はなゆめ爺や さん プロフィール

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はなゆめ爺やさん: はなとゆめ+猫の本棚
ハンドル名はなゆめ爺や さん
ブログタイトルはなとゆめ+猫の本棚
ブログURLhttp://hanayume5.blog50.fc2.com/
サイト紹介文本さえあればシアワセな爺さんの読書日記
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供515回 / 365日(平均9.9回/週) - 参加 2013/11/22 21:19

はなゆめ爺や さんのブログ記事

  • 大鹿靖明   「東芝の悲劇」(幻冬舎文庫)
  •  東芝の粉飾決算が明らかになり、決算数値がまとめられなくなったころ、その粉飾は経営トップ自ら「チャレンジ」という掛け声とともに出すべき利益金額を各事業部門に提示し、実行させていたことが粉飾の元だということが、よく報道されていた。 しかし、同族企業でも無い東芝で、チャレンジなどという掛け声だけで、粉飾決算に手をそめるなどということがあり得るだろうかとずっと不思議に思っていた。 生産設計開発方式にOD [続きを読む]
  • 村上龍    「おしゃれと無縁に生きる」(幻冬舎文庫)
  • 雑誌「GOETHE」に連載したエッセイを厳選して収録した本。 このエッセイの言葉の変遷で、かっては流行り言葉だったが、今はだれも使わなくなったとして「チョベリグ」「チョベリバ」を村上はあげ、この言葉が好きだったと回顧している。 「チョベリグ」は「超ベリーグッド」「チョベリバ」は「超ベリーバッド」からきている。 確か、この言葉は作家田中康夫が「何となくクリスタル」で使い流行らせた言葉だと記憶している [続きを読む]
  • 貫井徳郎    「女が死んでいる」(角川文庫)
  • 推理小説短編集。「病んだ水」が印象に残った。 産業廃棄物処分場で最も多いのが安定型といわれる処分場。この処分場は安全な5つの物質しか持ち込めないと法律で規定されている。素掘りで構わないし、浸出水漏れ対策も必要ない。安全な品目しか持ち込めないのだから。 ところが、この処分場の近くにある川から、シアンやヒ素といった猛毒が検出されることがしばしば起きる。シアンはアメリカの幾つかの州で死刑に使われているし [続きを読む]
  • 桐野夏生     「抱く女」(新潮文庫)
  • 桐野と私は同じ1951年生まれ。私は一浪して大学に入ったため、微妙に青春の雰囲気がずれているところはあるかもしれないが、でも、殆ど同じ空気を吸っていた。 この作品は、1972年を扱っている。私が大学2年の時である。大学が荒れ、1970年安保反対闘争が行われたが、当然のように敗北して、落胆、厭世観が漂う時代だった。 そんな時起きたのが、連合赤軍と過激派左派による妙義山山中を中心にした、虐殺リンチ事件。 私の高校 [続きを読む]
  • 辻村深月     「きのうの影踏み」(角川文庫)
  • 都市伝説、占い、奇祭など、怪異を扱った短編小説集。「ナマハゲと私」が現代の田舎状況を反映していて面白かった。 ナマハゲ、秋田県の一部で主に大晦日に行われている奇祭だ。赤や青の鬼の面に、蓑。手には出刃包丁や鉈、桶を持ち、決め台詞は「悪い子はいねが〜」「泣く子はいねが〜」。夜、子供のいる各家をまわり、脅かす。悪を戒め、吉を呼ぶといわれている。 大学生の美奈子は秋田県の出身で、実家の村ではナマハゲが行わ [続きを読む]
  • 誉田哲也    「歌舞伎町ダムド」(中公文庫)
  •  物語の設定されたときから7年前、新宿で起きた歌舞伎町封鎖事件。事件を起こしたのは「新世界秩序」と名乗るグループ。総理大臣まで拉致して歌舞伎町を治外法権化する。 当たり前のように、路上で人々が争い、殺されてゆく。大量の死者が発生した事件だ。 このことが、誉田のどの作品で書かれているか知らないが、それを扱っている物語を読んでいないと、この作品は理解できないかもしれない。 まず、この作品でもメインで活 [続きを読む]
  • 源氏鶏太   「英語屋さん」(集英社文庫)
