はなゆめ爺や さん プロフィール

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はなゆめ爺やさん: はなとゆめ+猫の本棚
ハンドル名はなゆめ爺や さん
ブログタイトルはなとゆめ+猫の本棚
ブログURLhttp://hanayume5.blog50.fc2.com/
サイト紹介文本さえあればシアワセな爺さんの読書日記
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供533回 / 365日(平均10.2回/週) - 参加 2013/11/22 21:19

はなゆめ爺や さんのブログ記事

  • 黒川博行    「てとろどときしん」(角川文庫)
  • 大阪府警、黒木巡査部長と亀田淳也刑事の黒マメコンビが活躍する、6編の警察小説集。黒木はわかるとして、亀田がマメとよばれるのはその体型が豆狸にそっくり。しかもよく喋り、明るく躁鬱の鬱を母親の胎内に置き忘れて生まれてきたような男。 物語ではこのマメちゃんが名探偵役になり、事件を解決してゆく。 本のタイトルになっている「テトロドトキシン」とは、ふぐの肝に含まれている猛毒のことを指す。 思い出したころに、 [続きを読む]
  • 高峰秀子    「台所のオーケストラ」(文春文庫)
  • 高峰が推奨する料理のレシピとそこに使っている材料にまつわるエピソードを書いたエッセイ集。 レシピをみて不思議に思ったことは、殆ど調味料に砂糖が使われていないこと。醤油や塩だけでは、しょっぱい料理ばかりになりそれほどおいしくないだろうと想像してしまう。 砂糖は天平時代、鑑真和上が天皇への上奏品としてほんのわずか献上したのが、日本に伝わった最初と言われている。高価な貴重品だった。 私が少年のころは、お [続きを読む]
  • 高峰秀子   「巴里ひとりある記」(河出文庫)
  • 高峰秀子は、私が幼少の頃は映画全盛時代の銀幕の大女優で、みんなの憧れだった。谷崎の「細雪」。木下恵介監督の「二十四の瞳」「喜びも悲しみも幾年月」など、可愛らしさが際立っていた。 高峰のエッセイはいくつか読んだが、憧れの清純派スターが、結構複雑な家庭の出身で、不良ではないが、自己主張の強い、言葉使いも蓮っ葉で、実像はかなりみんなが想像していた高峰と異なることを知ってびっくりした。 この作品の巻末に徳 [続きを読む]
  • 江戸川乱歩 「十字路」
  • 爺やの感想はこちら「奥さんの自殺原因に心当たりは?」とくれば、愛人がいたことを早々に白状しておく。女中が話を盛って警察にチクる前に、先手を打つ。「この婦人靴に見覚えはないか?」とくれば、「古靴屋で似たのを買ってきただけだろ」「目撃者がいる」とくれば、「精神薄弱者なら、法廷で証言できないはず」ああ言えばこう言う。なかなか容疑者がねばります。容疑者の自殺を許すという結末の話は、あまり美しいとは思えず、 [続きを読む]
  • 黒川博行    「離れ折紙」(文春文庫)
  • ガラス工芸品、絵画、日本刀など美術品をめぐる6編のミステリー小説集。 タイトルにもなっている「離れ折紙」とは、刀剣鑑定で有名な本阿弥家が極めた鑑定書のことを折紙といい。本来刀剣は鑑定書とセットであるべきものだが、折紙を紛失したり、大事なものではないとかん違いして捨てたりしてしまった鑑定書のことを「離れ折紙」という。 本のタイトルにもなっている「離れ折紙」も面白い作品だったが、特に印象に残ったのが「 [続きを読む]
  • 黒川博行     「燻り」(角川文庫)
