TOBA さん プロフィール

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TOBAさん: TOBA-BLOG 別館
ハンドル名TOBA さん
ブログタイトルTOBA-BLOG 別館
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/toba2014
サイト紹介文オリジナルな世界で、文章書いてます。たまに、創作イラストもvv
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供109回 / 365日(平均2.1回/週) - 参加 2014/02/20 22:18

TOBA さんのブログ記事

  • 「彼と彼女の墓」5
  • 「いらっしゃい」 北一族の村の、花売りが云う。「それとも、お帰りなさい、なのかしら」 そう云って、笑う。 続けて「この前売った花は、誰にあげたの?」「あげたと云うか」 彼は答える。「お墓に」「ああ」 花売りは頷く。「そうだったの」「…………」「誰の、お墓なの?」 花売りは続ける。「家族? 友人? それとも、」「…………」「それとも……」 花売りが云う。「彼女、とか」 花売りは彼を見る。「判らない」 [続きを読む]
  • 「成院と戒院と」4
  • 「すみません」村を歩いていた成院と戒院は声をかけられる。「あぁ、昼間の」南一族から旅行でやって来たという親子。声をかけてきたのは母親だ。「娘を見なかったかしら。 ちょっと目を離した隙に 姿が見えなくなって」「いえ」成院は答える。「心配ですね。 気掛けて見ておきます」「ありがとう。 夫も来た道を引き返しているのだけど、 女の子だけどやんちゃな子で」母親は気丈そうに振る舞っているが心配なのだろう。もう [続きを読む]
  • 「彼と彼女の墓」4
  • 「これ、が……?」「そう。お墓」 彼女はその石を見る。「でも、これは……」 彼女は戸惑う。 そこにあるのは、東一族が象る墓石とは違う。 本当に、ただの、石。「母様の、お墓……?」 彼女は片方の石を見る。 数字だけが刻まれている。 何かの日付。「名まえがない、わ」「うん」「どうして、この石がお墓だと判ったの?」「判ったからだよ」「…………」「きっと、君のお母さんが呼んでくれたんじゃないかな」「母様が [続きを読む]
  • 「成院と戒院と」3
  • その日は外部からの人の出入りは多くも少なくもなく、いつも通り。成院と戒院は村の入り口と中心部を数回行き来する。案内という名目だがどちらかというと立ち入ってはいけない部分に入らないように見張りの意味合いが強い。「あ」何度目かの往復の帰りに戒院がふと声を上げる。「なんだ、急に大声を」「戒院、成院、お務め中?」「よぉ晴子(はるこ)」「あぁ、勤めの途中だが晴子は」「私は針仕事の帰りなの」ちょうど良かったわ [続きを読む]
  • 「彼と彼女の墓」3
  •  何日も雨が降り続き、やがて、止む。 久しぶりの晴れ間。 彼は再び、東一族の村へ入る。 迷わず、墓地へと向かう。 途中、誰にも会わない。 墓地にも、誰もいない。 風が吹く。 彼は墓地の入り口で待つ。 音を聞く。 誰かが走ってくる音。「ねえ!」 手を振りながら走ってくる、まだ幼い印象の、子。 もちろん、黒髪の東一族。 そして、東一族現宗主の、実の娘。 彼女は、誰とも判らない彼を 不思議と思うことなく [続きを読む]
  • 「成院と戒院と」2
  • 「家族旅行ですか」「そうなのよ、 下の子が生まれて 初の家族旅行なの」南一族の夫婦に、幼い子どもが二人の四人家族。「へぇ、東一族の村を 旅行先に選んでくれるなんて嬉しいな」「ご飯が美味しいって 有名だからね」先を誘導するのが話し上手な戒院。成院は荷物を持ちながら家族の後ろを歩く。「おすすめのお店を紹介しますよ。 野菜料理中心ですが」戒院は話術が上手い。が、肝心の話したい相手を前にすると上手くいかな [続きを読む]
  • 「彼と彼女の墓」2
  •  日が昇ると、彼は、一軒の店に向かう。 北一族の村では どの店も早々と支度を済ませ、客を呼んでいる。 花屋の前で、彼は立ち止まる。「いらっしゃい」 彼の姿に気付いた花売りが、声をかける。「また来たのね、南一族さん」 花売りは、年は彼とそう変わらない。 幼いときから店に出るのが、北一族なのか。 いや 花売りの髪色は、彼と同じ黒色。 つまり 北以外の出身、のはず。 もしくは、混血。 花売りは、店に並ぶ [続きを読む]
