TOBA さん プロフィール

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TOBAさん: TOBA-BLOG 別館
ハンドル名TOBA さん
ブログタイトルTOBA-BLOG 別館
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/toba2014
サイト紹介文オリジナルな世界で、文章書いてます。たまに、創作イラストもvv
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供107回 / 365日(平均2.1回/週) - 参加 2014/02/20 22:18

TOBA さんのブログ記事

  • 「涼と誠治」24
  • 「誠治?」 涼は声を出す。「お前、」 そこに誠治が現れる。 誠治は涼を見て、驚いている。「お前、……何を」「え?」「……何を、やっているんだ?」「獲物を捕っていた」 誠治は、涼の足下の獲物に気付く。 涼が云う。「手伝ってくれないか」「あ、ああ……」 涼は誠治を見る。「誠治は何をしにここへ?」「俺は、……うん。ちょっとな」 誠治は言葉を濁す。「ところで、お前はひとりで狩りを?」「そう」「でも、ひとり [続きを読む]
  • 「律葉と秋葉と潤と響」9
  • 「………」律葉はぼうっと、窓の外を眺める。狩りから戻って数日。帰って来たその日は、バタバタして大変だった。秋葉はすぐに病院に向かい、潤と響は狩りの世話役になにがあったのか説明に追われていた。律葉も病院にと言われたがただの打ち身だから、とそのまま家に帰ったのだ。「2人に任せっぱなしにしちゃったな」雨に打たれたことで疲れが出たのかそのまま次の日は寝込んでしまった。どうやらその間に潤と響が尋ねてきたらし [続きを読む]
  • 「涼と誠治」23
  •  雨に濡れた山の中。 いや、雨は降っていない。 が 連日の雨。 山の中の乾きは遅い。 足下はぬかるんでいる。 彼は走る。 獣を追う。 感覚で走り、感覚で追う。 音を聞く。 どこだ。 獣は、どこにいる。 彼は走りながら、弓を持つ。 何かが、彼の前に姿を見せる。 そのまま、走り続ける。 彼は、獣との距離を縮める。 跳ねるように、泥道を前進する。 近い。 動きながらでも、獣を捕らえられる距離。 彼は弓を [続きを読む]
  • 「律葉と秋葉と潤と響」8
  • パチパチ、とたき火にあたりながら律葉は秋葉に問いかける。「冷えてない、大丈夫?」「うん。もう服も乾いてきたよ」獲物は無事に仕留めた。ただ、雨脚が強くなった事もあり、近くの岩場に移動し、暫く様子を見ることにした。山を下るのはそれから。それに「足、大丈夫?」秋葉の足は添え木で固定している。「捻っただけだと思うけど、 帰りは響が背負ってくれるんだって」「……ごめんね」あの時律葉が狩りを続けようなんて言わ [続きを読む]
  • 「琴葉と紅葉」24
  • 「何よ」 病室に入ってきた者を見て、琴葉は目を細める。「今度は、あんたが説教?」 紅葉。「何を云うのよ」 紅葉は、持ってきたものを見せる。「ほら、食べて」「…………」「元気出しなよ」「…………」「ね?」「元気だし……」 紅葉は、果物を横の机に置く。 椅子に坐る。 しばらくそのまま、時が過ぎる。「あの、琴葉」 口を開いたのは、紅葉。 琴葉は、手織りの布を深く被っている。「心配したんだけど」「………… [続きを読む]
  • 「律葉と秋葉と潤と響」7
  • ぽつりと頬に雫が落ちる。「あ〜、降り出したね」予想していたよりも早く雨が降り始める。「仕方無い、 本降りになる前に引き返そう。 ……良いだろ、律葉?」潤は律葉に問いかける。「ええ」なぜ自分に問いかけるのか、とどこかモヤモヤしながら律葉は頷く。「じゃあ、帰りは俺が後ろ歩くね」「任せたぞ響。 先頭は俺で、 秋葉、足元に気をつけろよ」「……」「秋葉?」秋葉が遠くを見つめている。「どうしたの秋葉」「……静 [続きを読む]
  • 「琴葉と紅葉」23
  •  その後、 琴葉は西一族の村内で村人に連れられ、病院へと入る。「いったい、どこへ行っていたの!」 病室に入るなり、母親は声を上げる。 横になっている琴葉は、ちらりと母親を見る。「いや、うん。……ちょっと」「ちょっとって、どこよ!」「えーっと、たまにはお肉食べたいなぁなんて」「肉?」「私も狩りに行けるかなぁ、て」「琴葉!」 母親は、その横に坐る。「何よ……」「心配したのよ」「…………」「あなたがいな [続きを読む]
  • 「律葉と秋葉と潤と響」6
  • うーん、と班長の潤が首を捻る。「今日は調子が悪いな」狩り場に辿り着くも、獲物を見つける事が出来ない。そう言う日もある。「前回の狩りから日が浅いからね。 まだ警戒しているのかも」響が言う。上手く狩りが出来ない理由はいくつかあるが今回はそれだろう。「別の班はどうだろうね」「あちらの山には追われた動物が逃げ込みやすいから 向こうに赴いた 他の班に任せるしかないな」「でも、まだ時間はあるでしょう」律葉が言 [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」17
