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tombear1991
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2014/06/27

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  • 2023年「Black Outの年」から2024年「Build, Build, Buildの年」へ

    今年もやり尽くした感と、もっとやってやりたい感が、混在する年末を迎えています。 30歳を過ぎたころから、周りが生活の上でも、仕事の上でも落ち着いてくるタイミングで、こうしてゼロベースの挑戦ができているのはありがたいことです。 MBA後は20年かけて一つの仕事を成し遂げたい、そのテーマを見つけるためにスタンフォードに行く、と宣言してきた通りになりつつあります。 やりたいことを全部やるのは無理がありますが、What Mattersに忠実に、2024年も頑張ります。 2023年「Black Outの年」 スタンフォードに入学してまもなく参加したセコイアのDoug Leoneの講演会で、気候変動のよう…

  • スタンフォード30-33週目:冬学期の振り返り

    すっかり遅くなってしまったが、先学期の振り返り。 3月末で第2学期にあたる、Winter Quarterが終了した。スタンフォードはQuarter制なので、新年から6月までがWinterとSpringの2学期に分かれている。1週間強の春休みを経て、そのまま次の学期に突入するので、慌ただしい。 学生生活の感覚を取り戻し、新たな生活の基盤を確立するだけで手いっぱいだった先学期からギアを入れ替えて、今学期は学業と課外活動 恒例の授業の振り返りは以下。 Business of Water: 水ビジネスで有名な法学部の教授による授業(カリフォルニアでは地下水利用などをめぐって、独特の法体系が発達していて…

  • スタンフォード26-29週目:逃げる自分をつかまえる

    " data-en-clipboard="true">ECO-SEIという夏休みに自由研究するためのフェローシップに合格した。これで、夏休みにインターンで生活費を稼ぐ不安から多少は解放される。ありがたい。 " data-en-clipboard="true">あとは、大学院3年目になるかもしれない、環境学の修士課程にも合格した。どこまでやれるか分からないけれど、Climateにいる以上、どのみち授業は受けることになる。 全部年末年始からの仕込みなので、慌ただしい。一息つくのもつかの間、今度は期末試験に向けた準備に追われる。 去年の9月には信じられなかったが、あらゆることが、想定以上のスピードで…

  • スタンフォード17-25週目:変えること、変えないこと

    1月・2月の振り返り 1月末はKnight Hennessy Scholarのリトリートで、Santa Cruzにあるリゾートにいた。 今回は、直近数年のCohortが集まる形で、2泊3日にわたって語りつくす。 いつもながら、刺激的だし、全身全霊をぶつける形だった。冬休みに考えていた気候変動のThesisの種を、この間ぶつけまくって形にした。 2月は気候変動を自分なりにテーマとしてとらえ直し、農業と水というサブテーマの中で、リサーチをした。 幸運なことに、自分と補完的な視点を持つ優秀なパートナーに恵まれた。 たぶん50時間くらいかけて、仮説を組み上げた。彼がいなかったら、たぶん半分もできなかっ…

  • 書き続けること、行動すること

    " data-en-clipboard="true">リーダーは語り続けなければならない、とその昔ソーシャルアントレプレナーシップの授業で習った。 " data-en-clipboard="true">リーダーになれるかはわかっていなかったけれど、私的な文章を書き続けて10年以上になる。 ときに衝動的に、ときに義務的に続けてきたブログを読み返しながら、内省し、未来について構想を膨らませる。 それでいて、なんで書き続けているのかわからなくなることがある。 冬休み中に、懐かしい友人たちと話す中で、感じるところがあった。 難しい挑戦をしようと、身の丈に合わないことばかり考えてきた。 自分一人ならまだ…

  • 2022年「而立の年」から、2023年「Black Outの年」へ

    2022年「而立の年」の振り返り " data-en-clipboard="true">2022年は、自分の人生にとって大きな転換点となりました。 20代の熱量の集大成とも呼べるKomazaでの仕事を終え、スタンフォード大学経営大学院に進学したことで、様々なことが一変しました。 年初に而立と宣言したはよいものの、せいぜい立膝ぐらいのものだったなとも思います。 とにかく、体制を立てようともがきながらも流されて、何とか片方の膝くらいは、まっすぐになったというのが本音でしょうか。 あらゆる変化がどっと押し寄せる中で、翻弄されながら、自分の中で変わらず大切なものを、確認して強化していくプロセスになりま…

  • 原民喜「鎮魂歌」

    世界中から学生が集まる場所で、戦争と平和や、倫理の話になった。流血の有無にかかわらず、人々の苦しみや記憶と向き合い続けることは、リーダーに求められる普遍的な資質だと思う。過去に囚われては前に進めず、未来だけを語っても軽々しく感じられてしまう。人々の経験のコンテクストをくみ取りながら、今日と明日をつなげられるか、という難しい問いに触れるたび、原民喜の「鎮魂歌」を思い出す。感受性を剝き出しにして苦悶に満ちた生き方をした作者が、被爆の記憶と自らの家族の不幸を織り重ねた文学から感じ取れるものは決して少なくないのではないか。評:原爆の悲劇を伝える生々しい叙事詩としてこの鎮魂歌を捉えることは誰にだって出来…

  • スタンフォード12-16週目:MBA1学期目のクラスのまとめと振り返り

    最初の学期は、全科目必修。とはいえ、Finance、Accounting、OSMの3科目は、経験に応じてBase/Accelerated/Advancedを選択していく形だったので、多少の自由は効く。 学期の始まりに、好奇心とFear of Missing Outに引っ張られて上級クラスを取りすぎてしまった気がするものの、得るものが多い学期だった。 期末試験後の今のうちに、各クラスのハイライトをメモしておきたい。 ①Global Financial Reporting: 総評:IFRSを軸に、Revenue Recognition、Lease、Securitization、Pension、Ta…

  • 大馬鹿になれるか、という問い

    僕がここにいるのは、新しいことをしたいと思ったからだ。 全力で走り抜けた20代で集めてきた経験や理解、感情を、一度バラバラにして、ゼロから組みなおしていくために、あえて今の環境に身を置いている。 バラバラにするとき、自分が当たり前にしてきたことができなくなる。 バラバラにされるのは、自分の不安でもあり、自分の自信でもある。 仕事の波に乗って順調にキャリアを進める友人たちを尻目に見て、自分はなんとバカな遠回りをしているんだろう、と半ばあきれたりもする。 バラバラになった自分に、以前のような安定感はない。 やり慣れた方法をすべて放棄して、ゼロから馬鹿みたいに足掻いている。 もしかしたら、自分は何に…

  • 非線形的な変化をもたらすもの

    全体の戦局なり結果が見えない時に、注目すべきははやり次の一手であろう。 本当は、だれしもが未来に対して確証を持って次の一手を決めたいと思っている。 だが、実際には、確証を持てる意思決定など、ほとんど存在しないし、最も価値のある意思決定は不確実性の中で生まれる。 次の一手に何を期待するか、どこまでの熱量を込められるか、あるいはあえて軽くとらえてみるのかは、本人の裁量に任せられる。 複数の未来の結果を比べることはできず、人が不確実性を受け入れるというとき、本当に辛いのは最悪の結果を受け入れることではなく、結果に至る道のりの不安に耐えることかもしれない。 人は本能的に、未来を予見し、結果をコントロー…

  • スタンフォード9‐11週目:器を問い直す時期

    人は、別人のように生まれ変わることができるのだろうか。 学生という身分は、特別な時間だ。何をしてもよいし、何をしなくてもよい。 それまでの自分を白紙にしてもよいし、それまでの自分のゲームプラン通りに進めてもよい。 器を広げるべきか、得手に帆を揚げるべきか。 ざっくりまとめるなら、そんなことを考えていた。 スタンフォードに来るとき、いろんな人から、自由になって人生を見つめなおしたらいいとアドバイスされた。 仕事から気持ちを引き離して、何が見えるのか、恐ろしくも楽しみでもあった。 朝8時から授業が始まり、課外活動やイベントや食事会を終えて10時ごろに部屋に戻る。そこから翌日の予習をする。 肉体的に…

