local neurosurgeon さん プロフィール

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local neurosurgeonさん: 鹿児島認知症ブログ
ハンドル名local neurosurgeon さん
ブログタイトル鹿児島認知症ブログ
ブログURLhttp://www.ninchi-shou.com/
サイト紹介文鹿児島で、コウノメソッドを用いた認知症診療を行っている脳神経外科医です。
自由文レビー小体型認知症や前頭側頭葉変性症、その他認知症一般に関する情報や実際の患者さんの治療経過などを発信しています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供110回 / 365日(平均2.1回/週) - 参加 2014/06/17 10:41

local neurosurgeon さんのブログ記事

  • じりじりと経過していく時間。
  • 頭部打撲を切っ掛けにお付き合いが始まった87歳独居の女性。初診時数分のやり取りで、認知機能低下をきたしていることはすぐに分かった。既にかかりつけ医があり、かつ残薬が家に溢れているという状況だったため、当院が濃厚に介入することで混乱を招くことを恐れて、不意の来院の度に少しずつニーズに応える形で関わりを続けてきた。既に介護保険の認定は受けていたが、要支援2は実態を反映した評価とは思えなかった。ただ、猜疑心が [続きを読む]
  • めまいとヘルペスウイルスとの関係について。
  • 前回の記事は、顔面神経麻痺についてであった。今回は、めまいとヘルペスウイルスとの関係について書いてみる。めまい=メニエール病?めまいと言えばメニエール病が有名だが、突然起きる、回転性の激しいめまい難聴耳鳴耳閉感この4つの症状が同時に起き、かつ繰り返すのがメニエール病だと知れば、「自分のめまいはメニエールではなさそうだな・・・」と感じる人は多いのではないかと思う。恐らくだが、一般人に限らず医療関係者の間 [続きを読む]
  • 【症例報告】PSP+iNPHの方の治療経過。
  • 今回は、PSP(進行性核上性麻痺)+iNPH(特発性正常圧水頭症)を合併していたNMさんをご紹介する。前医の脳神経外科でPSPは指摘され、既に治療が開始されていた。グルタチオン点滴も受けていたが「効果は感じなかった」とのこと。当院で初回1600mgでグルタチオン点滴を行ったところ即座に歩行に好変化が現れたので、これは前医のグルタチオンの用量が少なすぎたのだと思われる。その他、前医で指摘されていなかったiNPHを見つけたので、LP [続きを読む]
  • 顔面神経麻痺について。
  • 年配の患者さん達が「私は昔、顔面神経痛をやったことがあってね~」と外来で言うことがあるのだが、顔面神経痛という病名(医学用語)は存在しない。患者さん達の言う顔面神経痛とは、恐らく顔面神経麻痺のことを指していると思われる。その証拠に、「顔面神経痛を~」という患者さん達は顔面の動きの左右差を認めることが多い。これは、麻痺が後遺症として遺っているということだ。顔の左右差がなければ「顔が痛かったのなら、三叉神経痛だ [続きを読む]
  • 満たされない想い。
  • 数年間、外来でお付き合いしている患者さんがいる。患者さんと言ったが、実は、自分はその方を患者と思ってはいない。受けとめられない現実既に日本人の平均寿命を越えたAさんが認知症外来に訪れたのは、そもそもご自身の希望ではなかった。Aさんは、「この人は認知症に違いない」という確信を持った家族(Bさん)に連れて来られた方なのであった。礼節を保ち、落ち着いた挙措で質問に応じるAさんからは、変性性認知症の要素は欠片も [続きを読む]
  • 「医者」としての自分と、「人」としての自分。
  • 「治るんじゃなかったんですね・・・」そう仰ったMSさんの奥さんの表情からは、深い諦めが見て取れた。80代男性 ATD+VaD初診時(既往歴)15年前に胃癌で4/5胃切除 前立腺肥大数十年サイレース内服てんかんあり、最終発作は2年前(現病歴)現在、奥様と二人暮らし。要介護2。〇〇病院で認知症の薬をもらっている。最近1日に何回もお風呂に入って困る。ヨダレがすごい。ほとんどしゃべらない。話しかけると返事をするくらい。口 [続きを読む]
