熊野まゆ さん プロフィール

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熊野まゆさん: くまの恋愛官能小説
ハンドル名熊野まゆ さん
ブログタイトルくまの恋愛官能小説
ブログURLhttp://kumano-novel.sblo.jp/
サイト紹介文糖度高めの恋愛官能小説ブログ
自由文つたない作品ばかりですがよろしくお願いします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供138回 / 365日(平均2.6回/週) - 参加 2014/04/10 11:18

熊野まゆ さんのブログ記事

  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 第二章06
  •  アーバー子爵邸のダンス・ホールは多くのゲストでにぎわっていた。 祝賀の夜会ということで、ダンス・ホールはいつにも増して豪奢に飾りつけてある。 ダンス・ホールに入るなりルイスは多くの令嬢に取り囲まれた。皆がルイスを見て、うっとりとしたようすで「お待ちしておりました」と口々に言って頬を赤く染めている。 いつものことだが、そうして女性たちに囲まれる義兄を見るたび心のなかに黒い霧がかかったように気分が暗 [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 第二章05
  •  アーバー子爵邸で夜会が催される日。 カタリーナ、ルイス、テッドの三人はひとつの馬車で子爵邸へ向かった。 となりに座るルイスも、向かいの席にいるテッドも窓の外ばかり眺めていてなにも話さない。(ふたりとも、どうしたのかしら……?) 今朝は彼らふたりでなにやら話し込んでいるようだった。もしかしたら今朝、ふたりは喧嘩してしまったのかもしれない。 困り顔になっているカタリーナを見てルイスは微笑を浮かべて言 [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 第二章04
  •  カタリーナは上の空で「そうですね」とつぶやく。 ルイスがカタリーナの顔をのぞき込む。「カタリーナ、どうかした? なんだか元気がないね」「そっ……そうですかっ!? 元気です、とても」 この上なく麗しく、文句のつけようのない顔がすぐ目の前にある。ドクッと大きく胸が鳴る。「そう……? 茶会で疲れたのかな。もう休もう」 ルイスがベッドに横になったので、カタリーナも彼に倣う。「……今日は、なんだか遠いね?」 [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 第二章03
  •  「私の顔になにか?」と尋ねるべきか、迷う。「ね、ねぇっ、お兄様。夜会へのお誘いをしないと」 メアリーが言うと、ロナウドは思い出したように「ああ」と言い、上着の内ポケットから白い封筒を取り出した。「新規事業が軌道に乗ってね。祝賀夜会を開くから、きみたちにもぜひきてほしい」 テッドがロナウドから招待状を受け取る。「それはおめでとうございます。ぜひ出席させていただきます。なぁ、カタリーナ」「はい、もち [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 第二章02
  •  メイドが紅茶を運んできて、和やかに談笑がはじまる。「兄ですが、商談が長引いているようで……この場には顔を出せないかもしれません」 テッドがルイスの不在を詫びると、ロナウドは「それは残念だが、商談ならば仕方のないことだ」と言葉を返した。「ところで、ルイスはなぜ縁談を片っ端から断るのだろう」 ロナウドはカタリーナのほうを見ながら言った。 ロナウドにしてみればルイスは上位の貴族だが、ふたりは年齢が同じ [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 第二章01
  •  カタリーナはうきうきと心を躍らせながら侯爵邸のサロンでメイドが花を飾るのを手伝っていた。 これからこのサロンで小さな茶会を催すことになっている。ゲストは、日ごろから懇意にしているアーバー子爵令嬢とその兄だ。「――やぁカタリーナ、張り切ってるね?」 ゲストが到着する前にやってきたのはテッドだ。今日の茶会は彼の帰国祝いも兼ねているものの、前座のようなものだ。いずれはこの邸のホールにもっと多くのゲスト [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 第一章05
  • 「もう眠ろうか」 ルイスは空のワイングラスを小さなローテーブルの上に置いてソファから立つ。 カタリーナも立ち上がると、そのまま体が宙に浮いた。「ひゃっ!?」 体がひとりでに浮いてしまったわけではない。ルイスに横向きに抱きかかえられている。「お、おにいさまっ?」「カタリーナはあいかわらず軽い」 柔らかくほほえんで、ルイスはカタリーナを連れてベッドへ歩く。 彼は酔っているはずなのに、しかも人ひとりを抱え [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 第一章04
