごく違和感をおぼえました。お子さんが養護学校に通っているお父さんでしたが、息子さんが障がいを持っていることを自分で納得するためのファンタジーという感じがしました。 うちの娘はうつがひどく、大学にほとんど通えませんでした。医師に診断書をもらい、長く休学していましたが、これ以上休んでも復学は無理、と泣く泣く退学届を出しました。うつという障がいのために、わくわくするような大学生活をすべて失いました。やりたかった勉強をすべて諦めたのです。…

  • 映画『Secret of Pukapuka』 私もあの中に入って、一緒に笑ってみたいです。

    国立特別支援教育総合研究所というところの研修で『Secret of Pukapuka』を上映したときに上がってきた感想がとてもよかったので紹介します。 ●映画の感想 ・みなさん自然体だなぁ、安心感があふれているなぁ、と思いました。私もあの中に入って、一緒に笑ってみたいです。 ・こんなにも生き生きと働ける場所があるなんて、すてきなことだと思いました。 ・みんなえがおで、みんなしあわせなぷかぷかさんのまわりで、みているだけでしあわせになりました。 ・地域を耕す、という表現がとてもいいなと思いました。正解や効率を超えたところにあるもの、のように思いました。 ・ぷかぷかさん達とそのまわりの人たちが、日…

  • 湯船につかると〝ゆっくりゆきちゃん〟を歌うのが習慣になってしまった

    『どんぐりと山猫』一郎が山猫に会いに行くところは「ゆっくりゆきちゃん」の歌に合わせてゆっくり歩きます。その歌を歌ったのが、ひよりちゃんのグループ。右の方、オレンジ色のシャツがひよりちゃん。 で、そのひよりちゃん、毎日お風呂で「ゆっくりゆきちゃん」をうたっているそうです。 ●●● 表現の市場は終わってしまったのですが、我が家でまだまだ進行中です!というのは、いつも〝ゆっくりゆきちゃん〟の歌をお風呂で練習していたので、湯船につかると〝ゆっくりゆきちゃん〟を歌うのが習慣になってしまったのです(笑)それで今ごろになってですが日和が上手になってきています(笑)今まで日和は顔を洗うのが適当で、指先でちょち…

  • 「社会にあわせなくても、やっていけるよ」セミナーは、お互いの日々がハッピーになるヒント

    2月2日(日)午後2時からシェアリーカフェで「社会にあわせなくても、やっていけるよ」セミナーをやります。 「社会にあわせなくても、そのままのあなたが一番すてき!」 というメッセージは、みんなを自由にします。 昨日の「ぷかぷかさんのお昼ごはん」ではお客さんとこんな関係でした。 無理に社会にあわせなくても、そのままでいいよっていってると、こんな関係が自然にできるのです。これはお互いにとって、とてもハッピーな関係だと思います。 福祉事業所が運営する喫茶店に行った人が、 「ぷかぷかに来ると、やっぱりホッとします」 といったのも、こういう雰囲気があるからだと思います。 社会にあわせようと一生懸命になると…

  • ムダに見えるような人たちとのおつきあいが、ぷかぷかを作った。

    朝日新聞『折々のことば』 ぷかぷかさんとのおつきあいって、つまりはこういうことではないかと思います。 障がいのある人たちはいろんなことができないから、彼らとおつきあいしても何も生まれない、ムダ、と多くの人は考えています。そんな中で、タカサキは彼らとおつきあいしたら楽しいし、なによりも「おもしろい人と一緒にいたい」と思い、一緒にぷかぷかを作ってきました。なんかね、彼らと一緒に作っていけば、きっとおもしろいお店ができると思ったのです。 この「一緒に」がキモです。「何かやってあげる」とか「支援する」ではなく、どこまでも「一緒に」ぷかぷかを作ってきたのです。 結果、ご存じの通り、なんとも楽しいぷかぷか…

  • そらくん 「またやりたい!」

    そらくんは不思議な存在感の人。どこからともなく現れ、すっと通り過ぎ、みんなを邪魔するわけではなく、それでいて妙にあたたかいものを残していきます。進行役のせっちゃんは『もののけ姫』に登場する木霊のようだ、といってましたが、とにかくうまく表現できない存在。地域の子どもや大人達には大人気の人だそうです。 そんなそらくん、ワークショップはどうだったのかなと心配していましたが、本番はちゃんと舞台に立ってどんぐりやってました。写真、真ん中です。 『表現の市場』が終わってからお母さんがインタビューしました。 www.youtube.com 「またやりたい」なんて、うれしいですね。なんとなくウロウロしているよ…

  • 『表現の市場』は、ぷかぷかさん達にとって、素晴らしい体験の場

    しょうへいさんがワークショップのことをずっと日記に書いていた、とお母さんが日記を届けてくれました。 みんなで「ゆっくりゆきちゃん」の歌を練習したときの日記です。 「ゆっくりゆきちゃん」をうたいながら一郎は山ねこのところへ これは配役を決めたときの話で、しょうへいさんは、マサトさん、ヒカリさんと三人で馬車別当をやることになりました。マサトさんは地域のおじさんです。 マサトさんはこんなおじさん。ぷかぷかさん達と、こんなすてきな出会いをしました。 www.pukapuka.or.jp こんな出会いがあるのが演劇ワークショップ。お互い「あなたにいて欲しい」と思える出会いがたくさんあります。 こんなおじ…

  • 「人間扱いは必要ないと思うようになった」とやまゆり園事件の被告

    今朝の毎日新聞、やまゆり園事件公判の記事。 《 園の職員になってからは、利用者の食事の様子などに驚いたといい、自身も「ご飯を食べないと鼻先を小突いてしつけをした」と話し、人間扱いは必要ないと思うようになったと説明した。》 《 利用者に命令口調になったり流動食を作業のように流し込んだりする他の職員の姿を見て「(利用者は)人間ではないと思った」と述べて、園で働く中で差別的な考えが膨らんだと話した。》 「人間扱いは必要ないと思うようになった」とありますが、これが津久井やまゆり園の支援の現場の実態なのだろうと思います。そういう現場だからこそ、事件は起こったのではないか、と以前から書いていますが、まさに…

