TOBA さん プロフィール

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TOBAさん: TOBA-BLOG 別館
ハンドル名TOBA さん
ブログタイトルTOBA-BLOG 別館
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/toba2014
サイト紹介文オリジナルな世界で、文章書いてます。たまに、創作イラストもvv
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供109回 / 365日(平均2.1回/週) - 参加 2014/02/20 22:18

TOBA さんのブログ記事

  • 「東一族と裏一族」14
  •  満樹は、光院の横に坐る。 川では、集まった者たちが戯れている。 その様子を見ながら、光院が云う。「満樹、また村外に行くんだって?」「え?」 光院の言葉に満樹は驚く。「うん、まあ。その予定だけど」「しばらく、やめた方がよくないか?」「何が?」「村外に行くことを、だよ」 光院が云う。「とにかく、今は外の動きがおかしい」「…………」「やっぱり、仲間に何かあるのは心配だからさ」「光院?」 満樹は首を傾げ [続きを読む]
  • 「律葉と秋葉と潤と響」2
  • 「この班で動くのは初めてだから まずは近場で狩りをしようと思う」班長の潤(じゅん)が先頭に立って歩き出す。「いいね。 よし、確実に攻めていこう!!」うんうん、と答えているのは響(ひびき)。この二人は、同い年で、律葉の二つ年上。二人とも村の中では有名なので律葉もよく知っている。医師先生の息子と村長の息子。「ちょっと、響。 歩くの早い!! みんなに合わせて」もーう、と声を上げているのが秋葉(あきは)。 [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」13
  •  佳院を病院に送り届けたあと、 戒院は外へと出る。 大きく息を吐く。 日はずいぶんと高くなっている。 この時期は、気温も高い。「川に行くんだった」 戒院は歩き出す。 一族の市場を抜け 田畑を通り 畦道を歩く。「戒院」 すれ違いざまの、声。 戒院は立ち止まる。 その方向を見る。「どこへ?」「俺?」「お前以外に誰がいる」 戒院は一応、辺りを見る。 自身しかいない。「俺はいつもの、」「いつもの?」「あっ [続きを読む]
  • 「律葉と秋葉と潤と響」1
  • 身支度を整え、姿見の前に立つ。前髪を整え、体を捻り、後ろ姿を確認。「よし」小さく呟いて、部屋を出る。「………」居間を通り過ぎ、玄関のドアを静かに開く。「律葉(りつは)」「……お父さん」いつの間にいたのだろうか、キッチンに父親が立っている。「出掛ける時は 声をかけろといっただろう」「寝ているかと思って」律葉の父親は仕事の時間が不定期なため昼間も寝ている事がある。「寝ていても、 声はかけなさい」「はい [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」12
  • 「さっきも云っただろう」 裏一族が云う。「ほかの同一族が羨ましかろう、って」 佳院はそのまま。 裏一族を見る。「俺の子たちもそうだ」「…………?」「他一族の血が混じれば、少なからず容姿は変わってくる」「……子、たち?」「一族から、外れにされる可能性が高くなると云うことだ」「先ほどから、何を云っている……?」「だから、家族を帰せと云ったんだ」 佳院は肩を押さえる手に、力を込める。 額から、汗が流れる [続きを読む]
  • 「稔と十和子」
  • 「さっきも云っただろう」 裏一族が云う。「ほかの同一族が羨ましかろう、って」 佳院はそのまま。 裏一族を見る。「俺の子たちもそうだ」「…………?」「他一族の血が混じれば、少なからず容姿は変わってくる」「……子、たち?」「一族から、外れにされる可能性が高くなると云うことだ」「先ほどから、何を云っている……?」「だから、家族を帰せと云ったんだ」 佳院は肩を押さえる手に、力を込める。 額から、汗が流れる [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」11
  •  日が昇り出すころ。 東一族の村。 一族唯一の病院。「おい」「何だよー」 呼ばれて、戒院(かいいん)は眠そうな声を返す。「熱でも出たか?」「違う」「なら、もうすぐ務めが明けるからそれからにしてくれよ」 云いながら、戒院は、部屋へと向く。「務めだ」「だから、今、夜通し務め中なんだって」「外に、だよ」「…………」「外に」「……ん?」「外に行け」「外に!?」 今から!? と、戒院の頭がさえる。 もう一度 [続きを読む]
  • 「稔と十和子」10