  • 小悪党が主人公となる犯罪小説短編集。「思いついた」「やってみた」「うまくいったとおもったら、更に上をいく悪党がいて、とんでもない奈落に落とされた」という話。 「燻り」とはうだつがあがらないこと。何をやってもうまくいかず、運がないこと。チンピラの意味。中味とピッタリあっている。 澤井は空き巣専門の泥棒。何回も捕まり、刑務所と娑婆をいったり来たりしている。6年前空き巣で捕まり、8年の実刑判決を受けたが [続きを読む]
  • 高峰秀子    「まいまいつぶろ」(河出文庫)
  • 高峰秀子結婚直後に出版したエッセイ集。エッセイスト高峰秀子が誕生した記念碑的作品集だ。 高峰秀子が子役の時から、結婚するまでの映画俳優人生を綴っている。 昭和26年、女優に忙しすぎて、仕事がいやになり半年間パリに逃げたときの思い出が印象的。 パリの住居は、6階建てのペンション。1フロアーに2世帯が住んでいる。エレベーターもあるのだが、上り下りは階段を使う。階段には電燈がついている。この電燈が点灯し [続きを読む]
  • 水木しげる  「水木サンの幸福論」(角川文庫)
  • 水木さんの傑作「ゲゲゲの鬼太郎」。水木さんの本名は武良茂。名前の茂が幼いころ上手く発音ができなかった。「げげる」と発音。ここから「ゲゲゲ」は生まれた。 幼いころは殆どしゃべらなかった。気ままで自分本位。好きなことだけにとことん熱中。外へでれば、目の前に海が広がり、山も野原もある。動物がいる。虫もいる。魚もいる。草や木も生きている。明るい太陽が輝き、闇もある。目に映るものすべてが、驚きに満ち、輝いて [続きを読む]
  • 黒川博行    「大博打」(新潮文庫)
  • 黒川がしばしば好んで描く誘拐小説。この誘拐で犯人が要求したのが変わっていて金塊2トン。お金にして32億円相当。 誘拐されたのが倉石泰三。アイボリーという格安チケット販売の創始者だが、72歳で西宮の老人ホームから拉致される。そして身代金要求の相手が息子の達明で、アイボリーを引き継いで社長をしている。 この物語の進行方法が変わっている。刑事のひとりである主人公わたしの一人称で、捜査の過程が進む。そして [続きを読む]
  • 黒川博行     「蜘蛛の糸」(光文社文庫)
  • 読み始めて、なんだこれは、しょうもない短編集だなとまず思った。 半分以上は、色ボケに狂った小説家や高校教師が、スナックやラウンジの女にひっかかり、金だけ散財させられ、ていよくあしらわれる物語。「蜘蛛の糸」というのは、バカな男を引っ掻けるために垂らされた糸で、それにしがみつき奈落の底に落とされるばかな男たちを扱っている。 読んでいるうちに、バカらしい内容なのに、関西人の本能である、街でであっても、単 [続きを読む]
  • 高峰秀子   「にんげん蚤の市」(文春文庫)
  • 高峰さんが出会い大好になった人との豊かなエピソード満載の心温まるエッセイ集。 高峰さんは料理好き、夫の映画監督松山善三と夕食をするときは、料理を盛る皿や陶器に気に入った物を使いたいと思い、古道具屋通いをして、しこしこ集めていた。 ある時、丸の内の新国際ビルで古物商をしている朧月夜さんにその陶器をみせると、近くに空いているショーウィンドーがあるから、そこで飾ってみたらといわれ、飾る。 すると何人から [続きを読む]
  • 星野博美    「愚か者、中国をゆく」(光文社新書)
  • 1980年代の終わりに、出張で初めて中国に行った。今は薄れてきたが、共産、社会主義が色濃い時代だった。 天津から香港まで朝九時発の飛行機に乗った。この飛行機が、後にも先にもこんな経験はしたことが無いが、何と定刻の40分前、8時20分に空港から飛び立った。 8時に搭乗口に突然ロープが張られ、それ以降に乗ろうとする客を通せんぼした。思い出せば、もらったチケットに座席番号がふられていなかった。空いている [続きを読む]
