透雪 さん プロフィール

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透雪さん: Dusk of the Black Hole
ハンドル名透雪 さん
ブログタイトルDusk of the Black Hole
ブログURLhttp://tohsetsuito.blog7.fc2.com/
サイト紹介文伊藤透雪の詩の記録。ウエブ女流詩人の集い蘭の会月例発表の詩中心。
自由文文字の谷間の饒舌な次元。現代詩と大衆詩を兼ねた間口の広い詩をご覧下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供9回 / 365日(平均0.2回/週) - 参加 2013/09/17 21:21

透雪 さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 炭鉱夫
  • 赤土の坂道馬車が上っていく花嫁馬車に乗っていく後をついてく犬の尾が右へ左へ揺れながら時折何度か振り返り来いというよに吠えてくる俺は遠く見送って日が暮れるまで見つめてた炭住長屋を後にして花嫁衣装のあの子が行った爪の黒い俺の手はあの子に触れずにそのまんま好きだと一度も言えないままあの子は振り向くはずもなく俺も犬なら追っていくのも気兼ねなく懐いて鳴いているものを俺はただただ見つめてた花嫁馬車が坂道を馬に [続きを読む]
  • 眩しい光に
  • 見上げると眩しい光に灼かれ帽子を被り直し思い出すのは山の里わすれない光冒険の光あふれる故郷眩んだ目を閉じると廃校のグラウンドにフランス菊が満開クローバーの群れが土を覆い緑も白も土の色も鮮やかに映るお姉ちゃん、という顔は笑いきいきい声で怒ったかと思うと勢いよく走っていく白いランニングの後ろ姿の振り返ればいつまでも若い父の顔昭和の中に記録された様々遠くなっていく度に指折り数える呼ぶ声は皆んな心の中から [続きを読む]
  • 枯れても花色
  • 暑さにあてられて蒸されて膨らむかからからに乾いて枯れていくのかどちらにしろ私はひとりだ色んな人と交わり時を過ごしてきたけれど殆どの時間をひとり過ごす自分が選んだ道の末か道の途中かとにかく汗が流れる口元に落ちてくる雫はゆるく唇を舐めて薄い塩気を残していくべたべたした汗をかくとき表情も固く塩気いっぱいになる見知らぬ人たちに溢れた街角でクラクラでガタガタで座りたいけど座れなくて吐き気までもよおしてくる人 [続きを読む]
  • 暁の瞳
  • 暗闇が青く広がりはじめ輝く瞳が開くとき雲は幕間の役目を終える香る低木に滴る雫は輝きに一層匂いたつ人も車も起き出して繰り返す時計が刻む朝けたたましく走り始める今日、生まれ変わる全てが昨日からスイッチする酸素のある星で入れ替わる昨日と今日の見慣れた瞳さえウエブ女流詩人の集い 蘭の会 2017年 月例6月投稿作品にほんブログ村にほんブログ村 [続きを読む]
  • 瞳の奥で
  • 心に映る記憶の陰影水滴でさざ波たつ度変わるマイクロフィルム少しずつ色を失いモノクローム音が遠ざかり匂いと感触がタグに変わるだから今日をしっかりと写し取って刻み込んでおきたい遠くなる自分の記録をひとつひとつ忘れない生きて生かされて生きた自分を時々思い出したいいつ来るかわからない坂の下に着くまで[暗がりでも目を凝らして]ウエブ女流詩人の集い 蘭の会 2017年 月例4月投稿作品にほんブログ村にほんブログ村 [続きを読む]
  • 生き物と種と
  • 地球に住まう生きとし生けるもの名前を付けて図に並べ生い立ちを調べてゆくその中でヒトは遥か彼方からやってきた祖先をもちゆく土地で姿を変え能力を獲得した各々の生い立ち世界で個性は際立ち図に乗せきれない程の子孫は壮観なほどに闊歩している私たちは体内にひとつの世界を持ってこの世の中で増えていく生物と呼ぶにはあまりに単純な寄生して子孫を増やすものたちウイルスかヒトかそれは増殖するのは同じ誰かの背中に寄生した [続きを読む]
  • 春を探して
  • 朝に白い靄かかる霧ではないとはなんと哀しいことかしら西から飛んで来るものは黄砂だけではないと聞くあら、よい景色と思いきやそれが体に悪いとは春の風より舞い落ちる塵で病が出始めてマスク姿が増えていく何だか春が寂しくなっていくものか芽吹く季節に喜べない街の中では春は探すものなんて山の生まれの私には切なくなるほど淋しい季節ウエブ女流詩人の集い 蘭の会 2017年 月例2月投稿作品にほんブログ村にほんブログ村 [続きを読む]