  • そんなに読者はいるとは思えないけど、最近、ちくま文庫や朝日文庫で獅子文六作品が新装版として再出版されている。獅子文六は家族や市井の出来事を軽いタッチでユーモア一杯に描く、大衆文学作家である。 そこに集英社文庫として源氏鶏太の「英語屋さん」が新装版となり再販されたのを知りびっくりした。「英語屋さん」は短編で1951年に直木賞を受賞している。 源氏鶏太は、自らの経験から、サラリーマンで一般社員の仕事や暮ら [続きを読む]
  • 大崎善生     「ロストデイズ」(祥伝社文庫)
  •  主人公の西岡順一は由里子と学生時代恋人同士となる。大学を卒業して由里子は大手商社に順一は出版社に就職。23歳のときに結婚して、30歳になったとき、由里子が妊娠する。それまで、互いに手を携えて人生の上り坂を登攀してきた。 由里子が妊娠中に出血して、切迫流産の可能性が高くなった。そのときは、順一は家庭の仕事のすべてをして、由里子を助けた。その苦労をした後、娘恵美が誕生した。 だから恵美の誕生が、人生の頂 [続きを読む]
  • 保坂和志     「プレーンソング」(中公文庫)
  • 人生というのは、平凡で揺れ動くことなく、淡々と、無為な毎日が積み重なっているように思える。特に、青春時代の真っ只中にはそんな時間が存在している。仲間と集まって、無駄な会話をダラダラ続けていたり、思いついて海に行ってみたり、それは場所をアパートの部屋から、海に移しただけで同じ風景が積み重なるだけ。 作者保坂は1956年に生まれている。それより、少し前に生まれた人たちは、塊になって学生運動にあけくれ、そし [続きを読む]
  • 道尾秀介   「笑うハーレキン」(中公文庫)
  • 人生の大成功をおさめた人は、記憶は栄光の道を歩んできた輝かしいものばかり。しかし、多くの人は、もちろん楽しい記憶もあるかもしれないが、失敗、躓きが今の自分を表しているというような、失敗の塊が記憶に残る。 特に、この物語のようにホームレスに落ちてしまった人たちは、失敗、躓きの記憶を嘆き、周りに語っても、それで明日が劇的に明るくなるわけではない。だから、みんな本質を隠して、仮面をかぶりながら生活する。 [続きを読む]
  • 佐藤雅彦     「プチ哲学」(中公文庫)
  • マイナスに見えることでも、違った角度からみると一転してプラスに変わる。思い方次第で困難を突破できる。そんな多面的な見方、考え方についていろんな事柄から例示する、ベストセラー本。 時間というのは、人間を制御、拘束しているもので、いつも縛られている思いがする。しかし、これを時間から見ないで、自分自身から時間をみてみる。例えば時間を厳守すると考えず、自分の時間を厳守するというように見方を変える。 我々は [続きを読む]
  • 岩瀬達哉     「年金大崩壊」(講談社文庫)
  • この本は、年金が大きな問題として表面化した2001年ころ行った取材がベースになっているため、現在とは少し事情が異なるかもしれない。 2050年が、現役世代が年金受給世代を支えるピーク時を迎える。岩瀬の分析によると、今の制度のままで、その時でも、持ちこたえることができると主張する。今は少子高齢化が急激に進み、このままでは年金制度が破綻すると喧伝するために、厚労省がデータをねつ造して、国民に刷り込み、掛け率を [続きを読む]
  • 樋口明雄    「風に吹かれて」(ハルキ文庫)
  • 読んだことが無い作家。経歴をみると、全日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞、エキチカ書店大賞を受賞していて、力量十分な作家であることがわかる。 多くの作家が、ある年を経ると、自分の故郷や、最も印象深かった時代、小学校、中学校、高校時代のことを書く。 しかし、その多くは、自分の過ごした時代のエピソードを脈絡もなくごった煮のように描く。同じ時代の空気を吸った人たちに思い出話をするように。だから、その時代を [続きを読む]
  • 堂場瞬一    「大延長」(実業之日本社文庫)
  •  今年の夏の高校野球は大阪桐蔭史上初の2度目の春夏連覇という偉業達成で終了したが、大会の主役は大阪桐蔭でなく金足農業の吉田投手だった。決勝戦まですべての試合で完投、決勝大阪桐蔭戦の5回で疲労のため股関節痛が襲い、もう投げられないと降板。 桐蔭戦での投球数は132球。甲子園での投球数は881球だった。 この物語も高校野球大会決勝戦を扱っている。対戦は新潟県で5指にはいる県立の進学校新潟海浜と、私立で5回連続甲 [続きを読む]
