はなゆめ爺や さん プロフィール

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はなゆめ爺やさん: はなとゆめ+猫の本棚
ハンドル名はなゆめ爺や さん
ブログタイトルはなとゆめ+猫の本棚
ブログURLhttp://hanayume5.blog50.fc2.com/
サイト紹介文本さえあればシアワセな爺さんの読書日記
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供516回 / 365日(平均9.9回/週) - 参加 2013/11/22 21:19

はなゆめ爺や さんのブログ記事

  • 村上龍    「5分後の世界」(幻冬舎文庫)
  • ジョギングをしていた主人公の小田桐、意識を失って気が付いたら、5分間ズレた世界の中にはいり、ぬかるんだ道を行進していた。 1945年3月沖縄激戦で、大量の被害者がでた。その後、8月になりソ連が参戦、千島列島に侵攻、アメリカにより新型爆弾が広島、長崎に落とされ、日本は全面降伏し、戦争は終了。そこから今我々が住んでいる日本が出来上がった。 しかし5分ずれた世界では、大日本帝国は、連合軍と戦うことを決意。長崎に [続きを読む]
  • 開高健 「ロマネ・コンティ・一九三五年」
  • ニョクマムは、ナンプラーに近い調味料らしい。一つ勉強になりました。それ以外にも、老舎とかシクロとかググりました。「玉、砕ける」というタイトルをみたとき、「玉」はサンゴとか真珠とか綺麗なギョクだと思っておりました。まさか、マッサージででた垢を丸めカチコチにしたものとは。釣りは全然わからないし、酒については読んでいるだけで肝臓が具合悪くなりそう。それでも、なんとなく全部読みました。「(会話は)生湿りの [続きを読む]
  • 村上龍    「走れ!タカハシ」(講談社文庫)
  •   1980年代に書かれた作品。そのころは広島カープ第一期黄金時代。衣笠、山本浩二、小早川とともに一番ショートの高橋慶彦が活躍。甘いマスクで俊足、女性ファンにいつも囲まれ広島随一の人気選手だった。 その高橋が物語のテーマではないが、最後のところで、「走れ!タカハシ」だったり、別の声をあげ叫んで終わる物語を集めた短編集。 トオルは17歳。ボクシングをやっていたが減量にいやけがさし、高校を中退。そしてホスト [続きを読む]
  • 村上龍     「共生虫」(講談社文庫)
  •  この作品はインターネットと今や社会で大問題となっている「ひきこもり」との強い結びつきについて、否定的な見方を拒絶し、新しい見方として逆に、積極的肯定的に評価する物語である。 「ひきこもり」とは、外部との不要な接触を一切断つ状態のことを言う。「ひきこもり」をしない殆どの人たちは、不必要な人間関係に溺れて、必要な人間関係とは何かをわからなくなっている。こういう状態にならないためには「ひきこもり」にな [続きを読む]
  • NHK取材班   「『空海の風景』を旅する」(中公文庫)
  • 司馬遼太郎の名著「空海の風景」の舞台を訪ね、空海の思索の後を導きにして、「人類普遍の天才」空海の歩んだ道を取材映像化したNHKスペシャル取材班によるドキュメンタリー作品。 この作品を読んで2つのことを強く感じた。 歴史というのは常に権力を握った側にそって語られ作られる。日本に存在した、もともとの民族は狩猟民族だった。私の生まれた町にも縄文時代の遺跡があるが、それらはすべて山の中にある。それは、彼ら [続きを読む]
  • 垣根涼介    「ゆりかごで眠れ」(下)(中公文庫)
  • 日系2世のリキ・コバヤシ・ガルシア、兄が殺害され、その後を継いでコロンビアでコカインを扱うマフィアのボスになる。メンバーのパパリドが敵対する組織から売られ日本の警察に捕まる。 リキは厳しい統制をメンバーには強いるが、メンバーが拘束された場合は、必ず救出することで組織の結束と信頼を強くしている。 この物語は、日本で逮捕されてしまったメンバー パパリドをリキが日本に乗り込み、日本の警察から奪還するまで [続きを読む]
  • 垣根涼介    「ゆりかごで眠れ」(上)(中公文庫)
