danyromero さん プロフィール

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danyromeroさん: danyromero's diary
ハンドル名danyromero さん
ブログタイトルdanyromero's diary
ブログURLhttp://blog.hatena.ne.jp/danyromero/
サイト紹介文今年に入って読んだ小説のレビューやお酒のウンチクもアップしています。
自由文浅田次郎さん、高野和明さん、池井戸潤さんの小説が現時点でのお気に入りです。
今野敏さん、横山秀夫さん、東野圭吾さんなど、まだまだ読んでみたい作家さんの小説がたくさんあります。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供26回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2014/09/09 22:39

danyromero さんのブログ記事

  • カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
  • 本書の見せ場とクライマックスは、ヤミ金組織から大金を痛快に巻き上げる点にあるものとばかり思っていたところ、全くの見当違いでした。残り数十頁に入ってから、テツさんが一世一代を掛けたアルバトロス作戦の真相が開示されていく様は本当に圧巻であり、えっ?えーっ!!といった感じでした。"詐欺"と"マジック"の違いを認識した瞬間、してやられた感を覚える一方で、見事なまでに騙されたことに対する心地よさを覚えます。まさ [続きを読む]
  • 月と蟹 (文春文庫)
  • 本書は、慎一と春也と鳴海の3人のこども達の世界を描いた物語です。読みながら、私自身の小学生の頃の友人達(後に親友)と過ごした日々の記憶が呼び覚まされました。当時、はっきり認識できていなかったものの、いま思えばこの時期に、心の痛みや切なさ、歯痒さや絶望、はたまた、思いやりや友情といったものを感じ、学んでいたということを認識しました。本書では、多感な時期のこどもだからこそ感じる特有の危うさや一途さ、そ [続きを読む]
  • 壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)
  • 十数年ぶりの再読です。今回は息子の嘉一朗が本当に不憫に感じてなりませんでした。貫一郎が犯した脱藩の罪をおのが罪として生き、その罪を償う事だけを考え続け、義のため戦場へと馳せ参じます。しかし、嘉一朗が今まさに果てんとする瞬間の回想シーンで戦場に向かった真の理由が明らかになります。戦場にいるのは何の理屈でもない、大好きだった貫一郎をひとりぼっちで三途の川を渡すわけには行かない、ともに渡りたい、それが本 [続きを読む]
  • 壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)
  • 過酷すぎる時代に高い志と覚悟を持ち続ける吉村父子の生き様は、生半可な覚悟しか持ち合わせていない私の心に深々と突き刺さります。大義とは人の道であり、間違いだらけの世の中に向かって、いつもきっかりと正眼に構え、その構えだけが正しいと信じていた吉村貫一郎。男たるものの価値とは、ひとえに、その者の内なる勇気と怯懦とにかかっているという表現が心に響きます。人は強大なものや権力に相対したとき、怯懦に傾くもので [続きを読む]
  • 模倣犯〈上〉
  • 本書では殺人犯が浩美と和明の複数犯であるということを早々に開示しますが、そんなことはさほど重要ではなく、そこに至るまでのプロセスをそれぞれの人物の心理描写を克明に描きながら興味深く開示していきます。冒頭で登場した塚田真一は下巻でどんな役割を担うのか、ピースとは一体何者なのか?そして、本名をあえて明かさない意図は何なのか?和明の冤罪は晴れるのか?宮部みゆきさんの作風は真面目で少しひねくれた部分も見せ [続きを読む]
  • 我らが隣人の犯罪 (文春文庫)
  • 宮部みゆきの作品については、これまで『ソロモンの偽証』や『誰か』、『名もなき毒』、『ペテロの葬列』、『火車』等の代表作を中心に読んできました。何れの作品とも内容が重く、救いようがなかったり、後味が悪かったりと、読後しばらくたっても胸に重くのしかかる作品ばかりです。ところが、デビュー作である本書は、前述の作品とは趣が明らかに異なっており、作風は軽く、収録作のほとんどが前向きで読後感がよいものばかりで [続きを読む]
