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<100円からのCD批評>〜中古CDを漁り歩いて幾年月/好きなジャズ、ラテン音楽の批評

ウッドストック世代の音楽体験が強烈に残っているオヤジ。 青春期にサンタナ大ファンとなってから、ラテンを愛好し、同時にジャズ喫茶でのコルトレーン洗礼も受け、ラテンとジャズが愛好のフィールド。 この格安CD探しという行動は、ケチケチ性質と音楽愛好の趣味と実益を兼ねた行動。これは、既に30年以上培ってきた習い性です。 「金も出さずに、口は出す」がコンセプトでした。言いたい放題ご容赦あれ!!

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2014/09/29

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  • ソウルフィーリングの在り方とポップなメロディ

    TheTemptations[MyGirl/18OriginalHotHits](Cedar/1994)ドイツ盤100円星3つ半~ソウルクラシックを集めたベストアルバムシリーズの一枚。Temptations(以下テンプスと記す)は、モータウンの黄金期を支えた大看板で、数多く出したビッグヒットは今でもソウルのスタンダードとして輝いているので、ベスト盤といってもどの時代かによって編纂の仕方が大いに違うのだが、本作はエディ・ケンドリックスが在籍していた初期から中期にかけてのモータウン最盛期のもの。タイトル「マイガール」は、誰もが知っているポップスエバーグリーンになっているが、リードはエディーの売り物ファルセット中心に組み立ててない、シンプルなメロディだからより一般ポップスファンにも人気を博したように思える。テンプのバ...ソウルフィーリングの在り方とポップなメロディ

  • 「どこかホッコリと心が和む女性シンガーの歌声」の巻

    PamHall[BetYouKnow](24x7Record/1997)日本盤110円星3つ半~『ラバーズロック』というカテゴリー(呼び名)は記憶しているヒトは、今時どの位居るのだろうか?その主役は、ジャマイカの女性シンガーを基本として、スカ&レゲエ基調のリズムでR&B.ソウルのメロー感覚を上手に取り入れたサウンドが、1990年代に注目され、当方には遅れて2000年前後にサンドラ・クロスらの作品でようやく認知されたので、少し時代遅れであったが、なかなかソウル的グルーブ感とメローなサウンドが心地よいものとなって、かなり聴いていた時期があった。パム・ホールは、サンドラ・クロスらよりも若手で二番手的なヒトだろうが、悪くないテイストのソウル感とスカとレゲエの伝承性があって、聴きやすく楽しいアルバムである。それというのも...「どこかホッコリと心が和む女性シンガーの歌声」の巻

  • 名前も良く知らず試しに買うてみたのだった…の巻

    RonBlake[SonicTonic](MacAvenue/2005)2枚組アメリカ盤100円星3つ~ミシェル・ンデゲオチェロのプロデュースによる作品という点で興味をもって購入。ファンク&ブラックネスの尖がったサウンドかと思って聴いたら、意外と正攻法なスタイルでプレイするマルチリードプレイヤーである。自作で少し先鋭的な楽曲に取り組むかと思えば、一方でM.ルグランの作品やメロディアスなナンバーもやりたがる。その魂胆は何なんだろうか?アルバム構成において、統一感・一貫性もなく、悪く言えば、少し分裂気味ではないか。2枚目のCDは、ボーナストラックとしてDJリミックスやライブバージョンの作品を5曲収録したもの。こちらは、尖がったリズムのリミックスが多く、もう1つのCD本盤よりも若い世代へのアピール、ラップ&ストリート...名前も良く知らず試しに買うてみたのだった…の巻

  • イタリアとおフランスのジャズ空気の違いを感じませう

    ClaudeBolling[PlaystheOriginalPianoGreats](Universal/1972)再発:2001フランス盤100円星3つ~ジャズジャインツレーベルのシリーズもの:JazzInParisの一枚で、ピアニスト/クロード・ボーリングのソロアルバムである。ボーリングといえば、70年代にはジャズオーケストラを組織していたと記憶するが、あまりジャズの表舞台で脚光を浴びて活躍したという記憶は当方にはない人。本作は、ピアノソロで有名なジャズスタンダードをプレイしたもので、タッチは明るきキビキビしたタッチでスイングするのだが、ピアノプレイにあって彼自身のいわゆるキラーフレーズやら個性が押し出てくることはなく、言い方は悪いが古い感性のスイングジャズそのものにしかなって居ない。1972年の録音だが、...イタリアとおフランスのジャズ空気の違いを感じませう

  • 改めて聞き直すディランの凄さ今昔

    BobDylan[AnotherSideofBobDylan](Sony/1964)再発:1993日本盤100円星4つ~本作は、彼の第4作目にあたるもので、日本において原盤リリース後(1964年以降暫くの期間)には一切発売されず、60年代後期から70年代初頭にディランのロックムーブメント時期に初リリースされたいわくつきのアルバムだ。当時、ディランの歌詞が片桐ユズルによって若き世代の関心を集め、本盤の歌詞カードに訳出された歌詞の難解さにアレコレ聞き手がどのように解釈を加えるのかが、音楽ファンにとってもっとも重要な時代でもあった。あれから幾年月:数十年、久方ぶりの再会は、感慨深く我が心に響くディラン節である。ガラガラ声の無愛想さは、今よりの刺と鋭い内省的なニュアンスを帯び、ギター1本とハーモニカのシンプルだからこそ...改めて聞き直すディランの凄さ今昔

  • ジャズ雑感~真摯な態度で制作された作品

    RichieBeirach[SomeOtherTime/ATributetoChetBaker](Triloka/1990)アメリカ盤110円星3つ半~一見ブートレッグ系バッタもの、またはジャズオムニバスアルバムかと思えて、スルーしそうになる非常にセンス悪く、チープ感漂うアルバムデザイン全般と正体不明のインディ系ジャズレーベルなので、ホンマに損をしている作品だ。また、アルバムの参加ミュージシャンは著名なジャズマンばかりなのだが、その表記方法もおざなり感ばかりでいただけない。一見客は見過ごすのは勿体ない良い内容のアルバムになっている。ピアノのバイラークが主役で、脇を固めるA級ジャズマン(ブレッカー兄弟、J.ムラーツのベース、ジョン・スコフィールドら)となって、主にバイラークのオリジナルをプレイする。バイラークは、...ジャズ雑感~真摯な態度で制作された作品

  • 天才ロックギタリストの残した未発表ものを含むリイッシューを聴く

    TheJimiHendrixExperience[BBCSessions](MCA/1998)イギリス盤110円星3つ半~イギリス・BBC放送に残された録音をまとめた2枚組のアルバムで、ジミヘン初期から中期にかけての勢い溢れる演奏と彼らの肉声までも収められている往時のジミヘンの革新的なプレイの萌芽やロック的なサウンドを超える試み、さらに珍しくラジオ局のジングルまでプレイしている超貴重な録音もある面白さだ。アレクシス・コーナーのラジオDJによって紹介される1枚目には、正規レコードにはレコーディングされていない楽曲、プレスリーやディランのカバーなど聞き所満載であり、メンバー紹介のコメントは結構今となっては面白い観点のものばかりで、当時の認識や一般リスナーの程度も推し量れるもの。今となっては、少々お笑いものだが、ロッ...天才ロックギタリストの残した未発表ものを含むリイッシューを聴く

  • ラテン系ジャズの風景~2020早春

    PaquitoD’Rivera[Tico!Tico!](CheskyRecord/1989)アメリカ盤100円星3つ半~パキートが中南米の歌謡をラテンジャズに仕立て直し、気楽に楽しく聞ける作品である。このチェスキーレコードというレーベルは、LAにあるラテン系ジャズ&フュージョン音楽を専門にする所だが、場合によってあまり音楽センスにおいてB,C級のプロデュースをするきらいのあるコンセプトが玉にキズ。アナ・カランなど何度か裏切られた記憶もあり、期待しないでいたらソコソコ聞ける出来栄えになって居る。普段は、アルトサックスを主体にプレイするパキートだが、本作はクラリネットを主として用い、ラテンの名曲やクラシック(レオ・ブリューア作品)もプレイするのに、やはりアルトサックスより効果的な音作りにしている。旧友のトランぺッタ...ラテン系ジャズの風景~2020早春

  • ちょいと違った味わいのジャズもたまには良い

    WaltWeiskopfNonet[Siren](CrissCross/1999)アメリカ盤100円星3つ半~本作は、クリスクロスからの第2作リーダーアルバムだそうです。今時珍しい九重奏団ジャズ。今の時代(といっても1999年だが…)でかかるバンド構成をするというので、こちら聞き手は構えてしまったが、拍子抜けするほど真面目かつ普通のジャズアンサンブルが提供される。普通もっと前衛的なジャズアプローチかなと思うが、主役たる人(テナーマン)はブリブリ自己主張のサックスを聞かせるという姿勢はほとんどなく、アンサンブル重視で進めていく。以前、M.ブレッカーが10数人編成のバンドで吹き込んだサルバム(「WideAngel」)をレビューしたことがあったが、そのチャレンジングで緊張感もあるジャズアンサンブルと比すとまったく大人...ちょいと違った味わいのジャズもたまには良い

  • イタリア風ジャズマンの心地よいプレイを楽しむ

    QuartettoDiLucca[Quartetto](RCA-Italia/1962)再発:2006EU盤100円星3つ半~~イタリアのジャズ四重奏団で1960年代に活躍したらしいが、一般のジャズファンにおいて知名度はほとんどなく、今日的に再評価されそうな音楽ではある。いわゆる欧州ジャズの脈絡で考えると今日に至る骨太の芯が通っている様子がかいま見える。また、ピアノとバイブが入っている当時人気絶頂だったMJQの影響が見受けられる。ジャズスタンダードと若干前衛的なアプローチを意識的に融合し、MJQのような室内楽の整い方、行儀良さは排除して、よりスマートで端正なジャズ表情を見せる。イタリアンなテイストも少し残るが、戦後イタリアンジャズの実力を見せつけるものとなっている。1962年当時のオリジナルイッシューに新たな未...イタリア風ジャズマンの心地よいプレイを楽しむ

  • 名前をよく知らないジャズマン奮闘の雑記

    PeterWeniger[KeyOfTheMoment](MonsRecord/1993)ドイツ盤100円星3つ半~若手サックス奏者のゴリゴリハードのプレイが詰まっているが、70年代のジャズが蘇るような雰囲気が通底しているサウンドは、昔からのジャズリスナーにはノスタルジックにも響くが、今ではかなり新鮮に映るのかも知れません。その大きな原因は、ピアノレスで構成されたスタイルであることとギターのJ.アーバークロンビーの独特のプレイが大きく影響している。反対に、アーバークロンビーの自作といっても良いほど主役を喰っている有様なので、このサックス奏者の立ち位置が時折ぼやける始末なので、その辺りのジャズアルバムとしての“こなれの悪さ”が気になる。ジャズの名曲は、マイルスの「Nardis」と「DoYourThings」なる他...名前をよく知らないジャズマン奮闘の雑記

  • ソウル&ファンク系のフュージョンサウンド2題

    GeraldVeasley[SoulControl](HeadsUp/1997)アメリカ盤100円星3つ~色んなスタープレイヤーのアルバムにてベーシストとしてクレジットされている事から、名前をよく知ってはいたが、特段スゴイ刮目するアーティストではないおヒト。本作で、そんな彼の“本音”を伺ってみたが、結局のところ真面目なベーシストらしい性格(的確にバンド&主役ミュージックのサポート役に徹する)という無難な評価に落ち着くのである。それというのも、G.ワシントン.JRやフィリップ・ベイリーらの客演があっても、主格としての立ち位置ではなく、客演ゲストの方がスポットライトを浴びてしまうような作風にどれもがなっている。ご本人は、やさしきメロディを上手く歌う部分があっても、やはり横に居るアーティストたちにお株を奪われ、ツマの...ソウル&ファンク系のフュージョンサウンド2題

  • 自分のルーツミュージックとJazzマインドの兼ね合いや如何に?