  • 白寿を祝い、外来を卒業。
  • 先日、お祝い用のちゃんちゃんこを3色購入してみた。院長室の片隅で出番を待つ、ちゃんちゃんこ達99歳男性 認知機能低下(病型不明)喜寿(77歳)・・・紫色米寿(88歳)・・・黄色白寿(99歳)・・・白色喜寿や米寿、白寿以外に、傘寿(80歳)や卒寿(90歳)でも紫色のちゃんちゃんこを着て祝うことがあるらしい。お祝い用のちゃんちゃんこを購入しようと思ったのは、ある99歳の男性(KTさん)との想い出が作りたかったからだ。*1当院に歩いて通院さ [続きを読む]
  • 【症例報告】待ってくれている人がいるから。
  • MTさんの奥さんは、突如出現した夫の猛烈な嫉妬妄想と幻視に苛まれていた。自分のクリニック以外の所であれこれとコトが動いていたので、正直あまり深く関わったわけではない。ただし、数回の介入がその都度奥さんを少しずつ救ったという点では、効率的介入だったとは言えるかもしれない。先日の診察を終えた後、当院スタッフがぽつりと「週に何人か、MTさんみたいな人が来てくれるから私たち頑張れますよね」と言っていたのが印象的 [続きを読む]
  • パーキンソン病の勉強になる、おすすめ書籍。
  • ざっと3冊をご紹介。①パーキンソン病の診かた、治療の進めかたパーキンソン病の診かた,治療の進めかたposted with amazlet at 18.05.18水野 美邦 中外医学社 売り上げランキング: 85,154Amazon.co.jpで詳細を見るパーキンソン病の歴史パーキンソン病の症状と診断について治療薬の特徴と具体的な治療の工夫疫学、病理学的生化学的背景パーキンソン病関連疾患の紹介などなど、これ1冊でほぼパーキンソン病にまつわる様 [続きを読む]
  • 終わりに向かって歩む父。
  • 心不全で入院していた父が先日、リハビリのため転院になった。医療上必要な転院というよりも、我々家族が「逃がした」という表現の方が適切かもしれない。入院前は中等度介助で歩行していた父が、3週間の入院で寝たきりになり、食事も摂れなくなってしまった。せん妄は初期対応が重要高齢者の入院中に頻度高く起きるせん妄。父もご多分に漏れず、入院当日の夜からせん妄を発症した。そのこと自体は致し方ない。重要なのは、せん妄 [続きを読む]
  • 【症例報告】抗パーキンソン薬の漸減中止が完了した方。
  • 以前の記事で紹介した方の、抗パーキンソン薬卒業が完了したので御報告。www.ninchi-shou.com元々パーキンソン病ではなかったと自分は考えていたので、本物のパーキンソン病の方の減薬の際に経験する「これ以上は減らせないな・・・」という局面に遭遇することなく、スムーズに卒業出来た。ただしこれは、抗パーキンソン薬への曝露期間が短かったからである。もし年単位で内服を続けていたら・・・。ひょっとすると、減薬の途中で有害事象 [続きを読む]
  • 認知症「救急」外来、そして解毒外来という当院の役割。
  • 今回紹介するKNさんは、飛び込みで来られた方である。当院は通常、認知症外来は予約で承っている。その日は既に予約がかなり入っていたため、受付スタッフは「出来れば、日を改めて予約を取って頂けたら・・・」と、後日の受診をご案内した。しかし、同伴の親戚の方が「どうしても今日じゃないとダメなんです。」と必死の面持ちで訴えていたので、気圧されるような形で診察した。結果、途中で最大1時間以上の待ち時間が発生し、他の予約患者に多大 [続きを読む]
  • 脳萎縮の左右差と脳血流の左右差から考えたこと。
  • 今回紹介するFKさんは、前頭側頭型認知症の方。前頭側頭葉変性症の分類でいうところの「意味性認知症」から、「前頭側頭型認知症」へ移行していったと思われる方である。60代男性 前頭側頭型認知症(意味性認知症からの移行)初診時(既往歴)TIA(一過性脳虚血発作)(現病歴)15年ほど前に一過性に左眼が見えなくなったことから〇〇病院で脳血管撮影などが行われ、抗血小板薬が始まった。一時は脳血管バイパスが検討されたとのことだ [続きを読む]