  • スタンフォード8週目:優先順位、トレードオフ、パラドクス

    中間試験とプロジェクト スタンフォードのMBAというと学内では飲み会ばっかりやっているChillなイメージがあるのだが、最初の学期は思いのほか忙しい。 理由は3つで、 ①最初の学期はクラスの数が多い(8クラスくらい) ②難易度が難しいクラスになるとそれなりに頭を使ったり調べ物をしないといけない ③Chillに見えていても、Academic Smartな学生が多いので、大変に見えていないだけ というあたりだと思う。授業で20時間くらいとられて、準備や課題などであっという間に20時間はとられて、On Topでソーシャルや就活など考えると、フルタイムで働いていた時と同じような慌ただしさになってしまう…

  • スタンフォード5-7週目:考えていること

    考え事をするために大学院にやってきた。 まさにそれをやっている。MBAにはActivityを求めてくる人と、Meditationを求めてくる人とがいて、僕はおそらく後者なのだろう。 カオスに身を浸す ビジネスパーソンとしての振り返りと膨大な量の新しい知識の吸収は、ビジネススクールならではの醍醐味だ。 昔は、勉強なんて自分でもできると思っていたが、一定量を超えた知識を優秀な人とアクティブに学んでいく過程は、単なる勉強を超えた世界観のアップデートになっていく。 滝行のように到底受け止め得ない量の刺激に打たれながら、自分のキャリアや人生について考えるのが、僕がMBAに求めていたことだ。 だから、わか…

  • スタンフォード3-4週目:

    オリエンテーションから授業が始まり、あっという間に過ぎていく。 同時に延々と続くソーシャルの疲れも出てきて、気持ちもそれなりに動く。 とにかく慣れるまでは、辛抱強く流れに身を任せないといけない。 決めるタイミングはすぐに来るので、それまではすこし遊びが必要だ。 授業 ビジネススクールの授業が今秋から始まった。 GSBでは、最初の学期はすべて必修となっていて、クラスの選択はほぼ必要ない。 FinanceとAccounting、Information Modelingのみ習熟度や経験に応じてクラスを選択する。 セクションと呼ばれるホームルーム的なクラスが基本ユニットとなって、わいわいやっている。 …

  • スタンフォード1-2週目:

    日本での短い滞在を終えて、カリフォルニアにやってきた。 ホテルに一泊して体を休め、翌日からはMBAプログラムが始まる前の学生有志の旅行(Trip)で、タホに向かう。 MBAに行く学生は6月末か7月末には仕事を辞めて、夏の間は南米やアジア、ヨーロッパで旅行して友達作りをする。 自分はこれまでのイベントには参加できなかったので、出遅れを取り戻すべく、タホにやってきた。 Airbnbを事前に予約して10人程度が一つの家に泊まり、エリア全体で約300人くらいの学生が集まって連日パーティーやソーシャルをする。 当初やる気だけは十分だったので、House Captainに名乗りを上げたのだが、Climat…

  • 258-259週目:Komaza最後の日に思うこと

    とうとうこの日がやってきてしまった。 始まりがあれば終わりがあるのは、世の常なのに、どうしても実感できない。 毎日の延長に明日があり、今日の頑張りが明日の仕事に繋がっていく実感を持って仕事をしてきた5年間が、今終わろうとしている。 「明日の心配をしなくて良い」という事実が受け止められない。 仕事が僕を放してくれないのではなくて、僕が仕事を離れられない感覚。 この半年間はTransitionのために必死になっていたのが、気づけばチームは万全の態勢で、自分だけ何の心の準備もできていなかった。 「而立の年」なんて言いながら、結局は自分の存在意義を仕事という外部に求めていた心の弱さに腹が立つ。 何も見…

  • 255-257週目:ありがとう、ケニア!

    " data-en-clipboard="true">ついにケニアから日本へ帰国した。Komazaでの仕事は入学ギリギリまで続くし、ビザなどもあってほとんど自由時間はない。 " data-en-clipboard="true">帰国早々に寝込んでしまって、おかゆしか食べずに仕事と留学準備をしているという状況なので、なんというか毎度ギリギリである笑 とはいえ、ケニアでの最後の数日は、しずしずと迫りくる実感のようなものがあった。 ケニアでの4年と10か月、たくさんの思い出があって、最後の仕事も追い込みに入っている今、気持ちを整理できる状況ではない。 それでも、初めての新興国生活で、初めての東アフリ…

  • 254週目:A Note to Myself

    スタンフォード進学のリリースを出した。 tombear1991.hatenadiary.com 数日のうちにTwitterのフォロワーが2,500人ちかく増えて、インタビューの依頼が来たり、メッセージが各所から届いたり、正直驚いた。 リリースは事後的なものでしかないものなので、努力と評価の時差をきちんと認識しないと勘違いしてしまう。 今回の反響は、僕自身がどうこうというより、スタンフォードやMBA、気候変動というテーマへの一般的な関心の高さによるものだろう。 Benjamin Grahamの有名な言葉 ”In the short run, the market is a voting mach…

  • Knight Hennessy Scholarとしてスタンフォードに行きます

    今年の秋からKnight Hennessy Scholarとしてスタンフォード大学の経営大学院に進学することになりました。 学生時代に教育NPOで活動して以来、一貫して社会的インパクトとビジネスの結節点を模索してきました。 社会人になってからはインパクト投資をテーマに、ファイナンスのキャリアを歩んできました。 日本人初となるスタンフォード大学の全額奨学金リーダーシッププログラムへの参加を通して、身の丈に合わない挑戦を求めていこうと思います。 (奨学生の活動拠点となるDenning House:PC Tim Griffith) Knight Hennessy Scholar Knight Hen…

  • 252-253週目:思えば遠くに来たものだ

    思えば遠くに来たものだ。 留学したときも、日本に帰国して就職したときも、ケニアで仕事をしているときも、出張で飛び回っているときも、ふとした瞬間に自分が今どこで何をしているのかわからなくなる。 直感的に行動してきただけなのに、目指したわけでもなく無国籍的、無所属的な存在になってしまったのではないかと不安になる。 気候変動やインパクト投資という抽象的な未来像を追い求めると、意味を持つのは実績と実力だけで、帰属意識はかすんでいく。 グローバルといえば聞こえが良く、根無し草といえばものかなしい。 世界という大きすぎる主語との一体感は、さほど安心感をもたらしてはくれない。 今日で31歳になったのだけれど…

  • 251週目:社会への参画について

    安倍元首相の暗殺という衝撃的な事件があって、心の中にぽっかりと穴があいたような、形容しがたい違和感と無意識に戦っている。疲れた。 政治的信条に基づくテロルではないとしても、こうした事件は時代の空気の象徴となって、うねりを作っていってしまう。 意図的であるかによらず、いくつかのランダムな出来事が重なり合って、時代の歯車が大きく食い違うなんてことは、歴史を振り返れば何度も起きている。 社会が過渡期にあるなかで、コロナや不況といった追加的な負荷が加わった時に、自分のことだけではなく、(とりわけ声なき)他者に想像力を働かせられるかが問われるのだろう。 選挙で投票することも、自分自身の日々の仕事も、「社…

  • 249-250週目:ケニア初となるSawmillのオープニング、ファイナンスの意味

    今週は、会社を上げて取り組んできた、ケニア初・東アフリカ屈指となるOl Kalou製材工場の落成式があった。 ケニア政府からはChief Conserverter in Forestryを始め高官が参加し、投資家からは三井物産の森林事業チームの皆様とサステナブル領域に特化したアセットマネジャーMirovaのCEOにスピーチをして頂いた。 ベンチャーにおいて、新しい事業やイベントは常にお祝いすべきものなのだが、今回のイベントはメンバーにとっても僕自身にとっても特別な機会となった。 自分の仕事では割と落ち着いている方なのだが、今回のイベントは終了後に感極まって深夜にLinkedInに長文ポストをし…

  • 246-248週目:ありのままで挑む

    専門性に関わる仕事をするからには、自分の領域できちんと準備をして、重要な局面に臨みたい。自分の知識を広め、深めて、多様な状況に最適な助言ができる存在でありたい。一方で、専門家としてのみ仕事をしたければプロフェッショナルファームにいるべきで、清濁併せ呑んで不確実性に突っ込んでいくベンチャーにいるからには、専門性は武器の一つでしかない。難しい局面を乗り切るのは、知識や経験というわかりやすい武器ではなく、しばしば人格そのものになる。プレゼンも、予備知識も、計画もないとき、いかに立居振舞うのか。トレードオフを突き付けられ、暗闇の中で不確実な意思決定を下し続けるときに、何を考え、何を伝え、何を表現するの…