  • 永六輔    「坂本九ものがたり」(ちくま文庫)
  •  私が働いていた会社のある街に今は無いが、「フレンチ クウォーター」というスナックがあった。当時は元美人だっただろうと想像できる中年過ぎの女性がやっていた。そして時々旦那さんが店に出てきて、エルビスなどのロックナンバーを弾き語りしてくれたり、戦後間もない進駐軍基地での演奏について話してくれた。 その人の名は桜井輝夫。彼は、ウェスタンバンド ドリフターズ結成メンバーの一人。そのメンバーにその後バンド [続きを読む]
  • 萩原浩    「金魚姫」(角川文庫)
  •  主人公の江沢潤は、仏壇、仏具販売会社メモリアル商会で営業社員をしている。会社は典型的なブラック企業。精神的に追い詰められうつ病になる。 そんなある日、近所の祭囃子に誘われ、家をで、金魚掬いで、水槽のなかの一番大きい琉金を掬って、家に持ち帰る。 その夜、ふと目覚めると、琉金はいなくなり、代わりに赤い着物をまとった美女が枕元にいる。この美女が登場してから、死人が見えるようになり、その死人の家に仏壇仏 [続きを読む]
  • 桜木紫乃     「ワン・モア」(角川文庫)
  • 高校生のとき、医者を目指していた同級生柿崎美和、滝澤鈴音、八木浩一を中心に、係りある人々もいれて紡いだ連作短編集。 鈴音は市民病院に勤めていたが、父の死により滝澤病院を継いでいた。美和は、北海道の離島の診療所の勤務医。浩一は、医者になることができず放射線技師として市民病院に勤めている。 鈴音に肝臓がんが見つかり転移もしていて、医師を続けられないということで、美和に滝澤病院を継いでほしいと要請があ [続きを読む]
  • 乙一     「天帝妖狐」(集英社文庫)
  • 少し前にこっくりさんという遊びがはやった。ひらがなのカードを並べておき、コインを人差し指で抑えるとそのコインが一人で動き出し止まる。その止まったところのカードをつなぎ合わせると、予言になる。こっくりさんの予言である。 主人公の夜木。病気で学校を休んでいるとき、部屋でこっくりさんをする。すると同級生が4日後に死ぬという予言がでて、その同級生は4日後、水に溺れて死ぬ。 また、こっくりさんをすると、今度 [続きを読む]
  • 原田マハ    「暗幕のゲルニカ」(新潮文庫)
  • 1937年パリ万博で、仏スペイン大使館より、スペイン館の壁に飾る縦349センチ横777センチの壁画作成をピカソが依頼される。そのころピカソは女性写真家のドラ・マールなど女性に溺れていて、殆ど絵画を作成しておらず、この依頼も断るかと思われていたのだが、そこにスペインの小さな町ゲルニカがドイツ軍に空爆を受け、人間のみならず町のすべてが破壊されたのを知り、ピカソは依頼を受諾する。 しかも、今までは絶対秘密にし [続きを読む]
  • 川上未映子    「あこがれ」(新潮文庫)
  • 小学生でも、恋愛は成立するのか。現実には、好き、嫌いという気持ちだけが揺れるだけで、やはり恋愛という想いからはかけ離れている。だから、仲良くしていても恋愛という言葉はふさわしいようには思えない。 友達より少し密で、でも恋愛まではいかない。そんな関係を川上さんは「あこがれ」という言葉で表している。 主人公は小学4年生の麦彦。スーパーの片隅で、愛想が悪く、サンドイッチやサラダを売っている、ミスアイスサ [続きを読む]
  • 奥田英朗    「我が家のヒミツ」(集英社文庫)
