Sra.Preciosa さん プロフィール

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Sra.Preciosaさん: 有閑マダムと本の日々
ハンドル名Sra.Preciosa さん
ブログタイトル有閑マダムと本の日々
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/remi002403
サイト紹介文ジャンルを問わず読んだ本の書評をどんどんアップします!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供99回 / 365日(平均1.9回/週) - 参加 2014/06/10 14:09

Sra.Preciosa さんのブログ記事

  • 夜道の家族
  • 著者  角田 光代出版社 文藝春秋  本書は、著者の代表作『空中庭園』の映画化にあたりパンフレットに掲載された小品である。 ある晩、ミーナのもとにファクスが届く。かつてミーナは、不倫相手の家族に近づき、ひとときの間、その不思議な人間関係を生きたのだった。不倫相手、木ノ崎の妻の母の死と葬儀の知らせが記されたファックスを手に、ミーナは再び木ノ崎家の人々に会いに葬儀に赴く。 小泉今日子主演の映画は未見だ [続きを読む]
  • 白いへび眠る島
  • 著者  三浦 しをん出版社 角川書店  本土の港湾都市、高垣の高校で寮生活を送る悟史の故郷、拝島は白い蛇を氏神とする小さな島である。氏神の子孫とされる神宮家の代替わりが十三年ぶりに行われる今年は、大祭と呼ばれる祭りも島をあげての大行事だ。祭りのために帰省する悟史の乗る船が島に着いたとき、船着き場には幼馴染の光市の姿があった。長男が家を継ぐことが暗黙の決まり事になっている拝島だが、長男の悟史には島に [続きを読む]
  • サロメ
  • 著者  原田 マハ出版社 文藝春秋  オスカー・ワイルドは、彼の描く頽廃的かつ耽美的な作品世界だけでなく、ワイルド自身の妖しいルックスや挑発的な言動も含めて、まさに十九世紀末のイギリスを代表する作家であった。決して多くはないワイルドの作品のなかでも世間に衝撃を与えたのは戯曲「サロメ」である。キリスト教徒にとってタブーである聖人の殺害をテーマにした「サロメ」は、しかし、その内容以上に挿絵が世間の注目 [続きを読む]
  • 神さまたちのいた街で
  • 著者  早見 和真出版社 幻冬舎  小5のクラス替えで親友の龍之介と同じクラスになった征人。秘かに思いを寄せる井上さんとは隣の席になるし、新しい担任の拓己先生も好感が持てて幸先のいいスタートだ。だが、父親が交通事故で入院してしまう。怪我の回復が遅れて自主退職した父は、征人を連れて奇妙な集会に行くようになる。仲の良かった両親がいがみ合うようになり、征人を取り巻く環境は一変する。 ふりかかった災難から逃 [続きを読む]
  • 蛇行する月
  • 著 者 桜木 紫乃出版社 双葉社 釧路の道立高校で同じ図書部だった女性たち。国語の教師が好きで、在学中と卒業時に告白して2度ともふられた順子が、就職先で20歳上の妻帯者の菓子職人と駆け落ちする。彼女は彼の子供を宿していた。同級生4人の目を通して語られる順子の人物像と、そのまっすぐな生きざまが順に描かれる。 籍も入れられない相手と添い遂げるために故郷を捨て、貧乏暮らしもいとわない。昭和初期のような爪 [続きを読む]
  • しんせかい
  • 著者  山下 澄人出版社 新潮社  倉本聰主宰の富良野塾二期生だった著者が当時の思い出を振り返った第156回芥川賞受賞作。 誤って配達された新聞に載っていた塾生募集広告になんとなく応募したスミトは、合格と同時に北海道に渡る。俳優になりたいとか演出をやってみたいといった具体的な志望もなく、ただブルース・リーや高倉健になりたいと思うスミトは塾生のなかでも異色である。外部の人間からは収容所のように思われてい [続きを読む]
  • 草花たちの静かな誓い
  • 著者  宮本 輝出版社 集英社  アメリカで暮らす富豪の叔母、菊枝の急死により、弦也は莫大な遺産を相続する。だが、彼女の遺言状の草案に「娘レイラが見つかったら遺産の70%を与えてほしい」とあるのを知り、真実をつきとめようとする。レイラは6歳のときに病死したとされていたが、実は行方不明で生死もわからないままだったのだ。 前半部分の多くが菊枝の豪邸に落ち着く弦也の記述に割かれ、間延びした印象を受けた。新聞 [続きを読む]
  • 去就 隠蔽捜査6