  • 火車 (新潮文庫)
  • 喬子の生き様は強烈です。事は父親の借金苦に端を発し、恐怖の取り立てに遭い、夜逃げによる一家離散。その後、両親は誘拐され、その心労が祟って母親は早くに亡くなり、さらに父親は廃人同様となります。それでも取り立ては終わらず、喬子にこの状況を逃れる手立てはありません。そんな喬子だからこそ、誰よりも平穏を得たかっただろうし、誰よりも幸せを得たかったであろうと思います。これまで誰にも吐露できなかった話、ひとり [続きを読む]
  • 魔術はささやく (新潮文庫)
  • 本物語では様々な人物の苦しみが表現されています。公金を横領した父親の蒸発により心に深い傷を負った守。守の父親をひき殺しながら生涯隠ぺいし続ける決意をした吉武浩一。とりわけ、この二人の苦悩は計り知れません。菅野洋子の交通事故死というプロセスを経て真実を知ってしまった守。老人の計らいにより、裁きの権限が守に与えられます。しかし、守は吉武を捌くまでは至りませんでした。顕在意識では許せずとも、潜在意識の中 [続きを読む]
  • スナーク狩り (光文社文庫プレミアム)
  • 妻子を殺められた織口が殺害者の真の姿を暴き、裁きを下さんと銃口を向けたとき「撃て」「殺れ」と強く念じている私がいました。状況説明も兼ねた範子の心理描写が迫りくるような臨場感に溢れており、そのため、こうした心境になったわけです。また、今まさに銃を打ち放とうとしたその刹那、「おじさん!」と少年の声が掛かったシーンには心底驚かされました。前段で声を発せない少年、織口に助けられた少年、確かに登場していまし [続きを読む]
  • 幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII
  • アドラーを理解するための根幹は「愛」であり、アドラーの語る愛ほど厳しく勇気を試される課題はありません。本当の愛を知ったとき、「わたし」だった人生の主語は「わたしたち」に変わると言います。愛とはふたりで成し遂げる課題であり、自己中心性から脱却したときに「わたし」からの自立を果たせます。「愛とは決断である。」確かに現在の私の家庭があるのは、愛する決意と決断と約束との賜物であり、そのことを実感することが [続きを読む]
  • プラチナデータ (幻冬舎文庫)
  • 本書で興味を惹かれたのは、事件の真相に至る経緯等ではなく、DNAプロファイリングであり、現実社会でどこまで利用可能になっているのかといった部分です。プロファイリング結果により、身体的特徴が明確に分かるものなのか。容貌に関して再現できるというが如何ほどのものなのか。確かに人間の身体的特徴はDNAによって決まるのでしょうが、それを割り出すには膨大なDNAのデータベースが必要と思われ、現段階では難しいのではない [続きを読む]
  • じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)
  • "わたしというものは、他者の他者としてはじめて確認されるものだ"ということが本著者が最も主張したいことだったのだろうか。確かに"他者にとって意味のある他者たりえているか"を考えてみると、自分が思っている自己価値や自己評価並びに存在感に対して、他人が私の存在を知らなかったり、気にかけてさえいなかったりすると、酷く傷ついたことがあったことを思い出す。この点において、他者のなかに位置を占めていない不安という [続きを読む]
  • 片想い (文春文庫)
  • 本書は性同一性障害やジェンダー、半陰陽といったある種タブー視されている部分にスポットがあてられ、そこに生きる者達の苦悩を片思いという言葉で見事に表現した物語です。性同一性障害者に限らず、人は瞬間的に気持ちが男よりになったり、女よりになったりということが往々にしてあり、この問題がまるっきりの他人事ではないということに気付かされます。社会に目を向けてみれば、例えば、同性結婚問題などがあります。同性結婚 [続きを読む]
  • 2日で人生が変わる「箱」の法則
  • 前作で気に掛かったのは、相手が箱の中に居続ける場合の平和な心の維持の仕方です。今作では、澄んだ平和な心を取り戻し、かつ、それを維持し続ける手法として、最もよい影響を与えてくれている人達のことなどを意識して考えることの重要性などが説かれています。確かに平和な心を維持するために有効な考え方だと思います。得てして人は99の良いことより、1つの悪いことに心を奪われがちです。そうならないためにも、相手の適切 [続きを読む]
