さらん さん プロフィール

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さらんさん: 信義(シンイ)二次創作物
ハンドル名さらん さん
ブログタイトル信義(シンイ)二次創作物
ブログURLhttps://ameblo.jp/1987sarang/
サイト紹介文ドはまりした韓国フュージョン史劇、信義(シンイ)の二次創作物の部屋
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供493回 / 365日(平均9.5回/週) - 参加 2014/07/29 07:53

さらん さんのブログ記事

  • 2016 再開祭 | 気魂合競・丗捌
  • 「ウンスさま、勝負の基本は体力の温存です。角力でも戦でも」何も知らない私を見兼ねたように、タウンさんが優しく言った。「迂達赤の皆さまは、恐らく大護軍が優勝してウンスさまを無事に取り返せるよう出場されたのでしょう。でも、この雲行きですし」 タウンさんの視線を追って空を見ると、確かに朝よりも雲が厚くなってるし、さっきから遠くで時々ゴロゴロ雷が鳴ってる。「出来る限り早く勝負をつけたいはずです。昨日か [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・丗柒
  • 「選りによって」チュンソク隊長の苦々しい声に横を振り返ると、厳しい眉を寄せた横顔が見える。「何?チュンソク隊長」 そしてチュンソク隊長を挟んだ向こう側から、同じようにキョンヒさまが心配そうにその顔を見上げていた。「どうしたのだ、チュンソク」「・・・トクマンの相手が」「相手がどうしたと言うのだ、チュンソク。怖い者なのか」 キョンヒさまのお声に、そのまた向こうの横に並んだハナさんの顔色がサッと変わった [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・丗陸
  • 俺が右から、そして鹿皮履の男が左から歩み寄り、審判の目前で正面から顔を見合わせる。 此処で当たれるのは幸甚だと、人垣を流し目で伺う。今もあの方の前後左右に怪しい人影はない。托克托の文を寄越したブフの巨人とやらも、必ずその何処からかこの取組を見ているに違いない。 見ておけ。これがお前の朋、托克托と戦場を駆けた男だ。そう考えながら再び視線を目の前の男へ戻す。 托克托の戦士は皆一様に表情がない。昨日の [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・丗伍
  • 俺達が近寄ると人垣の中から突き出た槍を振り、チホがようよう人垣を掻き分けて進み、その後をどうにかシウルが付いて来た。 周囲の者らも此処まで勝ち残った俺達が相手では、文句の言いようもないのだろう。ない隙間を見つけるようにどうにか左右に避け、二人を通してくれる。 ぎゅう詰めの人垣を声の届く処まで辿り着き、「あいつらの居場所が判った。別に隠れてもないみてえだ。外廓のすぐ入り口のあばら家をねぐらにして [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・丗肆
  • 「ウンスーっ!」 観客の人ごみから聞こえてきた予想外の声に、私は背伸びをするとその中をキョロキョロ見渡した。たくさんの頭の向こうから同じように背伸びをして揺れるきれいな絹服のお袖。私の横のコムさんとタウンさんも気づいて、人ごみの間を近づいて来た3人に頭を下げた。 「おはようございます」「おはようございます、迂達赤隊長」「お二人も居て下さったのですね」 タウンさんたちを見つけて、安心したみたいに微 [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・丗参
  • 「ねえ、トクマン君」移動する集団の中、追いついて呼ぶとトクマン君が振り返る。「はい、医仙」「今日は他の・・・みんなは、来ないの?」「イムジャ」 私の質問に、横で荷物を持ってくれてるあなたが止めろっていう顔で黙って首を振る。でもこれでも遠慮してるのよ。 ほんとだったら聞きたいわ。ハナさんは来ないの?って。昨日の最終戦でトクマン君が勝てたのは、ハナさんのあの応援が理由だった気がして仕方ないもの。 だけ [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・丗弐
  • 「旦那!」まだ開始の卯の刻までは充分にある。酒楼の門をくぐる俺達の姿を見つけ、チホとシウルが駆け寄った。 「二人とも早いな。コムさんたちは一緒じゃないのか」「後で来る。ヒドは如何した」俺達の背後を確かめながらじゃれつく二人を躱しつつ酒楼の庭を見渡すと、シウルが頷きながら離れの方角を目で示した。 「珍しくもう起きてるよ。すぐ来るはずだ。呼んで来ようか」「いや、構わん」昨日性に合わぬ外出をした所為 [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 気魂合競・丗壱