  •  しかしそのままでは彼が横になれないことに気がつき、カタリーナは馬車のいちばん端に移動した。 ルイスが膝に頭を載せてくる。上半身だけ馬車の座面に横たわっている状態だ。 ガタン、ゴトンという馬車の揺れで彼の頭がわずかに揺れる。ドレス越しでもルイスの温かさが伝わってきて、触れ合っている部分が少々むずがゆくなった。「……僕の頭を撫でて」 カタリーナは「えっ!?」と声を上げてルイスの顔をのぞき込む。 ルイス [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 第一章03
  • 「……ねえ、カタリーナ。もしかして……いまも、夜は兄さんの部屋で寝てるの?」「えっ? ええ、そうだけど――」 テッドの表情が突然、硬くなった。 何事か言うべく彼が口を開けたとき、 コンコンッとノック音が響いた。「――僕だ。入るよ」 旅支度を整えたルイスが部屋のなかへ入ってくる。「ああ、テッド。帰ってたのか。長いあいだご苦労だったね」「にっ、兄さん……。はい、ただいま戻りました」 テッドはカタリーナ [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 第一章02
  •  「おにいさまはご結婚なさらないのですか」と尋ねたことがある。すると彼は、「領主の仕事にもっと慣れてからにする」と言っていた。 彼がブレヴェッド領を継いで、まだ一年ほどしか経っていない。 それでも、ルイスは領主の仕事を完璧にこなしているように見える。しかし彼は堅実な性質《たち》らしい。自分が納得する仕事ぶりができるようになるまで妻は持てないということだろう。 義兄がまだ結婚する気はないのだと知り、 [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 第一章01
  •  カタリーナ・ボードマンは義兄、ルイス・ブレヴェッドの執務室で書類の整理をしていた。 ルイスはブレヴェッド侯爵領の主として日々を忙しく過ごしている。 邸内で自分だけがのんびりしているのは気が引けて、なにか手伝いをさせてもらえないかと申し出たところ、はじめは「なにもしなくていい」と言って断られたが、ごく最近になって簡単な仕事を任されるようになった。「おにいさま、こちらの書類は並び替えが終わりました」 [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 序章04
  • 「……おやすみ、カタリーナ」「はい。おやすみなさい、おにいさま」 カタリーナが目を閉じると、彼女の長いまつ毛がいっそう強調される。 ウェーブがかった茶色い髪を上から下へと撫でていると、彼女はすぐに寝入ってしまう。(あいかわらず寝入るのが早い) ルイスはクスッと笑って、こういうところはまだまだ子どもだな、と思うのだった。 カタリーナにはガヴァネスをつけているが、閨事に関してはいっさい教えていない。  [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 序章03
  •  両親が他界し侯爵領を継いでからもルイスはカタリーナをブレヴェッドの邸に置いていた。 ボードマン男爵はあれから五年をかけて事業を立て直したが、亡き両親はカタリーナを彼らのもとに返さなかった。ルイスもまた、カタリーナを手放したくなかった。男爵家の事業はまたいつ傾くかわからない。そうなればまた、カタリーナを放り出されかねない。あるいは、政略結婚の駒にされてしまうのではないかと思った。 カタリーナが社交 [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 序章02
  • 「こっちが朝みんなで集まった食堂。それからその向こうはサロンで――」 ルイスはカタリーナを連れて歩きながら次々と部屋を案内した。「は、はい……」 カナリーナはというと、どうやら戸惑っているようだった。 ルイスは心のなかで「ああ、そうか」と言う。「カタリーナが邸の間取りを覚えられるまで、毎日案内してあげる」「……! ありがとうございます――ルイス、さま」 ――ルイスさま。 その呼び方はどうしてかしっ [続きを読む]
  • 青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 序章01
  •  ――僕が抱く劣情をきみは少しも知らない。 ブレヴェッド侯爵家にやってきたころの彼女――カタリーナ・ボードマンはあまり笑わない五歳の子どもだった。 彼女の家のことを考えれば笑顔がないのもうなずける。 カタリーナはボードマン男爵家の四女だった。あるとき、男爵家の営む事業が頓挫し、使用人はおろか四人の娘たちすら養えなくなるほど家計が逼迫した。 そこで、ボードマン男爵と以前から親交のあったブレヴェッド侯 [続きを読む]
  • 双鬼と紅の戯曲 終章03【完】
