赤依研児 さん プロフィール

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赤依研児さん: メランコリックノイローゼ
ハンドル名赤依研児 さん
ブログタイトルメランコリックノイローゼ
ブログURLhttp://sentim.blog.fc2.com/
サイト紹介文ノスタルジックな日々を透明色の言葉で着色します。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供18回 / 365日(平均0.3回/週) - 参加 2014/01/31 10:00

赤依研児 さんのブログ記事

  • 虚無
  • 錆びたベンチで物思いに耽っていると浮浪者の爺さんが傍らに腰掛け俺に大量のシケモクをくれたビニール袋にぎっしり詰まったそれを俺は何も考えずに受け取っていた桜が満開の木の下で爺さんは俯いたまま一言も喋らない俺は袋の塊を見つめたまま言葉が見つからない新鮮味も生産性もないひと時のそういう間の悪さが何故かしら痛快だったむしろそれが俺には安逸であり心地良かった他にするべき事もやりたい事も何ひとつとしてなかった [続きを読む]
  • 融雪
  • 薄く切れ目を入れた地平線に目を細める樹々は連なり山々を鳴らし鼓動を香らせ花が咲き乱れているあらゆる生命は風景を彩る一欠片として無情なるままに呼吸を繰り返している身に纏う唯一の服である猿股を脱ぎ棄て両手を広げて目を閉じて清らかな陽光を深く受け止める手を伸ばせば五指が艶やかに始動し瞬き奏功する束縛のない肉体を体感できる俺は存在しているこの世に存在しているのだ生命を全うする事実がここにある大地を蹴り進む [続きを読む]
  • フールなエイプリル
  • 嘘にまみれたこの日常嘘が舞い散る街のなか僕も私もみんな嘘つき嘘に喜び嘘に泣き気づけば嘘に生かされている嘘が転がる時代の片隅で嘘を買い漁り嘘を着飾りありふれた嘘を求め安堵する若者たち嘘が無ければ満たされないありふれた嘘という嘘最近の若いやつは嘘まみれとのたまうじいさんばあさんももれなく嘘まみれ嘘を食い荒らし嘘を飲み尽くし湯水の如く嘘を消費し続ける毎日振り返れば嘘 前を向いても嘘だって仕方ない嘘なんだ [続きを読む]
  • 嘔吐
  • 雨しんしんと降り注ぐ鋭く尖った水の針裸で踊り明かすのが好きな俺でも今日は踊りたいと思わない別段雨が嫌いだという訳ではないただ服を脱ぎ捨てた途端に踊りたいという欲求が黒い何かに押し潰された得体の知れない不安感がすうっと流れる何故こんな気分になるのか見当もつかないパンツ一丁で待機している身体に冷気が貫いて俺は思わず口を左手で塞いだ唐突な吐き気黒い何かが脳みその深くからせり上がってくる左手はじんわりと汗 [続きを読む]
  • 取捨選択
  • 取捨選択を常に迫られている迫られているというより強制されていると言った方が的を得ている堅物そうな爺さんの顔が地面からボコボコと湧いて出てきてまだかまだかと急かし詰め寄る要るものと要らないものこの二択の間に他の選択肢は存在しないさし迫る分別に急かされて本当に必要なものが何なのか判らなくなる熱を失った太陽が頭の裏でキリキリ痛む目を閉じることばかり考えてしまう耳を塞ぐことばかり考えてしまう香り、味わい、 [続きを読む]
  • 断絶
  • 入場口で立ち尽くすぽっかり抜け落ちたこころの隙間から都合のいい理由だけをじっと見つめてさびれ果てた遊園地に想いを馳せるちんまりとした静寂誰もがゆとりある日々を求めていたこの落ちぶれた国家の片隅で愛だとか夢だとか語らいながら誰もが自由で大げさな何かを求めていた美しいもの素晴らしいもの価値あるものなんかいい感じのものそんな金太郎飴のような理想を振り返りそよ風にゆられて回転している乗客のいない飛行塔のゴ [続きを読む]
  • 修理済み
  • 壊れたままのふたりでいたかったのにきみは知らぬ間に修理にだされて新品同様の出で立ちで戻ってきたきみはわたしにささやいた音声ガイダンスにしたがってパスワードを入力してくださいわたしは秘密の呪文をとなえたラ・ヨダソウ・スティアーナそして背中のボタンをポチッと押したするときみはがたがたふるえて頭がはずれてロケットのようにごおごおと火をふいてとんでいった頭はまだ壊れたままみたいだきみは根本的には前のままみ [続きを読む]
  • いんそむにあ