  • 鉄剤の使い方について。
  • 当ブログではこれまでに、鉄補充で頭痛やうつ病が改善した例を報告してきた。www.ninchi-shou.comwww.ninchi-shou.comwww.ninchi-shou.com今回は、個人的な鉄剤の使い方についてまとめてみる。なお、貧血になる原因は複数あるが、ここでは鉄不足を中心に話を進めていくので悪しからず。症状で貧血を疑い、採血で確認するまずは症状から貧血を推測する。これは大前提。当院は脳神経外科なので、めまいやふらつき、頭痛や肩こり [続きを読む]
  • 父が心不全で入院。
  • 先日、父が心不全で入院した。www.ninchi-shou.com外来での心不全治療では限界があった前回記事で報告したように、ここ数年は骨折で入退院を繰り返していた。父の活動性が低下したにも関わらず、母は「水分は大事だから」と、以前にも増して水を飲ませていたようで、あっという間に下腿浮腫をきたし始めた。あとで確認したところ、「2リットル/day以上は飲ませていたかなぁ」とのことだった。脱水は脳梗塞再発リスクを高めてしまう [続きを読む]
  • 深部脳刺激療法(DBS)で、ジストニアから回復したAさん。
  • 先日、知人から嬉しい報告を貰った。人生が変わる体験その知人(以下Aさん)は、「ジストニア」という病気を患っていた。 ジストニア(dystonia)は、中枢神経系の障害による不随意で持続的な筋収縮にかかわる運動障害の総称。姿勢異常や、全身あるいは身体の一部が捻れたり硬直、痙攣といった症状が起きる。(Wikipediaより引用)ジストニアがどのような病気なのかは、以下の動画が参考になると思う。自分の意思とは無関係に(不随意 [続きを読む]
  • 認知症患者さんの心不全。
  • 約3年経過をみてきたMYさんが先日、心不全で入院となった。89歳女性 DLB+VaDMKさんは3年前にブログで取り上げたことがある。www.ninchi-shou.com一旦落ち着いてからは、かなり安定した状態で長期維持出来ていた。ウインタミンはしばらく使って中止し、最近の処方は以下の様になっていた。家族の都合などもあり、全て朝一回の内服である。クロピドグレル75mg 1T1XMニコランジル5mg 1T1XMフェロミア50mg1T1XMビタメジンカプセル50 [続きを読む]
  • 寄り添い、見届ける。
  • 散歩中に転んで頭を怪我した方が救急車で運ばれてきた。傷の処置をしながら何気なく普段の様子を聞いたところ、その方は「最近転びやすくなった。トイレが間に合わないことがある」と仰った。怪我は軽かったので最初はそのつもりはなかったのだが、話を聞き「ひょっとして?」と思い直して撮影した頭部CTは、典型的な水頭症の画像所見を呈していた。その方と奥さんに「転びやすさやトイレが近くなったのは、水頭症からだと思います。」と説 [続きを読む]
  • 【経過報告】ドネペジルを止めて3年経過した男性。
  • 以前当ブログで紹介した方(CMさん)の続報。www.ninchi-shou.com抗認知症薬を中止して3年経過したが、認知機能は低下し続けていない。ということはやはり、CMさんはアルツハイマー型認知症ではなかったということだ。ところで娘さんから聞いたところによると、「約15年前に、父は前立腺癌のホルモン治療を受けました。その後から、認知機能が衰えた気がします。そのことを当時泌尿器科の担当医に伝えたのですが、とりあって貰えません [続きを読む]
  • 似たもの夫婦。
  • 考え方や性格が似ている夫婦を俗に「似たもの夫婦」と呼ぶが、世の中には頭のCT所見が似ているご夫婦もいるということを先日知った。80歳男性 「歩き方がね~」歩行は明確にすり足頻尿あり 夜間は5回程でキレも悪い日中は活気なく傾眠傾向DESH+++上が頭部画像だが、典型的な水頭症の画像所見"DESH"を呈している。「すり足・頻尿・認知機能低下」の三徴揃った正常圧水頭症と考え、タップテスト入院を勧めた。76歳女性 「特に困っていな [続きを読む]