  • 「裏一族は?」「飛ばしました」「どこへ?」「北一族の方向へ」 東一族式紋章術。 転送術。 かなりの力を使うが、人を別の場所へと転送することが出来る。「ついでに印も」 安樹が云う。「東一族の村に近付けば、感知が出来るようにしてあります」「そうか」「まあ、解除されれば、意味はありませんが」「期待は出来ないな」「裏一族ですから」 おそらく いろんな魔法に精通した者たちが集まっている。 解除はたやすいだろ [続きを読む]
  • 「律葉と秋葉と潤と響」5
  • 「おはよう」「おはよう、今日もよろしく」「私おやつ持ってきたよ」「俺も俺も」もう数回目の狩り。予定より早く着いても、お互いの顔を探して自然とそちらに足を向ける。律葉はどこかむず痒いような気持ちになる。学術教室のクラス分けをもっと小さくした感じ。「律葉、今日は弓矢?」「ええ」狩りの際の武具は数種類持ち歩くことが多い。ほとんどが2種類。目標が遠くに居る時に使う、小刀や弓矢の投擲器。接近時に使うときの、 [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」16
  •  裏一族が見る方向を、蒼子は見る。 風が吹く。 そこに、 光院。「早いな。大将さんにでも云われたか」「どうかな?」「ああ、嫌だなぁ」 そう云いながらも、おもしろそうに。 その笑いは、愉快と云わんばかりに。「光栄なんだけどねぇ」 裏一族は蒼子の腕を掴んだまま、云う。「俺らみたいな裏もんが、一族の重役に会えると云うこと」「それはよかった」「あんたの弟さんにも会ったぞ」「そう」「怖いな、あいつ。裏に勧誘 [続きを読む]
  • 「律葉と秋葉と潤と響」4
  • 「狩りの班はどうだ?」律葉の父親が尋ねる。不規則な時間で働いている父親とは久しぶりに一緒に食事をとる。「結構慣れてきた」狩りの一族とは言え毎日狩りに出ている訳では無い。7日あれば、そのうち狩りに出るのは2〜3日。それも、数多くある班を当番制で回しているのであの3人と狩りで顔を合わせるのは10日に一度か二度ほど。まだ数回しか狩りをしていない、けれど。「上手くやれていると思う」ふぅん、と父親は少し考え [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」15
  •  蒼子は歩く。 市場を抜け やがて、人通りがなくなる。 蒼子は立ち止まる。 風の音。 蒼子は空を見る。 何かの気配。「やあ、」 声。「やっぱり来てくれたんだ」 蒼子はあたりを見る。「えーっと、名まえは、」「どこにいるの?」 風がやむ。 人が姿を現す。 先日の、裏一族。 同じ者。 けれども、今日は前回とは違う。 別の一族の格好をしている。「改めて、久しぶり」「…………」「子どもは元気かな」 蒼子が云 [続きを読む]
  • 「律葉と秋葉と潤と響」3
  • 「行ったよ!!」「了解!!」秋葉の声に応えて響が駆ける。「はい、ごめんね」とす、とその一撃で獲物が倒れる。まだ暴れる獲物を駆け寄った律葉と取り押さえ、潤がとどめを刺す。食料を得るための狩り。無駄に苦しませることはしない。「………これで、2匹目」初日の成果としてはまずまずでは無いだろうか。「もうちょっと奥に行ってみる?」「いや今日はあくまで このメンバーでの狩りに慣れるのが目的だ」無理はしない、と潤 [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」14
  •  満樹は、光院の横に坐る。 川では、集まった者たちが戯れている。 その様子を見ながら、光院が云う。「満樹、また村外に行くんだって?」「え?」 光院の言葉に満樹は驚く。「うん、まあ。その予定だけど」「しばらく、やめた方がよくないか?」「何が?」「村外に行くことを、だよ」 光院が云う。「とにかく、今は外の動きがおかしい」「…………」「やっぱり、仲間に何かあるのは心配だからさ」「光院?」 満樹は首を傾げ [続きを読む]
  • 「律葉と秋葉と潤と響」2
  • 「この班で動くのは初めてだから まずは近場で狩りをしようと思う」班長の潤(じゅん)が先頭に立って歩き出す。「いいね。 よし、確実に攻めていこう!!」うんうん、と答えているのは響(ひびき)。この二人は、同い年で、律葉の二つ年上。二人とも村の中では有名なので律葉もよく知っている。医師先生の息子と村長の息子。「ちょっと、響。 歩くの早い!! みんなに合わせて」もーう、と声を上げているのが秋葉(あきは)。 [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」13