  • ゆりかごのなかで見たゆりの花に裏切られる夢はあなたのうちにひそむないものねだりゆりの花は純白だなんてあなたの勝手な思い込みこの世で本当に純白なのはあなたの白髪とミルクだけあなたのすぐとなりでずっと踊り狂っているボンクラたちの言葉に少しは耳をかたむけてみるのですゆりの花束を今すぐ手放しなさいゆりの花束を今すぐ手放しなさいあなたの脳みそのなかにあるカビ臭い部屋の花瓶に放置されたそのひからびた花はまぎれ [続きを読む]
  • 汚いサンタクロース
  • 汚いサンタクロースがきみの帰り道にあらわれるならきっとポケットティッシュをプレゼントしてくれるだろうそのポケットティッシュの電話番号にかけてみるならアッと驚くタメゴローつぎの朝きみの脳みそは食いもののことで溢れかえっている汚いサンタクロースはなぜ汚い格好をしているのかクリスマスプレゼントはなぜポケットティッシュなのか色づけられた街のなか枯れ木にまきつく豆電球たちが街中で点滅するカラフルなそれらがい [続きを読む]
  • カプセルシューター
  • 麻酔がまかれた夜の空星たちは眠りについたままふたりの部屋はセミロングときめくふたりのセミロングシャレた黄緑の冷蔵庫開ければひんやりさわやかだけど缶かんはぜんぶプルトップ式で期限はマジックで消されてるカプセルシューター会計機部屋の隅でたたずんでいるけどちゃんと動くのか不明な感じで黄ばんだボタンがさみしそうどうせふたりはお金を払わないからできそこないの夜だって楽しめる缶かんふたつ開封してわけのわからな [続きを読む]
  • のっぺらぼう
  • のっぺらぼうだったのさ気づいたときにはもう顔がきえてしまったのさとつぜんお腹がいたくなってトイレをもとめて悶えるけれどそれをさがす目玉がないんだよとつぜん悪い人にからまれてぼこぼこにされたりするけれど痛いと叫ぶ口がないんだよ表情というものがない世界ではだれもかれもが顔を隠して知らぬ存ぜぬの一点張りただ白いだけでなにもない頭にはむかしきいたおとぎ話だけが残されて内部でひとしれず循環しているあさはかな [続きを読む]
  • 変化
  • 部屋の中はまだあたたかくてきみはカラメリゼな顔して微睡んでいる手紙をかいて外を眺めたら季節が死んでいることに気がついたもう時代は変わろうとしているわずかなぬくもりだけを置き去りにして過去と未来をないまぜにしようとしている毛虫になった男の歌を言葉のない歌をこれでもかとラジオ放送はたれ流すけれどもう明日は急がされている紅茶をいれてきみは言った嬉しいことは1割くらいで辛いことは9割くらいけれどささやかなが [続きを読む]
  • シャンデリア
  • つやつや輝くゲル状の液体は生焼けの鹿肉にドレッシングされわざとらしく添えられたパセリがうわごとのような晩餐を急がせているフォークとナイフは銀のステレでスプーンは精巧なガラス製ツィゴイネルワイゼンの音色が果てしない夜の深みを教えてくれる大食堂はシャンデリアああ素晴らしきシャンデリア昭和レトロモダンテイスト真下には丸眼鏡のマイケル伯爵誰も知らない料理を愉しんでいつわりのないワインを嗜んでそれでも夜は明 [続きを読む]
  • ぷにぷに
  • 海に浮かぶ緑色のぷにぷにしたゼリーみないな物体ながめながらさっき黒い人にもらった苦すぎるコーヒーちびちび飲んだりして物思いにふけるただようぷにぷにさみしそうなぷにぷにぷにぷにしてたら誰かが触ってくれるって思って浮かんでいるつもりなんだろさわ蟹がいっぴきこっちに寄ってきてハサミをちょきちょき流れていくだけの時間をわけもなくちょきちょきさらわれてしまったのはやさしさなんだろうかそれともあわれみなんだろ [続きを読む]
  • 事故物件
  • 野菜室のにんじん黒く変色しててとても悲しかった野菜室のたまねぎ黒く変色してて気持ち悪いから捨てた牛乳をグラスに注いで白塗りの壁紙眺めながらちまちまと口をつけるなにが必要だったのかなにが不足していたのかわからないまま天井に目をやるとなんかすごい汚れていてふわりカーテンのむこうへ逃げ出したい気持ちになるもうずいぶん外に出ていないから今が昼なのか夜なのかさえわからなくなってしまっているのに [続きを読む]
  • ぜんぶ夏のせい
  • 君がひからびているふっと思い出してしまったから僕がとろけているすっと忘れてしまったから君がひからびているせいで僕がとろけているせいでよくわからない天気がずっと続いて傘をさしたりとじたりしてばかりいつものバス停にバスがこない日がきたとき僕たちの目は見えなくなってしまう [続きを読む]