  • 「………」起き上がり、窓から差す陽が随分と明るいことに気がつく。は、と気が抜けた声が出る。「あ〜、今、何時?」ベットを抜け出し、寝室を出る。「………」椅子に腰掛け本を読んでいた彼女が顔を上げる。『おはよう。 もう、お昼だから、 おひるよう?』そう言って、十和子が笑う。彼女の言葉は、手話だったり、口元を読むことだったり。声を出すことも出来るけど上手く話せているか分からないから、と恥ずかしがって言葉を [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」10
  • 「俺の、」 舞い上がる砂に、佳院は目を細める。「……俺の、何だ?」「俺の、家族のようなもんだ」「……何?」「家族に会いに来て、何が悪い!」「――――っっ!」「放せ!」 裏一族は、佳院を弾く。 走る。 佳院は、足を踏み張る。 裏から放れたその手で、陣を張る。 東一族式紋章術。「行かせない!」「魔法は苦手なんだよ!」 裏一族は声を上げる。「特に、東一族式はな!」 裏一族の足下の砂が盛り上がる。 だんだ [続きを読む]
  • 「稔と十和子」9
  • 診断を終え、稔は前を向く。「もしかしたら、走る事に 少し不自由がでるかもしれません」「そうね」「普段の生活には問題無いと思いますが、 狩りは……訓練次第かと」「こういうのも遺伝するのね」自分も、自分の母親もそうだったから、と。「西一族とは言え、狩りが全てでは無いですよ。 他の仕事を身につければ 充分暮らしていけます」例えば、医師とかどうですかね、と言い、稔はカルテを閉じ、面談を終える。「…………」 [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」9
  •  砂漠地帯。 あたりは暗闇。 急激に気温が下がりだす。 佳院は耳を澄ます。 風。 そして 何かが近付いてくる、音。 誰か、人。「んんん?」 その誰かが声を出す。「こんなところに人か?」「……北の商人」「ああ、そうだ」 月明かりの中、その姿が現れる。 云う通り、北の商人、の格好。「東一族が砂漠に?」「この先は東一族の村だ」「判っているよ」 北の商人は薄く笑う。「東一族の村に、商品を売りに来たのだから [続きを読む]
  • 「稔と十和子」8
  • なぜ、逃げるように立ち去るのだろう、とただそれだけで思わず十和子を追いかける。「十和子、さん」追いつくのはあっという間。水辺の近くですぐに彼女の腕を取る。「………!!」「どうしました?」驚いているが、彼女は首を横に振る。なんでもない、と。そんな訳が無かろう、と十和子の目を見つめる。「あ……う」「?」困った様に声を出されてふと気がつく。耳が不自由な彼女。相手の言葉は口元で読み取るが彼女自身の言葉は手 [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」8
  • 「やあ、佳院」 目の前に現れた佳院に、光院は手を上げる。「大将のところに行っていたのか」「……まあ」「大将は何と?」「別に何も」「これからどこに行くんだ?」 光院は、弟をのぞき込む。「砂漠か?」 佳院は頷く。「へえ」 光院は首を傾げる。「今夜の砂漠の務めは、満樹と俊樹だったな」「自分は別の方に向かう」「そうか」 佳院は、光院を見る。「何か?」「明日もいい天気になりそうだな」「え?」 兄の言葉に、佳 [続きを読む]
  • 「稔と十和子」7
  • 食事を終え、稔は席を立つ。「寝直すのか?」「いや、出かけてくる」仕事疲れが溜まっては居るが、食事をすませたら目が冴えてしまった。寝とけば良いのにと、弟の透が言うが休みの日を寝てばかりというのも勿体ない気もする。「最近は買い物にも行ってなかったからな」「なるほど、仕事を忘れて 買い物で気分転換、か」「………そんな、俺は女子か」弟をいなしながら軽く身支度を整え、家を出る。「あら先生、 今日は非番なの? [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」7
  •  東一族を探っていた者。 それは、 いくつかの情報を合わせても、裏一族で間違いない。 そして、 北一族の商人のふりをして、ついに入り込んできた。 何かしら、裏一族に必要である者を探している、のだ。 連れ去るつもりなのか。 それとも、裏一族に引き入れるつもりなのか。 満樹は首を振る。「なら、包囲網を」「その商人は入れ代わり立ち代わり、何人かいる」 大将が目を細める。「無関係の北一族の商人と、間違える [続きを読む]
  • 「稔と十和子」6
  • 「ふぉお」宿直明けの朝帰り、久々の休暇に稔はベッドになだれ込む。いよいよ高子が産休に入り、退職した老医師と外科を担当している医師が協力してくれるが、実質は1人。なんとか、仕事を回している。「お帰り、稔。 相変わらず具合の悪そうな顔色で」弟が顔を出すがそのまま顔も上げず稔は唸る。「俺はもう寝る。 起きるまで起こすな」「へいへい」「………帰っていたのか」「ん。 ちょっと、母さんの顔を見に」「そうか」弟 [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」6