  • 寅の刻を回る前から、寝屋の窓外の夏空は明るかった。 しかし昨日と違うのは、窓から吹き込む風が肌に涼しい事。一方向から吹いていたと思うと、突然その風向きが変わる。そして空は明るいものの、窓から陽が射し込んでは来ない。 早々に起き出した俺が寝台上で身動いだ途端、まだ昨日の赤みの残る頬をしたあなたの瞳がぱちりと開いた。 いつもならそれほど寝起きの良い方ではない。片腕にその小さな頭を載せ、紅い頬を確かめ [続きを読む]
  • ご心配をおかけしました 〜 皆さまへ
  • ご心配をおかけして申し訳ありません。完全復活はまだ無理そうですが・・・ 直接の原因はダイエットでの血糖値低下+ナトリウム不足。塩分が浮腫につながると間違った思い込みで低塩分食を続け、いつものペースでジムに通いつつ、冷えるとすぐに体調が悪くなるので、部屋のエアコンをとても弱くしていました。 災害的酷暑・高温+塩分不足+運動での発汗+高温の部屋。もう結果は目に見えていたのですが。 今のところ脳や心臓に [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・丗
  • 「まずまずの戦果だった」 全員の注視の中、叔母上は言いながら椅子の上で姿勢を正す。「皆よく判っておろう。勝負は時の運だ。勝ち負けよりも、まずはウン・・・医仙が無事に取り戻せれば良い」 その声に全員が同意するよう頷いた。「で、目立って強そうな者は居ったか」叔母上の声にそれぞれが思い出すよう互いに顔を見合わせた。 「まずはコムさんだな。あんな強いと思わなかった」一戦目でコムに敗れたチホが真先に口火を切 [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・廿玖
  • 「チュンソク隊長とトクマン君は?」「じき戻ります」 朝早くからの角力。夏の行水の後の気怠い心地良さ。東屋を吹き抜ける、涼しさを取り戻した乾いた南風。 どの男もまだ濡れたままの髪や衣を風に預け、長い一日の疲れを癒している。そんな長閑な風の中で聞こえるあなたの声に答えると、鳶色の瞳が嬉しげに笑んだ。 「チュンソク隊長は残念だったけど、ヒドさん強かったものね」「・・・悪かったな」 相変わらず離れた石段に [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・廿捌
  • 「一先ず水を浴びて来い」 それぞれの帰途を辿り出鱈目に流れる人波を抜けて、酒楼の門をくぐると同時に、叔母上は庭の片隅の井戸を目で示した。 小僧でもあるまいに、何をあれこれその指示に従わねばいかん。そう思いつつも其れに口答えの出来る奴などおらん。俺を始め取組を終えた男らは言う通り、無言で井戸端へ向かう。 言いなりになる俺達に笑みを堪えるあの方の瞳が三日月になっているのを気まずく思いつつ、その視線に [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・廿柒
  • 始めの声を聞いてから、もうどれくらい経ったんだろう。 負けたくないんだと言ったチョモの声は、どうやら思った以上に本気だったらしい。迂達赤は皆そうだ。大護軍が憧れで目標で、越えられない壁で、そしていつも高みにそびえる山。目の前でみっともない姿をさらしたい奴なんて一人もいない。 俺も、チョモも、隊長も、テマンも。今はもういないトルベもチュソクも、きっとそうだ。だから意地も張るし、根性だって見せる。 [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・廿陸
  • 「西方、チェ・ヨン」 呼び出しの声にヒドの隣で腰を上げると「気の毒にな」奴は黒鉄手甲の庇で陽射しを遮り、東方から出て来る男を顎で示した。 見た事のない顔だった。手裏房かも知れぬし、托克托の戦士かも知れん。誰であろうと構わないと肚を決め、取組場の中央まで進み出る。 陽は中天を通り、今は西へ傾きかけていた。まだ空を赤く焦がすには早い。しかし此処まで傾けば五戦以降の取組は明日になるだろう。 刻の猶予、 [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・廿伍
  • 先刻まで大騒ぎだった人垣が、水を打ったように静まり返る。 アン・ジェの力量は若い頃から知っている。内功遣いでない故に赤月隊には入隊しなかったが、隊長が親交を持つほどの父上の許、奴も若い頃から鍛錬には励んでいた。 先の上官らが犬猿の仲だった鷹揚隊と互いの代で歩み寄って以来、それぞれの隊員の交流もあり、意思の疎通もうまく行っていた。近頃は奴と共に戦場に立つ事も幾度かあった。 共にこなした鍛錬や戦場で [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・廿肆