  • ベンチャーがもたらす「成長」とその限界

    自分の役割は何なのかを、自分で考え、定義し、提案し、なりきることができるのは、ベンチャーにいる大切なやりがいの一つだ。 「どんな仕事をしているんですか?」と聞かれて、毎月・毎四半期・毎年違う答えをしているから、5年近く今の仕事を続けられているのだと思う。 自分の頭で考えることは自由でもあり、限界でもあり、いかに早く自分の差分を理解して、対応できるか、という一種のゲーム的な面白さがあった。 仕事の上で壁にぶつかることもあれば、身近な人からフィードバックをもらう(というか強烈にプッシュして批判をもらう)こともあり、伝記や事例を貪欲に吸収しながらパターン的に自分のおかれた立場を認知しようともする。 …

  • 244-245週目:ケニヤッタ大統領との対面

    先週のハイライトは、コロナ禍でオンライン化していた、ナイロビでの投資家(LP)総会に招かれて、2年以上ぶりに複数の投資家と同時に交流するクローズドなセッション。 2年前、テーマはソーシャルイノベーションやリープフロッグだった記憶があるが、今年は気候変動一色になっていた。 投資家イベントは、"Dance Floor"だとその昔言われたのを思い出す。 踊る人は同じでも、音楽が変わればDance Floorでの立居振舞も変わっていく。 事業の価値を見つめ直し、ストーリーを再構成する。 メンバーは変わらないので、事業側のストーリーと、投資家側のフォーカスとの組み合わせで新しい企画が生まれていく。 1対…

  • 242-243週目:自然体で仕事をする

    仕事は緊張感を伴うもので、出来る限りの準備をして臨みたいと思っている。 可能性を考えつくして、万全の備えをしてなお、想定外のことは起きる。 自分の実力相応の仕事をしていれば、不安はないかもしれないが、コンフォートゾーンから抜け出すことは出来ない。 だから、ぎりぎりまで粘って考え、準備するようにしている。 ただ、実務的なDiligenceも閾値を超えると、不安をエネルギーに変えて頑張り続けることが、かえって自分を頑なにしたり、うまく変化に対応するのを難しくしたりする。 計画が立てられないとシナリオが多すぎて混乱する。計画があっても思い通りにいかないと気持ちが滅入る。 目の前に集中しているときこそ…

  • ソーシャルベンチャーにおけるフェアネスの議論

    ソーシャルベンチャーにおける財務も、基本的には普通のスタートアップとは変わらない。 出資者である株主がいて、事業を経営するマネジメントがいて、日々のオペレーションを回すチームがいて、サービスを受けるお客様(ソーシャルベンチャーであれば往々にして受益者)がいる。 全員が同じ志やミッションに共感している一方で、コーポレートガバナンスの観点からは各々微妙に異なる立ち位置にあり、利害関係をはらんでいる。 そうした事業のファイナンシングをするには、こうした利害関係や役割分担を細かく見極めながら、バランスをとる必要がある。 投資家とベンチャー間におけるフェアネス ファイナンシングにまつわるテクニカルな論点…

  • 241週目:ロンドン出張

    先週末からロンドンに出張していた。 前回ヨーロッパに来たのはコロナで国境が封鎖される直前だったのを思うと、空港でも一切コロナ関係のチェックがなく、街中に出れば誰もマスクをしていないロンドンは、かえって異様な印象だった。 投資家面談に加えて今回はカーボンクレジット関係のミーティングが入っていたのだけれど、気候変動周りの熱気を肌で感じるよい機会になった。 Komazaの事業モデルは、実物資産である林地への投資がメインの林業からもテックだけでプレーするアフリカベンチャーからも「異端」認識されて、前回欧州にいた時は説明に苦慮していたのが、嘘のよう。 カーボンクレジットの中で最もクオリティが高いと呼ばれ…

  • 235-340週目

    4月は全社がかりの大きなイベントの企画をしたり、事業戦略周りの仕事をしたりしている間に、飛び去って行った。 ベンチャーではジェネラリスト的な仕事を求められることが多い。 自分にとってはファイナンスは専門領域というよりは物の見方であり、考え方と言ったほうが正しく、ファイナンスをよりどころとしつつも、実務上必要な知識を付け加えることで、戦略だったり、オペレーションだったり、人事だったり、様々な領域に思考を飛ばすことができるようになってきた気がする(ベンチャーにいる限り、学ぶべきことは無限にある。。。)。 フロンティア領域で案件を指揮して試行錯誤するなかで専門性が高まると同時に、誰もやったことがない…

  • 231-234週目:チームが変わるとき、会社が変わるとき

    多忙をブログ更新をサボる理由にしてはいけないと思いつつも、しっかりサボってしまった。。。 チームのオフサイトや新しい案件の立ち上げ、既存案件のボトルネック解消など、挙げればきりがない。 何より、チーム単位でまとまった優先順位のアップデートをしたり、チーム構成を改めて見直す作業をしていると、常に頭のどこかでシミュレーションを回しているような感じで、半分の脳みそでアウトプットを綱渡りで出し続けながら、もう半分の脳みそで考え続けるような生活になってしまう。 ちょっとした記録でさえもおっくうだし、さらに言えば、不確実な変数がたくさん同時進行する場合、なにがしかまとまった考えを持とうという意志そのものが…

  • 参謀の道のり:Strategist, Trusted Advisor, Partner

    Komazaに来てから、5年弱、起業家だけを上司にして仕事をしてきた。 来たばかりの頃は、無名の日本企業出身というハンディキャップを埋めるために、必死になって自分の能力を証明しようとしていた。 そこから案件を積み重ねて、徐々に関係性が成熟してきたのだと思う。 今自分がどんな関係を築けているか、どのように発展させうるか、というのは正直当事者には見えないものだけれど、ある程度一般化して、類型立てて考えることができるのではないだろうか。 スタートアップ経営やアドバイザリーの世界は百戦錬磨のプロたちが沢山いるので、ようやく登山口に立ったくらいの未熟な自分から見える、遠き頂の姿でしかないことを予め注して…

  • バトンを渡す

    色々な人にバトンを渡されて、ここまでやってきた。 生まれながらに渡されたバトンもあれば、人生の道すがら渡されたバトンもある。 とても抱えきれない重さのバトンもあれば、持っているだけでどこへでも行ける気がするバトンもある。 さりげなく手渡されたバトンを抱えられるようになるために、何年もかかることだってあった。 バトンを受け取れることはPriviledgeであり、バトンを渡せることもまたPriviledgeだ。 いつしか僕は、バトンを受け取る側から、渡す側にもなるようになった。 ありがたさと、恐ろしさが同居する。 このバトンは、受け手を飛翔させうるだろうか、かえって重荷になってしまうのではなかろう…

  • 不可能に挑む

    挑戦するとは、どういうことなのだろうか、と考えることがある。 自分の限界を超えるという意味だったり、失敗するかもしれない恐怖を振り切るという意味だったり、使う人によって意外と定義が違う言葉のような気がする。 自分のブログを読み返してみても、「挑戦」という言葉は何度も登場する。 直感的には、挑戦とは、やる意義・価値が分かっているが、道のりが遠くはっきりとしないものだ。 成功に到る勝ち筋は、感覚的にはあるものの、具体的にどうなるかはわかっていない。 挑戦するからには、「できるだろう」「なんとかなるだろう」という微かな自信はあるが、それなりに苦労したり犠牲を強いられるのも分かっている。 プロセスが複…

  • 229-230週目:ベンチャーの日常業務における成功と失敗という幻想

    ベンチャーの日常業務における成功と失敗の不確実性について考えていた。 ベンチャーの事業としての成功は、産業や社会へのインパクトだったり、プロダクトの普及だったり、教科書的には利益と株主への価値観減だったりと、大枠として既に議論されていて、ステークホルダーの間にも一定の合意が存在する。 他方で、想定外のトラブルが発生したり、業界がいきなりホットなEmerging Theme認定されて思いがけない機会が舞い込んでくる、アフリカベンチャーのカオスな日常において、日々の意思決定について一概に成功と失敗を判定することは難しい。 もちろん、当初想定していた効果を達成できたか、というKPI/KGIレベルでの…