  •  佳院を病院に送り届けたあと、 戒院は外へと出る。 大きく息を吐く。 日はずいぶんと高くなっている。 この時期は、気温も高い。「川に行くんだった」 戒院は歩き出す。 一族の市場を抜け 田畑を通り 畦道を歩く。「戒院」 すれ違いざまの、声。 戒院は立ち止まる。 その方向を見る。「どこへ?」「俺?」「お前以外に誰がいる」 戒院は一応、辺りを見る。 自身しかいない。「俺はいつもの、」「いつもの?」「あっ [続きを読む]
  • 「律葉と秋葉と潤と響」1
  • 身支度を整え、姿見の前に立つ。前髪を整え、体を捻り、後ろ姿を確認。「よし」小さく呟いて、部屋を出る。「………」居間を通り過ぎ、玄関のドアを静かに開く。「律葉(りつは)」「……お父さん」いつの間にいたのだろうか、キッチンに父親が立っている。「出掛ける時は 声をかけろといっただろう」「寝ているかと思って」律葉の父親は仕事の時間が不定期なため昼間も寝ている事がある。「寝ていても、 声はかけなさい」「はい [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」12
  • 「さっきも云っただろう」 裏一族が云う。「ほかの同一族が羨ましかろう、って」 佳院はそのまま。 裏一族を見る。「俺の子たちもそうだ」「…………?」「他一族の血が混じれば、少なからず容姿は変わってくる」「……子、たち?」「一族から、外れにされる可能性が高くなると云うことだ」「先ほどから、何を云っている……?」「だから、家族を帰せと云ったんだ」 佳院は肩を押さえる手に、力を込める。 額から、汗が流れる [続きを読む]
  • 「稔と十和子」
  • 「さっきも云っただろう」 裏一族が云う。「ほかの同一族が羨ましかろう、って」 佳院はそのまま。 裏一族を見る。「俺の子たちもそうだ」「…………?」「他一族の血が混じれば、少なからず容姿は変わってくる」「……子、たち?」「一族から、外れにされる可能性が高くなると云うことだ」「先ほどから、何を云っている……?」「だから、家族を帰せと云ったんだ」 佳院は肩を押さえる手に、力を込める。 額から、汗が流れる [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」11
  •  日が昇り出すころ。 東一族の村。 一族唯一の病院。「おい」「何だよー」 呼ばれて、戒院(かいいん)は眠そうな声を返す。「熱でも出たか?」「違う」「なら、もうすぐ務めが明けるからそれからにしてくれよ」 云いながら、戒院は、部屋へと向く。「務めだ」「だから、今、夜通し務め中なんだって」「外に、だよ」「…………」「外に」「……ん?」「外に行け」「外に!?」 今から!? と、戒院の頭がさえる。 もう一度 [続きを読む]
  • 「稔と十和子」10
  • 「………」起き上がり、窓から差す陽が随分と明るいことに気がつく。は、と気が抜けた声が出る。「あ〜、今、何時?」ベットを抜け出し、寝室を出る。「………」椅子に腰掛け本を読んでいた彼女が顔を上げる。『おはよう。 もう、お昼だから、 おひるよう?』そう言って、十和子が笑う。彼女の言葉は、手話だったり、口元を読むことだったり。声を出すことも出来るけど上手く話せているか分からないから、と恥ずかしがって言葉を [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」10
  • 「俺の、」 舞い上がる砂に、佳院は目を細める。「……俺の、何だ?」「俺の、家族のようなもんだ」「……何?」「家族に会いに来て、何が悪い!」「――――っっ!」「放せ!」 裏一族は、佳院を弾く。 走る。 佳院は、足を踏み張る。 裏から放れたその手で、陣を張る。 東一族式紋章術。「行かせない!」「魔法は苦手なんだよ!」 裏一族は声を上げる。「特に、東一族式はな!」 裏一族の足下の砂が盛り上がる。 だんだ [続きを読む]
  • 「稔と十和子」9
  • 診断を終え、稔は前を向く。「もしかしたら、走る事に 少し不自由がでるかもしれません」「そうね」「普段の生活には問題無いと思いますが、 狩りは……訓練次第かと」「こういうのも遺伝するのね」自分も、自分の母親もそうだったから、と。「西一族とは言え、狩りが全てでは無いですよ。 他の仕事を身につければ 充分暮らしていけます」例えば、医師とかどうですかね、と言い、稔はカルテを閉じ、面談を終える。「…………」 [続きを読む]
  • 「東一族と裏一族」9
  •  砂漠地帯。 あたりは暗闇。 急激に気温が下がりだす。 佳院は耳を澄ます。 風。 そして 何かが近付いてくる、音。 誰か、人。「んんん?」 その誰かが声を出す。「こんなところに人か?」「……北の商人」「ああ、そうだ」 月明かりの中、その姿が現れる。 云う通り、北の商人、の格好。「東一族が砂漠に?」「この先は東一族の村だ」「判っているよ」 北の商人は薄く笑う。「東一族の村に、商品を売りに来たのだから [続きを読む]