Utaro さん プロフィール

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Utaroさん: Utaro Notes
ハンドル名Utaro さん
ブログタイトルUtaro Notes
ブログURLhttp://utaronotes.blogspot.jp/
サイト紹介文Utaroの文芸ブログ。書籍、音楽、映画、その他諸々、雑多なエッセイを不定期に投稿します。
自由文ヴォーカリストUtaroのホームページはhttp://www.dodidn.com/index.html
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供62回 / 365日(平均1.2回/週) - 参加 2014/06/03 06:04

Utaro さんのブログ記事

  • 靴下とパンツと甚平と『初夏の沐浴』
  • 【夏用の靴下と甚平羽織】 他愛ない一連の夢想から、無意識なる肉体の歓喜によって、音楽の断片が生まれることがある。ありふれた日常の中から、ぽつりと生まれ出た瞬間の、忽然とした所作の子宮的邂逅――。 それはまだ冷え荒んでいた冬の2月のこと。私はある日の夜、自宅で入浴をしながら、何気に《初夏》の季節を夢想してみたのである。それは肉体の耐えざる反抗でもあった。あまりにも寒い日々の連続であったから、肉体にと [続きを読む]
  • ミックステープってなんじゃらほい?
  • 【ドキュメンタリー映画『ミックステープ』】 音楽の嗜好がメジャーJ-POP一辺倒、という人にはまったく訳が分からないであろう、ヒップホップ業界の“複雑怪奇”なミュージック・シーンとプロダクトにまつわる話。90年代のサブカルだとか、ブートレグに興味をそそられる人なら、いくつかキーワードを並べるだけでああその話ね…と分かってしまう、という音楽の話。なんと言っても、カセットテープとラジカセの全盛時代を知らなけ [続きを読む]
  • 梅と鮑照と漢詩のこと
  • 【コラム「いきもの徒然草」より】 昨年亡くなった父が生前、ほっぽらざるを得なかったことの一つに、畑仕事がある。畑と言っても家庭菜園のために農家から借りていた畑で、今月になってようやく、土に埋まったままになっていたダイコンやらネギやらを農家の方に掘っていただき、借りていた畑の後片付けが一段落した。 WWFジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン)の会報誌『地球のこと』春号のコラム「いきもの徒然草 [続きを読む]
  • 果てとチーク演劇公演『ヤギの身代わり』
  • 【果てとチーク『ヤギの身代わり』フライヤー】 新宿は大好きな街だった――。中学生の頃は事ある毎に駅周辺を訪れていた。思い出すのは、大きな仮設テントで劇団四季の『キャッツ』を観たこと、賑やかな歌舞伎町の映画館でスピルバーグの映画に夢中になったこと。それから、初めてロックバンドのライヴを観に行ったのも新宿。気分が落ち着くところは、紀伊國屋書店の演劇コーナーと、サブナードの地下街。駅に連なるルミネと小田 [続きを読む]
  • 永瀬正敏の私立探偵・濱マイクのこと
  • 【雑誌裏の広告の鮮烈なる永瀬正敏】 カラカラに渇いた喉を潤すには、好きなサブ・カルチャーを一口ゴクリと飲めばいい。そのあとで、充分に時間をかけ、精進し、培養する。若かりし頃のそれは、同調した輩と時間を忘れつつ語り合うことが本当に愉しかった。けれど、年を取れば取るほど、仲間はいなくなり、語り合うことは激減する。それでも尚、嗜好へのひたむきさの純度だけは増してくるように思える。そんなサブ・カルチャーと [続きを読む]
  • アラビアの道―東博・表慶館にて
  • 【上野の東博・表慶館】 春の兆しを体感した2月末の穏やかな日、東京・台東区の東京国立博物館(通称・東博)におもむく。目的は、『アラビアの道―サウジアラビア王国の至宝』の観覧。東博の表慶館という趣のある場所で、人類の歴史と文明を遡り、アラビア半島における交易と巡礼に連なる至宝を見ることができ、至福のひとときを味わうことができた。いまだ、ぞくぞくとした気分の余韻が絶えない。 まず何より、東博へ訪れてい [続きを読む]
  • 上野散歩―開くまで待とう奏楽堂
  • 【工事中の旧東京音楽学校奏楽堂】 2月末。ずっと寒い日が続いていた折の、比較的穏やかな日和の正午。東京・台東区の上野公園を散策。ここは私にとって、学生時代から親しんできた公園である。 確か前回、この公園を訪れたのは、昨年の晩夏の頃だ。ちょうど、「パキスタン&ジャパン フレンドシップ・フェスティバル」が(酷暑にもめげずに)中央噴水池の広場にて、賑やかに催されていた頃だったのだから、間が空くというより、 [続きを読む]
