丸次郎 さん プロフィール

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丸次郎さん: 丸次郎「ショート・ストーリー」
ハンドル名丸次郎 さん
ブログタイトル丸次郎「ショート・ストーリー」
ブログURLhttps://ameblo.jp/23234123/
サイト紹介文様々なジャンルのショート・ストーリーを書いています。時々、ポエムも書いています。ぜひご覧ください。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供48回 / 365日(平均0.9回/週) - 参加 2013/09/07 17:31

丸次郎 さんのブログ記事

  • ショートストーリー967
  • 「今のテレビって、警察とか医療関係のドラマばっかりだな。...あとは、バスに乗ったり食べ歩くだけの暇つぶしみたいな番組と、同じような顔ぶれが雛壇に並ぶクイズ番組ばかり。...ほんと、しらけた時代だよ。」 ヤスオは、そう言いながらリモコンでチャンネルを次々に変えると、やがてテレビの電源をオフにした。 「こう言ったらクレームがくるとか、あの権力者を批判したら番組から降ろされちゃうとか、いちいち考え [続きを読む]
  • ショートストーリー966
  • 7月最後の週末。 ユタカは高速道路のサービスエリアに車を停めると、カーラジオをオフにし、車窓から人々を眺めた。 夏休みの子供達が、両親に手を繋がれ、嬉しそうにスキップしている。 もう一方では、売店で買ったフランクフルトやソフトクリームを、木陰のベンチで仲良く食べながら談笑している若いファミリーの姿もあった。 「もう、あと少しで着くのに、なんでこんな所で停めたの?」 助手席の陽子が、不服そう [続きを読む]
  • ショートストーリー965
  • 駅西口にあるコインロッカーを開け、おもむろに紙袋を取り出すと、男はサングラス越しに辺りを見回し、足早に立ち去った。 痩せ型ながらも、Tシャツから出た腕は筋肉質で、日焼けしていた。 男は駅前の駐車場に停めたカブリオレに乗りこむと、助手席で待っていた連れの女に言った。 「これ、ちゃんとあるか確かめてくれ。」 エキゾチックな顔立ちの女は、紙袋を受け取ると、中を覗き込み、一瞬ニヤリと微笑んだ。 「全 [続きを読む]
  • ショートストーリー964
  • 「先日もあなたに、別れたいって言ったはずよ。...もう、これ以上、私に関わってほしくないの!」 強い西風が吹き始めた、夕暮れの交差点。 その近くにある電話ボックスの中で、麻美は今にも泣きそうな声で、振り絞るように言った。 そんな麻美を一瞥しては、通り過ぎてゆくOLやサラリーマンたち。 麻美には、まるで自分が見世物にでもなったかのように感じられた。 「今度、私の前に現れたら、警察に言うから [続きを読む]
  • ショートストーリー963
  • 「今日は随分、豪勢じゃないか。...何かの記念日だっけ?」 テーブルに並んだ料理を見て、アキラは感心したような表情を浮かべ、言った。 「そうかしら?...まるで、私がいつも手抜き料理を出しているみたいな言い方ね。」 アケミは、ちょっと気分を害したのか、笑みもなく、ぶっきら棒な言い方で、そう返した。 「おいおい、なに怒ってるんだよ?...俺は素直に喜んで言ってるんだぞ。...こんなに美味そうな夕 [続きを読む]
  • ショートストーリー962
  • メインストリートの裏側に、並行して通っている細い路地。 さらに、その路地よりも細い、隙間のような通路を入っていくと、その店は姿を現した。 看板も暖簾もない、3mほどの間口。 ただ、木製のドアには、トランペットを吹いている犬のイラストが描かれていて、それが唯一、彼女の店だということを知らせていた。 彼女というのは、信也の幼馴染、和美のことで、和美は数年前までブラジルで夫と共に珈琲豆を栽培し暮 [続きを読む]
  • ショートストーリー961
  • 「そろそろ帰るわ。...あと30分で、子供が下校してくる時間だから。」 腕時計に目をやると、貴美子は長い睫毛の奥にある潤んだ瞳でサトルを見つめ、言った。 「急に誘って悪かったね。...もし良かったら、今度は、もう少し、ゆっくり会いたいな。」 注文票を手に取り、胸ポケットにしまうと、サトルは眼鏡の縁を指で押し上げ、言った。 「ここのランチ、噂では美味しいって聞いていたけれど、ほんと美味しかっ [続きを読む]
  • ショートストーリー960
