砂凪 さん プロフィール

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砂凪さん: ゜*.。aquarium。.*゜
ハンドル名砂凪 さん
ブログタイトル゜*.。aquarium。.*゜
ブログURLhttp://suisuitokotoko2nd.blog.fc2.com/
サイト紹介文一般小説「いつか、ひかりへ辿り着く」連載中。生きているかぎり、命はむごい喪失を乗り越えられるはずで。
自由文『ありえない設定』⇒『影遺失者』と『保護監視官』、『廃園設計士』や『対町対話士』(coming soon!)など。…ですが、現在は日常ものを書いております。ご足労いただけるとうれしいです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供79回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2014/08/13 19:28

砂凪 さんのブログ記事

  • お話、ときどき日常【17】:いっそがしーーーい!!!
  • みなさん(とは誰でしょう…)、すこしご無沙汰しています。ひと言叫ばせてください。いっそがしーーーい!!!だれだよ、すこししたら時間つくれる云々言ってたのは!(えらいひとだよ!)そんな時にかぎって、携帯を水没させてやわらか銀行で2時間待機しなきゃいけなくなり、ソファでわたしも沈没してました。ストレスで魂と髪の毛が抜け、前者はいいとして後者をかえせ!と叫びたいです。(円形脱毛症って労災には当てはまりま [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #21
  • 前話よりタイムリープします。6年後のお話です。《2006年7月》7周忌、と思う。死んだひとは、永遠に歳を取らないまま干支を半分以上回った。喪の色の服に身を包んだあづみは、うんと背を反らし、椅子に寄りかかってぼんやり天井を見上げる。遠慮がちなノックの音がした。母親の声。「あーちゃん?」「なに」話があるの、という台詞であづみは身を起こす。なに?と部屋のドアを開け、自分より背の低くなった母親に訊ねる。「 [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #20
  • 海水浴場に車が停まると、あづみはちぐさが後部席に座る4人乗りの車にかけよった。「ちぐさー…」地面にべたんと座り込んで名を呼ぶと、兄がいたずらめいた表情であづみを覗きこんだ。「どうだったよ。お姉さんたちとのドライブは」「すごく、疲れた」女性6人、男性5人、プラスアルファあづみの面々は、7月の海に向かう。ちぐさにべったり貼りついていると「兄貴冥利に尽きるなぁ」と友達らしき男性が楽しそうに言った。「だろ [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #19
  • 「こいつが弟のあづみ」ちぐさに襟首を掴まれたまま、お辞儀をさせられた。ぴょこん、と頭をあげると「かわいいー」という声が降ってくる。「うちの弟なんてもう中3で、ふてぶてしくなっちゃったからー」「それ抜きでもかわいいー。ちっちゃいー。ちぐさくんのミニチュア!」ひらひらした服や化粧品のにおい、ふわふわの髪の集団が腰をかがめてあづみに視線を合わせてくる。おどおどとちぐさを見上げると、やわらかい笑い声が満ち [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #18
  • 《1999年7月》海に行く前日の土曜日。あづみは重大な事実に気がついた。学校で使うものしか水着を持っていない。きっと、兄含め、バイト先仲間という面々は『ちゃんとした』サマーウェアを着るにちがいない。「ちぐさ、水着これしかないんだけど」「小学生はそれでいいの。変に色気づくな」えー……と不貞腐れるあづみを肩で笑い、それでもちぐさは着替えやバスタオル、飲み物やお菓子を入れるバッグを貸してくれた。紺色の地 [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #17
  • 「ちぐさの邪魔にならないなら、行く!」「弟が海見たことないんだよね、って言ったら先輩がお前も連れてってやればいいって」テーブルでトーストをかじっているちぐさに飛びついて「いつ?いついくの?」と訊ねる。「7月の第一週の日曜日」「カレンダーにかいてもいい?」電話台の下の引き出しを開けながら訊ねると、ちぐさが「マリンとでもシーとでもオーシャンとでも」という。なにそれ?と顔をしかめると「英語の、海っぽい単 [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #16
  • 《1999年6月》ちぐさはまどかとおなじ居酒屋でアルバイトをはじめて、家に帰る時間がめっぽう遅くなった。「ちぐさ、舟の話が聞きたい」たまに早く帰ってくる日しかあづみと話ができないので、1999年7月を目前に舟や水没する世界の話は語られることなく弟の心の中に堆積する。「ちょっと待ってろ、あづみ。風呂入ってくるから」リビングでちぐさを待っている間にあづみの意識は浮遊をはじめ、そのままソファで眠ってしま [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #15