  • 宮坂静生氏の『母なる地貌』
  • 【宮坂静生著の随筆「母なる地貌」】 岩波PR誌『図書』2月号掲載の随筆で俳人・宮坂静生氏の「母なる地貌」を読んだ。最初は何気なく読み始めたのだけれど、これは、と感極まった。言葉としての感動がそこにあったのだ。私は日本人として、その随筆に鏤められた日本語の繊細な感度や質感、日本の国土や歴史との複層的な絡み合いに酩酊し、しばし体を震わせながらこの随筆を読み返さざるを得なかった。たいへん美しい詩情豊かな文 [続きを読む]
  • 植村直己とウィンダム・ヒル
  • 【ウィンダム・ヒル『THE STORY OF NAOMI UEMURA』】 ここ数日、連日のように“ひんやり”としたウィンダム・ヒル(Windham Hill)の音楽を聴いている。1986年、カリフォルニアのバークレーにあるスタジオでレコーディングとミキシングがおこなわれたアルバム『THE STORY OF NAOMI UEMURA』。私が中学2年の時に買ったCDである。そのため、ジャケットも経年劣化して色落ちが著しい。ウィンダム・ヒル・レコードのレーベル。エグゼ [続きを読む]
  • 八十頁世界一周の『洋酒天国』
  • 【『洋酒天国』第52号】 壽屋(現サントリー)PR誌『洋酒天国』(洋酒天国社)第52号は昭和36年10月発行。前号の第51号は古今東西の“酒を飲むシーン”に言及した名画特集だったのに対し、今号第52号はなんと、“酒飲み”世界一周旅行。編集員らが世界各国を周遊し、「飲む、食べる、遊ぶ」の夢のような企画。題して「八十頁世界一周」。《大衆証券ブームが終ると外遊ブームもさめるサと、一人さびしく物凄く、隅っこでヒガむ声も [続きを読む]
  • 50年を迎えた『人生ゲーム』
  • 【あまりにも有名すぎる『人生ゲーム』】 私は銀行家であると嘯く。じゃんけんでえらばれた銀行家ではない、人生の道先案内人としての銀行家。子供だった彼らの、遊びのなかに投影された真の映し鏡の人生、その目撃者――。 タカラトミーのボードゲーム『人生ゲーム』は今年、50周年だそうである。日本で最初の『人生ゲーム』が発売されたのは、1968年(昭和43年)9月のこと。言うに及ばず、アメリカはマサチューセッツのミルト [続きを読む]
  • 読書三昧―『源氏物語』というパンドラの箱
  • 【12月号『図書』保坂和志「ようやく出会えた源氏物語」】 今年はのっけから本が増えて増えてならないのだ。自宅の蔵書が書棚に収まりきれず溢れかえり、あちこち本の塔(まるで卒塔婆のよう)ができて居処を狭くし、煩わしい。しかし、読みたい本が目の前にあるという充足感は格別。諸刃の剣でいずれにしても読書というものは、蔵書が“増書”となり、行き過ぎると“毒書”ともなる。 昨年は春から夏にかけて、ジョイスの『ユリ [続きを読む]
  • 「ひだまりのうた」について
  • 【雑誌に思いの丈を語っていた頃の「友」】 2018年1月、私は「ひだまりのうた」という歌を作る。作り始める――。これについて二三、作る際のまえおきとして書き残しておきたいことがある。この曲のテーマは、“どこへ行ってしまったか分からない《昔》の友に贈るブルース=応援歌”ということになっているが、個人的に、この曲を作ろうと思ったきっかけとなった、「ある友人」について(充分考えた末に思い切って)書いておきた [続きを読む]
  • 下館の駅
  • 【記憶にとどめておきたいと思ったJR下館駅の駅舎】 年の瀬。気もそぞろ、後々忘れてしまいそうな、思いがけないありふれた《風景》を記憶に刻み込んでおきたいがため、これを書く。 今年の11月22日、私は亡くなった父の年金関係の書類手続きを済ませるため、同じ茨城県の筑西(ちくせい)市を訪れた。茨城県内の年金事務所というのは、計7ヶ所あって、土浦(2ヶ所)、日立、水戸(3ヶ所)、下館(しもだて)ということになる。 [続きを読む]
  • モニュメンタルなオザケン
  • 【小沢健二「それはちょっと」】 ごくごく近いある夜、バッカスがお呼び立てした「宴」が急遽中止となり、ぽかんとした気分でいたところ、俄にその中止の原因が、水面下による、人間の心の疚しく愚かしい《嫉妬》の仕業だと知り、私は心許なく落胆した。水入りである。 出席者同士の対立というのではないのだ。その人にとって不都合な、不条理と思える局面を理性によって目視静観することのできない利己的な「不安」と「気弱さ」 [続きを読む]