  • 著者  今野 敏出版社 新潮社  エリート警察官、竜崎伸也の活躍する「隠蔽捜査」シリーズ。 息子の不祥事により竜崎は、警察庁総務課長というエリート官僚から警視庁大森署長に異動となる。その大森署管内でストーカーによる誘拐殺人事件が発生する。折しも、全国で続発するストーカー事件を重く見た警察庁が全国の道府県警にストーカー対策セクションを作るように指導していたときだった。竜崎は早速、事件の捜査にストーカ [続きを読む]
  • 影裏
  • 著者  沼田 真佑出版社 文藝春秋  出向先の岩手で「わたし」は日浅と親しくなる。一緒に釣りに出かけ、盃を酌み交わす。しかし突然転職した日浅が互助会の勧誘に携わるようになり、「わたし」と日浅の関係に変化が生じる。やがて東北大震災が起こり、日浅の消息が途絶える。思い余った「わたし」は日浅の実家を訪ねるが、そこで思いもよらない事実を知らされる。 「わたし」の人物像が印象的である。積極的に人と交わること [続きを読む]
  • 月の満ち欠け
  • 著者  佐藤 正午出版社 岩波書店  本年度第157回直木賞受賞作品。 大学生のアキヒコは、ある雨の日に知り合った年上の人妻、瑠璃と恋に落ちる。だが彼女は数か月後に姿を消す。自分は「月の満ち欠けのように、生と死を繰り返す。そして未練のあるアキヒコくんの前に現れる」という言葉を残して。そしてようやく彼女を失った悲しみを乗り越えたアキヒコは順風満帆の人生を歩むが、彼の知らないところで様々な事件が起きる。そ [続きを読む]
  • 爪と目
  • 著者 藤野 可織出版社  新潮社  表題作は第149回芥川賞受賞作品。他2編の短編が収められている。 若くして亡くなった母の空間を埋めるようにやって来た新しい母「あなた」。奔放で多分に自己本位な「あなた」を幼い「わたし」は冷徹に観察する。実の母が亡くなってからやめることのできない癖、爪をかみながら・・。「爪と目」は、幼女のかむ爪と、継母が常にわずらわしく感じているコンタクトレンズをつけた目の描写を [続きを読む]
  • 敵の名は、宮本武蔵
  • 著者  木下 昌輝出版社 角川書店   京八流と呼ばれ天下に鳴り響く剣術流派のひとつ、吉岡流の吉岡憲法や、神道を基盤とする鹿島新当流免許皆伝の有馬喜兵衛など、名だたる武者たちを破り、無敵の強さを誇った宮本武蔵。巌流島の戦い以降その行方がわからなくなっていた武蔵の生涯を、彼に戦いを挑んだ者たちの視点から描き、伝説となった男の真の顔に迫る作品である。 元服前の武蔵と有馬喜兵衛の立ち合いの物語から始まる [続きを読む]
  • 猿の見る夢
  • 著者  桐野 夏生出版社 講談社   薄井が銀行からファストファッション・チェーン「OLIVE」に出向して13年。元は繊維問屋だったOLIVEがファストファッション大手にまで成長したのは、創業主である織場の優れた経営手腕だけでなく、それを財政面で支えてきた自分の功績があったからだと自負している。59歳の今、定年が現実味を帯びてきた薄井の願いは、OLIVEでもう少し昇格して何とか65歳まで勤めあげることだ。しかし、それも [続きを読む]
  • 風よ 僕らに海の歌を
  • 著者  増山 実出版社 角川春樹事務所   1943年9月8日、イタリア政府は連合国に対して突然、無条件降伏を発表する。それは、三国同盟を締結している日本やドイツに何の断りもない単独講和であった。ちょうど神戸港沖に停泊していたイタリア軍の艦船「リンドス号」には、それまで同盟国であった日本軍と戦うか、さもなくば自沈せよという指令が届く。アメリカ軍によるシチリア南部海岸侵攻により、故郷に残してきた妻子を失っ [続きを読む]
  • ドミノ倒し
  • 著者 貫井 徳郎出版社  東京創元社 若くして亡くなった恋人の故郷、月影市に移住して探偵事務所を開いている十村。月影市は絵に描いたような田舎で、依頼される仕事はご老人の買い物やかたづけられない女性の部屋の整理など、便利屋と変わらない。ところがある日、殺人事件の真犯人を見つけてほしいという美女がやってくる。亡くなった恋人と生き写しの美女は、恋人の年の離れた妹だった。 『後悔と真実の色』や『新月譚』 [続きを読む]
  • 三の隣は五号室
  • 著者  長嶋 有出版社 中央公論新社   第一藤岡荘五号室。バス、トイレ、キッチンと和室二間のこの部屋は、その間取りの奇妙さで入居者たちを戸惑わせてきた。1960年から1970年代に入居した者にとっては機能的に感じられた、障子をふんだんに取り入れた間取りは、一戸建てから和室が消え、ワンルームマンションが増えるにつれ、「変な間取り」という印象を入居者に植えつける。本書は、その第一藤岡荘五号室に住んだ人たちの [続きを読む]
  • クラウドガール