  •  奥まったところをズン、ズンッと何度もつつかれる。「ひぁ、あっ……! ん、はぅっ」 脳天にまで響く勢いで突かれているが、前へ倒れてしまわないのは乳房ごと体をつかまれ支えられているからだ。 極夜の大きな手のひらが乳房を下から持ち上げるようにしてたぷたぷと揺らし、腰を打ちつけてくる。 円を描いて内側をかきまわされる。ぐちゅ、ぬちゅっとひときわ大きな水音が立った。「は、ん……っ、だめ……あ、あぁ……!」 [続きを読む]
  • 双鬼と紅の戯曲 終章02
  • 「すみずみまで……おまえに無断で、いじくりまわしていた。すまない」「そっ……そう、なのですか」 もしや、ときどき夢に見ていた淫戯は現実だったのでは――と思ったが、いまさらだ。いまさら気にしたところで、仕方がない。過ぎたことだ。「愛している、鈴音」 とびきり甘い声音でそうささやかれるものだから、快感が幸福感をともなって体と心に広がっていく。「ん――」 愛する人に体をまさぐられていたのだ。不快感はない [続きを読む]
  • 双鬼と紅の戯曲 終章01
  •  白無垢に身を包んで極夜のとなりに座るのを――夢に見なかったわけではない。 しかし実際にそういう場面になると、まるで夢のただなかにいるようだった。 極夜と鈴音の祝言はふたりの想いが通じ合って間もなく執り行われた。極夜いわく、「周囲に早く知らしめたい」とのことだった。 大広間に無数の四つ足膳が並んだ宴の席で、上座の近くに座っていた白夜はあぐらをかいて「ふう」と息をつく。「まったく、やっと二人がくっつ [続きを読む]
  • 双鬼と紅の戯曲 第三章07
  •  もうこれ以上はないというくらいに気持ちがよくなるのに、彼の指が動くたびに快感は際限なくふくれ上がる。 くちゅ、ぬちゅっという水音はどこから聞こえてくるのだろう。自分の体から発せられているような気がするが、実際に目で見て確かめる勇気はない。(だって、極夜さまの指が……動くから、こんな音が出るのよね……?) 脚の付け根の奥はどうやら指が入り込む隙があるらしい。 勇気を振り絞ってちらりと下を見やれば、 [続きを読む]
  • 双鬼と紅の戯曲 第三章06
  •  胸のつぼみをいじる手はそのままに、もう片方の手がするすると肌の上を滑って脚の付け根へ向かう。 太ももの内側をさすられるものだから、くすぐったくなってもじもじと内股を動かした。 大きな手のひらが茂みのあるほうへと伸びていく。「ン……ふぅ……」 彼がなにをどうするつもりなのかまったくわからない。ただ、ふだんは秘めている恥ずかしい箇所を暴かれるのでは、という漠然とした思いがあった。 極夜は浅い茂みを指 [続きを読む]
  • 双鬼と紅の戯曲 第三章05
  •  じらされているのだという感覚のない鈴音はわけがわからずひたすら身もだえする。 くねくねと体をよじる鈴音から牙を離し、極夜は両手で薄桃色をつまみ上げた。「あぁっ!」 思いがけず大きな声が出てあせる。 極夜はより近くで嬌声を聞こうとしているのか鈴音の口もとに耳を寄せている。「あ、ぁっ……やぁ、あぅっ」 はしたない声が出るのを止められない。極夜が乳頭を指でこねくりまわすせいだ。「硬くなってきた……」  [続きを読む]
  • 双鬼と紅の戯曲 第三章04
  • 「ん、くすぐったい……です」 極夜は鈴音の耳たぶを舌でくすぐりながら、両手で体を撫でまわした。わき腹のあたりに手を這わせられるとよけいにくすぐったくなって、笑い出してしまいそうになる。(くちづけだけじゃ足りない、っていうのは……) 吸血しなければ気がおさまらないということだろうか。それにしては、極夜は耳たぶを食むばかりで血を吸おうとはしない。 体を撫でまわしていた彼の手が、帯をゆるめにかかった。( [続きを読む]
  • 双鬼と紅の戯曲 第三章03
  •  心に秘めていたはずの想いをふたりに知られているのが恥ずかしいけれど、いまは彼らの言うことを素直に聞くべきだ。 鈴音は大きくうなずいて歩き出す。だんだんと歩く速さが増す。でなければ彼を見失ってしまう。 薄桃色の花が風に舞うなか、鈴音は極夜を追ってひた走った。「――極夜さま!」 久しぶりにこんな大声を出した。 呼び止められた極夜が振り返る。戸惑っているような顔をしていた。 鈴音は極夜のすぐそばまで行 [続きを読む]
  • 双鬼と紅の戯曲 第三章02
  • 「さ、行こう」「え? あ、あの」 手首をつかまれ強引に立たされる。瀧は苦笑いを浮かべながらも鈴音の手を引いて桜の庭を歩いた。 ひときわ大きな桜の木の前までくると、瀧は両手を胸の前に合わせて「申し訳ございません」と謝ったあとで鈴音に耳打ちする。「じつは、姫さまから言いつけられておりまして……。あなたに言い寄るふりをして極夜さまを煽れ、と」「ええっ!?」 ふたりはごく近い距離で内緒話をする。「どういうこ [続きを読む]
  • 双鬼と紅の戯曲 第三章01
  •  茶会の報せが届いたのは暁の二の姫が紅城に到着して間もなくのことだった。 てっきり給仕のために呼ばれたのだと思った鈴音は、「めかしこんできて」と白夜に言われて戸惑う。「椿姫の要望なんだ。きみにも茶会に参加してほしいんだって」 鈴音は私室の前の廊下にいた。白夜の顔を見上げる。「それは……なぜでしょうか」「さぁね? とにかく、着替えてから桜庭《さくらば》へおいで。待ってるから!」「あ、白夜さま……!」 [続きを読む]