  • 羊羹と『草枕』と私
  • 【何度も読み耽っている漱石の『草枕』】 風邪をひいていたから、この前漱石山房記念館を訪れた序で、神楽坂の“物理学校”に寄ることができなかった。悔しい。“物理学校”と言えば、『坊っちゃん』の坊っちゃんである。坊っちゃんは東京物理学校出身で、現在、神楽坂には明治39年建築の校舎が復元され、近代科学資料館となっている。無論、今は“物理学校”とは言わない。東京理科大学である。 先月の26日、朝日新聞の記事で「 [続きを読む]
  • 漱石山房にたたずむ
  • 【新宿区立漱石山房記念館】 東京はうららかな日和だった一昨日、今年9月24日に開館したばかりの――とは言いつつ、それから2ヵ月以上経過しているが――「新宿区立漱石山房記念館」(新宿区早稲田南町)を訪れることができた。 振り返れば2年前の秋、新聞の記事を見て、記念館の整備計画途中で発見された屋敷の礎石が、没後改築された屋敷(1920年)のものであることが分かった云々(当ブログ「漱石山房の香り」参照)をきっか [続きを読む]
  • 父の友だった犬
  • 【WWFジャパン会報誌のコラム『いきもの徒然草』】 2018年の干支は、戌(いぬ)=犬である。WWFジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン)の会員の私は、会報誌『地球のこと』のコラム「いきもの徒然草」を読むのが好きである。冬号の「いきもの徒然草」のテーマは、やはりイヌであった。タイトルは「犬、わが友の物語」。 ちなみにこの会報誌『地球のこと』についてあらかじめ述べておくと、毎号、実にこまかく丁寧に [続きを読む]
  • 思い切って森鷗外を読んでみよう〈二〉
  • 【光村図書の国語教科書『国語3』】 中高生の「読解力」が不足しているという前回の話の続き。であるならば、思い切って明治の文豪・森鷗外の小説を読んでみようという魂胆である。 ごく最近の、中学3年の国語教科書、光村図書の『国語3』(平成28年2月発行)を私は入手した。昔の国語教科書と比べると、新しい方は大判というせいもあって重量感があり、レイアウトや図表の鮮やかさでとっつきやすい。教科書としてはとても優れて [続きを読む]
  • 思い切って森鷗外を読んでみよう〈一〉
  • 【「教科書の文章、理解できる?」朝日新聞デジタルより】 中高生が本を読まない、「読解力」が不足しているということが、昨今あちらこちらで聞かれる。どの程度?ということがよく分からなかったから、ふうーんってな具合で聞き流していた。しかし本当に、深刻らしい。 ちなみに、「読解力」を身につけないと、試験や就職に不利、ということは確実に言える。いやいや、それだけではなく、社会生活を送る上で、あらゆる面で不利 [続きを読む]
  • 拳銃とウエスタンの『洋酒天国』
  • 【『洋酒天国』第43号は拳銃特集】 ネット・ブログで“ヨーテン”に詳しいのは、拙著[Utaro Notes]だけ。といっても過言ではない。これまで『洋酒天国』の中身を3年にわたって不定期で、40冊以上紹介してきた(ブログの“洋酒天国”カテゴリー・ラベルをご参照下さい)のだから。今年3月の「ごきげんよう『洋酒天国』」で一度は締めたものの、気持ち的に再び沸き立って第11号、51号と復活投稿。今回は勢いつけて第43号を紹介し [続きを読む]
  • トリスで忙しかった『洋酒天国』
  • 【『洋酒天国』第51号】 秋雨が長く鬱陶しい。かくも長き雨の日が続くと、くさくさしてしまって、本が恋しくなる。映画が恋しくなる――。 手に取った『洋酒天国』第51号には、古今東西の映画の、酒を飲む名場面を列挙した「目で飲んだ名場面」などという誌面があって、ジェラール・フィリップ主演の『モンパルナスの灯』がほんのわずか触れられており、私はこの映画に興味を持った。実際にこの映画を観たところ、うーんうーんと [続きを読む]
  • お茶とサブ・カルチャーのアーティクル〈二〉
  • 【エロティックな中国茶?「平水珠茶」】 前回は、ウェブ周りで私が私淑するmas氏の“消えたサイト”「中国茶のオルタナティブ」について書いた。「湯相」又は「湯候」といった湯の温度を音で感覚的にとらえる、などの話であった。 今回は岡倉天心の『茶の本』をしばしかじりたい。そしてまた実際に私が淹れた、ある中国茶の茶葉についても触れておく。触れることで、よりいっそうその魅力に取り憑かれるであろう。茶の世界はな [続きを読む]