  • 目をつぶって
  • 湯船に浸かって目をつぶると肌に感じた記憶が後ろから泡立ち上り始める髪や背中や出っ張りやへこみや頬の産毛のこともそんなことがよくわかる目を開いているときよりも鮮やかにでもたった1人だけはどうしても感覚が思い出せない泣いたときは慰めてくれる苦しいとき 声をかけてくれるなのに触れることはできない時々、笑い合ってふざけて言葉尻に突っ込んだり返したりなぞなぞや訳の分かんないことで愉快に なってくる何故かずっと [続きを読む]
  • 油田はまだあったか
  • 私の中深くに暗い穴が開いているそこにはもうひとりのわたしがいて月光だけが差し込む暗くて風も吹かず音もしないところでもかつて盛んに掘削しては沸き出すものに火をつけていたそして静かに火は絶えて荒涼とした砂漠になったでもまだ油田は尽きていない深く掘り下げたある人はとうとう見つけて喜んだ黒く光る油田を掻き出しては火をつけて高く炎を大きくして熱く焼かれて火傷するまでわたしを放しはしなかったのに燃やし続けた油 [続きを読む]
  • お皿に乗っている
  • 少々でこぼこした乳白色の皿衝動買いした大きめの丸皿両手に乗せた皿に蠅が1匹顔を洗っている側に雫も1つ私の汗なのか目尻から零れているのか見つめていると頭が傾いできて白さにまぶたをしばしばさせる私も蠅のようださて、何を盛るか考え中考えている時間はゆっくりで私の体内時計は48時間世界は24時間だ丸い掛け時計はコチコチと時を知らせているけれど私はいつもずれているずれたままの意識で時計の下にキャビネット、その上 [続きを読む]
  • 傷だらけの脛
  • いったいいつできたのかわからない僅かな熱を持った腫れ物自分とは別の何かがあるような膨らみは次第に大きくなっていく眺めているのは誰なのか?どこでできたのかさえ覚えがない塊のようで膿んで柔らかくもありどこでできたのだろう?砕けた棘がささくれて内側から侵食してくるのは癒えそうにないいつになったら変われる?私の脛は傷だらけだ傷が時々ニヤリと笑う取り戻せない時間はお前の業だと嗄れた声であざ笑うもう変えられな [続きを読む]
  • 端っこ
  • 行ってきますと家を出たら何かが起きるなんて考えてなかった鍵っ子の私は1人でいるのが当たり前帰ってくるお父さんを待ってるのが当たり前──お父さん倒れたんだよ──お母さんは病院にいる──とにかくおばさんが行くから前の日お父さんと喧嘩して思い切り殴られたお母さんは私を叱ったから悔しくて泣いたけどあの朝お父さん何も言わなかった違う日が突然やってきたお父さんは眠ったまま帰ってきたおばさんやおじさん、おばあち [続きを読む]
  • 時は流れ今は縮れる
  • 移りゆく光と陰はいつもと変わらないふりをしている私は僅かに変わっているのを知っている例えば窓のぬくもりあるいは木陰の形庭に実ったトマトや胡瓜をのせた皿と光浴びたバラを生けた花瓶のある食卓で、今も呼吸をしているようなそれらはぱちりぱちりと切り離してきた命の塊既に縮れて行くもの椅子に座り黙々と食んでは生きていく私たちそして時にはその一瞬を切り取り絵の中に塗り込めてしまう影だけは残るけれどそれは生ける光 [続きを読む]
  • 初夏の水曜日
  • 日陰を作る林の底には堆積した土のにおいがする山のにおいとも違ってまるで体臭のような違いお気に入りの植物園にこっそり私は秘密の場所を持っている誰も来ない場所 ひとりになる所林のにおいは故郷の山とは違うにおいでも思い出すには十分なにおい林の真ん中にぽっかりと開いた日だまりで梢を鳴らす風に触れた風は春と夏を撹拌しながら温もりの中にわずかな湿気を含んで草のにおいを連れてくる鼻をくすぐり二の腕あたりを触れて [続きを読む]
  • 花屋
  • 日暮れ前道の向こうに仄かに温かい灯り赤信号の間渡る前にしばらく突っ立ってぼんやりと見つめていた寄せ植えの花たちが窓から覗いていたのと目が合った開かれたドアの手前にブリキや古びた鉢ハーブや小さな花がいて半分そっぽをむいているけれど白熱灯の光にきらきら何か言いたげで私が声を掛けるのをやめたのは店の人が灯りの向こうに見えたからだ見ているだけでも怪訝な顔をしていそうなのに一層おかしなことになりそうだからチ [続きを読む]
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