  • 生放送中に電話で映画の宣伝

    2月11日(火・祝)に東久留米でぷかぷかの上映会をやります。それについて「FMひがしくるめ」というコミュニティFMラジオ局から、生放送中に電話で映画の宣伝しませんか?という連絡がありました。東久留米の上映会は、まだまだ宣伝し切れていないので、大助かりです。 www.fm-higashikurume.com 放送日は1月31日(金)の15時10分過ぎだそうです。 スマホならアプリをダウンロードすればどこからでも聞けるそうです。 Androidの方 無料アプリ《FMひがしくるめ》をダウンロード iPhoneの方 無料アプリ《FMプラプラ》をダウンロードの上、《FMひがしくるめ》を選択 下記のサ…

  • 舞台の真ん中に、目には見えない柱が立っていた。

    第6回表現の市場で『どんぐりと山猫ーぷかぷか版』の発表をしました。 10年前、 「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」「その方がトク!」 と、一本の柱を立てました。その柱に共感する人が少しずつ、少しずつ増えてきました。 ほっこりあたたかな、たくさんの物語が生まれました。 ゆるい、ホッとできる空気感が生まれました。 ぷかぷかさんが好き!というファンがたくさんできました。 障がいのある人たちは社会を耕し、豊かにする、ということが見えてきました。 舞台の最後、思いを込めて「あの広場のうた」をうたいました。 ♪ …… 歌が生まれ 人は踊り出し 物語がはじまる あの広場がここに 昔 広場に…

  • ひとときの夢物語『どんぐりと山猫ーぷかぷか版』を、明日「表現の市場」でやります。

    宮澤賢治作『どんぐりと山猫』は一郎のうちに山ねこからおかしなはがきが来るところから始まる、ひとときの夢物語。さしたる起伏もないお話です。ところが最後、一郎がどんぐりを入れたますを持って自分のうちの前に立っているところまで来て、突然、そのさしたる起伏もないお話が、ひとときの夢のような時間をプレゼントしてくれたことに気がつきます。 《それから「やまねこ拝」というはがきはもう来ませんでした。》 というナレーションは、現実の世界に引き戻されたさびしさを突きつけます。 《 かねた一郎さま 九月十九日 あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。 あした、めんどなさいばんしますから、おいで んなさい。とび…

  • 「あなたがいて、幸せだよ」と思える関係

    NHKの津久井やまゆり園事件の裁判を伝える記事に 《 「お母さん、幸せだったよ」〜法廷に響いた“反論” 》 というタイトルがついていました。あえて反論という言葉が入っています。多分被告のいった 「障害者は不幸しか生まない」 という言葉に代表される事件への反論なのだと思います。「不幸しか生まないんじゃない、私は幸せだったよ」という、ストレートな反論です。 「お母さん、幸せだったよ」 人間は、どんなに悲惨な中にあっても、こうやって希望を感じる言葉を紡ぎ出すんだと思いました。 www3.nhk.or.jp 事件を超える社会、というのは、このお母さんのように 「あなたがいて、幸せだよ」 って思える関係…

  • 「お母さん、幸せだったよ」

    「お母さん、幸せだったよ」津久井やまゆり園事件の法廷に響いた言葉です。人が生きていることの意味、誰かといっしょに生きることの意味が、このひとことにはあります。 このひとことに込めたお母さんの思いをしっかり受け止めたいと思うのです。 そしてそういう思いを共有できるような関係を、障がいのある人たちと作っていきたいと思っています。だから「支援」ではだめなのです。そこからは、お母さんの思いを共有できるような関係はできません。 津久井やまゆり園、愛名やまゆり園で,また虐待がおこなわれた、と昨日神奈川県が発表しました。「支援」の行き着く先を見た思いです。そして、そこで事件は起きました。 現場の人たちが、お…

  • 「表現の市場」は、社会全体で支えて欲しい。

    今度の日曜日1月26日(日)はいよいよ第6回目の「表現の市場」。 準備は着々と進んでいるのですが、気がかりはやはりお金のこと。半年かけて芝居を作り、その発表の場として「表現の市場」をやると、講師、舞台監督などの人件費、会場費を合わせると230万円ほどのお金がかかります。ヨコハマアートサイトから100万円の助成金をゲットしましたが、ほかの助成金申請はすべて没。結局残り130万円ほどはぷかぷかで負担することになります。 ぷかぷかは貧乏なので、130万円というのは大変な負担です。とりあえず今年は払っていくにしても、この状態が続けば、「表現の市場」の存続は,かなり難しくなります。 ぷかぷかの収益を増や…

  • 「表現の市場」は、津久井やまゆり園事件に対する,私たちの体を張ったメッセージ

    津久井やまゆり園での虐待が、また明らかになりました。 www3.nhk.or.jp 虐待というのは、相手を人として見ていない、相手と人としてちゃんとつきあっていない、ということだと思います。だからこういうひどいことができる。事件はこういう環境の中で起こったのではないか、というのは以前にも指摘したことです。 昨年7月のNHKスペシャルでは13時間も拘束された女性の話が出てきました。 www.pukapuka.or.jp 第三者委員会の調査結果を見て、あらためて津久井やまゆり園の現場のひどさを思いました。障がいのある人たちとどういう関係を築くのかというところでは、ぷかぷかと全く正反対です。 1月2…

