local neurosurgeon さん プロフィール

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local neurosurgeonさん: 鹿児島認知症ブログ
ハンドル名local neurosurgeon さん
ブログタイトル鹿児島認知症ブログ
ブログURLhttp://www.ninchi-shou.com/
サイト紹介文鹿児島で、コウノメソッドを用いた認知症診療を行っている脳神経外科医です。
自由文レビー小体型認知症や前頭側頭葉変性症、その他認知症一般に関する情報や実際の患者さんの治療経過などを発信しています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供108回 / 365日(平均2.1回/週) - 参加 2014/06/17 10:41

local neurosurgeon さんのブログ記事

  • 診断名に頼らずに、治療の成果を追求する。
  • 変な話かもしれないが、初診時の診断をあまり当てにしていない自分がいる。認知症外来を始めてからつけている病型分類の内訳があるがwww.ninchi-shou.com全て、「初診時」の診断名を元に作成している。これも、別に確定診断などというつもりはなく、「その要素を持っている」と自分が感じた疾患名で区分けしているに過ぎない。1例目)70代後半の男性 初診時はピック病の診断とある70代後半の男性。考え無精で質問には即答腕組 [続きを読む]
  • 賞味期限切れと、消費期限切れの違い。
  • ある88歳女性とお会いするのを、毎回楽しみにしている自分がいる。達観している年配の方は、どこか神々しい先日88歳を迎えたAさんは、とても朗らかな方である。足腰は相当衰えていて、ご主人に脇を抱えられながら、杖歩行で歩いて来院される。支える90歳のご主人の背中もまた、相当曲がっている。お二人とも筋骨格系の衰えは目立つが、頭は冴えている。糖尿病を患っているAさんは、パンやお菓子が大好き。1年ちょっとの経過で [続きを読む]
  • 薬物乱用型頭痛について。
  • 外来で頭痛の患者さんを診ていると、薬物乱用型頭痛(Medication Overuse Headache:MOH)に結構な頻度で遭遇する。MOHとは、頭痛患者*1が鎮痛剤を不適切に乱用することにより、頭痛が増強、または次の頭痛を呼び込んでしまう病態のことである。国際頭痛分類による最新の定義(ICHD-3β)は以下。A.以前から頭痛疾患をもつ患者において、頭痛は 1 ヵ月に 15 日以上存在するB.1種類以上の急性期または対症的頭痛治療薬を 3 ヵ月を超えて [続きを読む]
  • 3年間グルタチオン点滴を続け、一旦終了となったDLBの方。
  • 3年前からグルタチオン点滴をはじめ、このたび一旦終了となった方(TRさん)を御紹介する。90歳女性 レビー小体型認知症(DLB)他院でDLBの診断を受け治療が行われていたTRさん。歩行困難に対して抗パーキンソン薬を増量して対応しようとすると幻覚が悪化する、ということを繰り返していたらしい。初診時の所見は以下。HDS-R:8/30右上肢に歯車様筋固縮小刻みすくみ足歩行明瞭な幻視明らかに調子の波あり上記以外にも、日中の傾眠 [続きを読む]
  • 仕事を続ける動機としての、「贖罪」という意識について。
  • 「今さら医療ミスどうこうを言う気はないのです。ただ、下血で入院するまではあんなに元気だった母が、入院して急に認知症になったと説明されても納得できないのです。」そう仰ったATさんの息子さんの眼には、涙がにじんでいた。90代女性 下血で入院した方90代のATさんは、心臓に持病を抱えつつも元気に一人で暮らしていた。あるとき、下血を理由にB病院に入院となった。大腸カメラなどの検査が行われたが、特に大きな問題は見つか [続きを読む]
  • 良くなる可能性はあるが、治療が困難な方。
  • 以前ブログで紹介した方の続報。www.ninchi-shou.com状況にやや進展はあったのだが、まだ治療には至っていない。70代後半男性 正常圧水頭症+腰椎椎間板ヘルニア数年来の足の付け根から先のしびれと痛み(主に左第2、第3足趾)を主訴に来院された男性(以下Aさん)。2年ほど前にとある整形外科で色々と検査をされたが、その結果「原因不明」と言われたとのこと。これにAさんは今でも腹を立てている。また、とある病院ではレビー [続きを読む]
  • 薬を販売するための、巧妙な戦略。
  • 『「処方せんチェック虎の巻」改訂版 上』という本がある。「処方せんチェック」虎の巻 改訂版 上 (日経DI薬局虎の巻シリーズ)posted with amazlet at 17.09.29澤田 康文 日経BP社 売り上げランキング: 466,536Amazon.co.jpで詳細を見る2009年の本で古くはあるが、その中で興味深い一節を見つけたのでご紹介する。疑義照会実践例(前回の処方せん)アリセプトD錠(3mg) 1錠 1日1回 朝食後 14日分(今回の処方せん)アリセプ [続きを読む]
  • 【症例報告】栄養の工夫と鉄補充で、頭痛薬を卒業した女性。
  • 頭痛で一番有名なのは恐らく片頭痛だろう。実際の臨床で圧倒的に多いのは、肩こり由来の「緊張型頭痛」なのだが。子供の頃から頭痛持ちの方の多くは、「自分の頭痛は片頭痛」と考えている。しかし、今回紹介する方のように、大人の頭痛は複数の要素を合併していることが多々ある。複数要素を併せ持つ頭痛を、例えばロキソニンやイブといった鎮痛薬だけで乗り切ろうとしていると、そのうち「痛くなる前に飲んでおこう」という心理が働き出す [続きを読む]
  • 元のお父さんに戻った!