  • 著者  金原 ひとみ出版社 朝日新聞出版   浮気性の彼と離れてはくっついてを繰り返す杏は、留学していた姉の理有が帰国したのを機に、以前のような姉妹2人の安定した日々が戻るのだと思っていた。一方、理有は亡き母が蒐集していた希少なぬいぐるみに惹かれて入った喫茶店で光也と知り合う。誠実で屈託のない光也と親しくなるにつれ、理有はこれまで杏に抱いていた寛容な思いが消えていくのを感じる。そんな理有の変化に気づ [続きを読む]
  • 銀の猫
  • 著者  朝井 まかて出版社 文藝春秋  口入れ屋の鳩屋の世話でお咲は介抱人>をしている。介抱人>とは、身内に代わって年寄りや病人の介抱を助ける奉公人のことで、現代でいえば訪問看護である。年老いた親の世話をするのは子の当然の務めという考えが浸透していた江戸時代、旗本や御家人には親の看病で勤めを休むことを認める「看病断」という制度も存在していた。だが、商屋や武家、さまざまな家に赴いて介護の現場に身を置く [続きを読む]
  • キャンセルされた街の案内
  • 著者 吉田 修一出版社  新潮社 さまざまな街の何気ない風景と、そこに暮らす人々を描いた短編集。表題作は1998年の作品で、一番新しい「奴ら」は2008年、約10年にわたる作品群である。 10編のなかで、表題作と「日々の春」「零下五度」が楽しめた。韓国を舞台にした男女の邂逅を切りとった「零下五度」は、著者の長編『路-ルウ-』を彷彿とさせる。「日々の春」は、同じ会社で働く先輩OLと新入男性社員の接近を描いており、そ [続きを読む]
  • 土の記
  • 著者  高村 薫出版社 新潮社  トラックとの衝突事故で16年間植物人間状態だった昭代が死んだ。女系家族の上谷の家の婿養子に入って以来40年、学生時代を東京で過ごし、奈良に来てからもサラリーマン生活を送ってきた伊佐夫も、今ではすっかり上谷家所有の田んぼに従事し、土に明け暮れする毎日だ。過疎化した集落で、朝な夕な農作物の出来を調べ、発芽のときを心待ちにする日常のなかで、伊佐夫の胸に時折去来するのは昭代の [続きを読む]
  • 去年の冬、きみと別れ
  • 著者 中村 文則出版社  幻冬舎  女性2人を焼死させた罪で死刑が確定した木原坂。彼についての本を書くため刑務所に面会に行く「僕」の取材資料や、関係者へのインタビューを織り交ぜ、事件の全貌を明らかにしていくという筋書きである。天才的カメラマンであった木原坂の生い立ち、姉との関係を追ううちに、読者には「僕」以外の人物も木原坂に接触していることが明らかにされる。やがて事件そのものも司法が裁いたものと異 [続きを読む]
  • 世界地図の下書き
  • 著者 朝井 リョウ出版社  集英社  両親を事故で失い、引き取られた伯父夫婦とうまくいかず、児童養護施設にやってきた太輔。そこには同い年の淳也と妹の麻利、一つ下の美保子、そして六歳上の佐緒里がいた。 親から虐待をうけて保護されている子もいれば、親の離婚で行き場がなく施設に入っている子もいる。本書は、小学三年生で入所した太輔が小学校を卒業するまでの3年間を描いた作品である。 太輔は小学生にしてはずい [続きを読む]
  • おばちゃんたちのいるところ
  • 著者  松田 青子出版社 中央公論新社  好きな人に会いたい一心で放火した「八百屋お七」や、割った皿の責任をとらされて死んだお菊の「番町皿屋敷」。人間の怨念をテーマにした物語は怪談や説話となって長く語り継がれてきた。だが、怨念を残して死んだのが若くてか弱い女性ではなく、バイタリティあふれる関西のおばちゃんだったら? 一時の気の迷いで自殺したけれど、「あほなことしたわ」と現世に蘇ってきたとしたら? 怖 [続きを読む]
  • 通天閣
  • 著者 西 加奈子出版社  筑摩書房  通天閣のそばで一人暮らしをする男と女。男は100円ショップの懐中電灯などを作る工場で働き、帰りに行きつけの中華そば屋で食事をして、家賃のやたら安い、通天閣が見えることだけが取り柄のぼろアパートに戻る。女は、同棲していた恋人が夢を追ってニューヨークに旅立ち、いつになるかわからない彼の帰りを待ちながら、あてつけのように夜の仕事を始める。ミナミにある、ごてごてした装 [続きを読む]
  • マザーズ
  • 著者  金原 ひとみ出版社 新潮社 作家のユカとモデルの五月、そして専業主婦の涼子。3人は各々の子供を同じ保育園にあずける母親である。自らも仕事をもつ母として活躍する著者が、自分の体験や気持ちを、そして現代の日本の社会の中で子を育てるというのはどういうことなのかを主人公たちに託して問うた力作である。著者の等身大に近い登場人物のユカは、かなりエキセントリックな性格で夫との関係もあやうく、薬に現実逃避 [続きを読む]