  • 「成院と戒院と」1
  • 「なんで、 今日はお前と当番なんだろう」ほわっと呟いた戒院(かいいん)の言葉に成院(せいいん)は、ふむ、と考える。東一族の村の入り口。門番のように左右に並び立つ2人の顔は同じ。正面を向いたまま視線を向けることなく成院は答える。「……双子だから、じゃないか?」「安易過ぎるだろ、それ!!」八つ当たり気味に戒院は持っていた棒を地面に投げつける。「どうせなら、 女の子と組みたいっ」東一族では村の警備や戦う [続きを読む]
  • 「彼と彼女の墓」1
  •  東一族の村を出ると、彼は大きめの外套を羽織る。 彼が着ている東一族の衣装が、見えなくなる。 彼は耳に触れ、飾りを外す。 左頬に触れ、持っていた染料を塗る。 黒髪の彼は、まるで南一族のような身なりになる。 いや、そうかもしれない、が。 彼は歩く。 東から北へと延びる、道。 途中、人々とすれ違う。 東一族。 北一族。 それ以外の一族も。 馬車が、彼の横を走り去る。 彼は歩き続ける。 日が暮れ、夜にな [続きを読む]
  • ミツナ
  • ミツナ海一族。トーマ達と同世代で次世代の長と司祭候補。司祭候補とあって他の海一族と少し衣装の雰囲気が違う。こんな。ミツナは本名ではなく「三つ名」から。名前が三つあるらしい。 [続きを読む]
  • ミツグ
  • ミツグ海一族。長の護衛を任されている。カンナの兄で、一族の若者をとりまとめる役目もしている。腕は立つ。服の下には飛び道具を仕込んでいる。イラストからは伝わりにくいのですが(スキャンが上手く出来ないのもありまして)海一族はほとんどが褐色の肌です。 [続きを読む]
  • メグミ
  • メグミ=ロ=フタミ山一族T.B.1978年生まれ弟:アキラ義母妹:カオリ夫:ヒロノフタミ家に生まれながら高い占い能力を持っていたためハラ家へと嫁いだ。ヒロノとは仲が悪い。 [続きを読む]
  • 「海一族と山一族」28
  • 「トーマ」ミナトが、ここだ、と手を振る。そこは森の奥行った所。木々が茂り光が遮られ、薄暗い。「あいつ、この奥に入っていった」「分かった」トーマはミナトに礼を言い辺りを見回す。なんとなく、そうでないかと思っていた。恐らくここを目指しているのだろう、と。中間地帯と呼ばれる場所。海一族と山一族の間にある不可侵の土地。さらにその奥で生け贄は最後を迎えるとされている。「気をつけろよ」「ああ、直に皆も来るだろ [続きを読む]
  • 「山一族と海一族」31
  •  ふたりがたどり着いた先 そこは 山一族と海一族の中間地点。 お互いが不可侵とする場所。「おい! ここだ!」 そこで、誰かが手を振っている。 先ほど裏一族を追いかけて行った者。「あの裏一族、この奥に入っていったぞ」「判った」 トーマがその者に礼を云う。 アキラはあたりを見る。 うっそうと樹々が生い茂り、光を遮っている。 薄暗い。 降り続いた雨で足元はぬかるんでいる。 そこに、道はない。「気を付けろ [続きを読む]
  • 「海一族と山一族」27
  • 「お前らの目的は何だ!?」アキラは裏一族を問い詰める。「さぁ。 それは、上の者しか知らん」「ふざけるな!!」「信じる信じないはお前の勝手だが、 いいのか? 時間はどんどん過ぎていくぞ」捕まっているにも関わらず裏一族は余裕の態度を見せる。それほど、生け贄を手に入れる事が大事だったと言う事。トーマとアキラは顔を見合わせる。今は、カオリの身が危ない。アキラは自身の鳥を呼び寄せる。「山に情報を」その言葉を [続きを読む]
  • 「山一族と海一族」30
  • 「トーマ、何がどうなっているんだ!」 トーマに近しいであろう海一族が声を出す。「説明を!」「とにかく、さっきのやつを追ってくれ!」 トーマが云う。「深追いはするな。俺もすぐにあとを追う」「待ってくれ。何が起きているのかさっぱりで」 海一族が、アキラとトーマのもとへと集まってくる。 アキラはその場に立ったまま。 トーマが押さえている裏一族を見る。 トーマは、その者の顔を皆に見せる。「こいつは」「誰、 [続きを読む]