  • 自分の小さな「箱」から脱出する方法
  • 人は自分の感情に背いたときから自分への裏切りが始まり箱の中に入ってしまいます。すると、正当化してくれる根拠になりそうな物の価値を過大に評価し箱の中に留まります。まさしく、私も同様の問題を抱えています。この問題は対人関係において発生します。箱の外に出るには、相手も自分と同じ希望 やニーズ、心配、恐れがあることを切に感じ取ることが重要です。しかし、相手が箱の中にいると、この気持ちを持ち続けるのは難しい [続きを読む]
  • 鳥人計画 (角川文庫)
  • 本書における真犯人がまさかの楡井の彼女であった点には驚きました。しかしながら、序盤の彼女の心理描写を踏まえて犯人だと特定することはできず、若干、無理があると感じました。振り返ってみて、伏線と思しきものが幾つか提起されてはいますが分かりにくかったです。ただし、峰岸に手紙を書いた人物は一体誰なのか、また、警察への密告者は同一人物なのか、さらに、峰岸が楡井に殺意を抱いた動機は何だったのか等を考え込ませる [続きを読む]
  • 魔球 (講談社文庫)
  • 刺殺事件における「魔球」という謎のメッセージや、謎解きの真相に斬りこんでいく刑事の描写などを見るにつけ、次第に強烈に惹き込まれていく自分がいました。須田武志の生き様は強烈です。母親になんとしても恩を返すという信念、恩を返す手段として野球に全てを賭ける姿は執念を感じます。私は、真の男とは如何に我慢がきくかということを常々思っているため、須田武志の生き様に共感します。罪の是非は別として、命を賭けて守ろ [続きを読む]
  • 禁断の魔術―ガリレオ〈8〉
  • 本書は4話が収録された短編集です。野球好きな私にとって、戦力外通告を受けたかつてのエースにスポットをあてた『曲球る』は興味深い作品でした。全盛期と現在のフォームとの違いを化学的に分析し、狂いが生じていた感覚をもとに戻す手法には、なるほどと思わせるものがありました。しかし、幾らフォームを正しても、そこに本人の情熱が戻らなければ、真の復活とはなりません。その情熱を復活させるため、湯川が奔走し、真の復活 [続きを読む]
  • 虚像の道化師 ガリレオ 7
  • 本書における『幻惑す』と『心聴る』は、心霊的な力が働いているかのように見せかける巧妙なトリックが仕組まれ、これまでのガリレオシリーズには無かった新たな仕掛けとなっていました。また、『偽装う』と『演技る』は、殺人を犯していない第三者が手を加えるという想定外の手法がとられており、これまた、これまでのガリレオシリーズには無い仕掛けであり、興味深い部分でした。本シリーズは物理学的なトリックを考えるだけでも [続きを読む]
  • アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)
  • アドラー3作目となる本書で学んだのは「相手の適切な行動に注目する」ことです。人間の悩みの大半は『対人関係である』と言われています。他人との関わりを避けることはできず、相手が自分の思惑通りにならないと嫌な部分だけがクローズアップされがちです。こうなると、互いの関係は悪化し、共同関係は築けません。それよりも、相手の適切な行動に目を向けてみると、意外にも不適切なことよりも、適切に対応してくれていることの [続きを読む]
  • ガリレオの苦悩 (文春文庫)
  • 本書において、最も興味深かった作品は『操縦る』でした。全ては奈美恵の幸せを確保するために、幸正自らが不実を働く息子を殺めて、財産を譲るための障害を取り除きます。同時に介護生活からも解放させ、さらには、罪をより重くするために情状酌量を望まず、刑務所で死することまで決意します。何とも救われようのない悲しい結末だけが残るところでした。しかし、幸正の真の苦悩を暴き、湯川が語った言葉(自分達を信用しろ。責任 [続きを読む]
  • 真夏の方程式 (文春文庫)
  • 殺害の一端として利用された事実を知ってしまった恭平少年。それも、身内の人間に利用されてのことです。恭平少年の心には、生涯、誰にも言えず、癒されることの無い深い傷が刻まれることになると思いました。ところが、湯川の次の一言によって、この救いようのない状況に光明を与えてくれました。「私は君と一緒に同じ問題を抱え、悩み続けよう。忘れないで欲しい。君はひとりぼっちじゃない」と。シリーズが進むごとに人間臭さ、 [続きを読む]