    LeonParker[Belief](Columbia/1996)アメリカ盤100円星3つ半~パーカッション奏者であるレオン・パーカーがアフロ系ルーツミュージックとジャズの融合に向かって作った作品ではないだろうか。この作品では、普通のドラムスのプレイは極力控えて、カリンバやアフリカンパーカッション、スチールドラムやブラジリアンパーカッション(ビリンバオ、アフォシェなど)でシンプルなリズムを基礎とし、メロディラインも極力分かりやすいシンプルさを追求する。リズムパターンは、テクニックを駆使せず、淡々とリズムキープに励み、テナーやトラッペット、ピアノといったメロディラインを提示するプレイヤーにもシンプルなサウンドを要求しており、本作での彼の信条は派手な音でなく、ひとつの大きな音の流れを作る出すことに終始する。アフリカ...自分のルーツミュージックとJazzマインドの兼ね合いや如何に?

  • 若き時代にテナーマンが見せる伝統へのリスペクト

    ToughYoungTenors(VariousArtists)[AloneTogether](Antilles/1991)アメリカ盤100円星4つ~当時若手だったジェームス・カーターら5人のテナーマンに、マーカス・ロバーツのピアノトリオが共演するテナーマン集合作品。以前から、プレスコンファレンスだのスーパーテナーなどのテナー奏者共演という企画アルバムも少なからず存在したが、本作は正にその路線を踏襲するテナーブロー合戦が楽しめる。90年初頭に売り出し中だったテナーマン5人中、知っているのがカーター位しかいないが、いずれも実力ある新鋭だった様子。収録作品が、ほぼ全曲スタンダードジャズでエリントン、モンク、B.スタレイホーンに、マッコイ・タイナーやH.モブレイの作品もあって楽曲の安定度において文句なしのマテリアル揃...若き時代にテナーマンが見せる伝統へのリスペクト

  • おしゃべりなジャズと沈黙系ジャズの面白き違い

    ChicCorea[TheVigil](Streck-ConcordJazz/2013)アメリカ盤100円星3つ~チックの新しいバンドといおうか、ニュープロジェクトが本作に提示される。自身を騎士に見立て、先頭に立って勇ましく進んでいくイメージをジャケットイラストに込めると同時に、『ヴィジル』なる造語によってチックとその仲間が目指すサウンドワールドを推し進めたいとする。ジャケ解説によると『…自由なる表現のカタチとしての音楽…時空の外にある精神性…過去から伝承する偉大で伝説的なジャズマン{エリントン、モンク、テータム、マイルスやコルトレーン}たちへのオマージュ…新しいスタイル、新技術、新鮮な即興演奏のカタチ…云々』こそがヴィジルのコンセプトだそうな…?!このヒトは、昔から新興宗教にはまりR.ハバードなる疑似科学者の...おしゃべりなジャズと沈黙系ジャズの面白き違い

  • アメリカン・シンガーソングライター2大スターの軌跡

    JamesTaylor[TheBestofJamesTaylor](Warner/2003)ドイツ盤50円星4つ~今や禿げ上がった頭でイメージしてしまうジェームス・テイラーが、その若かりし日に録音したヒット作品の中からセレクトしたお得ベスト盤。しかし、そのリリースが2003年という少し時代を置いたタイミングで為されたという事は、おそらく70年代に青春ど真ん中の世代がオジンになって懐メロで聴く事が大きなターゲットになったろうと想像できる。黄金の70年代ロック&ポップスの香りにも満ちたベスト盤であり、意外と古びていないと感じるのは贔屓の引き倒しかな?アップル時代に失敗したファーストアルバムから、ワーナー移籍後に大ヒット曲を出し始めるころのナイーブな感性により一躍同世代の共感を得ると共に、「Fire&Rain」「Yo...アメリカン・シンガーソングライター2大スターの軌跡

  • 未開封100円で非常におもろいラテンサウンド見~つけ‼‼

    VariousArtists[CasaDeLaTrova](Detour/1999)フランス盤100円星3つ半~キューバの民衆音楽、吟遊詩歌とよばれるトローバ。かの国では、歌謡酒場という場所もトローバの活躍する拠点という事で、カサデ・トローバと言うようだ。このアルバムは、昔からトローバを酒場で歌う事を糧にしていたベテランのローカルシンガーたちにスポットを当てて紹介している。レーベルが、フランスのエラート系の世界音楽を紹介するシリーズで、添加物無しの市井の音楽風景が良く分かる構成だ。アーティストという存在ではなく、隣のオジサン、叔母さんシンガーたちがフォークソングや伝承音楽を滋味たっぷりに披露してくれる。懐かしき哀愁のある旋律、技巧を駆使することではない誰もが口ずさめる知られたメロディ(有名な国民的作曲家のもの)...未開封100円で非常におもろいラテンサウンド見~つけ‼‼

  • キューバとプエンテ系のラテンジャズ2態

    ChuchoValdes[SoloPiano](Bluenote/1993)アメリカ盤100円星3つ~ブルーノートのキューバジャズシリーズの1枚が、元イラケレのリーダーとしても有名なピアニスト:チューチョ・バルデスのソロピアノもの。全10曲中ラスト2曲を除いてピアノソロを披露し、残りがトリオ+ラテンパーカッションのコンボによる演奏という仕掛けだ。正直、ソロピアノなるタイトルだから全編それを押し通すのが筋とも言えるが、実はそれはやはり難しかったというのが分かってしまうのが残念なコンセプトという不思議な作品になってしまった。彼のソロプレイは、少しイモ匂い雰囲気がどこか漂うことが一番の原因とも思え、オリジナル作品の多くにラテンピアノなのかジャズなのかその辺りの振り切りが中途半端な姿が透けて見える。オリジナル作品でビル...キューバとプエンテ系のラテンジャズ2態

  • ちょいと癖のあるラテンの味わいを楽しむ

    RyCooder,ManuelGalban[MamboSinuendo](Nonesuch/2002)アメリカ盤100円星3つ半~いかにもライ・クーダーらしいラテンと異国情緒のミックスされたロックの作品である。キューバンミュージックの装いを纏った有名な「DrumeNegrita」(このスペリングは、スペイン語としては本当じゃない)からスタートするが、何かテックスミックス風になったり、ハワイアンっぽいスチールまがいのスライドギターも不思議なテイストである。ジム・ケルトナーのドラミングにからむパーカッションは、レイドバックしたおとぼけのサウンドを演出するし、女性ボーカルも三流の風情が漂い場末の味わいがしてくる可笑しさ。共演するマヌエル・ガルバンというヒトは良く知られていないが、ブエナビスタクラブのギタリストとしてレ...ちょいと癖のあるラテンの味わいを楽しむ

  • ジャズフュージョンのオーケストラサウンド今昔

    JacoPastrios[WordofMouth](Warner/1981)再発ものアメリカ盤100円星4つ半~ジャコの名盤である。WR卒業後、一番充実していた時代のクリエイティブで刺激に富んだ彼自身の演奏とアイデアが一杯詰まった作品であり、40年を経た今日でも十二分にパワフルであり、創造的なサウンドである。多数の優れたアーティストを集め、自身のコンセプトをもったアレンジと聞かせ所があるのが、やはり非凡なのである。また、このアルバムリリース後暫くしてから、このバンドの来日公演があったのも記憶に残っているが、やはり本作の再演がなされ非常に感動した思いでもあり、今でも蘇るジャコの貴重なプレイは、ウェザー来日公演よりも素晴らしかったように記憶している。ともあれ、40年を経た今日でも、凡庸なジャズ&フュージョンを蹴散ら...ジャズフュージョンのオーケストラサウンド今昔

  • 2021新春のジャズ聴き始め~その2

    KennyDorham[Matador/IntaSomethin’](Bluenote/1961&1962)再発1991アメリカ盤110円星4つ~本盤は、ブルーノートの復刻というスタイルではあるが、実態はユナイテッドアーティスト盤『Matador』とパシフィックジャズ盤『IntaSomethin’』をカップリングしたいわゆる“2LPin1CD”というお得盤アルバムである。面子は、メインのドーハムとアルトサックスにJ.マクリーンの二管が炸裂し、アルバム『マタドール』『インタ・サムシング』の2枚が違和感なくドーハムの活動の軌跡を今日に伝えるもの。.なかなか趣味のよいトランぺッターとしてのドーハムは、この時代様々な実験的なプレイにも手を伸ばしている雰囲気が伺えるのが『Matador』である。南米楽旅にて受けたかの地の...2021新春のジャズ聴き始め~その2

  • 2021新春のジャズ聴き始め~その1

    G.M.Project[Blacker](SweetBasil/1997)日本盤100円星4つ~日本企画による売れっ子アーティストによるプロジェクトがこのグループG.M.Project。サイラス・チェスナット、ケニー・ギャレット、チャールス&チャーネット・モフェット親子といった実力者が面子で、彼らにオーセンティックなジャズと若干フュージョン系テイストのあるグルーブ感を出すプレイをやらせたいという試みである。普段は、アコースティックなピアノ主体のチェスナットがシンセサイザーも駆使したサウンドを生み出し、ギャレットのサックスが縦横無尽に歌い、親子のリズムセクションがズンズンとグルーブ感を盛り上げて支える、そんなジャズサウンドがここに展開される。従前は、90年初頭から流行った新伝承派的なジャズ作りに熱心であったジャズ...2021新春のジャズ聴き始め~その1

  • まずは新年の御挨拶/

    謹賀新年2021~今年1年が良き年として記憶に刻まれることになる事、それが一番でしょう!今年もよろしくお願いします。まずは新年の御挨拶/

  • 「2020年を振り返る師走の格安CDエクスプローラー」

    ~今年の1年を振り返る大晦日となったが、今年はコロナの災厄が世界中を覆いまくり、世界全ての人々を不安・絶望と混沌といった状況を生み出した事は、改めて言うまでもない事だった。御多聞にもれず、我が弱小ブログ『格安CDエクスプローラー』でも、今までになかった位街中の中古CD漁りにも影響を与えた。春先の非常事態宣言によって、外出がほぼ出来なくなり、買い物などもっての外、CDレコード店も閉鎖されたり、小規模店舗の閉店さえ起った。暇つぶしにぶらつきながら物色した中古CD探しもまったく出来ない事態は半年も続いた。その結果、今年のCD収集は極端に少ないこととなり、レビュー記事のネタ探しも結構苦労したのです。中古CDの流通も従前に比して、相当低調だったことが大きかったように思えます。が、夏過ぎ位から少しずつ状況も変わりつつあり、...「2020年を振り返る師走の格安CDエクスプローラー」

  • アメリカンなジャズではない、異国の風と趣きに溢れるジャズ風景

    LorenzoTucciQuartet[SweetRevelation](Philology/2000)イタリア盤100円星3つ半~イタリアの若手ドラマーによるソロデビュー盤。勢いのありバイタルなプレイでイタリアンジャズの実力とセンスの良さを見せつける作品である。デビューという事で、若干{俺が‼俺が!…}的な部分も随所にみられるものの、全体のアンサンブルを上手く機能させ、プレイヤーのアドリブに沿った手堅いリズムキープをしっかりと見せる点は評価できる。このカルテットの売りは、やはりテナーのダニエリ・スカナピエコである。小生、少し前に彼のリーダーアルバム『Lifetime』を手に入れてからは、このテナーマンの良さに惹かれているが、本作は正に彼のプレイが注目される出来栄え。ショーター作品を2つ取り上げているが、それに...アメリカンなジャズではない、異国の風と趣きに溢れるジャズ風景

  • 渋く、あまり媚びたくないジャズ玄人たちのアルバムでした…

    Sphere[FlightPath](ElectraMusician/1983)再発ものアメリカ盤100円星3つ半~セロニアス・モンクの精神を受け継ぎ、その音楽性をベースに新しい感覚でのジャズ風景を求めて、いぶし銀のような渋く玄人好みのジャズを追求していくというコンセプトで80年代に活動したグループだったが、今やこのバンドを記憶に留めているヒトはどのくらいいるのだろうか?ケニーバロンのピアノを中核としてトリオプラス1ホーンの変則バンドで、当時スタート間もないエレクトラミュージシャンからリリースされたグループ第2作。当方自身このアルバムを中古屋で見つける事があったから、そういえばこうした活動がされていたと思いだしたが、ほとんどジャズの愛好家でも覚えている御仁は相当少数だろう。そんな先入観で接してみたが、思ったより...渋く、あまり媚びたくないジャズ玄人たちのアルバムでした…

  • 迫る年の瀬にもう一度ジャズの王道をじっくり噛み締めるの巻

    LesterYoung&TeddyWilsonQuartet[PressandTeddy](Verve/1956)再発ものアメリカ盤100円星5つ~レスター・ヤングの落ち着きのある朗々たるテナーサウンドが、心に落ち着くジャズ的快楽のアルバムであろう。レスターの朗々たるテナーをうまくサポートしつつ、T,ウイルソンはスインギーなピアノタッチを軽快に聴かせる。ジョー・ジョーンズのドラムスも貫禄を見せる安定ぶりで、小細工なし強い自己主張もなく、酸いも甘いもすべて飲み込んだかのようなこれがジャズの王道とばかり、よく知られた馴染みのメロディをてらいなくプレイする4人である。2人共に晩年の姿だが、小賢しいジャズだの難しい顔をしてシタリげにジャズを聴いてしまう自分がふとジャズの本質と言おうか、原点をもう一度見直したり出来るエバ...迫る年の瀬にもう一度ジャズの王道をじっくり噛み締めるの巻

  • 期待しなくてのお試し買いであっても、それなりのご機嫌感はあったかも?