  • 気づきが自分の中で何倍もふくらんで

    区役所の課長、係長クラスの人権研修会をやることになりました。 ぷかぷかを見学して、ぷかぷかの映画を見て、私の話を聞く、というのが、一般的ですが、それだけでは何かつまらない感じがしたので、詩のワークショップをやりませんか、という提案をしました。 見学と映画を見るだけでは、それほど人は変わりません。でも、見学と映画を見ることで気づいたことを元に詩のワークショップをやると、ふだん味わえない発見があって、多分人は少し変わります。 気づきを5行くらいの詩にまとめ、それを集団の詩としてまとめ上げ、最後にそれを誰かに向かって朗読します。ちょっとした気づきが自分の中で何倍もふくらみます。こういったことが自分を…

  • 気づきが自分の中で何倍もふくらんで

    区役所の課長、係長クラスの人権研修会をやることになりました。 ぷかぷかを見学して、ぷかぷかの映画を見て、私の話を聞く、というのが、一般的ですが、それだけでは何かつまらない感じがしたので、詩のワークショップをやりませんか、という提案をしました。 見学と映画を見るだけでは、それほど人は変わりません。でも、見学と映画を見ることで気づいたことを5行くらいの詩にまとめ、それを集団の詩としてまとめ上げ、最後にそれを誰かに向かって朗読する、という詩のワークショップをすれば、気づきが自分の中で何倍もふくらんで、ひょっとしたら人が少し変わるかも知れません。 詩を朗読することは、ただそれだけで自分を少し解放します…

  • ぷかぷかさんの発言に、一瞬その場にいたみんながうろたえた

    第6期演劇ワークショップ6回目。来週には本番の舞台。できあがった台本を使って通し稽古をしました。ようやく全体の構成が見えてきて,本番舞台へ向けての緊張感が出て来ました。 ある日一郎の家に山ねこからおかしなはがきが来ます。 「あした、めんどなさいばんしますから、おいでんなさい。」 どんぐり達がだれが一番えらいかでもめていて、もう三日も続いています。困り果てた山ねこが、一郎に助けを呼び、一郎のアドバイスで解決するというお話です。 2回目の通し稽古のほぼ終わるころ、それまで黙っていてショーヘーさんが突然、 「お肌つるつるどんぐりが一番!」 と主張していたどんぐりグループに向かって 「ケンカはやめまし…

  • 社会にあわせないぷかぷかさん達が作り出す「価値」

    2月2日(日)シェアリーカフェで「社会にあわせなくったってやっていけるよ」セミナーやります。 先日カメラを持ってぷかぷかに撮影に来た人がいました。初対面のあいさつもなく、いきなりテラちゃんがピターッとからだを寄せてきて、 「え?」 っていってる間に手を握られ、 「おう?これはどうしたらいいんだ? おう?」 と、その時のドギマギした様子をブログに書いていました。 ドギマギしながらも、なんだかうれしくて、笑ってしまって、気がつくとテラちゃんと仲良くなっていて、気持ちよく写真撮ったりしていました。何よりも一気に体の力が抜け、心が自由になったようでした。 NHKの記者が来たときも、こんな最初の一撃で、…

  • 「いっしょに生きていくと私たち自身が豊かになる」そのことを感じる上映会やります。

    2月11日(火・祝)東京都東久留米『Secret of Pukapuka』『第5期演劇ワークショップの記録映画』を上映します。主宰するロゴスフィルムサイトウさんのブログです。 logosfilm.jugem.jp サイトウさんは以前『Secret of Puapuka』を見たとき、 「これって、いいとこばかりをつなげたんじゃないの」 と、いかにも映画制作の同業者の感想を言い、上映会の後、すぐにぷかぷかにやってきました。で、ぷかぷかを見て、ぷかぷかの雰囲気を味わった後、 「そのまんまですね」 といい、以来ぷかぷかに惚れ込み、ぷかぷかの映画を何本か作ってもらいました。 2月11日の上映するのは第5…

  • 世界が広がっていくのを肌で感じる。

    施設長さんもやってきてテラス席が賑やかに。そしてなんと写真のお仕事を依頼される。いいんですか?いいんですか?本当にいいんですかっ? なんか楽しくなってきたなー。世界が広がっていくのを肌で感じる。 note.com

  • これが素敵な時間じゃないはずがないではないか

    パンを袋に入れる、その手つきがとても丁寧なんだよ。 クサイこと言うと、僕が買ったのは「パン」という商品だけではなくて 「やさしさ」とか「まごころ」などの想いも一緒に買ってるんだろうな。 おいしくて優しい味のパンを食べながら、かわいらしいカードを眺める。 これが素敵な時間じゃないはずがないではないか。 note.com

  • 「きれいな声をしているねって言われてうれしかったです」 人間はこれだけのことでその日がいい一日になるということを僕は完全に忘れていた。

    パン屋の前のベンチでPCを開く。ぷかぷかさんの気配を感じながら書くってカッコイイ。気配どころか、背後からじいっと見つめるぷかぷかさんも。それでも、彼らのストレートな行動を見せつけられると胸の中に清々しい風が吹く。 帰りの会はまるでカオス。全員が好き勝手にしゃべっている。 「いい一日でしたか?」 「きれいな声をしているねって言われてうれしかったです」 人間はこれだけのことでその日がいい一日になるということを僕は完全に忘れていた。 note.com

  • え?って言ってる間に手を握られる。 おう?これはどうしたらいいんだ?おう?