  • 「明日...午後2時17分発の国際線118便で旅立つの。...」 深夜、早季子は自宅の寝室から、ある男に電話をかけていた。 男の名は孝宏といい、早季子にとっては、ただの友達にすぎなかった。 そんな“ただの友達”に、こんな夜遅く、なぜ電話をかけたのか、早季子自身にも分からなかった。 「異国で待っている恋人は、果たして私のことを本当に心から待ち侘びてくれているのだろうか?...」 最近、そんな [続きを読む]
  • ショートストーリー959
  • 午後11時を過ぎた頃、裕太はアパートをあとにすると、小雨降る道を傘もささず、歩き始めた。 そして、大通りにある屋根付きのバス停で、ひとりベンチに腰かけ、濡れたパーカーのフードを頭から外した。 その頃、裕太が去ったアパートの部屋では、酔い潰れた女が、テーブルに顔を伏せ、眠っていた。 「どうして?...うまく、いっていたのに......。」 女は薄く目を開け、寝言のようにそう呟くと、再び顔を伏せ [続きを読む]
  • ショートストーリー958
  • 「ハザードランプ、点けっぱなしよ。...」 助手席のユカリにそう言われ、雅之は、ハザードのスイッチを押してOFFにした。 「何か、考えごとでもしていたの?」 「いや、別に...」 ユカリの言葉に、雅之は、一言そう返すと、カーステレオをOFFにし、流れていたFMの歌番組を止めた。 「最近の歌は、どれもこれも似たようなテンポと曲調で、ただ叫んでいるだけだ。...情緒も哀愁もあったもんじゃないよな。」 [続きを読む]
  • ショートストーリー957
  • 豆腐屋の角を曲がると、小さな花屋が見えてくる。 その花屋もこの夏、訳あって閉店するのだという。 バブル時代の地上げ屋にも負けず、その地で地道に営んできた花屋。 店の看板娘であった優子も、閉店の理由を誰にも話そうとはしなかった。 そんな中、哲二は、ぜひ閉店前に一度、花屋を訪れ、薔薇の花束でも買おうと、密かに心に決めていた。 常連というわけでは無かったが、仏壇の花が枯れそうになると、哲二は、よく [続きを読む]
  • ショートストーリー956
  • 「今頃、なんの用だ?...君とは、もう終わったはずだ。」 ユタカは、抑揚のない口調でそう言い返すと、受話器からの声を待った。 無言の中、微かに聞こえてくる汽笛の音。 多香子が港の近くから、電話をかけている事が、自ずと推測できた。 「今も...紀恵と、上手くいっているの?」 ようやく聞こえてきたその言葉には、どことなく確信めいた響きが感じられた。 ユタカは思わず返答に詰まり、暫し沈黙した。 [続きを読む]
  • ショートストーリー955
  • 最終電車を見送った後、瑠美は、プラットホームから改札口を抜け、駅前の大通りへ出ると、横断歩道の手前で星空を見上げ、呟いた。 「結局、これが、あなたの答えなのね。...私、いい歳して、彼に振り回されたってわけか。」 4ヶ月ほど前、一人で、とある自然公園を訪れた瑠美。 その時、担当してくれたネイチャーガイドの伸治に、瑠美は好感を抱き、帰り際、二人はメルアドを教え合い、再び会うことを誓った。 そ [続きを読む]
  • ショートストーリー954
  • 小雨降る、深夜午前0時...... とある住宅街の路地からタクシーが静かに走り去ると、そこには傘もささず、その場に立ち尽くし、マンションを見上げている女の姿があった。 女の長い黒髪は、徐々に濡れていき、外灯の明かりが、その姿を、おぼろげに映し出していた。 女は、何か迷っているようであった。 見上げたその視線の先には、愛する男が暮らしている。 「明日、北海道へ旅立つその前に、自分の気持ちを伝え [続きを読む]
  • ショートストーリー953
  • かれこれ1時間ほど歩き続けた頃、ようやく探していた店を見つけ、優造は安堵の表情を浮かべた。 「駅から徒歩3分?...どこがだよ。...まったく、この国は虚偽記載だらけだな。」 手に持ったチラシを見つめ、そう呟くと、優造は怪しげな店を藪睨みし、擦りガラスの奥を覗き込んだ。 「ほほう。...たいそう高価な物が置いてあるな。...あの彫刻なんて、相当、値が張る代物だろ。...」 以前、 [続きを読む]
  • ショートストーリー952
  • よく晴れた、水曜日の午後3時...。 国道沿いのハンバーガーショップには、いつもの顔ぶれが集っていた。 「結局あいつ、来なかったな。...これが最後かもしれないのに。。」 アキラがクリームソーダのアイスをストローで突きながら、気だるそうに言った。 「あ〜ぁ、行きたくねぇ〜な。...あんなキツイ仕事、好きでやってるわけじゃねーし。」 ユウジはユウジで、誰にというわけでもなく、独り言を呟き、テ [続きを読む]
  • ショートストーリー951