    BostonHorns[BringOnTheFunk](P-Vine/2004)日本盤110円星3つ~白人のノリであってもタワー・オブ・パワー(TOP)のホーンセクションと言えば、ファンキーかつグルーブもあるので定評だが、このボストンホーンズもそのキャリアは前身バンドから含めて、TOPに匹敵する位長いらしい。しかし、今一つ我ら日本人リスナーには届いてこない。テクやアンサンブルにおいては、悪くないのだろうが、どこかノリが薄い感じと粘っこいまとわりつくようなファンクネスがどうも足りないような気がした。白人らしいといえばそうなのだろうが、もう少し粗雑でもクセがあるようなホーンテイストにしないと今ひとつ伝わるものに欠けるのではないか。オリジナル楽曲に魅力が足りないのとファンクネスを計算して作っていくのがどこか垣間見える...期待しなくてのお試し買いであっても、それなりのご機嫌感はあったかも?

  • スムースジャズとは一線を画すジャズフューズのカッコ良さ

    MarcusMiller[TheSunDon’tLie](PRA/1995)日本盤110円星3つ半~マーカスがマイルスらとの活動を大きな栄養素として飛躍した事を総括するような、マイルス没後間もなくリリースした力演のCDアルバムだ。邦題は、収録ナンバーの「TheKingIsGone」として付けられているが、マーカスが大いに影響されたジャコ・パストリアスを巡るナンバーも数曲収められている事もあり、マーカスの活動中期総決算アルバムとも位置づけが出来るだろう。マイルスを始めとした超豪華な参加メンバーも顔見世興行ではなく、必然的にセレクトされたという作品構成である。初期バンドメンバーに加え、セッションやゲスト参加のアーティストも大勢駆け付け、1曲毎にゲストの見せ場も設けている。彼のライブで、今でもプレイされる作品も少なか...スムースジャズとは一線を画すジャズフューズのカッコ良さ

  • ジャズベテランとニューカマーのスタイルあれこれを聴くの巻

    McCoyTyner[PreludeAndSonata](Keystone/1995)日本盤110円星4つ~本盤は、日本企画による作品はあるが、従来のマッコイのスタイルとは大きく違う。少しパワーを抑制し、おとなしめなピアノタッチと耳馴染みに良いスタンダードや映画音楽のカバー「ひまわりのテーマ」など、何時ものM.タイナーとは一味も二味も違うマイルドでセンスのよいジャズ盤になっている。また、メンバーもJ.レッドマン、C.マクブライド.A,ハート、M.スミティ・スミスという若手の気鋭アーティストが結集し、先達へのリスペクトと同時に大御所と競い合い、緊張感のあるセッションを繰り広げるレコーディングがなされている。それであっても、コルトレーンの精神を受け継いできたマッコイにとっても、新しい刺激を受けながらどこか余裕に満ち...ジャズベテランとニューカマーのスタイルあれこれを聴くの巻

  • ジャズのライブ風景:2020冬

    JamesCarter[LiveatBaker’sKeyboardLounge](Warner/2004)アメリカ盤100円星3つ半~アップテンポのピアノからスタートするオスカー・ペティフォードの作品で、ストレート・アヘッドなジャズでソプラノサックスを吹くジェームス・カーターは、従来のスタジオ録音ものより生き生きとしているように思える。本作は、ジャズバーでのライブ録音にて、メンバーもジョニー・グリフィンの客演もあったり、他のホーン3管やオルガン、サンプリングのボーカルなど多様する事で、非常にファンキーかつグルーブ感の溢れたプレイがあり、カーターの従来作と比して小難しい理屈抜きで楽しめる作品だ。但し、どの楽曲も10分前後の長尺プレイでダラケルことなくすごくノリノリの力演なのではあるが、時としてカーターのプレイがフ...ジャズのライブ風景:2020冬

  • 中堅イタリアンジャズの張り切り具合

    DanieleScannapieco[Lifetime](PicantoRecord/200?)イタリア盤100円星4つ~イタリアのテナー奏者である。初めて聴くのだが、相当イカしたセンスのサックスを吹くし、腕前も相当あるヒトだ。1曲目のドライブの効いたハードバップ系ナンバーを聴いたら、もうノックアウトもののカッコ良さだ。Bluenoteでもアルバムをリリースしているステファノ・ディ・バチスタが数曲参加しているのも魅力ではあるが、それ以上に本グループ(ホーンが2または3、ピアノ、ベース、ドラムスの構成)は60年代のBluenoteレーベルに流れていたジャズの爽快感や疾走感、バビッシュな楽しい躍動が見事に継承されると同時に欧州ジャズにありがちな緩さを排し、ジャズスピリットに準じるタフネスさ、さらに抒情やヨーロッパ系...中堅イタリアンジャズの張り切り具合

  • サルサの原型と都市型変化形ラテン

    CeliaCruz[LoMejordeCeliaCruzconLaSonoraMatanceraVol.1](BombaRecord/1990)日本盤100円星3つ半~サルサ界のゴッドマザー的存在で、半世紀以上活躍したセリア・クルスが若き日に、キューバおよび亡命後にソノーラ・マタンセーラと共に録音した数々のアルバムからセレクトされたベスト盤の1集目CD。シンプルなキューバン・ミュージックが多く、土着的かつ民俗音楽の要素が大いにあって、まだサルサと称される前のマンボやソン、チャチャチャのティピカルなリズムにのせて、若きセリアの歌声とソノーラ・マタンセーラの安定したサウンドは、まっことラテン音楽の粋である。歌のうまさはさすがであり、年取ってからのセリアしか知らない方において、非常に刺激的なものだと思える。その一方、...サルサの原型と都市型変化形ラテン

  • ブラジル音楽の隠れた話題作2題

    TaniaMaria[OlhaQuemChega](EMI/1973)再発:2005イギリス盤100円星3つ半~タニアがフランスのバークレーレーベルに見いだされ、欧州にて人気を得るキッカケとなった1stアルバムだ。そもそもブラジルのローカルシンガーだった彼女が、ブラジルオデオンにてリリースした作品をフランスの音楽関係者間にて評価し、よりグルーヴィータッチの濃いサンバ&ボサスタイルでより多くのリスナーに受け入れられる路線へと変化する原型が刻まれている点でも評価される。若きタニアにとって、従来型のボサノバと自身の持つ歌へのノリは、やはり弾き語りにて十二分に発揮されるのだろうが、本作では自身の力強いピアノはほとんど披露されず、まとまったピアノプレイに終始しているものの、独特の歌いまわしの片鱗はしっかりと存在しているし...ブラジル音楽の隠れた話題作2題

  • ブラジル音楽のモダンソース

    ViniciusCantuaria[Tucuma](Verve/1999)アメリカ盤100円星3つ半~浮遊感、脱力感の漂う不思議な音楽世界が持ち味のV.カントアリア。彼の活動は、母国ブラジルと同じ位米国でのそれはかなり評価が高い。それというのも、MPBというカテゴリーよりも脱ジャンル志向で、ジャズや現代音楽的なアプローチを見せる事からもラテン愛好家以外のリスナーの関心度も上がっている様に思える。その流れは、本作でも対訳付きライナーからも伺えるし、参加のミュージシャンにローリン・アンダーソンやB.フリゼールといったモダンなセンスを持ちあわせるジャズ系、アート・リンゼイやナナ・バスコンセロスというMPBの新たなムーブメントをサポートしてきた人たちが係る形である。ブラジルのシンガーソングライターは、メロディが分かりや...ブラジル音楽のモダンソース

  • マイルスの格安CDまとめ買いの成果あり……

    ◎何だかマイルスのCDが大量放出されており、昔LP時代に購入またはジャズ喫茶で呆れる程聴いたはずのアルバムがあって、何十年も待ったこのタイミング?以前は、大いに心動かされもすべて集めていなかった。予算と兼ね合わせて考えなきゃならない辛さ(貧乏人の宿命)から歯抜け状態のマイルスコレクションに、100円CDが加わる事で、ミッシングリンクは少しずつ埋まりつつあるという感じか?ともあれ、マイルスの旧名盤雑記です。MilesDavis[DigfeaturingSonnyRollins](Prestige/1991)再発:1996日本盤100円星4つ半~マイルスとロリンズの顔合わせが楽しめる如何にもジャズらしいジャズで、マイルスの若きトランぺッターは自分の存在感をハードバップの流れを受け継ぐ一方で、少し毛色の違う味わいのジ...マイルスの格安CDまとめ買いの成果あり……

  • 若手ジャズボーカルとベテランアーティストのパフォーマンス

    JoseJames[TheDreamer](BrowmSwordRecord/2007)日本盤100円星3つ半~ソウル、ブラコンの影響を受けつつジャズマインドを持ったボーカリストのデビュー作。話題になったヒトなので、どんなジャズテイストかと期待したが、世の評価は過大だと思った。その理由は、オリジナル作品の作りこみ方で、自筆解説によると自作に影響を与えた作品としての引用が、W.ショーターやコルトレーンだったり、マービン・ゲイの作風に基づいたりしている。その中身は意欲も大いに感じられるが、頭デッカチな作り方やメロディラインであったりと、素直な形で聴けないのが困る点。A.ブレーキーで有名な「Moanin’」やジャズの定番「Body&Soul」のカバーでは、ある部分純粋なジャズフィーリングは感じられるが、その他のナンバ...若手ジャズボーカルとベテランアーティストのパフォーマンス

  • ホットでどこかクールなサックス奏者の姿態~2人

    HankCrawford[MoreSoul](Atlantic/1960)再発:2015日本盤100円星3つ半~クロフォードのソロデビュー作品。レイ・チャールスのバンドで、リーダーシップを取っていた期待の新人だったヒトのまずは本音が聞こえてくる1枚だ。タイトルの『より魂を込めた』感情の発露は、R&Bともジャズとも云えるフュージョンスタイルの先駆けではないかと思える程である。ジャズテイストとソウル感満載のジャズスタンダード「AngelEyes」1曲だけでも本作のカッコ良さ、神髄がわかる出来栄え!もう1曲「Misty」も上手く哭いてくれるのだった。1曲を除いてピアノレス(ピアノはクロフォード自身のプレイ)のホーンアンサンブルは、R.チャールスのバンドで鍛え上げたアレンジ力と相まって自信に満ちた当時の流行最先端を走っ...ホットでどこかクールなサックス奏者の姿態~2人