    初めての撮影。次から次にモデルがやってきて、 多分テラちゃん え?って言ってる間に手を握られる。 おう?これはどうしたらいいんだ?おう? 大混乱の中で撮影が始まる note.com

  • これが僕と「ぷかぷか」、 そして障がい者の人たちとの出会いだった。

    アートイベントに展示する写真のモデルを探しに来たのだが、いきなりぷかぷかさんに出会ってしまう。 note.com

  • 言い方は悪いがふと興味が湧いたのだ

    十日市場で美容院をやっている方が突然写真を撮りに来て、とてもいい写真を撮り、いい感じのエッセイを書き始めました。題して「風とカメラとぷかぷかと」。そのプロローグ note.com

  • 障がいのある人に何かやってあげる文化ではなく

    今朝の朝日新聞「折々のことば」 《 文化には、方向性はない。おじいちゃんおばあちゃんが孫から教わることもある。それが文化の素晴らしいところだと思う。》 ぷかぷかはぷかぷかさんたちから教わったことを一つの文化として作り上げてきたと思っています。昨日のセミナーのテーマ 「社会にあわせなくったってやっていけるよ」も、ぷかぷかさんたちがありのままの姿でファンを増やし、売り上げを伸ばしているところから見えてきた新しい「文化」です。 社会に出るためには「あれができなきゃだめ」「これもできなきゃだめ」といわれ続けてきた「文化」に対する、「別にできなくってもいいんだよ」という異議申し立ての「文化」であり、みん…

  • 黙々と自分の人生を生きていく,それは生き方

    映画『だってしょうがないじゃない』を見に行きました。 発達障害をかかえながら一人で生活している叔父さんの日々を、40才を過ぎて発達障害と診断された映画監督が撮り続けた3年間の記録です。 全くの自然体で生きるまことさん。一人で暮らしていくのは難しいので、いろんな人に支えてもらいながら、古い一軒家で一人暮らしをしています。監督も精神的に不安定なところがあって、薬を飲みながらの生活。その二人が絶妙なコラボを演じます。 ちょっととぼけた感じのトロンボーンの音が素晴らしくいい。まことさんと、それに絡む映画監督の、なんともおかしい人生をやわらかく支える。 「だってしょうがないじゃない」 おしゃべりの止まら…

  • おつきあいがはじまると、地域がかわってくる

    町田でもグループホームの反対運動が起こっているようで、全く気が滅入ります。「土地が汚れる」なんて、ひどい言い方です。 それでも記事の最後に希望の持てるいい話が載っていました。グループホームができて何年かたつとこんなうれしい変化もあるようです。 《 反対運動にかかわっていた住民から「あの頃は、精神障害のことを知らなかった。町内会の掃除にもよく出てきてくれて。ご近所なんだから気兼ねしないで」と声をかけられた。何か特別なことをしたわけではない。でも実際に住み始めて、受け入れてもらえていると感じるという。 近所に住む男性は言う。「あれだけ大騒ぎしたけど、できる前とできた後、何も生活は変わっていないよね…

  • みんなの発表を聞いて、心からやさしい気持ちになりました。

    創英大学で、3回の授業(①映画『Secret of Pukapuka』の上映とぷかぷかの話、②ぷかぷかさんと一緒に双六ワークショップ,③ぷかぷかさんと一緒に演劇ワークショップ)と2日間の体験実習のふり返りで、詩を作るワークショップをやりました。ただ感想を言うのではなく、自分の感じたことを4行ないし5行の短い詩にまとめます。その言葉を1行ずつばらし、グループの中で編集し直し、グループとしての詩にまとめます。それをほかのグループの人たちに向かって朗読します。 詩を作るワークショップの目的は、体験をみんなで共有すること、誰かに向かって朗読することで、詩の言葉を生き生きと立ち上がらせること、言葉が立ち…

  • 甲でも乙でもなく美帆

    今朝の天声人語に美帆ちゃんのことが載っていました。 「甲でも乙でもなく美帆」 きっぱりとした、なんて力強い言葉なんだろうと思いました。 名前は、その人の人生そのものです。「美帆」という名前を聞くことで、私たちは美帆ちゃんの人生を思い浮かべることができます。甲や乙では美帆ちゃんの人生を思い浮かべることはできません。 美帆ちゃんの人生を思い浮かべることなく裁判をすすめることはおかしい、とギリギリのところで出た、必死の異議申し立てだったと思います。それは裁判だけでなく、事件後、犠牲になった人たちを匿名に追い込んだ私たちの社会にも向けられたものだったと思います。 犠牲になった人たちの人生を思い浮かべら…

  • 息子たちとこんな風に町の中で暮らしていくことが、社会の希望になる。

    1月12日(日)アースプラザでのセミナーでおしゃべりする予定の「ぷかぷか作り隊」隊長の浅川さんからメッセージが届きました。 不寛容な時代にあって、尚も希望の持てるメッセージです。冬休みが明けた登校日の風景からこんな言葉を紡いでいます。 「私たち家族を支えてくれ、一緒に笑ったり泣いたりしてくれる人たちと出会い、この地域で生きていくことを選び日々を重ねて来た今、しみじみと、私は息子たちとこんな風に町の中で暮らしていくことが社会の希望になる。そんな風に強く思った登校初日でした。」 息子たちとこんな風に町の中で暮らしていくことが、社会の希望になる。障がいのある子ども達と暮らすことが、社会の希望を作り出…

  • 「表現の市場」は、津久井やまゆり園事件を超える社会を提案する舞台

    津久井やまゆり園事件の公判がもうすぐ始まります。それをめぐっての集まりが開かれます。ぜひお出かけ下さい。 dpi-japan.org 事件をめぐっての議論は大事です。ただ議論するだけで終わったのでは意味がありません。議論の先に何を作り出すのか、というところこそが大事だと思います。 「社会が問われている」は事件をめぐる議論でいつも言われることです。でもそこから先がなかなか出てきません。問われた私たちは、ではどんな社会を、どう作ろうとしているのか、ということです。 事件を超える社会を私たちはどうやって作り出すのか、障がいのある人たちと一緒に、お互い気持ちよく生きていける社会をどうやって作り出すのか…

