いかるの歌 さん プロフィール

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いかるの歌さん: 源氏物語 ・ おもしろ読み
ハンドル名いかるの歌 さん
ブログタイトル源氏物語 ・ おもしろ読み
ブログURLhttp://ikaru-uta.blog.jp/
サイト紹介文ドストエフスキーの全著作に匹敵する(?)古典一巻を 口語訳で読み,かつ解く,自称労大作ブログ 一日一話
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供357回 / 365日(平均6.8回/週) - 参加 2014/01/08 11:50

いかるの歌 さんのブログ記事

  • [余段]〜その7 余段の終わりに
  • 二〇一四年(平成二十六年)の一月四日から書き始めたこのブログですが、四年と三十四日目の先日、最後までたどり着きました。前書きは少々力が入って、偉そうなことを書きましたが、もともとは、以前通読した時に、読みながらいろいろ考えるのにそれが次々に消えていくのが残念で、その足跡が残せないかと思ったこと、それと、読み流さないで、ともかくきちんと読んで見たいと思ったこと、の二つが動機でした。ここまでこられ [続きを読む]
  • [余段]〜その6 注釈書について
  •  私がこのブログを書いているということをさる旧友に語ったところ、昨年五月ごろ(宿木を書いているころです)、その彼が、「東京私学教育研究所」文系教科研究会(国語)ニュース第34号という冊子を贈ってくれまして、そのなかに、『「源氏物語」の思想は、平和か破壊か』と題する島内景二・電気通信大学教授の講演記録が載っていました。 その中に「注釈を読むということ、注釈に支えられて文学作品を理解するということは、 [続きを読む]
  • [余段]〜その5 「本当の人間」について 
  •  私たちは現実の人間関係の中で、いろいろ楽しい思いをしたり、ありがたく思ったりすることはよくありますが、心を打たれ、人間というものそのものを理解するというようなことは、そう多くはありません。 それは、現実の人間はあまりに複雑で、というよりもそういうことを思うには、自分との関係性とか相手の背後の事情などのあまりに多くの夾雑物が挟まっていて、こちらの視点も揺れるし、相手の統一的姿が見えづらく、言ってし [続きを読む]
  • [余段]〜その4 源氏物語の人物について
  • このブログを綴り始めたころ、俊秀の国語の先生から、光栄なことに、大変な質問を受けました。いわく、世界文学を優秀な順に上位から十編選ぶ時に、日本文学の中で入る可能性があるのは源氏物語だけだという話もあるが、では例えば高校生に分かるように一言で言うと、源氏物語の結局どこが素晴らしいのか。おこがましいことは承知の上で、私はそれに一応以下のように返事しました。 一言で言えば、それは、そこに「人間」が描か [続きを読む]
  • [余段]〜その3 第一部と第二部、および「物語のその後」について
  •  『源氏物語』は、光源氏を主人公とする雲隠の巻までを第一部、匂兵部卿の巻から後を第二部と呼び習わされていますが、この二つは、ひょっとすると作者が違うのではないかという説があるくらいに、いろいろ違うところがあるようです。 私も読んで来て、確かに違うなあという感じを持ちました。例えば、登場人物が、第一部に比べて第二部は極めて少ないことです。それは形の上だけのことのように思えますが、実は語ろうとするモチ [続きを読む]
  • [余段]〜その2 『豊饒の海』
  •  この物語の結末を思う時、すぐに三島由紀夫著『豊饒の海』の結末を思い出します。私は、「奔馬」以降の話の意味がよく分からないままに、ともかくも「天人五衰」の終わりまで読んできて、その最後の場面で、「門跡」(かつてのヒロイン綾倉聡子)が本多に言った「松枝さん(かつての聡子の恋人)といふ方は、存じませんな」という言葉に突然ぶち当たって、ちょっと大袈裟に言うと、天地がひっくり返ったかと思うほど驚いたもので [続きを読む]
  • [余段]〜その1 「夢浮橋」について
  •  後書きの前書きといったところで、まことに余計な話ですが、昔、北杜夫著『さびしい王様』を開いたことがありまして、そこには、巻頭、めくってもめくって「前書き」が続き、確か六つに及んだと記憶します。しかも本編の物語を読み終わると、そこにはまたしても、めくってもめくっても続く「あとがき」があり、これも六つでした。そのこと自体の奇抜なアイデイアと、語られる饒舌とウイット、ギャグに、捧腹絶倒、と言うほどでは [続きを読む]
  • 第六段 小君、空しく帰り来る