  • あづみは、おとなになるのがこわかった。中学生や高校生になるのも、ましてや『大学』などという得体のしれないところへ通うのも、とてもこわかった。どうして、ずっとこのままでいさせてくれないんだろう。どうして、なにも足りないものはないのに、それ以上を求めるように成長してしまうんだろう。ときどき、自分がとてもいびつな生きものになった気がすることがある。心を伴なわず手足だけがのびていく、ぶきみで滑稽な怪物。で [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #14
  • 新汰はあづみの数少ない友人のひとりで、4年生のときもおなじクラスだった。「いっきもかずも、クラスがおなじだよ」新汰が嬉しそうに言った。野坂樹と駒田数。あづみの友達は新汰を含め、この3人。5年生が2クラスしかないことを鑑みても、あづみにとっては「ついている」クラス替えだった。「よかったねぇ」あづみがわらうと新汰は「お前、他人事みたいに言うなよ。また遊ぼうな」とあづみの頭をぐしゃぐしゃ触った。そして、 [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #13
  • 「ちぐさ、始業式が終わったら、まどかちゃんに会いにいこう?」「いーけどさ、お前、なんで俺の彼女にそんな会いたがるわけ」「まどかちゃんも舟に乗るから」はいはい、と呟いたちぐさに「後でまどかに連絡しとくから、お前は学校だ」とぼんぼん背中を叩かれた。まどかちゃんには、舟のことは秘密にしておく。世界を沈める雨が降りだした日、はじめてちぐさが彼女に舟をみせる。……というのが、ちぐさの予定だ。学校の図書館で『 [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #12
  • 《1999年4月》「あーちゃん、また大きくなったわね」新学期に2週間ぶりに制服を着ると(あづみの小学校は制服で通うことになっている)、母親が呆れたように嬉しそうに言った。もう入学式を終えたちぐさは家にいて、シラバス片手に授業の組み合わせを考えている。あづみからしたら、きらいな算数を抹殺できそうな作業は魅力的だったけれど、優柔不断なちぐさは憂鬱そうで、ときおり「あづみー、この講義と、この講義、どっち [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #11
  • 「どこにいても、どこに行っても、僕は僕だから大丈夫だよね」あづみは噛みしめるように言う。ちぐさが驚いたような声で言った。「お前さ、こどもこどもしてると思うと、ときどきびっくりするほど賢いな」「僕は、かしこいよ」「……そうだなぁ」「ちぐさみたいに、おおきくなったらこわいものはないの?」黙ったまま、兄は弟の髪をふわふわとかき混ぜた。この会話を思い出すたびに、あづみは思う。こわいものも、不安なことも、全 [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #10
  • たとえばな、とちぐさがいう。「あづみが、歳をとってボートの上で死ぬだろ。そしたら、なにかほかのものになるんだ。海鳥がじいさんあづみを食ったら、あづみは海鳥の一部になれるし……そうだな、じいさんあづみが海に落ちたら、あづみは魚の仲間入りだ」あづみは想像する。海鳥のなかにいる自分、水の中を泳ぎ渡る自分。「僕が終わっても、僕は続くの?」「そうだよ。それが永遠ってこと」世界は終わるだけではないのだ、とあづ [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #9
  • あづみはちぐさの横顔に話しかけた。「やっぱり、7月で世界が終わったら、大学にもっと行きたかったなーって、思う?」「なんでだよ。俺、まだ一日も大学に行ってないのに」「僕、夏休みがはじまらないのが悲しい」ちぐさは一瞬黙り込んで、爆笑した。「あづみ、学校も水の底だ。今年の7月以降、お前の勉強は俺が見る」「え?じゃあ、ずうっと夏休み?」「そうそう」「……ずうっと、ってどこまでつづくの?」あづみは心底ふしぎ [続きを読む]
  • いつか、ひかりへ辿り着く #8
  • 「いいかー、ここがキッチンだ。で、ここがリビング」「ふつうの家と変わらない」あづみの指摘にちぐさは「甘いなー」と弟の額を人差し指で突いた。「デッキを見ろよ。操舵室がちゃんとあるだろ」「そうだしつ?」「船の操縦をする部屋」ちぐさの指はとんとん、と紙の表面を叩いた。軽く、あづみは首をかしげた。「だれが操縦するの?」訊ねると兄はわらって、答える。「昼はお前で、夜は俺」「ちぐさは暗ーい夜だから、大変だね」 [続きを読む]
  • おんがくのはなし:【Photograph】
