Sra.Preciosa さん プロフィール

  •  
Sra.Preciosaさん: 有閑マダムと本の日々
ハンドル名Sra.Preciosa さん
ブログタイトル有閑マダムと本の日々
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/remi002403
サイト紹介文ジャンルを問わず読んだ本の書評をどんどんアップします!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供90回 / 365日(平均1.7回/週) - 参加 2014/06/10 14:09

Sra.Preciosa さんのブログ記事

  • 著者  星野 智幸出版社 新潮社  焔を囲んで野原のようなところで輪になって座る者たち。最後の生き残りである彼らは、自分の物語を語ると一人ずつ消えていく。この世の終わりに彼らは何を語るのか。 連日40度を超す猛暑に適応するため、自ら回転して風を起こす人々の物語「ピンク」に始まり、戦争で近しい人々を皆失ったことを忘れ、亡くなった人たちとの日常をつづける「木星」、眼を思わせる花を見ているうちに、その眼が [続きを読む]
  • 銀河鉄道の父
  • 著者  門井 慶喜出版社 講談社  宮沢賢治が岩手県に生まれた1896年6月のわずか2ケ月前に東北沿岸を襲った明治三陸大津波は、2万人を超える死者、行方不明者を出した。それから122年が経った今年、日本列島は台風や豪雨、地震など、さまざまな天災にみまわれた。9月9日付の毎日新聞には宮沢賢治をとりあげて、災害からの復興への願いを込めた「余禄」が掲載された。東日本大震災の被災地に駆けつけたボランティアの多くが、宮 [続きを読む]
  • 超動く家にて 宮内悠介短編集
  • 著者  宮内 悠介出版社 東京創元社  これまで未収録の作品に本書のための書き下ろしを加えた16作品が収められた短編集である。著者の代表作『盤上の夜』や『ヨハネスブルグの天使たち』のシリアスさとはうって変わった、肩の力の抜けた粋な作品が並んでいる。 広告の多い分厚い雑誌をコレクションするため、広告ページを切り取った残りをいかに美しく製本するかを競うコンテストを題材にした、なんともシュールなストーリー [続きを読む]
  • ののはな通信
  • 著者  三浦 しをん出版社 角川書店  聖フランチェスカ女子校の同級生の野々原茜・通称ののと牧田はなが交わした書簡(授業中にこっそり回すメモも含む)で辿る2人の愛と友情の軌跡である。 多感な女子高生時代、仲のよかった2人はいつしか互いに恋愛感情を抱くようになる。だが、ある事件をきっかけにして2人は別れてしまう。卒業後は別々の進路に進んだ2人の仲はいったん途切れたかと思えたが、友情に裏打ちされた初恋は2人を [続きを読む]
  • サンアントニオの青い月
  • 著者  サンドラ・シスネロス  (くぼたのぞみ 訳)出版社 晶文社  『マンゴー通り、ときどきさよなら』でチカーノ(メキシコ系アメリカ人)文学の新星として華々しいデビューを飾った著者の新たな短編集である。少女時代、逃げ出したくてたまらなかった故郷こそが自分のルーツだったのだと振り返る詩的な『マンゴー通り、ときどきさよなら』から時は流れ、本書にはメキシコ系アメリカ人ならではの作品が並ぶ。 メキシコからや [続きを読む]
  • 送り火
  • 著者  高橋 弘希出版社 文藝春秋  父の仕事の関係で転校を繰り返す歩は、中学最後の年に津軽地方に移り住む。中学三年の生徒が全部で12人しかいない市立第三中学校は、来春には廃校となり市街地の学校と統合することが決まっていた。これまでの転校の経験を通じて、歩はクラスのなかの力関係を見抜くことに自信を持っていた。前日に近所の銭湯で偶然出会った晃が、歩の見るところではクラスの中心人物だった。晃と仲良くなっ [続きを読む]
  • 宇喜多の楽土
  • 著者  木下 昌輝出版社 文藝春秋  『宇喜多の捨て嫁』でデビューを飾った著者による宇喜多家のその後の物語である。乱世後に民が安心して暮らせる楽土をつくりたいという父、宇喜多”和泉守”直家の悲願をかなえるため、宇喜多”八郎”秀家は戦国の世を生きる。父の死後、11歳で宇喜多家当主となった秀家は豊臣秀吉に服従し、秀吉亡きあとはその遺志に従い豊臣家側について関ケ原を戦う。「世の流れに逆らわなかったからこそ [続きを読む]
  • 正しい女たち