  • 司馬遼太郎   「司馬遼太郎 歴史のなかの邂逅2」(中公文庫)
  • 歴史上の人物の魅力を発掘したエッセイを年代順に集大成。その第2巻。第2巻は、信長、秀吉を含む、室町時代末期より戦国時代から天下統一までの時代を生き抜いた人々について収録している。 唐瘡は梅毒の当時の呼び名。梅毒はコロンブスが新大陸から持ち帰った病気で、瞬く間にヨーロッパに広がる。その同じころ、唐を経由して日本にももたらされた。 秀吉は女好きだったが子宝には恵まれず、公式には、淀君との間に生まれ2歳 [続きを読む]
  • 幸田真音   「スケープゴート」(中公文庫)
  • 主人公三崎皓子は51歳東都大学経済学部教授であると同時に新進気鋭のエコノミストで、テレビ番組のコメンテイターでも活躍している。 戦後ずっと与党として政治を動かしてきた明正党が衆議院選挙で大敗して野党として下野、その結果進志党が政権を奪還、しかし3年半後に進志党が選挙で負け明正党が政権を奪還し、その時、明正党総裁、総理大臣についたのが山城。 山城は今の安倍首相を彷彿させるが、物語では、政権奪還した時点 [続きを読む]
  • 柘植久慶   「震災の生存術」(中公文庫)
  •  読み始めから、引いてしまった。木造住宅は地震に弱い。築20年以上たった家は、大地震で半壊、倒壊する。しかし、家のローンだって30年から35年が当たり前なのに、ローンを払い終える前に、家をまた新築するか、家を捨てて別のところに移れとか。 マンションも一階を駐車場にしているマンションは倒壊するから移れとか、窓ガラスにはガラスと一緒に、金網が張られていなければならない。 もう、ここで、大地震が起きたら半分は [続きを読む]
  • 山本周五郎  「山本周五郎名品館Ⅰ おたふく」(文春文庫)
  • 文学だけとは限らないが、何かに出会って、それを評価するとき、必ず、その基準となる原点といわれる物がある。沢木にとって文学評価の原点は山本周五郎作品であり、更にその原点は周五郎初期の作品集「日本婦道記」の「松の花」である。直木賞受賞作品となったが、受賞を周五郎が断った作品である。 周五郎は女性を描くと、たぐいまれな力を発揮した。沢木が編んだ周五郎作品集の初回本はこの「松の花」を含む、女性を主人公にし [続きを読む]
  • 柚月裕子    「朽ちないサクラ」(徳間文庫)
  • この作品のタイトルにある「サクラ」というのは公安警察の呼び名である。 物語で、捜査課の梶山課長が、事件の真相と犯人を特定するためには、公安警察が所持している新興宗教集団ソノフの監視対象者リストが必要となる。それで、公安警察の白澤課長にリストの提供を依頼する。 その時の白澤課長の返答が印象に残る。「梶さん、あなたたち刑事部の捜査員は、すでにおきた事件の捜査を職務としていますが、われわれ公安は違う。わ [続きを読む]
  • 岡田光世   「ニューヨーク日本人教育事情」(岩波新書)
  •  私が働いていたころ、中高生を持つ父親が海外赴任をすると、受験、進学の妨げになるからと、単身赴任するのが殆どだった。会社も単身赴任の弊害を考慮して、中高生の親はできる限り海外赴任をさせないよう配慮していた。 この本を読むと、今は様相がかなり変わってきていることがわかり驚いた。日本人の海外駐在が増加するにつれて、主たる海外駐在地に、学習塾や進学予備校が進出し、受験進学の支援をしている。海外に住んでも [続きを読む]
  • 岩村暢子  「日本人には二種類いる 1960年の断層」(新潮新書)
  • 私の生まれた頃、病院で出産した子は殆どいなかった。家で産婆さんにより生まれてきた。第一実家がある町に産婦人科のある病院は無かった。ところがこの本によると、1960年以降生まれた子どもは殆どが病院で生まれたのだそうだ。 私の生まれた頃の子どもは、育てるという感覚が親になく、ほっといても子どもはかってに育つものという感覚だった。 ベビー用品やおもちゃは殆ど無かった。ガラガラとミルクの吸い口、その2つさえ与 [続きを読む]