  • さいきん、たいへんにすきな曲です。Ed Sheeranの『Photograph』。「愛を写真に閉じ込めたんだ 僕らのため記憶を永遠にしてみたんだよ」「閉じない眼と 壊れない心と 凍ったように止まってずっと動かない風景」「ぼろぼろのジーンズのポケットに僕をいれて持ち運んでよ もうひとりにさせない」うわーーーーん……。砂凪のあほな翻訳でも泣ける(わたしがね!)メロディが秀逸。聞くたびに泣いてしまいます。PVの愛らしいこと [続きを読む]
  • 【SS】:はちじゅうはち
  • ☆きょうは高居さんと豊世くんは臨時休業です。ごめんなさい!【はちじゅうはち】学校の帰りに、駅前の書店に足を運んだ。文芸、新書と棚をすり抜けて『天文・宇宙』という案内札の下にたどりつく。とても人口密度の低いエリアだ。書籍のタイトルをざっと目でなぞり、気になったものを一冊二冊と吟味していく。天体写真の大判の本を小脇にレジにむかう。時間帯もあってか、すこし混みあっていた。「ご自宅用ですか?」店員に曖昧に [続きを読む]
  • photograph of memories/ALBUM
  • たからものはたくさんあるよみせてあげようか背表紙ももうはがれそうなアルバムひらいて生まれた日の空の青はじめて歩いたときの両親の笑顔うそをつくことを覚えた頭大事なものより大事なものを握った手たからものはたくさんあるよもうすこしみせてあげるねだいじょうぶ 心配しなくていいんだよどれだけわけてもなくならないから出会ったときの雨の音はじめて触れた手のひらの温度優しいうそで守られた日自分より守りたいものに出 [続きを読む]
  • 【SS】:白い虹と夜に零れるもの(*)
  • ☆★高居さん豊世くんのつづきです。よろしければよっつ前から遡ってお読みください。お手数をおかけします〜…★☆【しろい虹と夜に零れるもの】金曜夜、テーブルの上で振動した携帯の画面をみなくても、なぜかその着信が高居さんからだとわかった。『こんばんは、豊世くん』おかえりなさい、と返した声が自然であることを心底願った。高速道路での約束から3週間が過ぎていて、僕はむしろあれは願望がみせた記憶なのではないかと [続きを読む]
  • お話、ときどき日常【19】:あわや腱鞘炎…
  • あわや。腱鞘炎になるところでした。けっしてパソコンのせい、ではなく。……むしろ高居さん豊世くんが苦手領域に突入しそうなので「どうしよう」とおもっています。ごめんなさい!(=ぼかします!)になったら、ごめんなさい。ところで。要因はというと。あたらしいピアノ譜をですね、手に入れまして。弾き語りの。練習していたら、あっという間に3時間たっていました……。ストレス発散になるので弾き語りはすきなのですが、時 [続きを読む]
  • 【SS】:ドライブともみじとはじめてのキス
  • ☆★高居さんと豊世くんの続きです!みっつ前くらいのSSからの続きもの。よろしければ遡ってみてくださいませ★☆【ドライブともみじとはじめてのキス】空はすきっと晴れわたっていた。秋のはじめ、晴天がつづいている。洗濯ものが乾きさわり心地がいいように、僕の心もあたたかい。というのも、高居さんが運転する青いヴィッツの助手席にちょこなんと納まっているからで、ひさしぶりにふたりで出かけることが気持ちをあたためてく [続きを読む]
  • 【SS】:もんじゃ焼きと鍵と告白
  • さきにこちら、次にこちらを読んでいただけるとうれしいです。つづきものです。【もんじゃ焼きと鍵と告白】「ところで豊世くん」高居さんが切り出した。会社帰りに待ち合わせていた。並んで歩きながら、このまま別々の路線の私鉄に乗って帰るんだろうな、と僕は考えていた。「もんじゃ焼きをたべたくないかい?」うーん、と僕は喉の奥で曖昧な音を出した。「もんじゃって、したことないんです。あれって焼けるひとが行かないと惨劇 [続きを読む]
  • 【SS】:映画と傘と繋いだ手
  • さきにこちらをどうぞ。【映画と傘と繋いだ手】夏の終わり、夕方のシネコンを出ると音を立てて雨がふっていた。地面をななめに打つ豪雨は白くけぶり、僕の足元をすこし濡らした。「けっこう降ってるな」高居さんはかばんから折り畳み傘を取り出すと、僕に「はい」と差し出した。自然と受け取るかたちになる。傘はひらくのがためらわれるほど畳み目がそろっていた。傘をひらいて雨を受ける。ふと目をあげると、高居さんはすでにシネ [続きを読む]
  • 【SS】:きっと最後の恋だけど
  • 高居さんから牡蠣鍋に誘われたのは、ちょうどオフィスをあとに私鉄の駅にむかおうとしていたときだった。『豊世くん、鍋をしませんか』暑いのに鍋、真夏に鍋。高居さんの正気をちょっと疑いながら『いいですね』と返信、その後『いまからそちらにむかっていいですか』とつづけた。高居さんの家でときどきごはんを食べるようになって数か月が経つ。元来きぱきぱとものを話す高居さんが、僕の帰りしな、いつも何か言いたげであること [続きを読む]
  • 【SS】:MUSEUM
  • 県立博物館で開催されている古生代展のチケットを、同僚からもらった。ことを、実秋が思いだしたのは約束も予定もない日曜日の昼下がりだった。時間だけはたっぷりある。考えたくないことばかりが去来する脳をもてあましていたので、アパート最寄りのバス停まで歩いた。強い日差しがくっきりと地面に影を落とす。ゆらゆら陽炎のなかにあるそれは、まるで『死』そのもののようだ。生きることと死ぬこと。表裏一体の裏側に、予兆も理 [続きを読む]