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タカガ男サレド男。 http://blog.livedoor.jp/nanakoron775-775/

セクシーな恋愛小説。性描写を含む大人の女性向け恋愛小説です。

度重なるアメブロからの削除によりこちらにお引越しいたしました。こちらでは小説のみ綴っています。ご用の方はナナコロビヤオキまで。

ナナ子
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2014/03/28

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  • ENVY7-18

    ■「おかえりー」 リビングのドアを開けると、俺のスウェットをパジャマ代わりに着た博美がキッチンに立っていた。「まーた俺の着てんのか」「だってこれが一番ラクなんだもん」 でかい腹を撫でる博美に近付き、俺もその腹に触れてみる。この中に自分の子供が入ってんのか

  • ENVY7-17

    血の気が引くというより、凍った。 ドンドンドンとドアを叩く音と「真鍋」と僕を呼ぶ木村店長の声。脳内BGMは「くーるきっとくるー」というやけに甲高い声のアレだ。「木村さんじゃないの?」「わ、分かってますよっ」 頭でもおかしくなったのか、戸部さんは立ち上がり玄

  • ENVY7-16

    新人営業マンには上司がいて、その上司が営業あれこれを指導してくれるわけだが、異性問題に関して言えば突然実践を強いられるようだ。 今の僕には誰もいない。職場に買い物袋からネギをちらつかせる彼女モドキがやって来た場合、どう対応したらいいのだろうか。ここで騒

  • ENVY7ー15

    展示場は新春イベント開催中だったため、その慌ただしさに僕は命拾いした。 モデルハウスは木村店長と僕の二人だけだから当然見学に訪れるお客さんに付きっ切り状態だった。 しかも僕は激レアカードと呼ばれるお客さんの担当になったのだ。 土地あり、資金あり、

  • ENVY7-14

    「お前さ、ここ数日何してた?」 艶子さんとメイクラブしてました、と言おうものなら二度三度殴られそうな気がしたので僕は木村店長の声が聞こえなかったふりをした。「何してたって訊いてんだけど」 聞こえなかったふりがそう簡単にうまくいくはずはない。「特にこれと言

  • ENVY7-13

    ◆真鍋 悟 太陽の日差しを浴びた肌と言えば聞こえがいいが、実際のところ紫外線にはUVAとUVBがあり、このUVBに反応することでメラニンが形成され、浴び続ければ人体に悪影響を及ぼすとされている。 要するに、だ。日焼けは百害あって一利なし。 艶子さんの肌は男的

  • ENVY7-12

    ベッドの上、枕に頭を沈める信之介を見下ろしてキスをした。 カーテンの隙間から入り込む心許ない光が信之介の輪郭を浮き上がらせていた。信之介の薄い唇はどこか薄情そうに見える。今更キスくらいで心が動くことはないのだろうけれど、それでも「うんともすんとも」言

  • ENVY7-11

    「散歩するならするで何で俺に一言いわねえの?」「信之介君だってカラオケに行くなら行くでどうして私に言ってくれないの?」 信之介の一方的な言葉に言い返していた。勢い余って見上げると視線が静かに交わる。信之介は表情はそのままに「俺がカラオケに行ってたのが

  • ENVY7-10

    信之介に私の声が聞こえたのかはわからない。私が発した声とほぼ同時だった。「林さーん、何か飲みますか?」と男の子の声が携帯越しに響き、信之介の意識はそちらに向いたようだった。「俺、車だから。ウーロン頼んどいて」と声の主に告げた後、仕切り直すように「もしも

  • ENVY7-9

    気付くと高尾さんと1時間近く話し込んでいた。「ごめんなさい、もう3時過ぎてるね」「ほんとだ。そろそろ寝ようかな」 目には見えないけれど、高尾さんが時計を一瞥する姿が想像できた。「あんまり思い詰めないようにね。彼氏に言いたいことがあれば言ったほうがいいと

  • ENVY7-8

    病気のせいで心細くなっているのか、それとも過去のトラウマが原因なのか、信之介が出掛けるとどうしようもない孤独感に襲われた。 思い出したくもない禍々しい過去の記憶が蘇る。 数年前の正月は気が狂いそうだった。義父の存在に吐き気を催し、まだ幼い次男の顔を見

  • ENVY7-7

    ◆庄野 紗栄子 半分寝ているような、半分起きているような。テレビから流れる女の子の歌声を夢うつつで聴いていた。「紗栄子さん」と歌声に重なって信之介の声が間近で聞こえる。重たい瞼を薄っすら開けるとぼやけた視界に信之介の顔が映り込んだ。「風邪ひきますよ」

  • ENVY7-6

    5分だけだからね、と陽菜と優は指切りをしたはずだったのに気付けばもうかれこれ1時間は経過している。 颯太、陽菜、そして優が私たちの部屋を訪れ、喋り込んでいるうちに残すところあと30分で年が明けようとしていた。 優は部屋の中をくまなく探検して回り、敦と颯

  • ENVY7-5

    女湯であることを示す臙脂色の暖簾をくぐると、清潔感が漂う脱衣所が広がっていた。 清掃が行き届いているのか、脱衣所だと言うのに髪の毛一本落ちていない。仄かな硫黄の香り、からっとした床の感触が素足に心地よかった。 幸いなことに女湯は私だけらしい。「ゆっくり

  • ENVY7-4

    男の前で態度が変わる女は昔から嫌われる。 博美が「陽菜も理子も男の前で態度変わり過ぎ」とぶーたれていたことがあった。私は鼻で笑い、陽菜は呆れ気味にこんなことを言っていた。「男の前で態度を変えない女って可愛げがないよぉ?」 陽菜の主張に博美は顔を真

  • ENVY7-3

    私は嫉妬深い女だと思う。とても面倒なくらいに。 だけど昔はここまで病的な感じではなかった。女だからささやかな嫉妬心はあっても、それは次第に闘争心に移行し、好きな男に女がいるなら奪い取ればいいと不埒な思いに様変わりしていった。 実際奪い取ることは簡単だっ

  • ENVY7-2

    瀬名さん、と名前を呼ぶ声は敦に遮られ、重なり合った唇の隙間から吐息が溢れる。 言葉を飲み干されるキス。不意に初めて敦とキスを交わした日のことを思い出した。 あの頃は紗栄子ではなく、嫉妬の対象は明日香だった。黒々とした思いが水に落としたインクのように胸の

  • ENVY7章

    ◆瀬名 理子 いつも私は言葉を発した後で後悔する。 人からは弁がたつとか頭の回転が速いとか言われるけれど、言葉を発する前に言っていいこと、言わないほうがいいこと。どうしてその判断が出来ないのだろう。 相手を傷つけることもあれば、発した言葉が災いして自分が傷

  • ENVY6-61

    男が事後、急にクールダウンし、悟りを開いたような心境になったり、行為に及んだ自分に罪の意識を覚える時間を賢者タイムと言うらしい。 これは男だけじゃなくて、女にもあるんだと身をもって知った。突然訪れた賢者タイム。翌朝目覚めてぎょっとする経験なら何度か過去

  • ENVY6-60

    「させてくださいって言われて“はい、どうぞ”って出来るわけないじゃん!やだ、やめてよっ」 手首を掴まれ、さとるんの身体が重石のように私に覆いかぶさっている。身動きがとれなかった。それでも辛うじて動く足をばたつかせ、大きくかぶりを振った。「たたたた多分、僕

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