  • フライデーナイト理論

    社会人になりたてで「自分はああなりたい、こんな仕事ができるようになりたい」などと仲間と血気盛んに議論していたころのこと。 研究、ボランティア、インターン、学生のうちは色々なことに関心を持つ人たちが、どうして社会に出て年月がたつと、あんなに熱くなっていたテーマから離れてしまうのだろうと、ふと考えた。 当時の僕の仮説は、次のようなものだ。 学生時代に語られる情熱は、少なからず語られることを目的としたもので、必ずしも本人に内的な動機があるとは限らない 時間のほぼすべてが自由に使えた学生時代に興味のあることでも、仕事が忙しくなり私生活も充実してくれば、時間のコストが上がって優先順位はシビアになる した…

  • 228週目:パロアルト出張②

    今週はいくつか重要な仕事をしていた。 コロナですっかりオンラインベースの仕事に慣れてしまっていたが、改めて対面でのコミュニケーションの重要性を認識する。 アジェンダを組み、論考を加え、情報共有・オープンな議論・意思決定の区別をつけて、オンラインベースでメリハリの利いた議論をすることは技術的に難しいことではない。 むしろ、何となく会議にやってきて雑談しながらだらだら続けるミーティングが無くなる分、効率的な面もある。 会議の主催者の実力も、発表者の手腕も、事前準備の様子と当日のアジェンダをみれば、大体想像がつく。 ただ、深いところにある本質的な議論は別だ。 会議室にある空気や感情の流れも追いながら…

  • 227週目:パロアルト出張

    2年ぶりの海外出張にやってきている。 サンフランシスコ空港はガラガラだし、数年前まではいつも満室だったホテルもディスカウント料金で泊まれている。 ホテルの一室で黙々とアジェンダのWordとPPTを書いている。日本を離れると、気持ちのスイッチも自然と切り替わる。 Work from Homeが一般的になったとはいえ、Work from 実家にはやはり無理があるかもしれない。 知り合いが沢山いるので、色々な人に会いたいところなのだけれど、ピークアウト直後とはいえ町中で感染が広がっている状況で、自分も感染してしまうとケニアに戻れなくなってしまう。 なので、今回は目的の面談のみに予定を絞って、それ以外…

  • 225-226週目:戦線復帰

    一足遅れの休暇を切り上げて、仕事に戻ってきた。 一年前は、必死になってチームの構想をまとめたり、プロジェクトの原本となるドキュメントを書いて、メンバーをオンボードしていた。 今年は打って変わって、メンバー各人がそれぞれ考えてきた計画をピッチする。 僕がオンボードされる立場になりつつ、各マネージャーの計画をチームとして整合の取れる形に統合したり、優先順位を絞ったりする。 事業開発からポートフォリオマネジメントへと仕事の内容が変わったのを実感した。 自分の理想とするチームは何か、と考えた時に、まず浮かぶのは新卒で所属した三菱商事のアセットマネジメント事業開発部だ。 「本邦機関投資家に世界最先端のオ…

  • 2021年「飛躍と準備の年」から2022年「而立の年」へ

    2021年「飛躍と準備の年」の振り返り 2021年は、人生で一番と言っていいくらい忙しい1年になりました。 仕事の幅と自由度が増え、チームが大きくなり、課題は複雑になり、という状況で、チームメンバーの猛烈な成長に負けないように自分をストレッチした一年でした。 スキル面でのギャップがほぼなくなり、同時に人としての雅量、リーダーシップそのものが問われ、頭を使うとか勉強するとかではないソフトな次元で変わろうと必死になった一年でした。 急激に複雑になる案件をカバーしながら、急成長するメンバーを支え切るだけの「何か」を求めてもがくことになりました。 解決できた課題よりも、新しく見えてきた欠点の方が多く、…

  • 何のために働くのか

    30代に突入して、周囲の友人たちが世に言うところの「落ち着き」を持ってきた。 寝食を忘れて馬車馬のように働くことが求められたフェーズが終わり、下積みを活かして慣れないながらもマネジメントとして責任を担うようになる。家族ができたり、趣味に向ける余裕が出てくる。 無限大に思えた人生の可能性が少しずつ輪郭を示すようになり、できること、できないことの境目を探りたくなっていく。 そんな人生の時期に大学・新卒時代と変わらず生活の大半を仕事や研究に費やしているので、友人からは「なんでそんなに頑張れるのか?」とよく尋ねられる。 いつも「まだまだやることがあるから」とか「早めに準備しておきたいから」とか「ほかに…

  • 224週目:考えてみること

    生まれてから今に至るまで最大の勇気をふりしぼってメールに「休暇中」の自動返信を設定して2週間目。 去年の振り返りと今年の目標設定という初歩的なタスクが全く手につかないままでいる。 帰国中は予定を詰め込むのが鉄則だが、今回は別。 頭がまったく雑然として使い物にならないので、一度諦めて他の事をする。 5年くらい前から読みたいと思っていたユルスナールの「ハドリアヌスの回想」を読んでいる。 高校・大学と好きだったマルクス・アウレリウスの「自省録」に対する返答のような内容で、衝撃を受けた。 「自省録」について自分が持っていた違和感を言語化して、さらに何歩も進めた展開で、何度も読み返す。 本から受ける最初…

  • 223週目:金沢

    " data-en-clipboard="true">新年にようやく公私ともに用事が片付いたので、思い切って旅行に出かけた。 " data-en-clipboard="true">行き当たりばったりの旅は、学生時代のバックパック旅行から好きで、コロナ禍でできなかったことの一つ。 " data-en-clipboard="true">ケニアにいると大自然に触れる旅はできても、新しい町や歴史を散策するのは難しかった。 " data-en-clipboard="true">今回の行き先は、金沢。想像していたほどの雪はなくとも美しい。 " data-en-clipboard="true"> " dat…

  • 222週目:新年第一週目

    年末年始、いつもなら一年の振り返りをして、新年の目標設定をする。 今年はまだ年末からいっぱいいっぱいになってしまっている。 仕事の面でも野心的に取り組んだし、コロナ禍で外部との接点が減る分フェローシップなど複数同時進行で参加した。 クリスマス後に仕事がひと段落つくと今度はコロナもあって後手後手になっていたプライベートが待っていて、文字通り息つく暇がなかった。 力を尽くすことで見えてくる世界があったのは間違いなく、新しい局面を迎えられそうだという感覚はある。 一方で、力を尽くすという文字通り、気力と体力を限界まで使い果たしてしまうこともある。 あっちこっちで火の手が上がる中で、火消しに奔走するカ…

  • 217-221週目:年末のラストスパート

    忙しく、心の余裕も全くない1か月だった。 年末に向けてタイムラインを引いていた案件と最後まで格闘していたら、クリスマスになっていた。 細かくは書かないが、また面白い発表ができそうである。 12月に入って、日本政府が海外からの帰国者の航空券予約を停止するよう要請を出すという事件があった。 僕自身去年の年末は帰っていないし、同僚の日本人も夏休み返上だったので、なんとしても帰りたい、ということで、急遽フライトを手配して日本から最後の仕事をした。 3日間隔離は、日本に到着した日にそれまで認可されていなかったケニア政府のワクチン証明書が有効となり(なんというタイミング!)、その日のうちにハイヤーで都内に…

  • 216週目:「幸せか?」という問いについて

    週末体調を崩していたので、今週は印象に残ったことだけ手短に。 余裕ぶって見えるらしいが、無理を重ねて心身共にギリギリなので、残りの1か月は気を付けて回したい。 一年余り続けてきたプロジェクトの発表があった。プロジェクトをリードする担当マネージャーが、修羅場をかいくぐった人の発する覇気というか自信に満ち溢れていてとても良かった。 僕はセットアップのお手伝いと途中で必要なときだけ応援していた本案件、チームのリーダーシップでアフリカ初・世界初の仕事ができていて、すばらしい。 最近頓に感じるのは、チームにぶつけたエネルギーは100倍くらいになって返ってくるということ。 最初はぶつかりもしたし、理解もし…