  • 著者  千早 茜出版社 文藝春秋  正しいというのは何を基準に決められるのだろう。本書に収められた6つの短篇を読んで考えさせられた。 大学までエスカレーター式の女子校の、中等部からの仲良し4人組の物語「温室の友情」と「桃のプライド」が面白い。似通ったタイプの少女だった4人は、大学、社会人とそれぞれ進路が分かれてからも常に連絡を取り合い互いの近況を把握している。母親の価値観を押しつけられることに辟易して [続きを読む]
  • 偽姉妹
  • 著者  山崎 ナオコーラ出版社 中央公論新社  国籍には生地主義と血統主義がある。生地主義のアメリカで生まれた子どもはアメリカ国籍を得られるが、血統主義の日本では、生まれたのが日本でも父母どちらかが日本人でなければ日本国籍は得られない。初めてこの違いを知ったとき、日本は血のつながりを重視する国なのだと感じた。 国籍だけでなく、血のつながりは様々な側面で重要視される。血がつながっているというだけで家 [続きを読む]
  • 徴産制
  • 著者  田中 兆子出版社 新潮社  21世紀末に猛威をふるったスミダインフルエンザによって、200万人以上の若い日本女性の命が奪われる。男女比が著しく偏り、出生率は激減、このままでは日本の将来に深刻な影響が出ることを懸念した政府は「徴産制」を導入する。医学の進歩により簡単に性転換できるため、日本国籍を有する満18歳から満30歳の男子すべてに最大24ケ月間「女性」になる義務が課されたのだった。 「子づくり」を目 [続きを読む]
  • みなさんの爆弾
  • 著者  朝比奈 あすか出版社 中央公論新社  タイトルにある「爆弾」という言葉が示すように、人がそれぞれ内に秘めている、今にも爆発しそうな気持ちや思いをテーマにした6作品が収められている。 多感な女子校生時代に上級生を思慕していた純粋な気持ちを、大人になった今も大切にする「初恋」に始まり、息子を溺愛しすぎて破滅へとまっしぐらに進む「譲治のために」や、子育てのかたわら官能小説を執筆するシングルマザーの [続きを読む]
  • じっと手を見る
  • 著者  窪 美澄出版社 幻冬舎  日奈が生まれ育ち、介護士として働く町からはいつも富士山が見える。よそから来た人はみな一様にその姿に感嘆の声をあげるが、この町に育った人間にとって富士山はあまりにも日常的な光景である。焦がれて焦がれて手に入れたものも、日々の暮らしに馴染んでしまえば空気のように意識しなくなる。当たり前に存在するものを、人は失って初めてその大切さに気づく。 東京から来た年上の宮澤に身も [続きを読む]
  • ファーストラヴ
  • 著者  島本 理生出版社 文藝春秋  臨床心理士の由紀は、ある殺人事件のノンフィクションの執筆依頼をうける。その事件とは、アナウンサー志望の女子大生が2次面接を途中退席した後、父親の勤務先に行き、包丁で父親を刺殺したというものである。本の取材のために被告の環菜との面会を繰り返すうちに、由紀はいつしかこの事件に強くコミットしている自分に気づく。環菜が抱える心の闇が、由紀が長い間目を背けてきた自身の問題 [続きを読む]
  • 路上のX
  • 著者  桐野 夏生出版社 朝日新聞出版  借金に追われた両親が失踪して、反りの合わない叔父宅に居候することになった真由は、高校にも行かず渋谷のラーメン屋で深夜のアルバイトをする。店長に勧められ、叔父宅に帰らずラーメン店に寝泊まりしていた真由は、ある晩店の従業員にレイプされる。この世の不幸をすべて背負った気分の真由を救ったのは、やはり家出して渋谷の夜に生きる少女リオナとの出会いだった。 家に居場所が [続きを読む]
  • かがみの孤城
  • 著者  辻村 深月出版社 ポプラ社  いじめがきっかけで学校に行けなくなり一日中家に籠るこころは、ある日部屋の大きな鏡が光輝いているのに気づく。導かれるように鏡の向こう側へと足を踏み入れたこころを迎えたのは、レースのドレスを着て狼の面をつけた女の子だった。女の子はこころに、なんでもひとつ願いを叶えてあげると言う。ただし「願いの鍵」はひとつしかなく、こころの他にも鍵探しに参加する6人の少年少女たちがい [続きを読む]
  • ライト マイ ファイア
  • 著者  伊東 潤出版社 毎日新聞出版  かつて日本には、キューバ革命を成し遂げたチェ・ゲバラに憧れて世界同時革命を起こそうとした若者たちがいた。学生運動の闘士だった彼らは、キューバに渡るため民間機のハイジャックを計画する。だが、そのメンバーのなかには公安警官がもぐりこんでいた。これが本書のあらすじである。ではなぜ公安はハイジャックを未然に防げなかったのか、そして経由地の北朝鮮に降り立ったその公安刑 [続きを読む]
  • 高架線
