詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記) さん プロフィール

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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)さん: 詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)
ハンドル名詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記) さん
ブログタイトル詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/shokeimoji2005
サイト紹介文日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供641回 / 365日(平均12.3回/週) - 参加 2014/10/02 10:33

詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記) さんのブログ記事

  • 高橋睦朗『つい昨日のこと』(105)
  • 105  アンティノウスにギリシア風の愛の信奉者である皇帝は ビテュニア生まれのきみを熱愛したそのことは きみの急死ののち 造らせ祀らせたきみの彫像の数に如実だが 皇帝はアンティノウスが好きだった。それを誰にはばかることなく、彫像をつくることで語る。その数が何体なのかわからないが「如実」ということばが、有無を言わせない。他人の感覚を圧倒している。「愛」そのものが「如実」だと言っている。「愛」というより [続きを読む]
  • estoy loco por espana (番外15)Joaquinの「三つの窓」
  • Joaquin Llorens Santa45x45x30..Hierro macizo..Oxido...対話明かり取りの窓が三つ。一つは太陽を見るため、二つは月を見るため、三つは星を見るため。宇宙は奥深い。奥深さと向き合うために、私自身を複雑にする必要があるのです。____さらに深いものと向き合うために、ときには窓を囲む闇を見つめることもあるのですか?*非対称に開けられた丸い窓。静かな動きを誘う。その動きの中に「宇宙」を感じた。それを「対話」という詩 [続きを読む]
  • 「還元」にだまされるな
  • 「還元」にだまされるな             自民党憲法改正草案を読む/番外242(情報の読み方) 2018年10月19日の読売新聞朝刊(西部版・14版)。1面。消費増税 全商品で2%還元 検討/経産・財務省 中小店で決済分 これだけ読むと、消費者に配慮しているように見えるが、どうかなあ。対象者は「現金をつかわないキャッシュレス決済を利用した人」だけだ。さらに「還元対策のポイント」を読むと、最後にこう書い [続きを読む]
  • 高橋睦朗『つい昨日のこと』(104)
  • 104  目 目は、死んだらどうなるのか。火葬されたあと、目はどうなるのか。向いあう長箸により 熱い骨が砕かれ 挟まれあうとき生前 存在の中心にあった目は もはやどこにもない この「ない」に、私は、ぞっとした。 火葬後に骨を拾うということを、私も何度かしたことがあるが、そのとき私が見ているのは骨である。ほかのものは見ない。つまり、目がどこにあるかなど考えたことがない。だから、ぞっとした。 このあと「か [続きを読む]
  • estoy loco por espana (番外14)半分の月(Joaquin Llorens Santaに)
  • 半分の月(Joaquin Llorens Santaに) 私は知っている、きみのひざの奥に半分の月があるときどき君に呼びかける。きみにしか聞こえない声で、私は知っている、きみのひざの奥に隠れた半分の月。影を探して悲しむきみの騎士。光につつまれて孤立するきみの騎士。私は知っている、きみのひざの奥の半分の月の痛み。満ちることはない、欠けることはない、きみがきのう泣いたことを。 (この作品は「騎士」のように見える。月の光の中に立 [続きを読む]
  • 過ぎ去った
  • 過ぎ去った(ペドロの写真に寄せて)過ぎ去った怒りが過ぎ去った嫉妬が過ぎ去った嵐と太陽が壊れた愛が壊れた憎しみが壊れた窓も椅子も消え去った欲望が消え去った悲しみがけれど残っているきみの指に触れた、あの時がse pasó (a la foto de Pedro).se pasó la ira se pasó el celose pasaron lluvia y solse rompióel amorse rompióel odiose rompieronlas ventanas y sillasse desvanecióel deseose desvanecióla triste [続きを読む]
  • 高橋睦朗『つい昨日のこと』(103)
  • 103  何十年ぶり この詩も「記憶」を書いている。今朝 何十年ぶりに きみの噂を聞いた全くの孤独のうちに死んでいた というあんなにも熱く 睦言や抱擁を交わしたきみそれなのに むごたらしく裏切ったきみ 「噂を聞いた」と書くが、噂はそっけない。むしろ、噂を聞いて「思い出したこと」が書かれている。 それは噂のなかには含まれないものである。 噂よりも、思い出の方が重要なのだ。思い出がなければ、噂を聞いても、 [続きを読む]
  • 時里二郎『名井島』(2)
  • 時里二郎『名井島』(2)(思潮社、2018年09月25日発行) 「夏庭2」の最後の部分。「この稿は、わたしの語ったことを庭師がタイピングしたものである。」ということばがある。 わたしの話したように、庭師は写しとっていないかもしれない。しかし仮に、庭師がわたしの語った内容とはまるきり違ったことを口述筆記として記したとしても、わたしは庭師の書き得たことばの方に、より近いわたしがいると思っている。 「わたし [続きを読む]
  • 高橋睦朗『つい昨日のこと』(102)