  • 一瞬垣間見えた、ぷかぷかさんたちの小さな物語

    ぷかぷかさんたちといっしょに初詣に行ってきました。 いろんな思いが渦巻いて 一瞬垣間見えた、ぷかぷかさんたちの小さな物語です。

  • 相模原障害者殺傷事件ーいっしょに深い人間関係を築く

    相模原障害者殺傷事件について、とてもいい記事を見つけました。 news.yahoo.co.jp 記事の中《「障害者を支援する仕事を約3年も続けてきた職員がなぜあのような障害者観に行きついてしまったのか」という根本的な問題には、マスコミも含めてこの社会はほとんど迫れていない。》という指摘は全くその通りだと思います。 一番の問題は、やはり津久井やまゆり園自体が、その問いと向き合わなかったことだろうと思います。「どうして元職員があのような事件を起こしたのか」という問いと向き合い、そこで考えたことを外に向けて発信していれば、それを手がかりにたくさんの人がこの問題を考えることができたと思います。 取材を…

  • 今年はぷかぷかが始まってなんと10年

    今年はぷかぷかが始まってなんと10年になります。なんだか、あっという間の10年でした。え?もう10年?という感じ。 しっかりした事業計画があったわけでもなく、本当に行き当たりばったりの、頼りない運営でした。それでも、今、すごい広がりが生まれていて、これはなんだったかなぁ、と考えています。 それはやっぱり、障がいのある人たちに惚れ込み、 「彼らとはいっしょに生きていった方がいいよ」 「その方が絶対トク!」 と、様々な形で、しつこく言い続けてきたことだろうと思います。 いろいろ苦しいときがあっても、ここの部分だけはぶれなかったこと。そこが大きいと思います。 「障がいのある人たちとはいっしょに生きて…

  • ぷかぷかの人たちがきて、心がぷかぷかしました。

    先日小学校で人権に関するこんな授業をやりました。 www.pukapuka.or.jp その授業を受けた子ども達の素晴らしい感想です。まっすぐな気持ちがとてもうれしいです。こういう機会さえあれば、子ども達は素直にこっちを向いてくれます。希望を感じました。 ・ぼくは障がいをもっている人たちのことをこわいと思ったり、できないことが多い人たちなのかなと勝手に思っていたけど、今日のぷかぷかさんたちを見て、それは違うなと思いました。太鼓やダンス、計算、いろんなすごいことをやっていて、そしたら自分もがんばらなくちゃと思いました。ぼくはこれからは障がいをもっている人たちを怖がらずに生きていきたいと思います。…

  • 2020年1月12日(日)あーすぷらざ「社会にあわせなくてもやっていけるよ」セミナー

    2020年1月12日(日)あーすぷらざでの「社会にあわせなくてもやっていけるよ」セミナー、ゲストの辻さんが仕事の都合で来られなくなったので、今、あちこちで活躍されている若い三人のお母さんにきてもらうことにしました。 みんなが自分らしくいられる場所として鶴見にも「ぷかぷか」を作ろうと動き始めた「ぷかぷか作り隊」隊長の浅川素子さん、障害者はなんとなくいや、という人の多い中で、重度の障がいを持つhanaちゃんの、なんとファンを作り出したお母さん花岡千恵さん、自分の苦労した経験を若いお母さん、お父さんに伝えて、みんなが笑顔になれるサロン「おおたけゆきえサロン」を開いた大竹友里恵さんの三人です。この三人…

  • 未来への「希望」を私たちはつくり出したい

    6回目の「表現の市場」やります。 「障がいのある人たちとは、いっしょに生きていった方がいいね」ってみんなが思える舞台を、ことしも作ります。 彼らの舞台からは、たくさんの元気をもらえます。 素直に生きる彼らの舞台を見ていると、「ああ、明日も生きていこう」って思えます。明日に向かう「希望」をもらえます。 そんなふうにして、彼らは新しい歴史を作っているのだと思います。 「なんだ、助けられてるのは、私たちの方じゃん!」 て思えるような彼らの舞台は、お互いの関係が逆転し、新しい歴史を作ります。 障がいのある人たちを排除してしまうような不寛容な時代を、小むつかしいことは一切いわず、彼らはさらっと塗り替えて…

  • こういう熱気を一緒になって作り出すことこそ大事

    12月19日(木)、十日市場小学校で人権について考える授業をやりました。1年生から6年生まで600人くらいが相手。低学年、高学年に別れて、体育館で2時間の授業でした。 障がいのある人について、アーダコーダしゃべっても子どもたちは多分聞いてないだろうな、と思い、ぷかぷかさんを何人か連れて行って、得意技を披露してもらいました。それぞれ達人の域に達するような人たちです。彼らの得意技を見て、思わず 「おお、すげー!」 って思うような出会いをしてほしいと思ったのです。 障がいのある人のことを理解してほしい、といった話よりも、彼らととにかくいい出会いをすること、それが大事だと思っています。彼らとのおつきあ…

  • なんとももったいない話

    障害者を雇用する、というのは、障害者とおつきあいする、ということです。おつきあいの経験がなければ、いろいろ苦労します。言葉がうまく伝わらなかったり、仕事がうまくこなせなかったり、いろんな問題を抱えることになります。 その問題と根気よく向き合うのか、どうか、というところで企業が試されます。 そこに目をつけた新しいビジネスを展開する会社が現れました。お金を払えば、その面倒くさい問題を全部引き受けますよ、というビジネスです。 その会社は障害者を集め、農園をやっています。土を使わない「養液栽培」という方法で野菜を育てるため、種まきや水やり、収穫などの軽作業ですむそうです。 企業側は、その農園で働く障害…

  • 自分の視線の先にゆきちゃんの見ているけしきを表現

    第六期演劇ワークショップ第5回。 一郎は山猫からのこんなはがきを受け取り、 翌日、わくわくしながら出かけていきます。 ♪ おもてにでてみると、まわりの山は、みんなたったいまできたばかりのようにうるうるもりあがって、まっ青なそらのしたにならんでいました。(オペラシアターこんにゃく座のオペラ『ドングリと山猫』の中で歌われるうた) 真っ青なそらのしたを歩いて行くと、クルミの木や笛吹きの滝やきのこが現れます。 ♪ 山猫が、ここを通らなかったかい と聞き、原作ではただ方角を言うだけですが、それじゃつまらない、と、簡単なお話を作りました。 笛吹きの滝は、ただ「ピーッ」と笛のような音を立てるだけですが、ぷか…