  •  小説の感想は、下巻の感想でまとめて書く予定。 主人公のリキは日系2世、コロンビア産の麻薬売買マフィアの頂点にまで昇りつめている。しかし、表向きはコーヒーや花の輸出商売の会社をつくり経営している。 切り花の国際見本市が、首都ボゴタの新市街で行われていて、リキは、各国のバイヤーを連れて街の観光案内をしていた。観光地の一つサンフランシスコ協会の前を歩いていると、幼い兄妹が「お金をください」ととりついて [続きを読む]
  • カズオ・イシグロ 「遠い山なみの光」
  • 翻訳ものらしい、芝居がかった(?)会話もあります。が、読み終えてみれば、余計なものをそぎ落とした美しい小説なのかなと。悦子が景子を出産して、旦那と別れ、イギリスに渡り、ニキを産み、景子が死を選ぶまでで同じ厚さのもう1冊が書けるんじゃないかと思います。現在と「あの夏」の間にあるあれこれを容赦なく削り、特定のシーンをじっくり描く。九九を言ってみろと挑発するお坊ちゃんとか、そのお坊ちゃんをたしなめつつ持 [続きを読む]
  • 大鹿靖明   「東芝の悲劇」(幻冬舎文庫)
  •  東芝の粉飾決算が明らかになり、決算数値がまとめられなくなったころ、その粉飾は経営トップ自ら「チャレンジ」という掛け声とともに出すべき利益金額を各事業部門に提示し、実行させていたことが粉飾の元だということが、よく報道されていた。 しかし、同族企業でも無い東芝で、チャレンジなどという掛け声だけで、粉飾決算に手をそめるなどということがあり得るだろうかとずっと不思議に思っていた。 生産設計開発方式にOD [続きを読む]
  • 村上龍    「おしゃれと無縁に生きる」(幻冬舎文庫)
  • 雑誌「GOETHE」に連載したエッセイを厳選して収録した本。 このエッセイの言葉の変遷で、かっては流行り言葉だったが、今はだれも使わなくなったとして「チョベリグ」「チョベリバ」を村上はあげ、この言葉が好きだったと回顧している。 「チョベリグ」は「超ベリーグッド」「チョベリバ」は「超ベリーバッド」からきている。 確か、この言葉は作家田中康夫が「何となくクリスタル」で使い流行らせた言葉だと記憶している [続きを読む]
  • 貫井徳郎    「女が死んでいる」(角川文庫)
  • 推理小説短編集。「病んだ水」が印象に残った。 産業廃棄物処分場で最も多いのが安定型といわれる処分場。この処分場は安全な5つの物質しか持ち込めないと法律で規定されている。素掘りで構わないし、浸出水漏れ対策も必要ない。安全な品目しか持ち込めないのだから。 ところが、この処分場の近くにある川から、シアンやヒ素といった猛毒が検出されることがしばしば起きる。シアンはアメリカの幾つかの州で死刑に使われているし [続きを読む]
  • 桐野夏生     「抱く女」(新潮文庫)
  • 桐野と私は同じ1951年生まれ。私は一浪して大学に入ったため、微妙に青春の雰囲気がずれているところはあるかもしれないが、でも、殆ど同じ空気を吸っていた。 この作品は、1972年を扱っている。私が大学2年の時である。大学が荒れ、1970年安保反対闘争が行われたが、当然のように敗北して、落胆、厭世観が漂う時代だった。 そんな時起きたのが、連合赤軍と過激派左派による妙義山山中を中心にした、虐殺リンチ事件。 私の高校 [続きを読む]
  • 辻村深月     「きのうの影踏み」(角川文庫)
  • 都市伝説、占い、奇祭など、怪異を扱った短編小説集。「ナマハゲと私」が現代の田舎状況を反映していて面白かった。 ナマハゲ、秋田県の一部で主に大晦日に行われている奇祭だ。赤や青の鬼の面に、蓑。手には出刃包丁や鉈、桶を持ち、決め台詞は「悪い子はいねが〜」「泣く子はいねが〜」。夜、子供のいる各家をまわり、脅かす。悪を戒め、吉を呼ぶといわれている。 大学生の美奈子は秋田県の出身で、実家の村ではナマハゲが行わ [続きを読む]
  • 誉田哲也    「歌舞伎町ダムド」(中公文庫)
  •  物語の設定されたときから7年前、新宿で起きた歌舞伎町封鎖事件。事件を起こしたのは「新世界秩序」と名乗るグループ。総理大臣まで拉致して歌舞伎町を治外法権化する。 当たり前のように、路上で人々が争い、殺されてゆく。大量の死者が発生した事件だ。 このことが、誉田のどの作品で書かれているか知らないが、それを扱っている物語を読んでいないと、この作品は理解できないかもしれない。 まず、この作品でもメインで活 [続きを読む]