  • 215週目:Acumen Fellowの最終セッション

    今週も連日電話会議と仕事に没頭しつつ、週後半はAcumen FellowのIn-Personセッションのため、ナイロビ郊外で、週の半分を過ごす。 社会起業家やスタートアップの経営メンバーで、大半には子どもや家族がいるなか、セッションが実現できたこと自体が奇跡的で、Acumenチームの尽力には頭が下がる。 振り返りはまた書くとして、フェロー各人が仕事や家庭と両立して、4回にわたるプログラムに参加し続けたことは、決して小さくないコミットメントで、最後の最後までひとりひとりがギリギリの線で戦っていた。 家族が亡くなったり、子どもの面倒をみないといけなくなったり、手術を受けねばならなかったり、政情不安…

  • 213-214週目:Operationalizing the True North

    何かとイベントが多い2週間で、平日も週末もフル稼働していたら、あっという間に時間が経ってしまった。 砥礪切磋というブログを書いた直後にまさに絶体絶命の局面がやってきて、必死に耐え凌ぐ。 スタートアップの面白さが意思決定の自由さにある反面、状況が悪化するときは急激に変化する。 想定外の出来事に直面するたびに、チームで知恵を絞り、不安でキリキリ痛む胃を抑えながら、対応する(そして上手くいくと一緒に祈るw)。今回もそんな感じだ。 本当に大変な時というのは、パニックになる余裕もなく、ただ時間がゆっくりと過ぎる。 周りから音が消えて、事実を咀嚼しようとする自分と、次に何をすべきか考えを急ぐ自分が併存する…

  • 212週目:砥礪切磋

    想像通り、とんでもなく慌ただしく、忙しい。 作業は優秀なマネージャーの大活躍で何とかなっているが、複雑に絡み合った論点を整理して、時間内に決着をつけて行かねばならないので、気持ちが休まらない。 作業に心を奪われれては、大局観を失ってしまうし、大局観だけではディールは前に進まない。 正しい心のありようを保ち続けるのが、何より大切で、不確実な状況でも恐れず判断を下し、行動を起こし、モーメンタムをつくらねばならない。 どのような案件であっても佳境には想定外のハプニングが起きる。予想しないところから鉄砲玉が飛んでくる。 変化に機敏に反応しながらも、動じることのない思考の軸・心の重心を、どうしたら作れる…

  • 211週目:A Team of Teams to Build World's First & Best Practice

    年末やCOPに向けて、様々な案件が同時進行している。 画竜点睛というやつであり、既に仕上がりつつある案件を、もう一度離れて眺めて、あるべき姿、直感的に美しいと思う形に方向付けしていくタイミング。 もちろん、人と人がぶつかり合う現場なので、理想ありのままになることは期待できないが、それでも絵姿の美しさを鮮明に描けるか否かが、ギリギリのところで差を生むのだと思う。 特にファイナンスやパートナーシップは、アナウンスメントではなく、そこから生まれる関係性こそ本質的に意味を持つ。 たかがドキュメンテーションであっても、文言ひとつ、構想ひとつ、ちょっとした言葉遣いでさえ気を付けてアラインメントをとれるか、…

  • 209-210週目:

    209週目: Komazaで仕事を始めて、一番忙しかった一週間。 長時間デスクに向かうという意味ではなく、3か月から3年間程度かけて仕込んでいた案件が軒並みブレークスルーを迎えて、各チームから飛び込むニュースに喜びながらも、どうやってすべてをOn-trackで進めるか頭を抱えた。 スタートアップはスピードが命とはいえ、アフリカという意味でも、人を巻き込む仕事という意味でも、粘り強い交渉や挑戦、先行投資は避けては通れない。 うまくいくまでやめないことが、大切なのだと改めて実感した。 あと、親しい友人のキャリア相談で話した内容を30分くらいでまとめたブログにかなり反響があった。 僕自身が悩んで、後…

  • Acumen Fellowship振り返り

    Acumen Fellowshipは、とても良いプログラムだった。 ケニアの僻地のスタートアップで仕事をしていて、他国や他領域の起業家・事業との接点を増やしたいと思ってアプライしたのがきっかけ。 アフリカフェロー唯一の日本人・アジア人で、想像力の限界をストレッチされながら、ソーシャルセクターの仲間と議論するとても良い機会になった。 ネットワークとか知識とか、事前に得るものを想像していたけれど、信頼する同志とのやり取りが今後も続いていくと思うと、とても楽しみだった。 COVIDが直撃したこともあり、全3週、合計100時間弱の全工程はZoomだったが、それでもフェロー同士が工夫しあってよいセッショ…

  • 自信にまつわるパラドクス

    総合商社出身の親しい友人から、キャリアについてアドバイスを求められた。 優秀な人がたくさんいる部署で成果を上げ、社内でも評価をされたうえで、ベンチャーに飛び込むのだが、投資銀行やコンサルのように「わかりやすい」トレーニングを受けていないので、やっていけるか不安だ、というもの。 全く同じ悩みをケニアのベンチャーに飛び込んだ当初、自分も抱いて悶々としていたので、他人事ではなく、つい熱心に聞いてしまった。 あくまで自分の狭い経験から言うと、数年程度の経験であれば、総合商社で成果を上げられた人が新天地で大活躍する可能性は結構高いと思う。 プロフェッショナルファームの強さである、全世界共通の職位ごとのき…

  • 208週目:

    公私ともに、ぎっしり詰まっている一週間。 仕事は淡々と前に進めつつあるが、想定外のハプニングも起きる。 ここから3週間で年内の仕事のタイムラインと成果が決まるので、そこに向けてガンガンボールをゴールに向けて蹴っていく。 長い期間練ってきた構想もまとまりつつあり、思考もさることながら、最後は正しいタイミングで、正しいインスピレーションを持つのが大切になってくる。 今まで以上に体調管理、気持ちの維持に努めたい。 チームでは、レビューと昇進の発表などもあり、独立したマネージャーによる運営に一層アクセルを踏んでいく。 ベンチャーに来たからには、ひりひりする緊張感も、自由に構想する楽しさも、どちらもあっ…

  • 「自省録」批判:理性・文明・自己啓発の非力さについて

    「自省録」が示す理性の痛み ストア派の哲学者が、理性によって自らを導き、人生の苦境や世間の浅薄に感情を揺さぶられることなく、魂を解放しようとしていた基本姿勢に、学生時代の僕は感銘を受けた。 同時に社会に出て仕事を通じて様々な人と出会うにつれ、高潔さを保つためであれば、自ら命を絶つこともいとわないストア派の教義は、我が命を人質にしてまで理性に執着しようとする、極めて感情的な思想だとも感じた。 仏教的な価値観に根差すならば、人生の無力に直面して、命を捨てると自らの天命に脅しをかけねばならない状況は、高潔さでも倫理的主導権でも何でもない。ただただ非力であり、悲痛である。 思春期には、伝説的な哲人皇帝…

  • 207週目:初心

    ベタなのだけれど、Facebookで4年前の出来事と称して、三菱商事を退職した日の写真が出てきて、妙に感傷的になっている。 去年はシリーズBの達成感と脱力感で気にならなかったのかもしれないが、今年の自分にとってはズシリと響くものがあった。 このところ、ケニアやスタートアップやファイナンスについて、質問を受ける機会が増えていて、自分の仕事が認められるのは嬉しい反面、初心とは何なのか、忘れたくないのでここに書いておきたい。 三菱商事からケニアのド田舎NGOに飛び込んだ時の気概や覚悟を、忘れずにとどめておきたい。 過剰な自意識と脆い自我のはざまで、葛藤したからこそ今の自分があることを忘れたくない。 …

  • 205-206週目:Q4始まる

    スケジュールというか、やることがとっ散らかっていて、ブログが滞ってしまった。 こういうものはコンスタントに毎週書き続けたい反面、ちょっと寝かせれば面白い記事がかけるのではないかと淡い期待を毎度抱いてしまう。 が、引き続き週末も半分以上は仕事なので、近況アップデート。 仕事は至極順調に進んでいる。 諸般の事情で夏休みは蒸発してしまったものの、9月に入る前にしっかり下準備をした仕事の成果が結実しつつあり、とてもよい。 とにかく仕事は前倒しで、夏休みの中だるみを経て年末に一気にディールがスクイーズされるタイミングを前に、がっつり売り込んだのは正解だった。 いよいよ年末に向けた追い込みシーズンでもあり…