  • どこの家族でも問題はある。殆どがありふれた問題なのだが、家族にとってはどう向き合うか大きな課題となることがしばしば。 こんなどこにでもあるような家族に起きる問題を扱った6編の短編小説集。どれも、家族にとっては大変な問題なのだが、奥田のユーモアとウィットが素晴らしく楽しい。だけどその後は少し重い気持ちにさせる小説が収録されている。 最後に収録されている「妻と選挙」にいかにも小説家奥田自身を卑下してい [続きを読む]
  • 平山夢明    「DINER」(ポプラ文庫)
  • 日本冒険小説大賞、大藪春彦賞、ダブル受賞作品。 主人公の名前がオオバカナコ。ここから読者をバカにしている。だから、分厚いけど、中味が薄い小説だろうと期待しないで読んだが、巷に溢れているハードボイルド、ノアール小説を突き抜けて深く凄い作品だった。 毎日、変わり映えのしないグータラ生活をしていた主人公のオオバカナコ。闇サイトで見つけた変わったバイトをしている最中に、トラブルに遭遇。そこから凄惨な拷問を [続きを読む]
  • 貴志祐介     「天使の囀り」(角川ホラー文庫)
  • 20歳で小説家デビューした高梨。最近は出す作品すべてが売れなくて、落ちぶれてしまっている。その高梨が新聞社主催のアマゾン調査隊に同行して紀行文を執筆することになる。  調査隊は高梨の他、蜷川教授、赤松助教授、森助手、それに女性カメラマンの白井さん。 実は、高梨はそんな病気があるとは知らなかったが死恐怖症を患っていた。死がいつも心に浮かんでいて、死に取り込まれて死んでしまう恐怖を常に抱えている。とこ [続きを読む]
  • 高橋克彦    「写楽殺人事件」(講談社文庫)
  • 浮世絵作家として誰でも知っている写楽の正体は実は謎に包まれ、写楽は存在したのか別人の誰かが名乗っていたのか判明できず現在まで至っている。 写楽というのは、北斎や歌麿のようにはじめから有名な画家ではなく、明治43年にドイツ人であるクルトにより紹介され、日本での浮世絵作家として有名になった。 しかも、絵を創作発表した時期が寛政6年5月から翌年2月の10か月だけ。その間140枚の浮世絵を発表。それも、す [続きを読む]
  • 小池真理子    「危険な食卓」(集英社文庫)
  • 日常の出来事に少しサスペンスの要素を混ぜ合わせた8編の短編集。 70歳を過ぎた主人公の西村与平は、現在三女の直子夫婦と一緒にマンションを買ってあげ住んでいる。少し物忘れがひどくなってきていて、その度に直子にきゃんきゃんときつく叱られ、一緒に住むのがいやになってきている。 少し前、娘夫婦が夜映画を観に行き、その間行きつけの小料理屋「三上」で夕食をとる。帰ってきてドアを開けようとすると鍵が無い。探して [続きを読む]
  • 大平光代    「だから、あなたも 生き抜いて」(講談社)
  • 本の帯に「感動した」という読者の声とともに、「自分も勇気と力をもらった。めげずにがんばるぞ」という内容のメッセージがたくさん掲載されている。 しかし、私の感想は、唖然、茫然である。事実が小説を完全に超えている。作家をもってしてもここまでの物語は作りえない。もし、これが小説だったとしたら、こんな現実離れした内容は受け入れられないと拒否にあうこと間違いない。 昭和53年、著者の大平さんは7月に祖母の家 [続きを読む]
  • 田中文雄    「ザナドゥー」(角川ホラー文庫)
  •  日本が戦争に突入した時代にある男の子が生まれる。そのまま、男の子として育て、青年の年齢に達し、その時戦争が続いていると、男の子は戦争にとられる。それが、両親としては全く受け入れられない。そして両親は生まれた子は女の子として届け、女の子として育てることを決意実行する。 その男の子は、見事に美しい女性として育つ。そして映画にも出演する。その映画で助監督をしていた高山は完全に女優に惚れ、結婚の申し込み [続きを読む]