  • 「海一族と山一族」26
  • 「カオリ!!」アキラが叫ぶ。「逃げろ。 狙いはお前だ!!」「え?」今まで矢を受けて倒れていたもう1人の裏一族が急に立ち上がり、カオリに駆け寄る。「いやっ!!」一瞬の事。裏一族はカオリを攫うと山に向かい駆け出す。「待て!!」「カオリ!!」思わず矢を逸らしたアキラに残された裏一族がナイフを投げる。「ぐっ」アキラはすんでの所で避けるがここぞとばかりに攻撃を仕掛けてくる。「アキラ!!」トーマも駆け寄り参戦 [続きを読む]
  • 「山一族と海一族」29
  •  周りにいる海一族は、動きを止める。「動くな」 アキラは弓を構えたまま。 地に倒れている裏一族は顔を上げ、アキラを見る。「はっ。どうする、山一族」「黙れ」 アキラが云う。「お前たちが侵入者だと判るのも、時間の問題だ」「だろうな」「いったい、お前たちの目的は何だ」 裏一族が余裕の笑みを浮かべる。「俺たちの仕事はあぶり出すこと、だからな」「あぶり出す?」 アキラはその言葉を繰り返す。「何の話だ」「山一 [続きを読む]
  • 「海一族と山一族」25
  • 落ち着いて見てみれば彼らは海一族になりすました侵入者。けれども、そこはさすが裏というべきか場を混乱させる事に長けている。「見てくれ、この怪我。 あの山一族にやられたんだ!!」「……本当だ、山、一族??」「なぜこんな所に」「まさか、この火事もあいつが??」ざわざわ、と集まった海一族の視線がアキラに集まっていく。「みんな、待っ」違うんだ、と言いかけたトーマをアキラが遮る。「トーマ、俺を養護するな」「だ [続きを読む]
  • 「山一族と海一族」28
  •  状況はこちらが優勢。 と その海一族が笑う。「お前ら、今、有利だと思っただろう」「何?」 アキラは弓を引いたまま はっとする。 あたりが騒がしくなる。 誰かがやってくる。 ひとり、ではない。 何人もの、海一族。「おい、どうした!?」「トーマ!?」「この火は何だ!?」「おい、舟の火を消せ!」「みんな……、よかった」 トーマの安堵の息が聞こえる。 が、 アキラの額に、汗が流れる。 「みんな助けてくれ [続きを読む]
  • 「海一族と山一族」24
  • まずい、とトーマは蹲る。頭を殴られたのかすぐに立ち上がれない。自分の状況が悪いのもそうだが、得体の知れない者達が一族のふりをして侵入している。他一族の諜報員?恐らく、山一族の村に火を点けたのも彼らの仲間。諜報員は情報を入手するのが仕事だ、こんな事はしない。それに彼は言った。海一族だった、と。「裏……一族、か?!」聞いた事がある。一族を追われた者、罪を犯した者が集まった者達の事。「黙れよ」その声に、 [続きを読む]
  • 「山一族と海一族」27
  •  アキラは海に出る。 海を、見たのははじめてだ。 けれども、これが海だと、アキラは理解する。 港。 何層もの舟が停泊している。 これで、海一族は漁へと出るのだろう。 アキラは肩で息をしながら、あたりを見る。 鳥の鳴き声に、再度、走り出す。 さらに、先の方に、海鳥とアキラの鳥。 そして 不自然な火。「…………?」 アキラは弓を握る。「トーマ……?」 舟が燃えている。 その横に、トーマがいる。 別の海 [続きを読む]
  • 「海一族と山一族」23
  • 海一族は漁を行う一族。港や舟を潰されたらかなりの痛手になる。トーマが走り付いたのは村で一番大きな港。「……ここは無事、か?」肩で息をしながら辺りを見回す。だが、港はここだけではない。村を囲む海の各所に点在する。「違う場所なのか」動きかけて足を止める。それでいいのか?この場を離れたらここは手薄になる。誰かを連れてくるべきだった。あてもなく探し回るにはトーマ1人には荷が重い。「誰か」―――――!!鳥の [続きを読む]
  • 「山一族と海一族」26
  • 「カオリ」アキラが云う。「いつでも帰られるように、支度を」「はい」カオリは頷きながらも、首を傾げる。「隙を見て、海一族の村を出よう」「兄様」「トーマには、ことが落ち着いたら礼に来ればいい」「ええ」カオリは云われた通り、支度をする。とは云っても、彼女の荷物は、たいしてない。アキラは外の様子を伺う。海一族の騒ぎは収まらない。この村で起きたことではない。が、山で、あれほどの火が上がっていれば、落ち着いて [続きを読む]