  • 204週目:ソーシャルインパクトの求道者性

    お金は主観を持たず、ただマーケットの判断で分配される。 価値判断の尺度としてお金が正しいかは別として、市場は明確かつ定量的に、「市場にとって」大切なものにプライスをつける。 一方、「インパクト」はどこかフワッとしていて、明確で客観的な外部指標を定めにくい。 「インパクト」には、たえずあるべき姿を定義し、求め、批判的に検証する自分という存在が介在する。 インパクト測定や政策的な評価など、客観性をある程度担保することはできても、「完全に客観的に正しいインパクト」など存在しない以上、最後は経営者がインパクトの存在や優先順位を判断することになる。 また、現場でインパクトを100%実現しようとすると、と…

  • 203週目:チームと信頼

    今週も忙しい。夏休みの合間でありながら、いくつも案件が佳境をむかえてきつつあり、下準備と交渉事が重なっている。 マネージャーとコンサルタント・専門家をチームアップして取り組んできたプロジェクトが、かなりまとまった成果を上げつつある。 とても良いことである一方、彼らの成果を最終的にディールにまとめていく、という責任に軽く眩暈を感じる。 メールとコールとストーリー作り、そしてマネージャーとの相談役というのが、自分の今の役回りである。 去年、新しいチーム体制を構築していた時から、いかにDelegateできるか、という問いを持ってきた。 コーチングなどを通して、自分の課題が「相手を信頼すること」である…

  • アセット系スタートアップにおける総合商社型財務の実践

    AirbnbやUberといったシェアリングエコノミーや、フィンテックのような金融業では、スタートアップにおいてもアセット(バランスシート)の効率化が大切になる。 自分が今仕事をしている林業スタートアップのKomazaは、旧来の不動産所有型のプランテーション林業をシェアリングエコノミー型にする、という事業を行っている。 ビジネスモデルの新旧はあれど、総合商社もまた、油田やプラントのような大型アセットからベンチャーに至るまで世界中で複雑なファイナンスをする、同じくバランスシートの効率化が大切なビジネスである。 自分がKomazaのCorporate Financeを立ち上げる際には、総合商社モデル…

  • 202週目:終戦記念日に寄せて

    8月15日にたまたま重なったこともあり、今日は終戦記念日について思うことを書いてみる。 日本で生まれ育ち、大学でアメリカ、仕事でアフリカにいる自分にとって、終戦記念日は「日本が負けた日」ではもはやない。 日本に住んでいたころは、原爆や終戦間際のドキュメンタリーを観ながら、戦闘や空襲で命を落とした日本人に思いを寄せていたが、今となっては、戦勝国・敗戦国を問わず、祖国のために戦って命を落とした人々や、戦闘の巻き添えになって亡くなった市民全員に対して、手を合わせたくなる。 留学していた時に、第二次世界大戦の授業があり、少人数でディスカッションをしたことがある。 クラスには、アメリカ人はもちろん、ドイ…

  • 201週目:Acumen Fellowship第二回目セッション

    チームの半分が夏休みに突入。 ただでさえもストレッチされたタイムラインでOKRが設定されているのを、COVIDによる移動制限や思いがけないトラブルを乗り越えて、2021年の前半を走りぬいたチームには頭が下がる。 休みに入っているメンバーの仕事の最低限のカバーをしつつ、積み残しの仕事を片付け、9月からフル稼働する前に考えておくべきプロジェクトの仕込みをする。 そんな中でもいくつも重要な進展や交渉事は進んでおり、この夏もゆっくりすることなく過ぎていきそうである。 一緒に仕事をしているメンバーとは、いつも以上にじっくり話が出来て、とても嬉しかった。 渡り鳥のようにドキュメントとコールを飛び回って効率…

  • 200週目:30歳を迎えての振り返り

    気付いたら30歳になってしまった。 時間が経つのは~みたいに言われても、アーリーキャリアでは方向転換できると感じていた余裕が、着実になくなってきている。三十路という言葉が、けっこう刺さる笑 大丈夫、まだアラサーの商標は使える← さらっと振り返ると、迷走していた10代を経て、漸く自分の居場所を留学して見出した20代前半、社会起業に心を向けつつも基礎固めで歯を食いしばった20代中盤、よくわからないまま仮説だけ持って飛び込んで何とか結果が出せて20代終盤、という感じ。 20代序盤でプライベートエクイティの世界に片足を突っ込んだ頃は、本流のファイナンスで仕事をするべきか、自分の直感を信じて未開拓のイン…

  • 199週目:メルー訪問とConservation Forestryの仕組み

    写真をカメラからダウンロードするのをめんどくさがっていたら、2週間も経ってしまった。 -- 金曜日に休みを取って、ケニア山にほど近いロッジにやってきた。 バックパックとカメラをもって気軽に旅行するか、がっつり仕事道具をもって考え事をすることが多いので、ちゃんとしたConservancyのロッジに行くのはこれが初めて。 ただ、せっかくケニアに住んでいるので、食わず嫌いせずにResidency Priceでコロナ以前なら絶対に予約できない人気ロッジに行ってみよう、と思い立った。 Conservation Internationalなどコミュニティやランドスケープを幅広く保護する取り組みをしているチ…

  • 198週目:チームとレビュー

    先週・今週とチームメンバーとのレビューが続いている。 スタートアップで仕事をする醍醐味として、身の丈に合わない挑戦ができる、というものがある。 身の丈の合わない挑戦をするから、たくさん失敗をするし、一人で頭を抱えるし、能力のギャップに自覚的になりやすい。 一方で、チームのマネジメントという観点では、個人個人が良い意味で失敗を重ねて試行錯誤する場を確保しつつ、最終的な成功を後押しできるか、が大切になる。 ついこの前までは、自分自身の延長としてチームを見てしまったり(そうすると、常に何で自分の想像した通りに物事が進まないのか苛立ってしまう)、自分にとっては自明の決断ができないと理解できなかったり(…

  • 197週目:転換点

    ブログを書いていると、2か月おきに「今こそ転換点だ!」と威勢よく書いている気がするが、実際仕事そのものが目まぐるしく、なおかつチームの火力が強いので、どんどんギアを切り替えていくプレッシャーを感じる。 3-6月はリリースが相次いだ。 去年末に仕込んだ案件を一気に形にしていったから、出てきたわけで、調子が良いわけでは決してない。 地道な交渉であったり、仕込みであったりが、ようやく形になったというだけで、案件が表に出た時というのは、浮かれている場合ではなく、次の仕込みを始める時期である。 体力的にも精神的にも辛いのだけれど、この時の踏ん張りが継続的に波に乗れるかを決めていく。 サボったら如実に数か…

  • When Vision Fails 

    インパクト投資やClimate Finance、アフリカベンチャーなど、未来志向な業界で仕事をしていると、ありとあらゆるビジョンに触れる機会がある。 起業家を支援したいという投資家もいれば、社会の理不尽を是正したいという起業家もいる。 志を持つのは、変化の第一歩として大切のは間違いない。 一方で、志を結果につなげるまでの道のりは遠い。 自戒の意味も込めて、「ビジョンが失敗に終わる瞬間」について書いてみたい。 想いに実行力がついて行かない:願いが正しくても、実行するための能力やチーム、リソースが足りていないと、ビジョンはかなえられない。一方、想いだけで人を説得できてしまう分、周りはどんどん共感し…

  • 196週目:Dancing the Dance

    長い年月をかけてきた人間関係やらプロジェクトやらが、思いついたように動き出して、Good Surpriseでカレンダーが埋まった週だった。 苦しい時期を一緒に戦った投資家が出張できていたり、一年以上ぶりの投資家面談が入ったりするなど、何かと慌ただしい。 予定を立てて着実に実行するのも大切だが、踊らされるがままに踊り切ることが意味を持つ時期がある。 自分は不器用なので、しびれを切らしてしまいがちだったが、今回は体力と能力をストレッチさせて何とか全部やりくりしたい。 ご縁がご縁を呼び、新しい挑戦が出てくるプロセスを、計画外として切り捨てず、おおらかに受け止めて形にしていく。 主体性はあまりないかも…

  • 195週目:

    仕込んできた案件が佳境を迎えている。 考え切ってから結論を出したい内容であっても、ステークホルダーが多くなれば、走りながら答えを出す状況が増える。 まして、一つの仕事が他のプロジェクトに紐づいていたりすると、複雑性は等比級数的に増していく。 そうすると、どこかで思考停止をしないといけなくなるのだが、なるべく考え切る深さを確保するために、枝葉の思考を手放していくことになる。 スタートアップで成功するのは、ボールをいかに落とさないかではなく、どのボールなら落としても大丈夫かを理解している人ではないか、と思う。 いよいよ、6月末であり、来月中旬からは投資家は夏休みモードになっていく。 9月ぐらいまで…