  • 狂ったピンク
  • なにもかもがピンク色した花畑で色きちがいの少女がかけまわっている水蒸気の小鳥を追いかけているあの子を見てると頭がおかしくなる野原に寝そべったときにはもう全身がピンクまみれ筆箱のなかにまぎれこんでいたはずの約束がしっぽを巻いて逃げていく脳みそのいらない部分に保存したはずの映像が初期化されてノイズになる愛という文字が花畑に落下して虫めがねの探偵が現場検証を行うころきっと誰かの背中に包丁が突き刺さる [続きを読む]
  • 見てられないほど真っ赤っか
  • 巨大なスイカがありまして道の真ん中ありまして仲良しこよしで転がしまして曲がった坂道転がりましてすべって川ぶち落っこちましてぶぱんと中身が飛び散りましてどうしようもなくなりましたひんやりしていた感触はばかばかしいほどあっけらかんぶちまけられた内面は見てられないほど真っ赤っか [続きを読む]
  • つきぬける
  • うす汚れたキューピー人形ベビーカーにのせたら全速力でつきぬけようぜ満面の笑みを浮かべてものすごい叫び声あげてただひたすらつきぬけようぜ行くあては知らないわけわかんない道をひたすらつきぬけるかえり道などない全身全霊をかけて道なき道をつきぬける通行人全員はねとばしてつきぬけようぜあふれ返る悲鳴存分に浴びながらつきぬけようぜ大型トラックを真正面からつきぬけようぜ絶叫するドライバー観察しながらつきぬけよう [続きを読む]
  • 台無し
  • 主人の部屋から逃げ出して形をなくした破片だから行くあてもなくさまよったわけのわからぬ破片だからまぎれこんでいたんだろ何食わぬ顔していたんだろきたない色に変色して知らないふりしていたんだろ焼却処分されるときうかびあがる煙がすべてさ煙になったお前が消える瞬間はあられもないほど恥さらししらじらしい青空のもと明日になればきれいさっぱりかなしいくらいもぬけのからみっともないほどすっからかん [続きを読む]
  • どうしようもない夕焼け
  • 頭をひねり潰された俺の残像が道で抜いた雑草握りしめてきたない路地裏をうろついている心を半分あげたのに残りの半分が急に変色したことがなんとなく釈然としない新発売のガムを気分よく噛んでたらすぐに味がなくなってげんなりする感じ味がなくなってもガム噛み続けて気分が悪くなってオエッてなる感じ電柱に頭をぶつけまくる日々足し算も引き算も間違えて節約してるつもりが損してる毎日乞食が空き地で10円玉を20円で売っている [続きを読む]
  • 不法投棄
  • むかし君とふたりでつくったあの縄文土器に似たうずまき模様がさやかに流れている冬あかねどこでもいいからなるべく遠くへ流れてほしいわけのわからない国まで行って帰ってこれなくなるくらいにあのうずまき模様のようにぐるぐる回転しながらぐにゃぐにゃ散らばりながらさいごはやすらかに消えてくれたらいつからだろうこの海辺にカモメが飛んでこなくなったのは [続きを読む]
  • ノイズパーティ
  • スピーカーのつまみぐいっとひねって朝まで踊り明かしちまおうぜ隣の部屋のオヤジが絶叫するまで大音量で踊り狂っちまおうぜサラ金を使ってないから借金取りは家にやって来ないなんて思い込んではいけない冷蔵庫の中身はカラだから電源コードは抜いたほうがいいなんて考えたりしちゃいけない常識なんてそんなもの暴走した車が突っ込んできたらたちまち木っ端微塵になるそれに気づいてしまったのならお前のレオパレス408号室は今夜 [続きを読む]
  • 号外
  • そういえば、今月でメランコリックノイローゼは開設5周年を迎えました。気がつけば5年。サイトを始めた2012年がつい最近のような気がしたり、遠い過去のような気がしたり。つたない写真も詩も、この5年で少しは進歩…してるのかどうかわかりませんが、なんとかここまで続けてこれました。去年は作品をたくさんつくることができましたので、この勢いで今年はそれ以上を目指して邁進したいと思います。また、今年はサイトのリニュー [続きを読む]
  • 足りない
  • 思い出が息を引き取ってバラバラに砕け散ったその破片をひとつひとつ拾い集めて元通りに組み立てなおしてこれが君と僕の全てだよとわざとらしい両手を君に差し出してさよならの合図を出そうとしたときひとさし指が涙を流していた [続きを読む]