  • 同じLeeさんでも相当温度差が違うジャズなのだ~

    LeeMorgan[Candy](Bluenote/1957)再発:1997日本盤100円星3つ半~モーガンの特別な名作ではないが、まとまった侮りがたいソロ・デビュー作である。19歳の若きプレイヤーとして刮目され(後日のマルサリスのサクセスストーリーを想起させる)、華々しい活躍を続けていた彼が、ソニー・クラークトリオと組んで(というか支援を受けて)軽く明るいファンキーな表情を前面に見せた楽しく聞ける作品である。将来の有望な新人が、無我夢中でトランペットという武器を持って、群雄割拠するジャズの時代を駆け抜けようとする気持ちもどこか感じられる、自由で生き生きと躍動し、思い切りの良いトラッペット吹きである証拠が記録されている。収録ナンバーのほとんどが持つシンプルなメロディラインは、まさにモーガンが鼻歌を歌うが如き相性...同じLeeさんでも相当温度差が違うジャズなのだ~

  • あの時代の小気味よいブローを楽しむ

    HankMobley[SoulStation](Bluenote/1963)再発:1999アメリカ盤100円星5つ~ファンキーでソウルフルなサックスが如何に60年代求められていたか、本作を一聴すればまざまざと理解できるブルーノートの王道名盤。ファンキージャズのスターだったブレイキーとW.ケリーとポルチェンのご機嫌コンビを従えて、若きモブレーがまさに会心のプレイを披露するバップジャズの一級品である。思い切りよく、後のファンキーブロー系サウンドにもつながる音色が持つ快感を与えてくれるし、大らかな歌いっぷりの分かりやすさ。それでいて、陳腐にならない明快でソウルフルなプレイは、タイトルの通り、『魂の発着駅』として、後代のサックス奏者のお手本であり、今でも輝く指標たるプレイになっている。いや~、モブレー屈指の名盤でありん...あの時代の小気味よいブローを楽しむ

  • シャープでタイトなフュージョンスタイル2題

    RandyBrecker[34thNLex](ESCRecord/2003)アメリカ盤100円星3つ半~ランディ・ブレッカーのソロアルバムという体だが、実質ブレッカー・ブラザース・バンドのアルバムとも言える内容になっている。マイケル・ブレッカーは全曲に参加し、D.サンボーンにR.キューバーといった旧知のフュージョン界の大スターに、F.ウェズリーのトロンボーンといった面子が楽曲ごとに参集し、何時ものブレッカー家直伝のフュージョン節を展開してくれる。昔のブレッカー兄弟のバンドに比べて、当たり前だが落ち着きと貫禄があるバンド形態になっているので、ただ単にバカテク披露と疾走感だけが優先されるフュージョンジャズになっておらず、楽曲ごとにまとまりと構成の在り方がバラエティにとんだ作りになっている事、参加したプレイヤーのソロ...シャープでタイトなフュージョンスタイル2題

  • フュージョンギタリストのスターTWO TOP

    JohnMcLaughlin[ElectricGuitarist](Sony/1978)再発:1997日本盤100円星4つ半~マクラフリンの70年代までの活動を一旦総括した活動第一ステージ総集編とでも言うべき、記念碑的な作品だ。LP時代愛聴していたので、40数年ぶりに改めて聞いてみても、内容の充実度は、近年の豪華メンバーを集めた集大成アルバム(例えば、1995年の『Promise』)などに比しても、全く色あせない彼のキャリアとジャズ&フュージョンの歴史と優れたジャズミュージックをしっかりと刻印している。魂の朋友カルロス・デバディップ・サンタナやナラーダ・ウォルデンらとのセッション、マイルス時代を共に過ごしたC.コリアやT.ウイリアムらとの再会、その後のフュージョン界を牽引していくサンボーンらとの新たなチャレンジ...フュージョンギタリストのスターTWOTOP

  • <名盤の誉れ高きジャズトリオの旧作品>

    WalterBishop.Jr[SpeakLow](JazzTime/1961)再発:1986日本盤100円星4つ半~ウォルター・デイビスといえば本盤というジャズ界の常識!今更ながらの復刻CDであっても、うれしい出会いである。ホンマ、デジタル音楽配信のお陰でこんな旧盤は価値無しなのかと世の無常を感じつつ、実利を重んじたジャズリスナーの嬉しさ!LP時代には、隠れた名盤という評判から、なかなか手が出せない高値の時期もあったが、今や昔である。まあ、タバコを吸うジャケ写真は、ジャズレコードの十八番スタイルであった時代の印象深いジャケの代表作でもある。さて、冷静に本盤を聴いてみる~ハーブバップ系ピアニストとして、ホーン楽器のサポート役を脱した自身の思い切りに良さを十二分に発散させた結果が如実に表れており、ベースのジミー・...<名盤の誉れ高きジャズトリオの旧作品>

  • ム,ム~…ドルフィーの音が我が心を強く揺さぶる~っ!

    EricDolphy[OutwardBound](Prestige/1960)再発:1997日本盤100円星4つ半~ドルフィーが、ミンガスグループ在籍時に初めて吹き込んだソロアルバム。当時のニュージャズ運動の中にあったミンガスの非凡な才が溢れるチャレンジングな処女作になっている。ジャケットが彼の先進性を表現すべくシュールレアリズムの絵画的雰囲気を持ち、内容を暗示させてくれる点にも着目したい。ミンガスのバンドで、ある意味においてミンガスの指導の元で開花させた攻撃的かつ、実験性に富んだプレイとバップのジャズイディオムを整理・統合させて、自身のプレイに持ち込もうとした様子が伺えるのだ。フリーキーなサックスプレイと安定感のあるバップ的プレイを使い分け、自作では自由に飛び跳ね、「GreenDolphinStreet」のよ...ム,ム~…ドルフィーの音が我が心を強く揺さぶる~っ!

  • 一時代を作り、ジャズ史に輝くアーティストの作品

    ArtBlakey&JazzMessengers[ANightinTunisia](Bluenote/1960)再発:1995日本盤100円星4つ~ジャズメッセンジャーの活動史において、もっとも輝きかつパワーと才気に溢れていた時代を象徴するファンキージャズの定番。ジャズの大衆化に一役買うと共に、ある意味で日本の良識あるジャズ愛好ファンの増大に寄与したともいえる記念すべきアルバムであろう。2管のフロントに売り出し中のL.モーガンと新しいジャズへの才能を大いに秘めていたW.ショーターという将来を嘱望されたメンバーとファンキーなタッチでは期待を裏切らないB.ティモンズ。いつの時代も、若手の起用・育成に定評のあったブレイキーならではの面子で、お馴染みの「チュニジアの夜」のトップナンバーで、ブレイキーのドラムスが大いに炸...一時代を作り、ジャズ史に輝くアーティストの作品

  • ニューヨークとピアノトリオのあれこれ

    HerbieHancock[LiveinNewYork](JazzDoor/1994)アメリカ盤100円星3つ~何やら海賊盤のようなレーベルで、中身もNYにてハンコックがあまり知名度のない若手2人とのトリオ演奏を収めたライブ盤である。残念ながら音質とライブ内容は、B級だと言わざるを得ない出来栄えだ(ほぼブートレッグレーベルだろう!)。収録ナンバーは、ジャズスタンダードと自身の代表作「処女航海」やリバイバルヒットになった「カンタループ・アイランド」など5曲で、いずれも長尺のプレイだ。しかし、迫力はあるプレイだが、やはり観客受けを狙ってか、いずれのパートも大味な所、煽り立てる騒々しいまでのアザトサがハンコックだけでなく、他の2人にも伝播しているきらいがあって、そこは大きなマイナス点。ハンコック自身、既定路線にて活動...ニューヨークとピアノトリオのあれこれ

  • ベテランアーティストに見る歌心とスインギーな安定感

    DavePike&CharlesMcPherson[BlueBird](Timeless/1989)再発:2015日本盤100円星3つ半~バイブラフォーンという楽器はやはり非常にクールなものだと感じさせてくれるアルバムだ。本作の主人公は、バイブラフォーン奏者であるデイブ・パイクとアルト奏者のチャールス・マクファーソンの双頭コンビでの5重奏バンドで、タイトルのバードことC.パーカーの熱演で有名なナンバーばかりをバップと新しい感覚のクールさをもって制作している、なかなかイカした内容だ。1曲目は、熱いバップナンバーでサックスを大きくフューチャーしてスイングしたかと思えば、続くナンバーではクールなタッチのバイブが主役なJ.ガーシュインのナンバーも組み込んだり、チャーリー・パーカーの熱きバップとそれを落ち着かせるクールな...ベテランアーティストに見る歌心とスインギーな安定感

  • 洒落たタッチのピアニスト、それが今の時代のジャズ風景

    FlorianWeberTrio[CrissCross/ExploringthemusicofMonkandBillEvans](Enja/2015)日本盤100円星3つ半~ドイツのピアニストが、如何にも好きそうなレーベル、それはエンヤらしいジャケコンセプトと内容だが、エバンスとモンクを組み合わせるコンセプトが果たして成功したのかと疑問符が残る作品ではある。モンクとエバンスというジャズジャイアンツだが、全く表現レンジが大きく異なるヒトの作品オマージュを1枚の中でやってしまうという考え方自体、どうにも空回りしているのだ。どちらかというと、実験的なジャズマインドにてアーティストの味わいよりも、オリジナルの強烈な楽曲に依拠する場合の多いモンクの作品。このプレイでは、本ピアニストが理屈や楽曲構成で聞かせることになるのだ...洒落たタッチのピアニスト、それが今の時代のジャズ風景

  • 1950年代のジャズと『ポール』さん

    PaulSmith[CoolandSparkling](Capital/1956)再発:1991日本盤100円星4つ~粋でセンスの良いウェストコーストジャズの見本のような1枚であり、ジャケデザインがジャズの楽しさを表しており、ジャケ買いに値するウレシイCD。P.スミスは、40年代に様々なビッグバンドにて修行を積んだピアニストで、戦後は自分のトリオを率いたり、B.グッドマン楽団やスタジオセッションなどを経て、本作のような作品をキャピトルに数枚吹き込んだ後、E.フィッツジェラルドやS.デイビスJrらの歌伴をしたという。本作は、56年にキャピトルで自身のトリオにギターとフルート、アルトサックスの六重奏団として吹き込んだもので、オリジナルとスタンダードが半々の構成である。どのナンバーも軽くて洒脱、当時よく用いられる室内...1950年代のジャズと『ポール』さん

  • <やっぱり好きな女性シンガーのボーカルは心に沁みました>の巻

    CasandraWilson[Thunderbird](EMI/2006)日本盤100円星3つ半~本CDのトップにある「GoToMexico」を聴いた時、『アレ、何じゃ?CD間違って挿入したんじゃないのか…』とCDプレイヤーを見直したワタシ。ジャズのカテゴリーだろうが、ソウルかロックか?そんな「区分」など意味ないものとせせら笑い、軽くジャンルの壁を飛び越えようと何時もチャレンジする姿がスゴイのがこのヒト。従来の路線、ジャズフィールドを無視するかのようなテイストの生(なま)感覚のサウンド放出。そこが凄いのである。本作には、プロデューサーのT.B.バーネットがカサンドラのリクエストによって起用された事情もあり、ロックテイストは大いに強まっていたり、ジャズタッチを極力排除し、カサンドラ自身による音楽世界をエネルギーに...<やっぱり好きな女性シンガーのボーカルは心に沁みました>の巻

  • ピアニストとしての矜持を示す問題作とは?