  • 認知症外来をやっていると、時に「以前の母(父)に戻りました」という言葉を頂く。改善例は多く経験してきたが、元に戻ったという評価はそうそう頂けないので、そう言われたときの嬉しさはひとしおである。80代男性 加齢に伴う生理的衰え+軽度水頭症+脳梗塞初診時(現病歴)奥様、娘さんとの3人暮らし。1ヶ月前から、夜中に車の所まで行き鍵がないと騒ぐ午前中年金支給日ではないのに郵便局に行く(迷子にはならない)同じ事と何 [続きを読む]
  • 社交について感じていること。
  • 勤務医時代よりも意識して、患者さん達に愛想良く振る舞おうと努力している自分がいる。院長が無愛想なクリニックには、誰も来たがらないだろうから。医師の愛想や機嫌の良さは、患者さんやご家族に安心して頂くために必要なスキルということは理解しているので、そこは自分でも不思議なほど無理なく振る舞えている。そのおかげかどうかは分からないが、過去に患者さんやご家族と大きく揉めたことは記憶にない。同様に、医療現場のスタッ [続きを読む]
  • 鉄不足を解消し、抗うつ薬を卒業出来た30代女性。
  • 罹病期間が短ければ短いほど、薬を卒業するために必要な時間も短くなるはず。Just An Invitation...... flickr photo by Emuishere Peliculas shared under a Creative Commons (BY-ND) license 30代女性 うつ病初診時4ヶ月前、仕事の負荷からうつを発症し、休職。先日職場復帰し、現在は時短調整して貰っている。仕事は医療職。かかりつけの精神科医が、職場復帰後の初外来で何故か?冷たい反応となったことを訝しく思い、かかりつ [続きを読む]
  • オルタナティブ・ストーリーを生きる。
  • 「自分はこういう人間で、家族はこういう人間で、自分が属する共同体はこのようなもので・・・」人はみな、このような物語を編みながら生きている。認知症は、ドミナント・ストーリーを揺るがす一度編まれた物語は通常、時が進むに従って強化されていく。物語の登場人物は当然みな年を重ねていくが、いつまでも心の中にあるのは「料理好きのお母さんに優しいお父さん」というような、かつて確立された物語、"ドミナント・ストーリー"である。 [続きを読む]
  • ナイアシン処方の工夫について。
  • 統合失調症の方を数名診ている。長年の経過で陽性症状は既に枯れ、陰性症状メインの方達である。みなさん抗精神病薬は精神科が処方しており、当院では生活習慣病対策を行っているのだが、少しでも抗精神病薬の減量に繋がればと考えてナイアシンを処方している。ナイアシンで統合失調症を治療するナイアシン(かつてはビタミンB3と呼ばれていた)で統合失調症を治療するという発想は、A・ホッファーの著書から学んだ。「ビタミンB-3の [続きを読む]
  • 防衛医療に徹していると、改善の機会を逃すことがある。
  • 治療における選択肢を示すことは、医者の重要な仕事の一つだと思っている。www.ninchi-shou.comただ、全ての選択肢を同列で説明する訳ではない。これまでの自分の経験から、上手くいく可能性が高いものを優先して勧めるぐらいのメリハリはつける。防衛医療*1に徹しすぎると患者さんが改善の機会を失う事がある。治療を迷っている患者さんを見かけた時には、少し背中を押してあげることもまた、医者の重要な仕事の一つだと思う。7 [続きを読む]
  • 一回だけの診察で、情報をどこまで伝えるべきか?