  • 「気が付かなかった。あのままじゃ、チュンソクが倒れてしまう。何か拵えて来るべきだった」 姫様は独り言のようにそうおっしゃいながら、私の手を掴んだまま人波を進んで行く。「急ごう、ハナ」 突然この手を引いた姫様が私を連れて行ったのは、先刻までお邪魔していた酒楼の前の出店だった。店番をしていた恰幅の良い主の女人は、姫様と私の顔を覚えていて下さったのだろう。急いで駆け付けた姫様に「どうしたね。取組を見 [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・廿参
  • 大護軍とほぼ同じヒド殿の身の丈、体つきを目で測る。幾度か顔を合わせる機会はあったが、こうして組合うとは思っていなかった分、初めて相対する男のように冷静に。 腕の長さ、足の長さ、届く範囲は大護軍とほぼ同じだろう。体の重みも同じ程度なら、担ぎ上げて投げるのは厳しい。妥当に足元を攻め、その重みを利用して態勢を崩し上に乗るか。それとも。 そう考え様子を見ながら地面に白い砂埃を立てて擦り足で前に出、組み [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 気魂合競・廿弐
  • いずれ当たると覚悟はしていた。遅かれ早かれそうなるだろう、互いに勝ち進んだからにはと。大護軍といつ当たるかだけが問題と思っていたが、伏兵は意外とあちらこちらにいた。 先刻の元からの戦士という男も、コム殿が三戦目に惜敗を喫したという、まだ見ぬ皮胴着皮長履の男も。そして今、この目の前にいる人と、まさかここでぶつかるとは。 照りつける真夏のような陽射しの中でも涼し気に見える黒尽くしの装束のヒド殿が、 [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・廿壱
  • あの方の治療を受けた男は一礼を残し、酒楼を出て行った。 何れにせよあの男と共に参加した奴らの誰かとこの後ぶつかる。取組全て終わるまで、互いに余計な事は知らぬ方が良い。後になって何方かが手心を加えたのではと痛くもない腹を探られれば不愉快だ。そう考え、敢えて引き留めはしなかった。 直に四戦目が始まるというのに、愚図愚図と酒楼の庭の隅で考えに耽る。見上げた晴れ渡る空が、あの頃の草原の上に広がった蒼穹 [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・廿
  • テマンの問いに東屋の一同の目がその男へと注がれる。 トギは手にした擂鉢を卓へ戻し、脇のあの方へとにじり寄る。チュンソクとトクマンは無言で席を立ち、男と己の距離を測る。タウンがさりげなくあの方へ距離を詰めるよう、叔母上の脇から進み出る。 そして男もどうやらテマンが元の言葉を解すと判ったか、俺から目を離さぬまま、声だけテマンへ投げる。「もしあなたがチェ・ヨンなら、渡したいものがあると」 テマンはその [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・拾玖
  • 甲高い指笛の音は、立つ鳥の残す鳴声にも似ている。残した囀りが辺りに響く頃にはその影は既に空高くへ舞い上がり小さな点になっている。 春の野のそんな景色なら風情もあるが、この人だかりの中で聞くには注意を惹き過ぎる。 その音に振り返ると奴は人々の頭の先で埋もれそうになりながら大きく飛び跳ね両腕を振り回した。 気付いて足を止めた俺の許に人波を掻き分けながら近づくテマン、その横にはシウルとチホの姿。 よう [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・拾捌
  • 東屋への階を上がると其処に居たチュンソクとトクマン、そしてテマンが椅子から腰を上げて頭を下げた。 居合わせた女人らは突然現れた俺に目を丸くし、立ち上がる機を逸して此方を見ている。そして唯一叔母上だけは端から立ち上がる気などないのだろう、俺を見るとふと微笑みに似た表情を浮かべる。 「ようやく本気になったか」「一人判った男がいる」不機嫌な声だけを残しそのまま今上がって来た階を下りる背後に、チュンソ [続きを読む]
  • 2016 再開祭 | 気魂合競・拾柒
  • 「・・・て、大護軍」目前の男は目を丸くして呟いたきり黙り込む。 眸を移せば人垣の中、タウンと叔母上に左右を守られたあの方と横に並んだトギが、同じように無言で立ち尽くしている。その左右を守る二人も、何と声を掛ければ良いか判らぬのだろう。四人は黙ったまま、人垣の輪の中央に立つ俺達を凝視している。 それは人垣の見物人らが上げる大きな歓声とは正反対だった。「大護軍様だ!!」「大護軍!」「大護軍さま!」「勝 [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 気魂合競・拾陸
  • 「お」向かい合う二戦目の取組相手が、そう言って笑った。 「見た事があるな。チェ・ヨンの知人か」「旦那を知ってるのか」 もう太陽は真上近くまで上がってる。俺の影も相手の影も、乾いた地面にべったり張り付くように短く濃くなっていた。 こう暑くなると、早々に負けを決めたチホが羨ましいぜ。夏みたいな光の中で相手の顔を見ようと、目を細めてみる。知らない顔だ。少なくとも覚えてない。でも俺が知ってる顔なんて、旦 [続きを読む]