  • 穏やかさは希望を生む

    毎日新聞「相模原事件を考える」シリーズで最首悟さんの取材記事はとてもいい記事でした。 記事の最後、最首さんのこんな言葉で締めくくられていました。 「もし彼が本気で園の利用者と向き合って関係を作ろうとしていたら、この事件は起きなかったのではないかと思う。穏やかさは希望だと思う。 」 養護学校の教員になって最初に受け持った重度障害の子どもたち。日々いろいろ大変なことがありましたが、それでも彼らのそばにいると妙に心が安らぐ、というか、心が穏やかになりました。それまで電機メーカーで働いていて、常に生産性が求められ、心がかさかさになっていただけに、彼らにもらった思いもよらない心の安らぎは、 「 え〜っ …

  • お金を生かす→新しい社会を実現

    来年1月26日(日)に今年の演劇ワークショップの集大成「表現の市場」があります。「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」「その方がトク!」ということが一目で分かる芝居を舞台に上げます。ぜひみなさん、見に来てください。 心配はお金のことです。6ヶ月の演劇ワークショップには進行役、ピアニストなどの講師料、会場費、舞台制作費などで約230万円ものお金がかかります。ヨコハマアートサイトから100万円の助成金をいただきますが、残り130万円は自己負担です。さして儲かってもいないぷかぷかにとっては大変な負担です。 それでも、これは障がいのある人たちとみんなが気持ちよく暮らせる社会を作るための投…

  • ぷかぷかさん達の「人生の表現」が受賞!

    昨日「かながわ福祉サービス大賞」の事例発表会がありました。 発表の時間が12分しかなく、ほんのさわりの部分を話しただけで時間切れ。それでも、ほっこりあたたかな気持ちになりましたとか、癒やされましたとか何人もの人から声をかけられたので、まぁまぁよかったのかなと思いました。 「大賞」は逃しましたが、「優秀賞」をもらいました。ぷかぷかさんたちの活動が受賞したのだと思います。 宮原契子さんのFacebookにあった言葉ですが 「今の社会を見ていると、彼らの健やかさ、伸びやかさ、美しさが際立って見える。障害とはdisablityではなく、愚かな同調圧力なんて気にせず表現したいことを表現できるabilit…

  • 黒いギンガムチェックのチュニックを着ていたあなた!

    2019年12月4日(水)青葉区役所で人権研修会をやりました。昨年は「すごろくワークショップ」をやって、ぷかぷかさんと出会う時間を作りました。今年は簡単な演劇ワークショップをやり、その体験のあと、事前に聞いておいた「自分の家のすぐそばに障害者のグループホームが建つことになったらどう思うか」のメモを振り返ってもらいました。こういう問題を本気で考えることこそ、人権研修会だろうと思います。 頭では差別はいけない、と思いつつ、実際に自分の家のすぐそばに建つとなると、やっぱり考えてしまう、あるいはなんとなく怖い、というのが多くの人の感想です。そういうことをどうやって超えていくのか、というところでの提案が…

  • たいこん

    パン屋で、ぷかぷかの畑班が作った大根を売っていました。 〈だいこん〉かと思ったら〈たいこん〉て書いてありました。 「ああ、これは〈たいこん〉でしたか」と心がゆるっとなりました。 〈たいこん〉という乾いた、甲高い響きがゆるゆると心をほぐしてくれました。 こんな楽しい言葉を書いてくれたぷかぷかさんがいとおしくて、抱きしめたくなりました。 「これ、間違ってるじゃん」というよりも、「ああ、〈たいこん〉ね」といった方が、みんなが笑顔になれます。 お客さんが「この大根お願い」といったので、 「あ、すみません、これは〈たいこん〉です。これ見て下さい」 と〈たいこん〉の文字を見せたら 「ああ、そうでしたか、じ…

  • 「意思決定支援はストップせざるを得ない」って、どういうこと?

    12月6日、津久井やまゆり園の指定管理者再公募に関する朝日新聞の記事の最後に 「まるでちゃぶ台返しだ。事件後、入所者も家族も我々も県に振り回されている。こうした状況ならば、意思決定支援はストップせざるを得ない」 とかながわ共同会の職員の言葉が載っていました。 「意思決定支援」という言葉を見て、最初、何のことかと思いました。ぷかぷかではこんな言葉は使ったことがありません。 前後の文脈から、障がいのある人の意思をくみ取ることなんだ、ということがなんとなく分かってきたのですが、こういう堅い言葉で表現するような関係だったのだと思います。 「こうした状況ならば、意思決定支援はストップせざるを得ない」って…

  • 「やまゆり園」指定管理者再公募

    神奈川県は「やまゆり園」の指定管理者を再公募するそうです。本来なら3年前の事件直後にやるべきことでした。そのことをあらためて神奈川県に質問しようと思っています。ご意見いただけるとうれしいです。 1,今日、「やまゆり園」の指定管理者を再公募する、という報道がありました。理由は「法人理事の愛名やまゆり園園長による女児への強制性交事件や、園入所者への身体拘束があった」ことだそうですが、どうして3年前の事件直後にかながわ共同会を指定管理者から外すことをしなかったのですか。理由を説明して下さい。 2,「過去に利用者を車いすに長時間拘束していたとの情報などが寄せられたということ」が再公募の理由の一つに挙げ…

  • その感覚こそが、社会を持続させていく鍵になるように思う

    サステナブル・ブランド国際会議2020横浜のプロデューサーと企画推進室の方が取材にきました。 www.benesse.co.jp 持続可能な社会は、やっぱりぷかぷかさん達といっしょに生きていくことで初めて本当に可能になるんじゃないんですか、といいました。二酸化炭素削減のテクノロジーの問題はとても大事です。でもそれ以上に、私たち自身が人として生きることが大事じゃないか、という提案です。ぷかぷかさん達といっしょに生きていくことを考えることは、私たちが人として生きることを問いかけることです。 たくさんの人たちがぷかぷかに来るとホッとする、といいます。自分が人であることを思い出すからだと思います。息苦…