  • 診察で得られた情報を、患者さんや家族にどこまで説明するべきなのだろうか。このことで、しょっちゅう悩む自分がいる。特に、その情報が確定的なものではなく、自分の推測が多く含まれていて、尚且つその推測に対する明確な対処法(決定的な治療法)がない場合には、尚更である。悪いことを伝えたくないというよりは、不確定な推測を伝えることで相手の不安を増してしまうことを避けたい、という気持ちである。定期的な通院が可能な方で [続きを読む]
  • 専門医療の足し算は、高齢者を幸せにするだろうか?
  • 病気を診ずして病人を診よ(高木兼寛)蓋し名言である。ある患者さんが、自分の専門領域の病気のみに罹患しているとする。その病気の治療が上手くいき、治癒に成功すれば仕事は終了である。では、患者さんが自分の専門領域以外の病気に罹患している可能性を感じた場合は、どのようにすべきであろうか。他の専門家に依頼するのが一般的であろう。自分も他科に相談することはままあるが、専門外でも自分でカバーしている領域は結構ある [続きを読む]
  • 「困っていない。放っておいてくれ」という人に介入するために必要なこと。
  • 医者という仕事をしていながらこういうことを言うのもアレだが、自分は極力病院にはかかりたくないと思っている人間である。*1認知症診療をしていて時にやりきれなくなるのは、「私はどこも悪くないし困ってもいなのに、なんで病院にこなくちゃいけないの?」と、怒りを露わにして患者さんから言われたときである。「あなたじゃなくて、周りが困っているから・・・」などとは言えない。認知症初期集中支援チームが持ち込んでくる案件でも、「 [続きを読む]
  • こうして、ポリファーマシーが増えていくのだろうか。
  • 一人の患者さんに対して、複数の病院が複数の処方を行っている状況を写真で表現するならば、以下の様になると思う。Recursive Pizza flickr photo by aaronparecki shared under a Creative Commons (BY) license このことがポリファーマシー*1の大きな要因となっているのは、疑いようがない。そこに自分は積極的に荷担する気は更々ないので、既にかかりつけ医がある場合にはそちらに処方をお願いすることが多い。処方の一元化が [続きを読む]
  • 幻視に関する雑感(シャルル・ボネ症候群など交えながら)
  • 認知症外来をしていると、”幻”の話を聞くことが多い。我が国には「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という俳句があるが、「妖精を見た」とか「神が顕現した」といった古今東西の逸話のうち幾分かは、当時の人々が見た幻視なのだろう。80代男性 DLBが疑われて来院となった方(NH)初診時「ヤクザの二人組に付け狙われている。向こうは上手く隠れているつもりだろうが、必ず痕跡を残しているので自分には分かる。もし何か自分に起き [続きを読む]
  • 【書評】コウノメソッド流 認知症診療スピードマスター
  • 認知症外来を始めて、そろそろ丸五年が経過する。外来で得られた各論的知見を、机上の勉強で学んだ総論にフィードバックさせ続け、「自分なりの」総論を模索する日々である。これから認知症外来を始めようと考えている医師にお勧めの本コウノメソッドの新刊「認知症診療 スピードマスター」を読んだ。コウノメソッド流 認知症診療スピードマスターposted with amazlet at 17.09.18河野 和彦 日本医事新報社 売り上げランキン [続きを読む]
  • ベイカー嚢胞とは。
  • 70代女性 アルツハイマー型認知症ある日の外来。アルツハイマー型認知症で通院中の70代女性が、左膝を最近痛がるようになったとご家族から聞いた。膝窩部に腫瘤を触れたのでCTを施行したところ、以下の様な画像が得られた。ベイカー嚢胞のCT画像自分は初めて経験したのだが、これは「ベイカー嚢胞(嚢腫)」、または膝窩嚢胞というものらしい。ベーカー嚢胞(膝窩嚢胞[しっかのうほう])は、膝の裏側の関節包の延長部分に形成さ [続きを読む]