  • 194週目:ナイロビ郊外でお休み

    この数週間ドタバタしながら、結構重い交渉をしたりしていて、体調が悪化しそうな気配。 ということで、先手をうって休みをとった。 まずは金曜日の仕事終わり。気のおけない知人とてんぷらうどんを自作する、という壮大なプロジェクトを実行した。 今回が三回目ということで、うどんも手打ち、てんぷらも揚げる。 コツが見えてきて大好評だった。 ナイロビの自宅で休むのもいいのだが、どうしても気持ちが重くなってしまうので、近郊でお手頃なロッジを探し、土曜日からそこに滞在。 フィジカルに移動するたけで、気分が変わるから不思議なものである。 本を読んだり考え事をしたり、なんだかんだ頭は使っているんだけど、小川のほとりの…

  • 193週目:フィールド巡回

    今週は約半年ぶりのCoastへ。 フィールドチームとはよく一緒に仕事をするのだが、コロナもあるので、直接現地に行くことは避けていた。 たまたま調査の一環で、社外からも専門家を交えてトレーニングをする機会があり、せっかくなので同行した。 相変わらず一糸乱れぬ統率の取れた組織で、ナイロビのリモートベースで独立して仕事をする自分のチームとは好対照である。 今年のケニア沿岸部は干ばつ気味だったのが、なぜか自分たちがフィールドにいる間だけ突如として大雨になり、ずぶぬれになりながらのトレーニングとなった。 ケニア沿岸部は今の会社の祖業の地。 雨量が少なく、土地も痩せていることから、干ばつに強い木を植える、…

  • 191-192週目:Acumen Fellowship プログラム初回

    Acumen Fellowshipの第一回目セッションが先週の水曜日から始まった。 午後1時から6時まで1週間のセッションにZoomで参加する。最初の3日間は、いわゆるスタンフォードの”Touchy Feely”に近いアプローチで、自分の生い立ちを語る。 Zoomなのにフェローの全く違うバックグラウンドもあって、一気に引き込まれた。 とりわけ、東アフリカ女性フェローが語る生活の難易度がとても高い。 貧困くらいなら想像がつくが、Gender-based Violenceや内戦など、初めて当事者から聞く内容も少なくない。 あとは、フェローの質が他のフェローシップやアワードよりもはるかに高く本質的な…

  • インパクト投資業界に関する雑感 2021

    Global Impact Investing Networkによると、2020年度のインパクト投資の投資総額(AUM)は2019年の5,000億ドル(約55兆円)から7,150億ドル(約80兆円)に40+%もの成長を遂げた。 主要なメディアや大企業、利益追求の権化と呼ばれたウォールストリートでさえ、SDGsやESGが取りざたされ、インパクト投資やグリーン投資が官民共同のスローガンになっているのは、この業界に10年近くいる人からすると隔世の感がある(みんな、インパクト投資について熱弁して上司や周囲から、「ああ、NPOとか慈善事業ね」と言われたことがあるはず!)。 数字で見るインパクト投資 ざっ…

  • 190週目:「やりやすいこと」の誘惑

    この2年くらい、チームのモーメンタムに特に注意している。 いかにしてチームで成果を上げられるか、という問いに答えるためには、どんなときに成果が上がり、どんな時に問題が起こるのか、どうすればマネージャーはチームのパフォーマンスに効果的に(邪魔にならず)関与できるのか、肌感覚で理解する必要がある。 そのために本を読んだり、コーチングを受けたりしてきたわけだが、最終的には現場で実際に指揮をとってみるしかない。 自分でやりたい病から脱却し「チームをエンパワーする」ようになるにはどうすればよいのか、模索は続いている。 プロジェクトが固まって実行フェーズになってきたこともあり、実務レベルで自分の付加価値が…

  • 189週目:平常運転

    仕事を整理していたら、あっという間に過ぎてしまった週。 昨年から構想を練り、年末からチームで本格的に取り組んできた仕事が、とうとう目に見える形になってきた。 各メンバーのリーダーシップに頼りながら、横ぐしとしての役割に注力している。 隣同士で働いていても、見えていない重複やワークストリーム間の干渉など、可視化して共有する重要性を認識する機会が何度かあった。 アウトプットへのイメージを明確に持ち、起こりうる事態を想定し、というのはマネジャー各位の仕事でありながらも、最終的な責任を負う担当役員が大局観を持たねばならない。 見えていないものを見ることが、仕事なのかもしれない。 あと、先週発表したAc…

  • 188週目:Acumen Fellowに選出されました

    新興国ソーシャルセクターの起業家・実務家向けの登竜門、Acumen Fellowに選出されました。 Acumenは、インパクト投資ファンドの先駆けとして知られていますが、近年は地域ごとに活躍する社会起業家や社会的事業の成長を支えるフェローとして選出しています。 資金こそ急速に集まるインパクト投資業界ですが、現場で資金を事業成長に変換するカタリストとなる人材は圧倒的に不足している現状は、世界のソーシャルセクターのボトルネックです。 だからこそ、ケニア国外や自分の専門外のフェロー達と学びながら、Komazaでの仕事の視野を広げていきたいと考えています。今年のフェローでは、唯一の日本人かつアフリカで…

  • 187週目:脱作業化

    今週は、先週のドバイ滞在で溜まってしまった仕事の消化から始まった。 もともと休暇で行く予定が、交渉事など長期間外せない仕事が重なってしまって、ずるずると仕事していたのだが、それでもまとまった量の作業をする余裕はなかった。 昔なら、ちょっと寝不足になれば済む程度だったはずなのに、今の業務では仕事時間を半分にするとチームとの議論やキャッチアップと外部コールに参加するだけで、時間がなくなってしまう。 会話は前に進むが僕のToDoだけが積み上がってしまう、という状況からスタートして4日かけて宿題を片付ける。 そんな中でもチームは着々と成長しているし、仕事は前進している。 ドバイにいた時にも感じたのだが…

  • 186週目:ドバイ

    先週の土曜日から1週間あまりドバイに滞在していた。 " data-en-clipboard="true">去年の秋口に一時帰国して以来のケニア国外で、仕事も入っていたとはいえ、良い気分転換になる。 " data-en-clipboard="true">ラマダンとコロナのダブルパンチで街はひっそりとしていた。 お目当てにしていた歴史博物館も修繕中、日中から夜まで予定が詰まっていることもあり、観光らしい観光はせず、予定の合間に散策するくらいだった。 砂漠のど真ん中にオイルマネーで作り上げられたドバイで、気候変動について議論して、脱炭素が進んだ未来に中東はどう立ち振る舞うか議論するなどした。コロナで…

  • 気候変動がもたらす未来とスタートアップの新領域

    サミットもあり、気候変動に注目が集まっている。 学校の授業やニュースで地球温暖化や異常気象について知っている人がほとんどでも、気候変動という大枠の詳細や、対策の選択肢や人類への影響について、体系的に学ぶ機会はほとんどない。 頭の整理として、以下簡単にまとめてみたい。 気候変動は、何が変動するのか? NASAの定義によると、「気候変動は、地球上の気候パターンが局所的、地域的、全地球的に長期にわたり変化すること」”Climate change is a long-term change in the average weather patterns that have come to define…

  • 185週目:社会的なアジェンダを持つときに大切にしたいこと

    ソーシャルセクターに興味本位で首を突っ込んで10年になる。 社会的インパクトや貧困削減、気候変動、社会的起業、あらゆるテーマに首を突っ込みながら、先人たちの後ろ姿を無心に追いかけてきた。 今の僕のキャリアも、取り組んでいる仕事も、何もかもが同じような目標をはるか昔に追いかけた先達の部分部分を組み替えて生まれている。 いくつもの難しい課題の結節点で、日々剣道の地稽古のようにガムシャラに仕事をしているのも、各分野を確立した起業家や専門家たちの巨人の肩にのっかっているだけともいえる。 だから、Mainstreaming(主流化)の波に乗って大きなアナウンスがあったとしても、それはとるに足らないことだ…