  • 駄目だと分かっていながら、諦めきれない恋がある。その恋は、山田にとって、あまりにも無謀で危険な賭けでもあった。 相手の女には、某大手芸能事務所の会長である雉山という愛人がいた。 雉山には、それぞれタイプの異なる5人の愛人がいるといわれており、山田が愛してしまった女は、その内の一人であった。 女の名は好美といい、五本木界隈では名の知れた美人ホステスであった。 山田が好美の高級クラブを訪れたのは [続きを読む]
  • ショートストーリー950
  • 大通りに面した大都会の中心部に、ひときわ異彩を放っている雑居ビルがある。 昭和40年代初頭に建てられた8階建てのそのビルには、喫茶店や古本屋など、当時から続いている店も少なくない。 昭和遺産のようなそのビルの一室に、数年前、カレー専門店がオープンした。 店の看板を出さず、宣伝広告も出さない。無論、店のホームページなどある訳がなく、ネット上にも、その店の名は一切出てこないという、摩訶不思議な店であ [続きを読む]
  • ショートストーリー949
  • 「君の肩に手を回し、隣りで寄り添うように座っているこの男は、いったい誰なんだ!?」 幸彦は、貴子のスマホを手に取ると、その画像を表示させ、貴子の眼前に差し出し、言った。 「私のスマホ、勝手に盗み見して、何言ってるの?!...彼氏だからって、何をしてもいいと思ったら大間違いよ!」 貴子は、自分のスマホを素早く奪い取ると、怒りに満ちた形相で幸彦を睨みつけながら言った。 貴子が、これほどムキになって怒 [続きを読む]
  • ショートストーリー948
  • 「もう、あの人とは別れたわ。...だから、安心して...。」 陽子は、そう言うと、サングラスを外し、湖畔のベンチで寄り添うように座っている老夫婦に目を向けた。 静まり返った広大な公園には、ただ、枝葉の擦れ合う音だけが、さざ波のように聞こえていた。 湖のほとりに建つ、二階建ての小さな白い喫茶店。。 そのバルコニーで、陽子と昭俊は、ほろ苦い珈琲を飲みながら、久しぶりの再会に微かなときめきを感じていた。 [続きを読む]
  • ショートストーリー947
  • 「佑志が、健康と職を失った途端、あの女は、若い弁護士と浮気に走り、佑志のもとから去っていった...ってわけか。...薄々感づいてはいたが、ほんと現金な女だぜ。。。」 大手商社に勤務し、同期の間では出世頭であった友人が、突如離婚したとの話を小耳に挟んだ智和は、港が一望できるタワーの展望ラウンジで、入港する豪華客船を見つめながら、心でそう呟いた。 10年前、佑志の結婚式に招かれた時の光景は、今でも智和 [続きを読む]
  • ショートストーリー946
  • シゲルは、胃もたれしそうな脂まみれのスープを、ほぼ飲まずに残すと、決して安くはない代金をレジで払い、店をあとにした。 「まったく、テレビのグルメ番組なんて、ほんと当てにならねぇ〜な。...こんな不味いラーメンに、野口英世さん1枚払うぐらいなら、近所のファミレスでサラダ付きのハンバーグ定食でも喰ったほうが、よっぽどマシだぜ。。」 シゲルは、内心そう呟くと立ち止まり、店のほうへ振り向いた。 期待外れの [続きを読む]
  • ショートストーリー945
  • 「君に見せたい場所って、いったい何処なの?...そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」 年季の入った、中古のランドクルーザー。 そんな孝之の愛車の助手席で、亜樹子は退屈そうに歩道の人波を見つめ言った。 「まぁ、そんなに焦るなよ。。あと2時間も経てば、分かるから。。」 「2時間?...まだ、そんなにかかるんだ?」 孝之の言葉に、そう返した亜樹子は、半ば諦めの表情で溜め息をつくと、目を瞑った。 「孝之.. [続きを読む]
  • ショートストーリー944
  • 「高速道路を下りて、国道に入ったら、二つ目の信号を右折して、100mほど行くと、左側にコンビニがあるの。...その駐車場に赤いミニクーパーが停まっているから、見つけたら声をかけて。」 昨夜遅くに着信した祐美子からのメールには、そう記されていた。 和之は当日の朝になっても、祐美子と会うべきか迷い、躊躇していた。 「いくら愛しても、彼女は他人の妻だ。幼い子供もいる。...俺が一目惚れし、猛アタックしたこ [続きを読む]
  • ショートストーリー943
  • 「あなたが別れたいのなら、いつでも別れてあげる。...でも、その代償は高くつくわよ。」茂美は眼下に広がる東京の街を涼しげな眼差しで見つめながらそう言うと、口元をほころばせた。高層ビルの25階にある、茂美の会社。5月のある昼下がり、その社長室で茂美は、ある男に電話をかけていた。ある男...。それは、茂美が交際し始めて間もない、貿易会社を営む多所という名の人物であった。茂美の耳元に当てたスマホからは、 [続きを読む]