  • 【現代語訳】主人の尼が、この君にお話を少し申し上げて、「物の怪のせいでしょうか、普通の様子にお見えになる時もなくずっと患っていらっしゃって、お姿も尼姿におなりになりましたので、お探し申し上げなさる方があったら、とても厄介なことになるだろうと、拝見し嘆いておりましたがその通りに、このようにまことにおいたわしく、胸打つご事情がございましたのを、今は、まことに恐れ多く存じております。 常日頃も、ずっとご [続きを読む]
  • 第五段 浮舟、薫への返事を拒む
  • 【現代語訳】 このようにこまごまとお書きになっている様子が紛れようもないのだが、そうかといって、昔の自分とも違う姿を思いもしないかたちで見つけられ申したときの立つ瀬の無さなどを思い乱れて、ますますやりきれない気持ちは、何とも言いようがない。 さすがにふと涙がこぼれて、お臥せりになったので、「まことに世間知らずのなさりようだ」と、扱いかねた。「どのように申し上げましょう」などと責められて、「気分がと [続きを読む]
  • 第四段 小君、薫からの手紙を渡す
  • 【現代語訳】 この子も、そうは聞いていたが子供なのですぐに言葉をかけるのも気がひけるものの、「もう一通ございますお手紙を、ぜひ差し上げたい。僧都のお導きは確かなことですのに、このようによそよそしい感じでは」と、伏目になって言うと、「それそれ。まあ、かわいらしい」などと言って、「お手紙を御覧になるべき人は、ここにいらっしゃるようです。はたの者はどのようなことかと分からずにおりますが、ぜひおっしゃって [続きを読む]
  • 第三段 浮舟、小君との面会を拒む〜その2
  • 【現代語訳】「ほんとうに隠し事があるとお思いになるのがつらくて、何も申すことができません。みっともなかったでしょう私の姿は、珍しいことだと御覧になったでしょうが、正気も失い、魂などと申すものも以前とは違ったものになってしまったのでしょうか、何ともかとも、過ぎ去った昔のことを自分ながら全然思い出すことができないのですが、紀伊守とかいった人が世間話をした中に、知っていた方のことかとわずかに思い出される [続きを読む]
  • 第三段 浮舟、小君との面会を拒む〜その1
  • 【現代語訳】 疑う余地もなく、はっきりお書きになっているが、他の人には事情が分からない。「この方は、どなたでいらっしゃるのでしょう。やはり、とても情けない。今になってさえ、このようにひたすら他人あつかいをなさる」と責められて、少し外の方を向いて御覧になると、この子は、これが最期と思った夕暮れにも、とても恋しいと思った人なのであった。一緒に住んでいたときは、とても意地悪で、むやみに威張って憎らしかっ [続きを読む]
  • 第二段 小君、小野山荘の浮舟を訪問
  • 【現代語訳】 不思議に思うが、「これこそは、それでは、はっきりしたお手紙であろう」と思って、「こちらに」と言わせると、とても小ぎれいで上品な童で、えも言えず着飾った者が歩いて来た。円座を差し出すと、簾の側に跪いて、「このような形で扱いを受けることはないと、僧都はおっしゃっていました」と言うので、尼君がお返事などなさる。手紙を中に受け取って見ると、「入道の姫君の御方へ、山から」とあって、署名なさって [続きを読む]
  • 第一段 薫、浮舟のもとに小君を遣わす
  • 【現代語訳】 あの殿は、「この子をそのまま遣わそう」とお思いになったが、人目が多くて具合が悪いので、邸にお帰りになって、翌日、改めてお遣わしになる。親しくお思いになる人で、大した身分でない者を二、三人付けて、昔もいつも使者としていた随身をお加えになった。人が聞いていない間にお呼び寄せになって、「そなたの亡くなった姉の顔は、覚えているか。今はこの世にいない人と諦めていたが、まことに確かに生きていらっ [続きを読む]
  • 第五段 浮舟、薫らの帰りを見る
  • 【現代語訳】「この子に託して、とりあえず少しお伝えください」と申し上げなさると、手紙を書いてお与えなさる。「時々は山においでになって遊んで行きなさいね。縁のないことのようにお思いになってはならないわけもあるのです」と、お話しなさる。この子は理解できないが、手紙を受け取ってお供して出る。坂本になると、ご前駆の人びとがそれぞれ少し離れて、「目立たないように」とおっしゃる。 小野では、たいそう青々と茂っ [続きを読む]
  • 第四段 薫、僧都に浮舟への手紙を求める
  • 【現代語訳】 あの弟御の童をお供として連れておいでになっていた。他の兄弟たちよりは器量もよく見えるその子を呼び出しなさって、「この子がその人の近親なのですが、この子をとりあえず遣わしましょう。お手紙をちょっとお書きください。誰それがということではなくて、ただ、お探し申し上げる人がいる、という程度の気持ちをお知らせください」とおっしゃると、「拙僧は、この案内役になってきっと罪障を負いましょう。事情は [続きを読む]
  • 第三段 薫、僧都に浮舟との面会を依頼