  • 184週目:寧静致遠

    仕事を淡々とできて、良い一週間。 トラブルシューティングはアドレナリンが出るけれど、きちんとした成果を長い時間軸で出すためには、着実に仕事を進め穴を埋めていく時間がとても貴重だ。 4日間イースター休暇で頭を空にした成果もあって、頭がいっぱいになる作業も休みボケせずにできた。 もう少し考えて進めないといけない案件がいくつかあるのを、今週は考えたい。 考えて、実行して、誤差を修正して、という地道な作業を狂いなく進めていく。 仕事以外でも良いニュースがあった。 事業の成長が僕の想像力の限界によって制限されないために、良いストレッチになるのではないかと思う。 プライベートの時間を相応に取られるので、今…

  • 183週目:イースター休暇

    疾風怒濤の4週間が終わって、完璧なタイミングで4連休がやってきた。 外に出ようにもロックダウンでカフェやレストランも空いていないので、おとなしく家でゆっくりする。 読書や考え事、散歩をするというのんきな数日間ですっかりリフレッシュできた。 普段もなんだかんだ週末仕事の考え事を持ち込んでしまうので、4連休あるとじっくり3日は仕事を離れられた。 逆に一週間本当に休んだらたぶんもう仕事に戻れない笑 今の仕事は粘り強い交渉や説明が必要なプロジェクトが多いので、長期戦、どっしり構えていきたい。 ※過去数週間の疾風怒濤ぶりについては別途ブログを書いているので、以下記事をご参照 tombear1991.ha…

  • 不可能な納期で炎上案件をまとめる際の考え方

    3か月後に予定されていた提出書類(専門家と共著する100ページ弱の分析資料、財務モデルなど)を3週間で提出しなくてはならない、という衝撃の通告を受け、チーム総動員で何とか無事満足のいくクオリティの仕事を提出した。 今後も同じことがあった時のために、メモとして書いておく。 スタートアップやリサーチにおいて、不可能なくらい短期間に80%の完成度の仕事を迫られることは、必ず起こる。 慌てず、デスマーチをせずに仕事をする上で、重要と思われることを書き出してみる。 大なり小なり日常茶飯事ではあるものの、カーボン、ファイナンス、林業など複数領域の専門家を巻き込んでそれなりにまとまった量のアウトプットを出す…

  • 182週目:コロナ濃厚接触者になった話

    Eventfulな一週間。 ・締め切り直前のパッケージの担当者が体調を崩して離脱、ほぼノータッチの状態からTake Over ・森林保全や環境をテーマにしたIUCN・FAOという大御所ホスト+業界参加者多数で失敗できない パネル登壇x2 ・1年余り取り組んできた案件がいきなり佳境 ・ナイロビでのコロナ感染が急上昇し、チームの友人レベルでも陽性報告が相次ぎ、オフィスを封鎖(その後、首都圏封鎖と外出禁止、レストラン営業停止、集会禁止などを大統領が発表) ・同居人が陽性となり、濃厚接触者になる という盛りだくさんの週だった。 ナイロビでのコロナの爆発ぶりはすさまじく、とくにこれまで注意しているから大…

  • 書評「リフレクション」

    リフレクションや学習の理論を学びたい人は、リーダーシップや組織論の重要理論、経営者の名言集でおなじみのテーマなどが随所で登場する本書を、物足りなく感じてしまうかもしれない。 ただ、忙しい日々の合間に、自分やチームなどで深い内省をサクッとやりたい人にとっては、シンプルで実践可能な問いのセットを提供している良著。 スタートアップでも使えるし、大企業、公官庁、教育、NPO、家族、なんでも使いやすい親しみやすいフレームワークが本書の魅力だと思う。 同時に、紹介されているフレームワーク(とりわけ、「認知の4点セット」)は使いやすいだけではなく、使い方次第ではどこまでも自分の中の課題を深掘りすることができ…

  • 181週目:「弱者のチーム戦略」の鬼門

    今週はブログが書けないのではないか、というくらい忙しい(日曜夜の現在も進行形)。 ただ、忙しいを理由にしないと年初に決めたので、少しくらい書いてみる。 今週えらく忙しいのは、先週、勇んで書いたこの記事が発端といえる。 tombear1991.hatenadiary.com 弱者のチーム戦略の趣旨は、プロジェクト計画を立てる際の工数のブレ幅を見越して、柔軟なチーム構成で定期的に進捗・優先順位を変え、冗長性を極力薄くしてリソースを最大限活用する、というもの。 だが、この戦略には弱みがある。同時多発的にトラブルが起きた場合に、冗長性がないためプロジェクトのいづれかを犠牲にしたり、チームに相当な負担が…

  • 180週目:弱者のチーム戦略

    しびれる出来事が満載の一週間。それなりに大きなBombshellが投下されて、頭を絞った。 不確定要素やUncontrollableな外部要素が多いプロジェクトは、計画どおりに進めることが絶望的なので、全体観を振り返りながら、1‐2週間おきに主だったシナリオをいくつか想定して、優先順位を変えている。 各プロジェクトレベルでこれを重ねるだけでも必要な工数とチームリソースが削減できて、ボトルネックが定期的に変化する状況であっても、柔軟に対応できる。 短期的に回らない場面やスキルなどでギャップが生まれることを前提にリーンに少数精鋭チームを組み、どうにもならない場合はコンサルを躊躇なく起用する。 スタ…

  • 179週目:正しさの限界点

    今週は重たい交渉事が並走していた。 政府関係なり投資銀行なり、大企業なり、ESGやサステナビリティ、植林への関心が高まるにつれ、新しいステークホルダーとの接点が増えてきている。 業界としても世界の未来としても、ビジネス的に関心がなかったプレーヤーが参入するのは良い傾向で、業界用語では”Mainstreaming"(主流化)などと呼ぶ。 同時に、マクロな潮流として、新しいプレーヤーが新しい事業を始めるとき、現場には昔ながらの世界観になれたプレーヤーとの衝突が生まれる。 ある種必然的なのだけれど、小さな業界に往々にして存在する「線引き」や「前提」というようなものが、外から来たプレーヤーによって揺さ…

  • 178週目:Truth behind Udon

    この一か月ほど、週末も仕事やらフェローシップやら追われ続けていたので、今週末は思い切って休みを取った。 複数同時進行で進めていた案件も無事に見えてきて、安心することはできないまでも、金曜日に疲れ果ててベッドに倒れ込んで、月曜までに難しい課題を解かないといけない(Or成果物を仕上げなければならない)とかはなくなって、意図的に気持ちを引き離す。 土曜日は朝一にマッサージを入れ、感覚がなくなりつつある肩・首を整え、買い出しをして、同世代の日本人のメンバーでワインテイスティングに参加、夜はうどんをナイロビのエキスパットの知人にふるまうという、それなりに忙しい日程を組んだ。 ワインテイスティングそのもの…

  • 177週目:Comfort ZoneとExpertise

    今週も引き続き忙しい。というか、これはもはや恒常化してNew Normalなのではないかと思い始めている。 連日朝から晩までミーティングに明け暮れ、合間に作業をこなし、まとまった思考と準備を週末に。 数週間は何とかなるが、これを定常化していくには体力・ルーティーン含め強化すべき点が少なくない。 さて、今週はなかなかしびれる出来事があった。 ケニアの政府機関にレターを届けるという一見シンプルなミッションなのだけれど、担当のお偉いさんがなかなか捕まらない。 直接話すことはできずに半ばあきらめて秘書に渡そうとすると、「これでは読んでもらえないだろう」と取り付く島もない。”This is really…

  • 176週目:新体制

    今週は大きなアウトプットが2本重なっており、先週末はずっと仕事に埋もれていた。 その間、いろいろとため込んだ雑務を今週末は片付けることになって、週末なのに結局ほぼ仕事をしていた。 金曜日の夜に、珍しく外食にお誘い頂いたのが唯一の気分転換だった。 新卒の会社では、自分からあれこれ手を出したり、過去の案件資料を読み漁ったりして、週末仕事もよくしたものだが、ベンチャー経営に携わるようになって、意思決定とレビューの総量には限りがあるということを実感している。 なんだかだましだましやっているようで、隙間時間やちょっとしたやる気の上下をうまく使って、作業をこなしていった。 参加しているボッシュ財団のフェロ…

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