  •  さあ 彼は、この務めで、どのような情報を集めてきたのか。 大将は、人を呼ぼうとする。 が「大将」「何だ」「皆に報告出来ることなのか、まずは訊いていただけますか」 満樹の言葉に、大将は持っていた筆を置く。 満樹を見る。 これはおそらく、「何かしら情報があったのか」「…………」「満樹?」「はい……」「お前、いったいどこまで行ってきたんだ?」 満樹はうつむく。 大将が云う。「南に、その先。海もか?」「 [続きを読む]
  • 「稔と十和子」5
  • 「ちょっと、よいかしら?」「はい」稔は高子医師に呼び止められる。診察も落ち着いて、あとは入院患者に処方する薬の確認のみ。老医師が抜けた穴は大きくはないがいつもと違う仕事が入ると通常の業務にも支障が出る。細かい種類の違う業務が続けば集中力が途絶えてしまうというか。そんな業務にも慣れてきてやっと元のペースに戻れた所。医師の控え室で高子の前の席に座る。「どうしましたか、先生」「………急な話で申し訳無いの [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」5
  • 「さあ。答えるんだ、蒼子」 大将は、ただ、蒼子を見る。「あの裏一族の目的は何だ」「…………」「知っていることだけでいい」「でも、」「不確かでもいい」「大師様」 蒼子は息を吐く。「あの人は、……」「…………」 大将は蒼子の言葉を待つ。 あの人 つまり 蒼子が接触した裏一族のことだ。 西一族を離族したと云う。「血を集めていると云っていたわ」「血?」「自身の血と、各一族の……」「自身の血とほかの一族も? [続きを読む]
  • 「稔と十和子」4
  • 『こんにちは』声こそ出ていないが満面の笑みで十和子が挨拶をする。「う……こんにちは」これ以上失態をおかしてはいけない。通常通りに素っ気なくあしらわなくてはいけないのに何となく、十和子に苦手意識が働いてしまう稔。『この薬の量なんですが』『先生、待ち時間って まだもう少しありますか?』『今度の診察日なんですけれど』至って普通の、患者なら良くある質問なのだろうが。「なんだが、グイグイ来る気がする」変に意 [続きを読む]
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  • 別館掲載作品一覧(水辺ノ世界歴順)T.B.1961年  「規子と希と燕」 ■ (H26.09連載)  「希と燕」 ■ (H27.01連載)  ……規子 希 燕 丹子  「タイラとアヤコ」 ■ (H29.05連載)T.B.1962年  「西一族と東一族」 ■ (H26.04連載)  「燕と規子」 (H28.02連載)  「山一族と規子」 ■ (H27.08連載)  「ヨシキとセイコ」 ■ (H28.07連載)  ……ヨシキ セイコT.B.1997年  「成院と戒院 [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」4
  • 「どうした?」「いいえ、何も」 けれども、その表情は強張っている。 市場の中。 歩みを止めない彼女のあとを、彼は追う。「何かあったんだな」「何もないと云っているわ」「おい、待て」 彼女は立ち止まる。 彼を見る。「いったいどうした?」「…………」「何かあったのなら、云った方がいい」「何もないわ」「…………」「それに、これから、あなたは務めでしょう?」「?? ああ」「私は大丈夫だから、ね?」「………… [続きを読む]
  • 「稔と十和子」3
  • 「どうした、機嫌が悪そうだな?」村長に声をかけられ、稔は、いいえ、と言いかけてため息をつく。「久々に失態をおかした、というか」「ほう」「正体が、ばれそうになりました」おや、と村長も声をだす。「めずらしいな、 湶や巧、あたりか?」勘が鋭そうな者の名を挙げるがその都度、稔の機嫌は降下していく。「彼らにばれるなら まだ、体裁も保てたんですが」「まさか、お前、女」「違いますよ!! ………いや、女性ですが」 [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」3
  •  はっと 夢から覚めたような感覚。 でもまだ、現実と夢がはっきりとしていないような……。「大丈夫?」 彼女は篤子に声をかける。「え? ……ええ」「さあ、行きましょう」 いつの間にか、辺りの景色は元に戻っている。 いつも通りの。 東一族の市場。「何、が……?」「何でもなかったわ」 彼女は、晩柑を見せる。 ああ、そうだった、と篤子は晩柑を持つ。「これから、杏子と晴子と、果物の砂糖漬けを作ろうと、」「そ [続きを読む]
  • 「稔と十和子」2
  • 十和子の診察は筆談も必要になるという事で稔も付き添う。「今日はどうですか?」とは言え、彼女も相手の口の動きで言葉を読み解く事には慣れており、また高子も、はい、か、いいえ の答えやすい問いかけをするので稔の出番はあまり必要がない。二人の会話を横で聴いているだけだ。カルテを横目で眺める。十和子が病院を受診したのは急病ではなく、定期的な検診。生まれつき耳が聞こえない。聴力以外で体調面に問題は無いがそう言 [続きを読む]