  • 著者  滝口 悠生出版社 講談社  西武池袋線の東長崎駅から歩いて5分のところにかたばみ荘はある。築40年を軽く越え、経年数以上に汚れてうらぶれた様子なのは、大家の一風変わった経営方針に起因していた。かたばみ荘では、部屋は知り合いから知り合いに代々住み継がれる。住人は引っ越しの際に次にその部屋に住む人を大家に斡旋する。大家の万田という老夫婦は、そうして不動産の仲介を省き、引っ越し後の部屋のクリーニング [続きを読む]
  • 猫を拾いに
  • 著者 川上 弘美出版社  マガジンハウス  日常の些細なひとこまをすくいとった21篇の短編集。大学生の淡い恋や結婚前の女心など著者らしさが満喫できる作品集である。 1作目「朝顔のピアス」は、代筆を生業としている女性が主人公。彼女はある日、請け負ったラブレターの送り先らしき女性と偶然出会う。電車で邂逅しただけの女性のひとことが印象的だ。 大学の吹奏楽部でカルテットを組む男女の恋と友情を描いた「クリス [続きを読む]
  • BUTTER
  • 著者  柚木 麻子出版社 新潮社 婚活サイトで知り合った男たちを殺害した梶井真奈子の事件は、彼女が逮捕直前まで書き続けた美食と贅沢三昧の日常のブログと、男たちを手玉に取るにはほど遠い彼女の容姿とのギャップが世間の注目を集めていた。梶井の逮捕時からなぜかこの事件が気にかかっていた週刊誌記者の里佳は東京拘置所にいる梶井との面談にこぎつけるが、面談のテーマは料理についてのみという梶井からの条件付きであっ [続きを読む]
  • 小さいおうち
  • 著者  中島 京子出版社 文藝春秋  主人公タキは、現在の日本から失われてしまった女中という仕事に従事してきた女性である。彼女にとっての女中とは、戦後のお手伝いさんとはちがって、行儀見習いと花嫁修業を兼ねて良家に住み込む戦前の風習を意味する。とはいえ、タキは一生を独身で通し、仕事で得た家事のノウハウを文章にして老後を暮らしている。彼女にはひとつだけ書き残しておきたい物語があった。 戦前から戦後にか [続きを読む]
  • 星の子
  • 著者  今村 夏子出版社 朝日新聞出版  かつてオウム真理教が起こした事件は、宗教が社会に及ぼす影響力をまざまざと見せつけ、私たちに信仰の自由について考えさせた。自分で納得して入信する大人とちがい、子どもたちは親の一存でその世界に入れられる。物心ついたときに自分が置かれている環境は、その人にとっての日常である。だから、学校に行ったり友だちの家庭を訪れたりするまで、子どもたちは外の世界、別の価値観が [続きを読む]
  • いくさの底
  • 著者  古処 誠二出版社 角川書店  シンガポール陥落後、日本軍はさらにビルマ全土を掌握しようとする。戦が始まる前にビルマに進出していた民間会社の人間は、その語学力を買われて通訳として軍に帯同させられる。依井もまた賀川少尉率いる隊の通訳として、ヤムオイという山間の小さな村に向かう。去年もヤムオイ村に駐屯した賀川少尉は、村長はじめ村民たちと既に顔なじみだった。だが、隊が到着した夜、何者かに賀川少尉が [続きを読む]
  • 無事これ貴人
  • 著者  伊坂 幸太郎出版社 新潮社  伯父の見舞いに病院を訪れた甥は、密かに期待していた伯父の遺産相続のあてがはずれる。別れた女への罪滅ぼしに遺産を使おうと考えている伯父は、病院のスタッフとして働いている彼女の娘に話をもちかける。ちょうどそのとき病室に検温に来た看護婦は、病院からの帰り道に見知らぬ男たちにからまれる。それを助けてくれた男性は・・・。という具合に、ひとつのエピソードから次のエピソード [続きを読む]
  • 火定
  • 著者  澤田 瞳子出版社 PHP研究所 聖武天皇の治世下、未曽有の疫病が都に蔓延する。高熱を発した後、疱瘡が全身を覆い、やがて死に至る。何十年も前に国を襲った天然痘が再来したのだ。空港の熱センサーでいち早く発熱している者を見つけて隔離する現在と異なり、ウイルスの概念もなかった天平時代。新羅で罹病した高官からあっという間に病は都に広がる。皇后藤原光明子の強い願いにより設立された施薬院に患者が次々と運ばれ [続きを読む]
  • ウォーターゲーム
  • 著者  吉田 修一出版社 幻冬舎  本書は、『太陽は動かない』『森は知っている』に続く、産業スパイ鷹野が活躍するシリーズ第三弾である。 堤体補修工事中の相楽ダムが突然決壊する。流れ出した濁流は市街地まで達し、数百人に上る被災者が出た。AN通信の鷹野は、ホーチミンシティからプノンペンへのクルーザー・ツアー中にそのニュースを知る。表向きはアジアの情報を配信する通信社AN通信は、裏では金のためなら何でもする [続きを読む]