    TheTrio[Pandora](Verve/2000)アメリカ盤100円星3つ半~小曾根真のピアノトリオのアルバム。客演で2曲のみB.マルサリスが参加している。レギュラーグループによる作品である為、何時も小曾根自身の意気込みと同時に安定したトリオフォーマットを相互に確認しながらのお定まり路線と言えば言えなくもない上手さがある。嫌みではないのだが、このヒトはデビュー時から上手く若くしてアメリカデビューしあまり苦労した風情を見せないジャズエリートらしく、前向きで明るきメッセージ感がピアノから立ち上がるのが特徴だ。本作では、いつもの気の合ったメンバーとの手慣れたプレイにて安定感十分で悪くない。反対に、ピアノの表現領域を知ってしまったための悩みというか、試行錯誤を常にしている印象を受けてしまうのも事実。クラシックの世...ピアニストとしての矜持を示す問題作とは?

  • 2大ギタリスト今昔物語~年を経て成熟する姿

    ※ロック2大ギタリストとして我々の青春時代に、大いに胸躍らせ興奮しながら聞き入ったギタープレイも、アーティストとリスナーの間に共に流れる時間の経過に応じて、音楽の持つ意味合いも変わって来たりする。ベックとクラプトンといえば、ヤードバーズ時代から共に比較され続け、リリースアルバムの評価もあれこれ分かれるものであった。共にオジンになった今、彼らの新旧アルバムへの関わり方もリスナー、マインドの変化によって、違う輝きを持っている。そんな存在ともなった記念碑的な味わいのCDの感想アレコレ……。JeffBeck[BlowbyBlow](Epic/1975)再発:2001日本盤100円星5つ~リリースされた当初、全くボーカル抜きのオールインストナンバーのLPだったので、面食らったリスナーも多かった。当方もその一員で、ジェフベ...2大ギタリスト今昔物語~年を経て成熟する姿

  • Prestige時代の初期コルトレーン作品の良さを感じた2枚

    JohnColtrane[Coltrane](Prestige/1957)再発:1991日本盤100円星4つ~コルトレーンのソロデビュー盤の復刻CD。今更ながらLP時代に聞いた感慨とは全く違う感覚で聴けたのが、長年のジャズ修行?の副産物として楽しかった。それは、真面目過ぎるコルトレーンの少々肩に力の入ったような丁寧すぎるサウンド作りとバラードナンバーでの美しいが、どことなく弱く聞こえるのは共演者とのコンビネーションが今一つ練れていない事に起因しているように思えるのだ。後年のインパルスにてのバラードものと比べると、確かに素直で「コートにすみれを」は今でも美しいバラードプレイであることに間違いはないのだが、彼らしい肉声といえるかは若干疑問符が残る。美しいバラードではあるが、今一つ物足りないのだが、それはアルバム全体...Prestige時代の初期コルトレーン作品の良さを感じた2枚

  • 『Voque』なるフランスジャズレーベルで復刻CDを聴くの巻

    MaryLouWilliams[TheLondonSessions](Vogue/1953)再発:1997フランス盤100円星3つ半~フランスのVogueというジャズレーベルは、1937年に創立のスイングからモダンジャズの創成期になかなかオツな品揃えで、欧州では名門とも言われるレーベルらしい。今回調べてみたら、D.ジョーダン、モンク、アル・ヘイグといったアーティストたちの初期アルバム(10インチ盤)を残しており、そういえばそういったジャケ写真と共に昔は幻の名盤などとジャズ雑誌にアレコレ取り上げられた記憶がある。本作は、アメリカの女性ピアニスト:メリー・ルー・ウィリアムの作品で、洒落たピアノが楽しめる作品である。あまりこの女性の名前や評価は、広く知られておらず、当方にとってもほぼ<初物>のアーティストだ。我が国で...『Voque』なるフランスジャズレーベルで復刻CDを聴くの巻

  • なかなか涼しくならないのなら、熱く語ろう~ロック&ソウル雑感

    AmyWinehouse[Frank](Island/2003)アメリカ盤100円星4つ半~本作が彼女のデビューアルバムらしいが、当方は一番最近購入しそれを知った次第。彼女の魅力に既にハマっていたが、またまた再確認したこのヒトの凄さやカッコよさ。処女作において、既に大成した風格と天性の歌い方で聴くヒトを魅了するマジックを持つ。それは、このヒトの全てがこのアルバムには詰まっているといっても過言でないこと。内容は、ジャズテイストあり、ソウルとR&B系、さらにはヒップホップ系のリズム感と歌い方まで幅広く披露する実力者という有様を見せ、楽曲は皆すごくカッコよく、小気味いい!不思議なのが、ナンバーのコンティニュィティ(~連続性または、歌の組み込み方)。1曲の中で違った雰囲気に変わり、それでいて破綻しない上手い作りこみ方。...なかなか涼しくならないのなら、熱く語ろう~ロック&ソウル雑感

  • 早く秋の訪れを期待しつつ……ジャズコンピレーションやらフランスジャズのエスプリを聴くの巻

    VariousArtists[BedtimeBeats/TheSecrettoSleep](Rhino/2008)2枚組日本盤100円星3つ半~何だかバッタ風、イラストやらタイトル・デザインがどうにも安易な企画で日本制作かと思ったら、アメリカのしかるべき研究者の監修の元に企画・編纂(変わった企画好きなレーベル/Rhino)されたリラックスジャズ&アンビエントミュージックとなっている。それと2枚組の選曲感性が、ちょいと変わっているというかジャズの通、粋なリスナーに向けたセレクト感があって、それも悪くない。1枚目は、B.メルドーが3曲、B.エバンス2曲、C.チェスナット2曲とピアニストは玄人好みかと思えば、エリントンやらミルト・ジャクソン、コルトレーンと分裂気味。しかし、いずれもスローテンポのバラード系。2枚目は、...早く秋の訪れを期待しつつ……ジャズコンピレーションやらフランスジャズのエスプリを聴くの巻

  • [憂う歌]と書いて<ブルース>と読ませる意味

    憂歌団[GoodTime’sRolling’](ForLife/1990)日本盤100円星3つ~どういう訳か、小生今まで憂歌団のCDを意識して漁った事はなかったが、偶然めぐり逢って半分気まぐれ購入した。日本式ブルースは“浪花ソウル”というべきか、関西で味わい深くオリジナリティのある歌い手、グルーブが70年代頃から多数輩出されているが、その中でも極めつけのジャパニーズバンドであり、とりわけ秀逸なライブパフォーマンスの方が良いと思っていたので、CDまで手を出さなかったのだと改めて感じる内容である。ロックンロールのノリがあって、分かりやすく聞ける分、少し物足りなさを感じる。アコースティックなギターワークが売りのバンドだが、ロックビートとエレクトロニクスサウンドも組み込まれたスタイルが明確に表れた作品で、マニア好みの観...[憂う歌]と書いて<ブルース>と読ませる意味

  • センスの良いジャズ風景2題

    MarianMcPartland&ElvisCostello[PianoJazz](Concord-JazzAtlantic/2005)アメリカ盤100円星3つ~イギリス出身で女流ピアニストとして、活躍したベテランアーティストが同郷のエルビス・コステロを自身のラジオ番組に招いた際の会話とセッションがまとめられている若干変則気味のアルバムだ。それというのも、二人の会話があってその後にコステロのボーカルとマクパーランドのピアノ共演で、コステロの好きなジャズナンバーをプレイするという趣向で、演奏~会話~演奏~会話…というつながりで、今一つ散漫な構成なので、2人のプレイに集中したいが出来ず仕舞いで押し切られる。ただし、2人のプレイ内容はバラード集となっていて、なかなか粋でイカしているのと、コステロの音楽家としての姿勢や...センスの良いジャズ風景2題

  • おフランスのエスプリとアメリカの古きフォームを感じるのザマ~す?!

    VaroiusArtists[SaudosismdoSaravah/Montmartrelanuitdemonamor](Saravah/2012)日本盤110円星3つ~サラバというレーベルは、60年代にそもそもピエール・バルーが始めたもので、長年にわたって独自の音楽スタイルを貫いて来たものだ。おフランスらしさが横溢する好きな人にはたまらない、スタイリッシュさがあるのが定評。少々へそ曲がりの小生にとっては、『男と女』の“シャバダバダ~、ダバダ~だ”の1パターンボサが長期にわたって売り物だったという感想が率直な所だが、時代が変われば正に評価や受け手の感性も変わっていき、今日的な意味合いから悪くないコンピレーションアルバムにはなっている。フランスで、バルーやゲンズブールらが当時の尖がった若手音楽家にとって、B.パウ...おフランスのエスプリとアメリカの古きフォームを感じるのザマ~す?!

  • ベテランアーティストの余裕を感じるジャズ世界

    J.J.Johnson[Vivian](Concord/1992)アメリカ盤100円星3つ半~亡き妻ヴィヴィアンに捧げたとするタイトルから、アルバム全体に漂う鎮魂と思慕の気持ちがいずれの楽曲(ほとんどスタンダードナンバー)で愛唱されやすい歌曲揃いなので、ワンホーンというスタイルで朗々とジョンソンがプレイしている。いずれのプレイも、彼の愛妻への想いに裏打ちされた情緒があって、どことなくホンワカしたムードもありつつ、知られたメロディの歌い方に彼の真摯な気持ちが映し出される。サポートメンバーは、中堅&実力者揃いでリズムセクションは、R.リードとタナ・アキラの名コンビであり、ピアノが売り出し中だったロブ・スナイダーにギターのテッド・ダンバーで手堅くまとまったコンビネーションである。ジョンソンの長いキャリアにおいて、他の...ベテランアーティストの余裕を感じるジャズ世界

  • パリとジャズの親しい関係を示すジャズ

    AlainGoraguer[Go-goGoraguer](Universal-Emercy/2001)フランス盤100円星3つ~パリのジャズ風景を映す『シリーズもの:JazzinParis』の1枚。フランスのJazzGitantesプロダクションの企画であるこのシリーズは、相当数リリースされているのだが、やはりパリは戦後の一時期ジャズのメッカ足り得たことを示す作品群であり、いずれも興味深いアーティストたちの録音が多い。本作の主人公/アラン・ゴラゲールは、フランスのピアニストらしく、活動期は50年代から60年代にかけてが最も活躍したらしい。バルネ・ウイランなどとフランスジャズ界の牽引役をしてきたらしいが、やはり洒落たフランスのエスプリというものと洗練され、ケレンミの無い爽やかなスタイルでプレイしている。タイトルの...パリとジャズの親しい関係を示すジャズ

  • FusionJazz風景~今昔の巻

    JoeFarrell[PennyArcade](WoundedBirdRecord/1973)再発:2011アメリカ盤100円星3つ~クロスオーバーだの、フュージョンと大ぴらに広く言われる前のCTIジャズの復刻盤。もうレーベルが変わってこのCDではSONYグループのWoundedBirdRecordなるレーベルでの扱いだ。ジョー・ファレルは、C.コリアらとの共演では結構存在感を示していた人だが、ソロアルバムとなるとあまり良い作品を残していない。CTIでそれなりのアルバムを残したが、まあまあ印象に残るのは1,2枚。本盤は、果たしていかなるものか?と…ある部分参加ミュージシャンのメンバー(H,ハンコック、S.ガッド、ジョー・ベック、D.アライアスら)に期待してみたものの、見事に大外れの出来栄えだとしか評価出来ない。...FusionJazz風景~今昔の巻

  • 暑さに負けず聴く、暑苦しくもAuthenticなジャズ風景

    JoeHenderson[PageOne](Bluenote/1963)再発:1999アメリカ盤100円星4つ半~ジョー・ヘンダーソンの代表作といっても良いだろう。60年代初頭に吹き荒れたブラジリアンブリーズの真っ只中で、ジャズの名曲「RecordaMe」と「BlueBossa」を生み出したというジャズエバーグリーンとなったのだが、それは、結集したお歴々のサポートが十二分に功を奏した結果だろう。ケニー・ドーハム、P.ラロッカ、B.ウォレン、そして若きマッコイ・タイナーの力演も見事にマッチして、不愛想ともいえるテナーも味わいよく仕上げられたように思える。不思議な有機的巡りあわせだったのではないか。本作のヒットによってテナー奏者として評価され、そのブローについても貫禄もあり、そこそこの存在感を示したが、この『ページ...暑さに負けず聴く、暑苦しくもAuthenticなジャズ風景