  • 源氏鶏太   「英語屋さん」(集英社文庫)
  • そんなに読者はいるとは思えないけど、最近、ちくま文庫や朝日文庫で獅子文六作品が新装版として再出版されている。獅子文六は家族や市井の出来事を軽いタッチでユーモア一杯に描く、大衆文学作家である。 そこに集英社文庫として源氏鶏太の「英語屋さん」が新装版となり再販されたのを知りびっくりした。「英語屋さん」は短編で1951年に直木賞を受賞している。 源氏鶏太は、自らの経験から、サラリーマンで一般社員の仕事や暮ら [続きを読む]
  • 大崎善生     「ロストデイズ」(祥伝社文庫)
  •  主人公の西岡順一は由里子と学生時代恋人同士となる。大学を卒業して由里子は大手商社に順一は出版社に就職。23歳のときに結婚して、30歳になったとき、由里子が妊娠する。それまで、互いに手を携えて人生の上り坂を登攀してきた。 由里子が妊娠中に出血して、切迫流産の可能性が高くなった。そのときは、順一は家庭の仕事のすべてをして、由里子を助けた。その苦労をした後、娘恵美が誕生した。 だから恵美の誕生が、人生の頂 [続きを読む]
  • 保坂和志     「プレーンソング」(中公文庫)
  • 人生というのは、平凡で揺れ動くことなく、淡々と、無為な毎日が積み重なっているように思える。特に、青春時代の真っ只中にはそんな時間が存在している。仲間と集まって、無駄な会話をダラダラ続けていたり、思いついて海に行ってみたり、それは場所をアパートの部屋から、海に移しただけで同じ風景が積み重なるだけ。 作者保坂は1956年に生まれている。それより、少し前に生まれた人たちは、塊になって学生運動にあけくれ、そし [続きを読む]
  • 道尾秀介   「笑うハーレキン」(中公文庫)
  • 人生の大成功をおさめた人は、記憶は栄光の道を歩んできた輝かしいものばかり。しかし、多くの人は、もちろん楽しい記憶もあるかもしれないが、失敗、躓きが今の自分を表しているというような、失敗の塊が記憶に残る。 特に、この物語のようにホームレスに落ちてしまった人たちは、失敗、躓きの記憶を嘆き、周りに語っても、それで明日が劇的に明るくなるわけではない。だから、みんな本質を隠して、仮面をかぶりながら生活する。 [続きを読む]
  • 佐藤雅彦     「プチ哲学」(中公文庫)
  • マイナスに見えることでも、違った角度からみると一転してプラスに変わる。思い方次第で困難を突破できる。そんな多面的な見方、考え方についていろんな事柄から例示する、ベストセラー本。 時間というのは、人間を制御、拘束しているもので、いつも縛られている思いがする。しかし、これを時間から見ないで、自分自身から時間をみてみる。例えば時間を厳守すると考えず、自分の時間を厳守するというように見方を変える。 我々は [続きを読む]
  • 岩瀬達哉     「年金大崩壊」(講談社文庫)
  • この本は、年金が大きな問題として表面化した2001年ころ行った取材がベースになっているため、現在とは少し事情が異なるかもしれない。 2050年が、現役世代が年金受給世代を支えるピーク時を迎える。岩瀬の分析によると、今の制度のままで、その時でも、持ちこたえることができると主張する。今は少子高齢化が急激に進み、このままでは年金制度が破綻すると喧伝するために、厚労省がデータをねつ造して、国民に刷り込み、掛け率を [続きを読む]
  • 樋口明雄    「風に吹かれて」(ハルキ文庫)
  • 読んだことが無い作家。経歴をみると、全日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞、エキチカ書店大賞を受賞していて、力量十分な作家であることがわかる。 多くの作家が、ある年を経ると、自分の故郷や、最も印象深かった時代、小学校、中学校、高校時代のことを書く。 しかし、その多くは、自分の過ごした時代のエピソードを脈絡もなくごった煮のように描く。同じ時代の空気を吸った人たちに思い出話をするように。だから、その時代を [続きを読む]