  • セノーさんとおつきあいして10年

    いつものようにセノーさんの目、のぞき込んでいたら、 「もう10年だね」 とセノーさん 10年前、といえば、セノーさん養護学校高等部の3年生。ちょうど私が担任していました。 その頃毎日のように通学途中の駅前にあるマックに行っていました。すごく太っていたので、 「マックは行かない方がいいよ」 というのですが、そのくらいの注意でセノーさんが変わるわけありません。 で、ある日、一緒に給食を食べているとき、思いついて、突然セノーさんの目をのぞき込み 「あ〜!、セノーさん、大変、目が真っ赤!これ、糖尿病だよ。」 「なに、それ」 「糖尿病はマックを食べ過ぎて、セノーさんみたいに太った人がかかる病気で、病気が…

  • 本物の人権研修会

    12月4日(水)の午後、青葉区役所で本物の人権研修会をやります。あえて「本物の」と書くのは、抽象的な話に終わることの多い人権研修会ばかりの現状にあって、現実に起こっている人権問題に関して、ぷかぷかさんとの出会いがどういう意味を持つのか、しっかり考えるからです。 青葉区のすぐとなり、都筑区で障がいのある人たちのグループホーム建設に対し住民の反対運動が起こっています。グループホームはすでに建ち、中に人が住んでいるのに、まわりに反対ののぼりが立っているそうです。毎日そういうのぼりを見ながら生活するのは、とてもいやな気持ちだろうと思います。 今回参加者にこの都筑区の問題を取り上げた新聞のコピーを事前に…

  • 「今のお兄さん、カッコいいと思う人」

    近くの小学校から人権講演会を頼まれました。小学1年から6年まで600人くらいを相手にするそうです。 大人なら、なんかテキトーにいろんな話ができるのですが、子ども相手にテキトーにしゃべるわけにも行かないし、おしゃべりだけしても子どもたちはすぐに飽きてしまいます。子どもたちがわくわくするようなことやってみたい、とぷかぷかさんを連れて行くことにしました。 ダンスの得意なボルトさん、ポケモン博士のショーへーさん、計算マシーンのツジさん、太鼓の名人大ちゃん達を連れて行って、それぞれ得意芸を披露してもらいます。 ダンスはもちろん最近有名になった忍者ダンス。忍者まつりの音楽をがんがんかけて踊ってもらいます。…

  • お互い人としてつきあう、という、あたり前の関係がなかったのではないか

    先日津久井やまゆり園の事件で命を奪われた方のアルバムを見る機会がありました。どのページにもその方の楽しかった日々があふれていて、涙があふれそうになりました。 別にその方とおつきあいがあったわけではありませんが、幸せだった日々は写真見ればわかります。その日々を 「障害者は不幸しか生まない」 等と勝手に決めつけ、この世から抹殺してしまったこと。そのことがどうしようもなく悲しかったのです。 19名もの人が殺されたわけですから、その時の悲しみは、もう表現できないくらいだったと思います。 ところが事件からちょうど1年目に津久井やまゆり園のホームページが再開され、事件に関するメッセージが載っていました。 …

  • 頚のコリがとれた!

    教員をやっている方が『街角のパフォーマンス』を読んで、「頚のコリがとれた」と感想送ってくれました。 《 実は、、、ここのところずーっと体調が良くなくて、、、身体が年々固くなってきてて、腰やら背中やら痛かったのが、最近は頚から後頭部に来て、頭がズーーん、グワングワン、となり、自宅に戻って最小限の家事をしたらもう何の気力もなくなる、みたいな日々が続いてました実は今日、ちょこちょこ拾い読みしかできてなかった『街角のパフォーマンス』を始めから初めて読み通しました読み終わった今、朝から今日もずっと痛かった頚のコリが、すっかり柔らかくなっているではないですか薄々わかってはいたのですが、今、自分自身に不本意…

  • 「第7回かながわ福祉サービス大賞」の発表事例に

    かながわ福祉サービス大賞先進事例の募集があって、応募したところ、先進事例発表会で発表することになりました。 ●●● 《「第7回かながわ福祉サービス大賞」 〜福祉の未来を拓く先進事例発表会〜 発表事例5事例が決定しました。 かながわ福祉サービス大賞は、福祉の先進的な事例を発掘して紹介し、特に 優れた事例を表彰することにより福祉の現場に光を当てることを目的として、 開催しています。 第7回の事例発表のテーマは「地域」。30を超える応募事例から選出した入選 事例(5事例)をサービス大賞当日に発表いただき、かながわ福祉サービス大賞 (最優秀賞)等を決定します。》 選ばれた5事例は 法人、地域をつなぐ地…

  • 「不寛容な時代」を「寛容な時代」に変える手がかりがここに

    雨宮香処凛さん 、弱者をたたく不寛容な時代を語ります。 www.huffingtonpost.jp 「不寛容な時代」になったことはよくわかります。大事なことは、この「不寛容な時代」をどうやったら「寛容な時代」に変えられるのだろう、というところだと思います。希望を持たせてくれるのはぷかぷかさんたちの存在です。 朝日新聞「声」の欄に載っていた投書です。 この人は多分ぷかぷかさんですね。 「知らない人同士が顔を見合わせ、クスクス笑ってしまった」 この人は電車に乗るたびにこうやって街を耕しているのだろうと思います。 以前私の乗り降りする駅のホームで、やっぱりこんなふうにアナウンスしている人がいました。…