  • 世界に起こる新たなジャズのムーブメントの波

    MetropolitanJazzAffair[BirdofSpring](Infracom/2007)日本盤100円星3つ~フランスのミュージシャンがドイツの新興レーベルからリリースのセカンドアルバムだという。ジャズ的なニューソウルボーカルにジャズサンバ的な音作りがなされる趣向である。収録ナンバーは、すべてメンバーによる自作であること、どこか聞いたような旋律とサウンド傾向(スムーズなソウル&ボサノリの単調な基本路線)にニューソウル風コーラスが続く。ボーカルが弱いのが弱点(あまり魅力的ではないボイスとテク)だが、まあイタリア、フランスあたりに人気のありそうなソフィスティケートさをもった軽いノリが売りであろう。特別アーティストたち自身は、妙なカテゴライズを嫌い、ポップであろうと今風ジャズであろうと意味はないというこ...世界に起こる新たなジャズのムーブメントの波

  • ジャズアレンジこそ意味ある仕事だと示し切るアーティストの姿勢

    GillEvans[Vengali](Atlantic-Rhino/1973)再発:1998日本盤100円星4つ~実験的でありつつ、十二分にジャズのノリを持ちつつ、70年代のロック的な雰囲気を持ち合わせた才人:ギル・エバンスならではの70年代オーケストラジャズの姿やライブ感を映し出す1枚。彼は、80年代のマンディナイトオーケストラに至るまで、大編成ジャズバンドの意味を追求し続けてきたが、この時代の一番熱いジャズを体現し、話題になった。それというのも、D.サンボーンはじめソロパーツの演者は、いずれも技巧だけではない情感とエネルギーに満ちたプレイを展開していて、リーダーの期待にたがわない中身の濃いアンサンブルとなっている。エバンスのアレンジは、相当練りこまれたものだった様子だが、ソリストたちに求めたものは臨機応変に...ジャズアレンジこそ意味ある仕事だと示し切るアーティストの姿勢

  • B級ジャズっう雰囲気を見事に裏切ってくれる爽快なアルバム2題

    HowardRoberts[Jaunty-Jolly](Capital/1967)再発:2011日本盤100円星3つ半~LAのスタジオミュージシャンもしていたギタリスト:H.ロバーツは、一時期ウェストコーストジャズでクールな雰囲気のプレイで相当引っ張りだこで録音を残したが、ロック全盛期にはスタジオミュージシャンとして活動をしていたようだ。そんな中でも、地道に活動を続け、ポップスにも力を入れていたキャピトルでソロアルバムをシコシコと制作していた、そんな時代の1枚。60年代のポップスヒットをジャズテイストでまとめた洗練されたポップなジャズである。面白いもので、その昔こうした音楽スタイルはジャズ世界では軽んじられていたが、今日的には、非常にスマートかつ生活環境のBGMとして復活しているジャンルの音世界となっており、そ...B級ジャズっう雰囲気を見事に裏切ってくれる爽快なアルバム2題

  • いや~ホンマに泥臭いでんな~、このヒトのテナーは…‼?の巻

    GatoBarbieri[Millennium](BMG/1971)再発:2002アメリカ盤100円星3つ~その昔、ガトーがインパルスレーベルから出した『チャプターシリーズ』は、口悪いジャズ愛好家からは、ラテンジャズのちょっとゲテもの路線とされ、ラテン好きだった当方も当初趣味悪いジャズ音楽とは思ったが、次第にフュージョン的要素も加えて、ポピュラリティーを得るようになったが、本盤はそのハザマであれこれやりたい事を模索している時期のライブ録音だ。ラテン音楽の知られた歌曲、作曲家のナンバーをジャズ&ロックテイスト満載にてプレイする有様は、ガトーの十八番なのだが、ライブ録音という事も手伝って、非常に雑駁な味わいのプレイが多いのがちょいと頂けない。サポートメンバーは、B.パーディのドラムに、C.レイニーのベースとロニー・...いや~ホンマに泥臭いでんな~、このヒトのテナーは…‼?の巻

  • ピアノトリオのアルバム:あれこれ雑記 Vol.2

    JackyTerrason[Smile](Bluenote/2002)アメリカ盤100円星3つ半~美しいメロディラインを持つ楽曲をセレクトし、2パターンのトリオ編成でプレイを展開している本盤。チャップリンの「Smile」やらS.ワンダーの「Isn’tSheLovely」からジャズの名曲「枯葉」「Nardis」「MyFunnyValentine」…etc耳に馴染んだスタンダード曲ばかりの定食メニューなのだが、あざとらしさが意外となく、中々爽やかでありつつ、抒情性に富んだプレイを提示している。リズムセクションは、2組の構成でネームバリューはあまりないようだが、トリオそれぞれ聞かせ所を心得た地味だが上手いサポートを行い、ピアニストを気持ちよく乗せるのに成功している。近年多いピアノトリオの良く有り勝ちなテクニックを見せ...ピアノトリオのアルバム:あれこれ雑記Vol.2

  • ピアノトリオのアルバム:あれこれ雑記 Vol.1

    HerbieHancock[HerbieHancockTrioinConcert](JazzHour/2005)ポルトガル盤100円星2つ半~1984年にスイス・ルガーノで行われたジャズフェスティバルでのハンコックトリオのライブ録音。レーベルが<JazzHour>という廉価&旧録音復活専門の会社だから、まあどんなものかと勘ぐりながら買ってみたが、やはりマイナーレーベルの胡散臭さがたっぷりと詰まっているCDとなっている(時々、ここでのリリース企画で面白いモノもあるのだが、今回はハズレ!?)。まず、録音の質、精度、エンジニアリングの中身等すべてスカレベルで呆れるのだ。100円だったからまだ仕方ないかと思えるのだが、良いモノと期待しての購入、さらに正規料金出して買う価値はないと思えるのだった。さて、コンサートの内容だ...ピアノトリオのアルバム:あれこれ雑記Vol.1

  • 温故知新ジャズ~古臭くならない名盤と興味深いB級ジャズの時代性

    GeorgeWallington[GeorgeWallingtonQuintetattheBohemia](Prestige/1955)再発:1999日本盤100円星4つ半~その昔、かくれた名盤の1枚としてよく知られたカフェ・ボヘミアのジョージ・ウォリントン。マイナージャズレーベルの<Progress>がリリースしたが廃盤化し、<Prestige>が版権を取得しリリースし直して、ようやく多くのジャズファンに届くようになった作品だ。ビーバップの勢いが盛んな時代に、才能ある若手アーティストがウォリントンの元で結集し、思う存分自身のパッションを発揮したプレイが聞き物の1枚となり、今でも色あせない作品である。若き日の才気溢れるジャズアーティスト(J.マクリーン、ドナルド・バード、P.チェンバース、A.テイラー)が発展途...温故知新ジャズ~古臭くならない名盤と興味深いB級ジャズの時代性

  • 荒削りで堂々たるテナーのブローを楽しめる2枚

    JonnyGriffin[TheKerryDancers](Riverside/1962)再発:1997日本盤100円星3つ半~ジョニー・グリフィンは、さほどジャズ界では評価されず、メモリアルとなる大きな作品も記憶に残っていないテナーマンだが、愛称である《リトルジャイアンツ》という呼称は、彼が愛されたジャズマンである良き証ではないか。そんなテナーマンたる者、小粒だがこんなイキが良く、愛されるメロディラインを歌うアルバムを残した事実がここにある。トラッドフォークに発想を得た各ナンバーで、グリフィンらしいブロースタイルを呈示する。豪快だが、メロディを大切にするオールドテイストが彼の持ち味であり、豪快でありつつ優しい響きをモットーにしているスタイルは、先輩テナーマンの系譜を引き継ぐものだろう。参加メンバー:バリー・ハ...荒削りで堂々たるテナーのブローを楽しめる2枚

  • 貫禄と安定したジャズ&フュージョンサウンド

    DavidSanborn[Here&Gone](Decca/2008)日本盤100円星3つ半~サンボーンがDECCAレーベルに移籍し、大物プロデューサーのフィル・ラモーンという今までとは違った覚悟をもって、彼自身のキャリア総括を含めて、<過去から今ここ>に至るルーツミュージックを探る的な想いを込めている様な作品になっている。1曲目の「セントルイス・ブルース」から始まって、ラストの「IGotNewsforYou」までブルース、ソウル、R&Bのカバー曲を中心にして、ロック&ソウル音楽で鍛え上げた“泣きのサックス”で歌い上げる潔さと爽快感が本作の神髄だ。ゲストに、いつものクラプトン他D.トラックス、若手女性シンガー/J.ストーンと大ベテラン/サム・ムーアらとブルース&ソウルを思い切り一杯にプレイしていて、理屈抜きにサ...貫禄と安定したジャズ&フュージョンサウンド

  • 興味深いワールドミュージック2題

    FrancisBebey[Moon’sSmile](Ceddia/1996)フランス盤110円星3つ~フランスに在住し、欧州にて活動するカメルーン出身の作家、作曲家、パフォーマーの作品。エスニックミュージックであるアフリカ大陸各地の音を基礎として、パリ、NY、ベルリンなどの各国主要都市にて様々なパフォーマンスを続けている人らしい。彼の音楽は、ピグミー族の民族伝承音楽やカメルーン土着の音楽をあまり現代風に焼き直さずに、シンプルな形で表現する所に特徴があるようで、歌の内容は人々の生活、信仰、伝統的な祝祭の事柄など極めて単純に歌い上げるのが信条であるという。確かに、サウンド的にはあまり電子楽器や西洋楽器を用いずに、ミニマムな形で再現しており、そういう意味で素朴極まりなく、ある部分退屈なまでの粗野でシンプルな旋律が続く...興味深いワールドミュージック2題

  • 流浪の民が生み出した民族音楽のルーツとワールドミュージック

    Lakatos&HisEnsemble[Lakatos](Grammphon/1996)日本盤110円星3つ~ジプシーバイオリンとクラシック音楽のフューズした音作りが随所に刻まれていて興味深いサウンド。ハンガリー出身で、同国のジプシー音楽の興祖一家の生まれのアーティスト/ロビー・ラカトシュ。彼の率いるアンサンブルは、ジプシー音楽とハンガリー音楽(ポルカ、ワルツなどの民衆サウンド)を組み込んだ音作りを基礎にしており、比較的聴きやすいクラシック音楽のプレイで母国では相当人気があるという。メジャーデビュー盤の本作は、よく知られたブラームス、コダーイ、ハチャトリアンなどのバイオリン大活躍の楽曲から、ロシア民謡、ジョン・ウィリアムスさらにアズナブールの歌曲までスピード感や疾走感にあふれたジプシー系バイオリンアンサンブルを...流浪の民が生み出した民族音楽のルーツとワールドミュージック

  • ベーシスト2人ソロアルバムのそれぞれの有り様

    JohnPatitucci[Communion](Concord/2001)アメリカ盤100円星3つ半~J.パティツッチは、ソロアルバムの制作に関して、2000年頃からラテン系のサウンドに重きを置いて作品作りをしているが、やはり頭でっかちなジャズとラテンの融合なので、窮屈な感じが否めず、ラテン系のしなやかさ、躍動や生への喜びは感じられない、どこか取ってつけたような雰囲気があるラテンソース導入の作品だ。参加メンバーで目立つのが、当時売り出し中だったオラシオ・Negroエルナンデスで、彼の起用とB.メルドーやサックスのティム・リースあたりが頑張っている。シンプルなラテンを作る訳がなく、やはりジャズ的に構成しようとあれこれ実験的に作曲した後が見られ、特に彼としてはブラジルの奇才:H.パスコアールに捧げたパスコアール直...ベーシスト2人ソロアルバムのそれぞれの有り様