  • 【現代語訳】そうであるらしいとちらっと聞いて、ここまでお聞き出しになったことではあるが、「てっきり死んだ人として思い諦めていた人だが、それでは、本当は生きていたのだ」とお思いになると、夢のような気がしてあきれるほどのことなので、抑えることもできずに涙ぐまれなさったのを、僧都が立派な態度なので、「こんな気弱い態度を見せてよいものか」と反省して、さりげなく振る舞いなさるが、「このようにお愛しになってい [続きを読む]
  • 第二段 僧都、薫に宇治での出来事を語る〜その2
  • 【現代語訳】「母親が今にも死にそうなのは差し置いて、介抱して心配しておりました。この人も、お亡くなりになっているような様子ながら、やはり息はしていらっしゃいましたので、昔物語に、遺体安置所に置いておいた人の話を思い出して、そのようなことであろうかと、珍しがりまして、弟子の僧の中で効験のある者どもを呼び寄せては、交替で加持させたりしました。 拙僧は、惜しむほどの年齢ではなくても母親が旅の途上で病気が [続きを読む]
  • 第二段 僧都、薫に宇治での出来事を語る〜その1
  • 【現代語訳】僧都は「やはりそうであったか。普通の人とは見えなかった姿であったよ。このようにまでおっしゃるのは、並々にはお思いでいらっしゃらなかった人なのであろう」と思うと、「法師の身とは言いながらも、考えもなく、すぐに尼姿にしてしまったことよ」と、胸が潰れて、お答え申し上げることに思案なさる。「確かなことを聞いていらっしゃるのだろう。これほどにご承知で、お尋ねなさるのに、隠しきれるものでない。なま [続きを読む]
  • 第一段 薫、横川に出向く
  • 巻五十四 夢浮橋 薫君の大納言時代二十八歳の夏の物語第一章 薫の物語 横川僧都、薫の依頼を受け浮舟への手紙を書く第一段 薫、横川に出向く 第二段 僧都、薫に宇治での出来事を語る 第三段 薫、僧都に浮舟との面会を依頼 第四段 薫、僧都に浮舟への手紙を求める 第五段 浮舟、薫らの帰りを見る 第二章 浮舟の物語 浮舟、小君との面会を拒み、返事も書かない第一段 薫、浮舟のもとに小君を遣わす 第二段 小君、小野山 [続きを読む]
  • 第七段 薫、明石中宮に対面し、横川に赴く〜その2
  • 【現代語訳】「その住んでいるという山里はどの辺であろうか。どのようにして、体裁悪くなく訪ね寄ることができるだろうか。僧都に会った上で、確かな様子を聞き合わせるなどして、ともかく訪ねるのがよかろう」などと、ただ、このことばかりを寝ても覚めてもお考えになる。 毎月の八日は、必ず仏事をおさせになるので、薬師仏にご寄進申し上げなさろうということでお出かけになるついでに、根本中堂には、時々お参りになるのだっ [続きを読む]
  • 第七段 薫、明石中宮に対面し、横川に赴く〜その1
  • 【現代語訳】「思いがけない形で亡くなってしまったと思っておりました人が、この世に落ちぶれて生きているように、人が話してくれました。どうしてそのようなことがございましょうか、と存じますが、自分から大胆なことをして離れて行くようなことはしないであろうと、ずっと思い続けていた人でございますので、人の話してくれたような事情でならば、そのようなこともありましょうかと、その人にふさわしいように思われます」と言 [続きを読む]
  • 第六段 小宰相、薫に僧都の話を語る〜その2
  • 【現代語訳】「あの僧都が山から下りた日に、尼にしました。ひどく病んでいた時には、世話する人が惜しんでさせなかったのを、ご本人が深い念願だと言ってなってしまったのだ、ということでした」と言う。場所も違わず、その当時のありさまなどを思い合わせると、違うところがないので、「本当にその人だと探し出したら、とても嫌な気がするだろうな。どうしたら、確実なことが聞かれるだろうか。私自身で訪ねて行ったりするのも、 [続きを読む]
  • 第六段 小宰相、薫に僧都の話を語る〜その1
  • 【現代語訳】小宰相にこっそりと、「大将は、あの人のことをとてもしみじみと思ってお話になったので、おいたわしくて打ち明けてしまいそうだったが、その人ではないかもしれないからと、遠慮されて。あなたは、あれこれ聞いていましたね。不都合と思われるようなことは隠して、こういうことがあったと、世間話のついでに、僧都が言ったことを話しなさい」と仰せになる。「御前様でさえ遠慮あそばしているようなことを、まして、他 [続きを読む]
  • 第五段 薫、明石中宮のもとに参上
  • 【現代語訳】 大将は、この一周忌の法事をおさせにになって、「はかない縁で終わってしまったことだ」としみじみとお思いになる。あの常陸の子どもは、元服した者は蔵人にしたり、ご自分の近衛府の将監に就けたりなど目をお掛けになるのだった。「童で、中でも小綺麗なのをお側近くに召し使おう」とお思いになっていたのだった。 雨などが降ってひっそりとした夜に、后の宮に参上なさる。御前ののんびりとした日なので、お話など [続きを読む]