  • 第6期演劇ワークショップ第4回目

    11月16日(土)第6期演劇ワークショップ第4回目をやりました。 一郎が山を歩くところ、キノコの動きなど、おもしろい動きを作ろうと、ダンスの振り付け師伊藤多恵さんをお呼びしました。 www.jafra.or.jp 第5期演劇ワークショップでは、ミツバチたちの動きを作ってもらいました。 「一郎がまたすこし行きますと、一本のぶなの木のしたに、たくさんの白いきのこが、どってこどってこどってこと、変な楽隊をやっていました。」と「ドングリと山猫」にあるのですが、そのキノコの動きを作りました。 毒キノコ! 宮澤賢治の原文にある「どってこどってこどってこ」というキノコの動きが、伊藤さんにかかると、こんなにも…

  • セミナーの出前やります。

    「社会に合わせなくてもやっていけるよ」セミナーの出前やります。 12月8日(日)は田園都市線あざみ野駅より徒歩6分の「スペースナナ」、来年1月12日(日)はJR根岸線本郷台駅から徒歩3分の「あーすぷらざ」、2月2日(日)は地下鉄中川駅駅から徒歩3分の「シェアリーカフェ」でやります。 障害者は社会に合わせないとやっていけない、といわれ、当事者も親御さんも大変な努力を強いられています。ぷかぷかでは社会に合わせていないぷかぷかさんたちが、たくさんのファンを作り出し、売り上げを作り出しています。それを見ていると 「なんだ、そのままでいいじゃん」 というわけです。その発見は、生きることを楽にします。生き…

  • 前代未聞の事業展開

    ぷかぷかでいちばん成功したことは、ありのままのぷかぷかさんで、商売が成り立ったことです。 社会に合わせないとやっていけない、とさんざんうるさくいわれている障がいのある人たちが、素のままの自分をさらけ出しても、商売が成り立つ。いや、素の自分をさらけ出すことで、むしろ素のままの「ぷかぷかさんが好き!」というファンが現れ、そのファンの人たちが売り上げに貢献し、ぷかぷかを支えている、という、前代未聞の事業展開に、ぷかぷかを始めたタカサキ自身が驚いている始末。 区役所の外販に至っては、仕事しながらべちゃくちゃおしゃべりし、顔見知りのお客さんが来れば、「やぁ!」とハイタッチしたりして、素のままのぷかぷかさ…

  • ぷかぷかさんたちは命の選別をしません。

    神奈川新聞成田さんの先月のデスクノート。 ●●● 東京都台東区が台風19号に備えて設けた避難所で、ホームレスの人は「区民ではない」として利用を拒否された。暴風雨被害が出る恐れが強まっていたにもかかわらず、職員に命への想像力はなかったのか。 ツイッターでは区の対応への批判が少なくなかったが、「納税者でない人に避難所を使う権利はない」と区を擁護する意見も。「かつては働いて社会貢献していただろうから受け入れるべき」との声もあった。 障害者19人が犠牲になった津久井やまゆり園事件から3年余。無条件に生を肯定するのではなく、社会に役に立つか否かで命を選別する風潮が根強いことにがく然とせざるを得ない。 ●…

  • 費用に見合う効果があったんだって?

    去年参加した共生社会実現フォーラム、私から見ると何も新しいものを生み出さない、ただやりましたよ、というアリバイ作りのようなイベントだったにもかかわらず、又今年もやるというので質問状を書きました。今年は何を生み出すのか、去年は何を生み出したのか、という質問です。くわしくはこちらのサイトご覧ください。 pukapuka-pan.xsrv.jp この質問状に回答が来ました。 ●●● (1) 今年の共生社会実現フォーラムについて 今年の共生社会実現フォーラムは、「ともに生きる社会かながわ憲章」がめざす、障がいの有無にかかわらず、誰もが自分らしく活躍できる社会の実現に向けて、「誰もが行動する社会へ」をテ…

  • 困ってしまった人はラッキー!と思いましょう。

    このサイトを紹介したところ、www.turtlewiz.jp シェアした人がこんなことを書いていました。 ●●● 今朝、通勤中に父から電話があって「Rがいなくなった!」。Rとは私の甥っ子の言葉を話さない自閉BOYのことだ。さぁ、言語での意思疎通が難しいRが住宅街をひとりで歩いているのを見かけたら、近所の人はどう対応するだろう?商店街の人は?車道出たらどう止めたらいい?(大声で制止するのはアウトだし)…いろいろ頭をかけめぐる。そして自分自身、あの子とふたりっきりになったことがないことにも気付く。自閉くんとの言語以外のコミュニケーション、考えて見たらぜんぜん分かってないじゃん>わたしorz。 やや…

  • やまかしい! (第6期演劇ワークショップ3回目)

    第6期演劇ワークショップ第3回目。 このお兄さん「くとうちんいち」さんだそうです。 こういうところがなんとも楽しいです。 キノコの馬車をシェイプで作りました。 ドングリの帽子を入れてきた段ボール箱が、狭いお風呂に? 『ドングリと山猫』のいちばんのクライマックスは、なんといってもドングリたちが「頭のとがったのがいちばんえらい!」「大きいのがいちばん!」とわいわいと言い合いして収拾がつかなくなり、山猫が 「やかましい!」 と怒鳴るところ。この「やかましい!」という怒鳴り声を引き出す言い合いの場面をどうやって作るかが、むつかしいところでした。 それぞれドングリの帽子をかぶり、 四つのグループに分かれ…

  • 人権啓発講演会

    12月7日(土)の午後、愛川町文化会館で人権についてお話しします。 (★チラシ作成はぷかぷかです) 「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」というお話ですが、私が一方的に話してもおもしろくないので、みなさんと対話しながら話を進められたら、と思っています。 「自分の家のすぐ隣に、障がいのある人たちのグループホーム建設計画が持ち上がったらどうしますか?」 という問いから始めます。 この問いから始まって、みなさんと対話しながら「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいね」ってみんなが思えるような講演会にしたいと思っています。 人権啓発講演会に来る人たちですから、グループ…

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