  • メロディ・ガルドーは、やっぱセンスが良いのだった‼‼

    MelodyGardot[MyOneAndOnlyThrill](Verve-Universal/2009)日本盤110円星4つ~メロディ・ガルドーのメジャーデビュー盤であり、本作は大きな話題を呼び、彼女のマイナーレーベでの処女作も再評価されるのに寄与したなかなかの力作。マイナーで吹き込んだ1作目には、彼女の率直なシンガー&ソングライターとしての才はそこそこ表現されていたが、この2作目ではそうした姿勢にプロデューサーのラリー・クラインが適切な方向性を与え、バックのサウンドも1作目と比較しても豪華かつ洗練されたアレンジで、彼女のもつ独特のメロディラインとボーカルをオーケストレーションと共に盛り上げる絶妙な効果を与えている。ガルドーの歌作りの特長は、彼女が経験した諸事を基礎にして、その内面性を的確にかつあまり装飾せ...メロディ・ガルドーは、やっぱセンスが良いのだった‼‼

  • 人生の深みやら渋み、さらには素朴さを感じさせるラテン音楽

    Cartola[VerdeQueTeQueroRosa](BMG-Arista/1977)再発売:1977日本盤110円星5つ~70年代に我が国でMPB&サンバブームとなった音楽界にて、カルトーラのLPは話題になった。当時のラテン音楽界では、このアルバムの話題が盛り上がり、日本のレコード会社はこぞってサンバ系ブラジル音楽の大キャンペーンを展開し、様々なアーティストにスポットを当てたが、今でも輝くアーティストこそこのカルトーラである。彼のキャリアと年齢、そしてエスコーラ・サンバの大元を形作った人物が、不遇な時代を経て、70年代後半にブラジルで再評価された際のアルバムリイッシューCD。遅咲きの人のストリーとシンクロし、市井の人々の生活と喜び、苦悩もサンバによって救われるハレの気分、マンゲイラというサンバチームを長ら...人生の深みやら渋み、さらには素朴さを感じさせるラテン音楽

  • 今こそ感じてほしい~、この手の音楽とメッセージを!!

    RobertaFlack[TheBestofRobertaFlack/SoftlywithTheseSongs](Atlantic/1993)アメリカ盤110円星4つ~ロバータ・フラックの初期から90年初頭までのヒット曲を集めたベストアルバム。彼女のキャリアとブラックミュージックでの女性ソウルの変遷が興味深く俯瞰できる構成である。シンプルなピアノ弾き語りでスタートしたそのキャリアだが、女性ソウルシンガーとしての立ち位置も、先達A.フランクリンのようなメッセージ性をパワフルに前に押し出すよりも、内省的で静かに訴えかけるような歌声で幅広く共感を得て来た。その辺りは、60年代のアレサとは違って黒人の社会的地位の変化ともシンクロするようだ。大ヒット曲[KillingMeSoftlywithHisSong]や[TheFi...今こそ感じてほしい~、この手の音楽とメッセージを!!

  • ジャズピアノの風景~抒情とスイング感

    MoncefGenoud[Aqua](M&I/2005)日本盤110円星3つ半~モンセフ・ジュナウと呼ぶそうな、このあまり知られないアーティスト。盲目のピアニストだそうで、チュニジア出身でスイス在住の欧州を中心に活躍しているらしい。やはりその環境、出自が影響してリリカルなプレイを身上にしていると思いきや、意外と思い切りのよくストレートアヘッドのピアノトリオ作品および、マイケル・ブレッカーが数曲に参加しハードな展開で今風のジャズピアノを聞かせる。ほぼ、前作オリジナルだが、曲調は色とりどりの感があったり、また1曲D.D.ブリッジウォーターのボーカル入りで淡々とした味わいのものもあったりと、若干ブレる雰囲気が気になるのと、今一つこのピアニスト独自の世界が描き出されていない気もする。そのアプローチがまだまだこのアーティ...ジャズピアノの風景~抒情とスイング感

  • 欧州ジャズの雰囲気の違いにみるお国柄

    CapiozzoMecco&Santimone[MoveSoundtrackExperience](IrmaRecord/2016)イタリア盤100円星3つ~イタリアのジャズトリオで、編成はオルガンとベースにドラムスというファンキージャズ系フォーマットの基礎形。音作りとしては、ハモンドオルガンのグルーブ感に乗ったサウンドだから、大先輩のジミー・スミスの影響は見て取れるが、その中で、やはりイタリアの風というのか、緩い文化風土があるのが楽しい。アメリカあたりのこうしたオルガン主体のグルーブ(例えば、SouliveやMedeskyトリオのような音楽フォーマット)で、ファンク一筋であったり、少し尖ったパンク感も盛り込むのが多いが、このバンドはファンク&グルービーな部分よりも、どこかバーレスク風な郷愁、懐かしいサウンドト...欧州ジャズの雰囲気の違いにみるお国柄

  • 熱きメッセージがビンビン伝わる今では絶滅危惧種のサウンド

    Asa[BeautifulImperfection](Naive/2010)日本盤110円星3つ~なかなか強烈な個性を発揮した1枚目に続く本作は、以前よりも都会的なセンスを纏いデビュー作で見せた、尖った感性は少し抑えられた作りである。その一方で、ジャケ写真で着けている眼鏡のひび割れが、アルバムのイメージコンセプトとして繰り返し用いられ、タイトルの『美しき不完全性』と合致し、通奏するメッセージであろう。スカリズムを応用した1曲目は、1作でも見せた彼女自身の強い歌へのこだわりやスタイルを感じさせるが、アルバム全体においては英語歌詞とロックベースの作品が強くなり、母国の言葉やアフリカンリズムを強く思わせるサウンドが若干少なくなり、やはり欧米のヒップホップ文化の洗礼を受けた変化を感じる内容だ。歌詞の中身は、やはり女性自...熱きメッセージがビンビン伝わる今では絶滅危惧種のサウンド

  • スインギーなジャズの今昔

    BobAlbertiTrio[Nice’nEasy](DolphinRecord/1995)アメリカ盤100円星3つ~あまり知名度もなく、キャリアも不明なピアニストで、ライナーによるとこの御仁LAやNYにてセッションミュージシャンとしての活躍を長年続けてきたらしく、キャリアは数十年になるベテランだが、こうしたジャズトリオのアルバムは長年の希望だったらしい。しかし、ようやくリリースした経緯も、マイナーレーベルからのものだったり、ジャケデザインもどうにも凡庸すぎたもので、もう少しやり方は無かったのか?彼のプレイは、手慣れた演奏でまずまずなのだが、作品内容はやはりどこかバーでのジャズ風景。アルバムタイトルは、有りがちだし、収められたナンバーもほとんどスタンダードの定番曲ばかりで、ひねりも工夫も全くないべたなジャズアル...スインギーなジャズの今昔

  • 甘く優しい歌声だが、あまりにも媚びた女性Jazzボーカル

    Savina[Savina&AllThatGentleJazz](SevenSeas/197?)再発:2001アメリカ盤100円星3つ~どこの誰だか分からず、興味本位で手に取った1枚。我が国の女性ジャズボーカル好きにとっても、超マイナーな女性シンガーである。ネットで検索してもあまり詳しき情報にアクセスしない。さらに、本作が録音された時期が、1970年代であるにも関わらず詳しい情報が無い。それがホンマに70年代なのか、それにしては少々変わった内容というべきか、まるで50年代に為されたとしてもおかしくない程、中身がアナクロ気味だからだ。参加ミュージシャンは、御大揃いという豪華メンバー(C.コール、H.ジョーンズ、M.ウォルドン、J.レイニー、M.ロウ、K.クラーク、N.ピアース……等々)で、収録曲もジャズの名曲ばか...甘く優しい歌声だが、あまりにも媚びた女性Jazzボーカル

  • 古いとはいわせない‼‼今でも腰と胸躍るロックじゃねえ~か‼‼

    Santana[GreatestHits](Columbia/1974)再発ものアメリカ盤100円星3つ~長いキャリアを持つグループには、その活動期に相応のベストアルバムをリリースする傾向が大いにあるが、このアルバムは1974年のもの。サンタナの初期(デビュー盤からサードアルバムまで)の3LPからセレクトしたシングルカットされたEP盤からセレクトしたのだろうベスト盤だ。ウッドストックの鮮烈なデビューイメージを引きずったファースト、「BlackMagicWoman」「OyeComoVa」のヒットがある2枚目、そしてカッコ良いジャケイメージとファンにとって散々待たせられた期待を裏切らない3枚目アルバムからのセレクトという事になるのだが、やはり<ラテンロック>と称された時代に受けたサウンドで、今の感覚から言うとウッド...古いとはいわせない‼‼今でも腰と胸躍るロックじゃねえ~か‼‼

  • やはり楽しく面白い時代だったのだと感じるディスコサウンドとソウルミュージック

    Kool&TheGang[Celebration:TheBestOfKool&TheGang(1997-1987)](Mercury/1994)アメリカ盤110円星3つ半~70年代に非常にポピュラリティを持っていたブラック&ディスコミュージック。その中でも、安定度と著名度では、超一流の頭抜け方をしたブラックミュージックバンドがこのクール&ギャング!踊りやすい事は大前提だったかのフィールドで、ともかく明るく、分かりやすく、乗りやすい音楽が彼らの身上で、その繰り出した音楽は、どれもヒットチャートうなぎ上りの諸作で、それを集めたのが本CD。今でもCMソングで使われていて、広く知られる「Celebration」だけでも、こうした時代を超えて聴けるサウンドはやはり無敵だ。理屈とか音楽フィールドのあれこれ言う前に、これだけ...やはり楽しく面白い時代だったのだと感じるディスコサウンドとソウルミュージック

  • やっぱ、90年代のジャズ風景で、ありんした~‼‼

    RalphPeterson[Voliton](Somethingelse/1990)日本盤100円星3つ~レーベル:[サムシングエルス]は、日本企画のジャズアルバムとしてバブル盛んな80年代から90年代初頭にかけて、かなり日本のジャズ音楽界では話題を作り出し、ジャズジャーナリズムと“結託”して新伝承派だのM-Base派だのと、新しいジャズムーブメントで様々なアーティストを送り出した。その内の注目株だったのが、このドラマーのラルフ・ピーターソン。新生ブルーノートにて鳴り物入りで出たOTB卒業生で、その第一作「V」というアルバムは、スイングジャーナル誌で絶賛されたものだった。そんな流れで作られた第3作目の本CDは、例によって例の如し=“おいらはドラマー、やくざなドラマー!すごいだろう!”という鼻っ柱の強さにおいては...やっぱ、90年代のジャズ風景で、ありんした~‼‼

  • 隠れたロック名盤の変わったテイストとは?

    Doors[WaitingfortheSun](Electra/1968)再発ものアメリカ盤100円星3つ~ドアーズの第3作目アルバム。本LPからは、トップ収録の「HelloILoveYou」が当時スマッシュヒットしたが、アルバム自体の評価は1、2作の圧倒的な出来栄えと比較してしまうとどうにも格落ちの感があり、あまり一般評価は高くない。しかし、当方の個人的体験から言えば、小遣いを貯めてようやく入手した輸入盤LPを擦り切れる程聴き倒したので、愛着のあるアルバムのリ・イッシューなのでもう何も言えない程素晴らしく感じてしまう。ヒットソングよりも、本作に見るドアーズ各メンバーの才能が映し出されている作品が多い。例えば、本作のライナーは、ジム・モリソンの詩を掲載し、オオトカゲをテーマにした不思議な詩歌となっていて、ドアー...隠れたロック名盤の変わったテイストとは?

  • テクを見せびらかす事 VS シンプル&ストレートである事

    KenwoodDennard[JustAdvance](BigWorld/1992)アメリカ盤100円星3つ~このヒトは、セッションドラマーとしてマントラやガレスピーのバンドなどで研鑽を積んで、それなりに実力派らしいのだが、そのソロデビュー盤とのこと。本作セッションメンバーの構成は、ギター、ベースとキーボード2というもので、ギターのH.ブロックにベースがM.ミラーという2人がだいぶ張り切ってガンガン走りまくり、ドラムスは明快にパワー炸裂という非常にわかりやすく、小難しさのまったくないストレートでエッジの効いた昔ながらのフュージョンで、スムーズジャズだの心地よさを売りにする今となっては却って小気味よい。チョッパーベースとファズの効いたハードコアのギターで疾走するのが、CD前半『Just******』と題された一連...テクを見せびらかす事VSシンプル&ストレートである事

  • 今更ながらEWFの第二次成功期の歩みを振り返る

    Earth,Wind&Fire[Millennium](Reprise/1997)ドイツ盤100円星3つ半~7~80年代の華々しい活動期を経て、90年代の長いマンネリズム時期の後に、居直ったような形で新しき時代(=21世紀)に向けたalbumとなっている。そうは言えども、EW&Fを長年聴き続けて来た親父にとって、特段新しいサウンドではなく、それはもうこてこてのアースサウンドであり、従来の80年代のノリとスタイルを変えて作るという姿勢が満ちている。メロディ重視は相変わらずだが、その中でも落ち着いたサウンドも多く、余裕と円熟味を感じるのだった。{ノリ}よりも{歌声}を持った作品といえるのはないか。なお、横尾忠則のジャケが目を引く出来で、一時代を作った長岡秀星のジャケという束縛を脱して、20世紀末の自分たちの立ち位置...今更ながらEWFの第二次成功期の歩みを振り返る

  • なかなか捨てがたい魅力のJazzボーカルもの

    CybillShepherd[MadAboutTheBoy](Crepuscle/1976)再発:1989オーストラリア盤110円星3つ半~映画「ラストショー」などで知られている女優;シビル・シェパードが、人気絶頂期の1970年代中期にスタンダードジャズを歌うシンガーとして(当時は余技だったとは言え)、素晴らしいパフォーマンスを見せた1枚。発売当初、カセットに収めたものを愛聴していたので、懐かしくも今のジャズリスナー親父の感性では果たして如何かと手に取った。さすがスタン・ゲッツやF.ロソリーニ、M.バドウィックといったトップアーティストとLAのブラジリアンミュージシャンのサポートを得た、素敵なボサテイストのジャズアルバムとなっている。オーバー気味な情感を抑え、素直に歌う彼女のボーカルは、抵抗なく入ってくる。リリ...なかなか捨てがたい魅力のJazzボーカルもの

  • ジャズの風景:春の巻

    JuttaHipp[AttheHickoryHouse](Bluenote/1956)再発:1995日本盤100円星3つ~ドイツ出身の女性ピアニストとして、ブルーノート創設者のアルフレッド・ライオンがアメリカにジャズ修行のために招聘した時期に、録音されたものという。内容は、当時はまだ少なかった女性ジャズピアニストとして、将来を嘱望されたヒトというだけあり、テクもあり、バックのリズムセクション(P.インドのベースとE.シグペンのドラム)にしっかりとサポートされて、スイングからバップまでのジャズフィールドでしっかりとしたプレイを見せてくれる。どこかくぐもった影みたいなタッチがあり、ジャズマニアには高評価を受けるアーティストの1人だろう。明るく解放へ向かうのではないスイング感は妙な味わいだ。なお、このライブ演奏は、B...ジャズの風景:春の巻

  • ジャズ&フュージョン版「あの人は今??」

    CandyDulfer[FortheLoveofYou](BMG-Ariola/1997)日本盤100円星3つ~今日ほど、女性サックス奏者が巷に溢れていなかった時代、というか20数年前に登場した美人ジャズ&フュージョン系サックス奏者として、注目も浴び、ヒット曲「SaxAGoGo」のファンキー路線を突っ走っていた頃の作品(4作目)。少しスローナンバーも混ぜてはいるが、基本形は相変わらずのイケイケ&ノリノリのダルファー節が聴けるアルバムとなっている。やはり、時間の経過と共にその鮮烈度が衰え、20年余り経った時に聞くと、儲けられる内に同じような作品をという打算というどこか“アザトサ”が透けて見えるので、大ヒットアルバムとほぼ同じ趣向で飽きが来るのだった。時代のフィルターを外すとあまり感性を刺激されないサウンドで、彼女...ジャズ&フュージョン版「あの人は今??」

  • サックスジャイアンツの意欲作2つ

    GerryMulligan[Re-BirthoftheCool](GRP/1992)アメリカ盤100円星3つ半~マイルス・デイヴィスの『クールの誕生』を新たな感覚も組み入れて再演した作品。同アルバムのメンバーだったマリガンが、本作ではリーダーとして原録音に参加しているピアノのジョン・ルイスを除き、若手&中堅のアーティストを束ねており、フィル・ウッズといった実力者と当時売り出し中のトランぺッターW.ルーニー、それに1曲だけゲスト参加のメル・トーメといった面白いメンツがマリガンの元でまとまっている。やはりどうしても旧作と比較してしまうのだが、マイルスのアルバムとすべて同じナンバーが収録されているが、曲順はまったくバラバラでおそらくマリガン自身の編曲性をクローズアップする意味合いで組まれたものと考えるが、知っている従...サックスジャイアンツの意欲作2つ

  • ブラジル音楽古株が生き延びる姿2態

    Joyce&BandaMaluca[JustALittleBitCrazy](FarOut/2003)イギリス盤100円星4つ~ジョイスが、イギリスのブラジルMPB専門レーベルからリリースした諸作の中でも、かなり力のこもった作品だと思う一枚。ありがちなブラジルの風&ゆらぎとやすらぎのボサ感覚(つまりはコマーシャルな売り線)は、最小限に抑え、実力派で長年バンド活動やセッションの起用している中堅とベテランミュージシャンとコラボして、一つのバンドのグルーブ感を大切にしている点が評価できる。サウンド面のアプローチでも、ブラジルから脱したラテンローカルな中南米のリズム、サウンドコラージュをロック感覚も交えて行っている。何よりも、ジョイス自身の肉声がいつもに増して力強く響くのが特徴的だ。ジョイスがシンガーソングライターの草...ブラジル音楽古株が生き延びる姿2態

  • 陽気の良い日々に聞く楽しきラテン

    TitoPuente[MamboBeat/TheProgressiveSideofTitoPuente](BMG-RCA/1994)アメリカ盤100円星3つ半~1950年代にアフロ・キューバン・ジャズ・オーケストラとして、タイトル通り急進的なサウンドを追求していた頃のプエンテの諸作からコンピレーションしたアルバムの第1集。1956、7年の録音と言われればそう思えるが、予備知識と先入観なく聞くとかなりモダンで晩年のT.プエンテの作品とは一線を画すのが、実験的な試みやクールジャズの影響下でのラテンアプローチがなかなかイカしている点。80年以降のConcord時代の安易なジャズスタンダードカバーとは違うことが明らかで、マンボのカテゴリーにはめる事は失当だと言える。確かに、マンボ全盛期の録音だと思える編成や楽曲の短さだ...陽気の良い日々に聞く楽しきラテン

  • バッタ屋ワゴンセール常連の女性ボーカリストとは???

    *このところ、中古バッタ屋でこのシンガーのCDが大量に見受けられる。その昔、ジャズボーカル分野ではダイアン・リーブスがバッタCDのジャズ部門女王‼?(当方の経験則から書いているだけで、一般流通事情と合致しているかわからない…あくまでも私見)だった。その席に新しく座っているのが、同じダイアンでも『シュアーさん』。その訳をうがった見方で分析すると:①女性ジャズシンガーとしてのアトモスフィアーと物憂さや美貌に欠けること②レーベルがGRPというフュージョン系である事がジャズファンには今イチ響かない事③楽曲アレンジが正当派ジャズ寄りではない事……ではないかな?と勝手に思っている。どこか心がくすぐられない女性ジャズボーカルファンも少なからずか?そんな『シュアーさん』は、我がCDコレクションでも結構枚数が増え続けています。D...バッタ屋ワゴンセール常連の女性ボーカリストとは???

  • イキの良いピアノトリオ2題

    JackyTerrasonTrio[Alive](Bluenote/1998)アメリカ盤100円星3つ~ジャッキー・テラソンは、ドイツ出身だがアメリカのジャズコンテストで優勝していらい、カサンドラ・ウィルソンらとのコラボを経て、今日まで20数年地道に活動して一定の人気と評価を博している。これは、そんな彼の1997年NYのジャズクラブでのピアノトリオ若き日のライブ盤。ライブの臨場感もあり、興味深く手堅いプレイを披露しているが、曲ごとに出来栄えの落差が大きい。このトリオは、全体に落ち着きに欠くきらいがある。ご本人は演奏にのめりこんでいる体なのかも知れないが、特にテラソンのプレイではパワーがあるが、キース・ジャレット以上に演奏中の唸り声がうるさく、耳障りな部分もあったり、アップテンポのナンバーでの勢いとノリが突出しす...イキの良いピアノトリオ2題

  • む・む・む~うん!これなら定番だの巻

    WillieNelson[JustOneLove](JusticeRecord/1995)アメリカ盤100円星3つ~カントリーの世界にとどまらず、アメリカ音楽界の重鎮であるシンガーの95年(彼が62歳の脂の乗り切った時期)にリリースした、まさに安定系の王道カントリー音楽である。ジャケ写真は、ダンスを踊る姿が記録されているものだが、このイメージと被さるタイトル曲は、1曲目におさめられた女性シンガー/KimmieRhodesとのデュエットで、一番このアルバムらしい作品。収録された楽曲では、自作が全くなく既存曲(ハンク・ウイリアムス、P.ウィー・キングからデュオ相手のキミーさんのものまで)が中心であり、カントリー&ウェスタンの正道的な曲ばかりだ。そうした意味での安定型アルバムであり、カントリー好きおよびW.ネルソンの...む・む・む~うん!これなら定番だの巻

  • 「こんな時期だからこそ家籠りでのCD聴き直しを楽しむ」のだった!

    本日は、少し脱線気味で音楽的与太噺と致します。ご容赦アレ⁉今年に入って、大変な日々が続く。世界中に未知のウイルスによる災禍が覆い、日々数多くの尊い人命が失われていく。人類の英知を結集してもなかなか解決への出口が見えない日常生活は、まさに非日常の世界である。緊急事態宣言によって『ステイ・アット・ホーム』がキーワードとなり、ネットではこうした事態にて自宅から出られないヒト向けの様々なコンテンツ、メッセージや動画等が数多く発信されている。某シンガーソングライター発の動画に、チョ~勘違いのおバカ投稿をする能無し宰相も存在するが、こうした輩には選挙の洗礼で痛い目に合わさないとコチトラ庶民の気持ちに収まりはつけようがない。阿呆な嫁さんの行動も制御できない男が、そのまま漫然と国民にメッセージを発したところで、少しも届かず却っ...「こんな時期だからこそ家籠りでのCD聴き直しを楽しむ」のだった!

  • デスモンドとの別れ~“その後”のブルーベックの姿

    DaveBruebeck[AllTheThingsYouAre](Atlantic/1976)再発ものアメリカ盤100円星3つ~ブルーベックが自身のバンドからソロ活動へと重心を移していた時期のアトランティスからのアルバムで、リー・コニッツとアンソニー・ブラックストンというタイプの違うサックス奏者2人を起用しているのが、少々風変わりな感がする作品。70年代中期において、既にポール・デスモンドのアルトは彼のバンドでは聞かれることはなく、自分の息子など若きサックス奏者を起用することが多くなったが、やはりデスモンドのリリカルでOne&Only的なプレイがないというハンディは如何ともしがたかった。そんな状況を打開すべくこのアルバム全く違うタイプのサックスを登用しての変則的な構成になっている。内容としては、全曲ジャズスタン...デスモンドとの別れ~“その後”のブルーベックの姿

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