  • 102  記憶こそどうして抱かなかったのだろう ほんの少し勇気を出してベッドに腰掛けたぼくに腿を接して きみが腰掛けたのにけれど 抱かなかったことで きみはその時の年齢のままそして きみと並んだぼくの年齢も きみのそれにあやかる 詩はあと二行続いているが、ここまでで十分だと思う。 いや、最初の三行だけの方が魅力的だったかもしれない。 三、四行目は、「けれど」「そして」と動いていく。それは「事実」の描写 [続きを読む]
  • 暁方ミセイ『紫雲天気、嗅ぎ回る』
  • 暁方ミセイ『紫雲天気、嗅ぎ回る』(港の人、2018年10月17日発行) 詩集を読んでいて、ある一行のために、そのあとの詩を読めなくなるときがある。 暁方ミセイ『紫雲天気、嗅ぎ回る』の「月と乗客」。そのなかに、私の輪郭がいま、半分ほどは空気に散らばりましたね という行がある。たとえば、この行が、そのあとの詩を読めなくさせる。印象が強烈で、次の詩は読めども読めども、頭に入ってこない。 こういう行に出会った [続きを読む]
  • 高橋睦郎『つい昨日のこと』(101)
  • 101  記憶とまぼろしいったい いくたびの抑えた息づかい 睦言が指と唇との愛撫が 私の上を通りすぎたことかいまでは それらの顔も名も 思い出せない でも、「抑えた息づかい 睦言が/指と唇との愛撫が 私の上を通りすぎたこと」は覚えている。「肉体」の不思議さ。「肉体」は味わったことを忘れることができない。顔も名前も思い出せないからこそ、逆に「肉体」が覚えていることが、高橋を突き動かす。 と、読みたいのだ [続きを読む]
  • 安倍4選は、あるのか、ないのか。
  • 安倍4選は、あるのか、ないのか。             自民党憲法改正草案を読む/番外241(情報の読み方) 2018年10月17日の読売新聞朝刊(西部版・14版)。政治面(4面)で「我が党戦略 語る」という連載が始まった。臨時国会を前にした企画だ。一貫目は、自民党幹事長・二階。見出しに、改憲論議 謙虚な姿勢で と、ある。しかし、安倍のどこが謙虚なのか。 自民党のホームページには、いまだに「改憲案4項目」 [続きを読む]
  • 私が見たものは (ホアキンの作品に寄せて)
  • 私が見たものは (ホアキンの作品に寄せて) 私が最初に見たものは風、鉄ではなくて。私が次に見たのは光、鉄ではなくて。それから私は影を見た、鉄ではなくて。何を見たんだろう、私が私に問いかけたとき、耳が目覚める。私の耳は聞いた、静かな息を。のびあがって息を吸う。たわみながら息を吐く。ふれあって息を止める。その静かな音。息を合わせる。息がいっしょに動く。その確かな音。私は何を聞いたんだろう。誰の呼吸を聞いた [続きを読む]
  • estoy loco por espana(14) Joaquinの繊細な音楽
  • きょう紹介するJoaquinの作品。とても美しい。悔しいことに、私はこの美しさを表現するためのスペイン語を知らない。私が書きたいのは、「静かさ」についてである。「静かさ」を表すスペイン語は、私は「silencio」しか知らない。しかし、日本には「静かさ」を表すことばがたくさんある。「静寂」「静閑」「静謐」さらに「しずか」というひらがな表記もある。「ひそやか」ということばもある。「沈黙」ということばもある。この作 [続きを読む]
  • estoy loco por espana(13) Javier Messia
  • Javier Messia (en Madrid)がロンドンで展覧会を開きます。10月19日から21日。ロンドン旅行中の人はぜひお立ち寄りください。Javier Messiaの作品を、私はたくさん見ているわけではないのが。特徴は繰り返しである。繰り返しは、同じものを繰り返す。ポスターの作品は四角形を繰り返している。同じものを繰り返すのだが、繰り返しは同時に差異を含む。四角形は、微妙に違う四角形である。この変化が、一回限りのリズムを生み [続きを読む]
  • 高橋睦郎『つい昨日のこと』(100)
  • 100  贈物好色なソクラテス いやプラトンクセノポンですらない ただの少年愛者二丁目アテナイの夜の迷路を ほっつき歩いて と詩は始まる。しかし、どこにも具体的なことは書かれていない。ソクラテス、プラトンに「好色な」という修飾語をつけても、ソクラテス、プラトンが好色な人間になるわけではない。だから、私も「好色な」人間にはなれない。「好色な」という形容詞が意識を整理するだけである。高橋は、「好色な」とい [続きを読む]
  • 高橋睦郎『つい昨日のこと』(99)
  • 99 わが詩法 「98 夜航」のなかに出てきた「詩法」がテーマになって繰り返される。酒場と 浴場と 曖昧宿の薄暗がりが 学校だった この「現実」はすぐに、次のように抽象化される。光のソクラテスならぬ 闇のエウポルモスが いつもいた 「学校」は基本的に「光(理想)」を教える。ソクラテスの「理性/ことば」は「学校」を象徴するものである。しかし、高橋が通った「学校」はソクラテスの学校ではなく「闇のエウポルモ [続きを読む]
  • Joaquin のモノリス estoy loco por espana (番外12)
  • (Traduccion por google.)(下の方に、日本語があります)Obras de Joaquín.Vi algunas fotos en el proceso.Como el signo está grabado, este es el producto terminado.Escribiré impresiones que incluyan la impresión de lo que vi durante el proceso de producción.Cuando lo vi en el proceso de fabricación, no sabía el tamaño.Me imaginé que era un trabajo muy grande y recibí un shock.El impacto es com [続きを読む]
  • 大森立嗣監督「日日是好日」(★★)
  • 大森立嗣監督「日日是好日」(★★)監督 大森立嗣 出演 樹木希林、黒木華 もしかすると樹木希林最後の出演作? 大変な人気である。だから批判的なことは書きにくいのだが。 おもしろくない。樹木希林の演じている茶道の先生が「いい人」すぎておもしろくない。だいたい樹木希林は「いい人」を演じていても、どこかで一瞬、そうじゃない人間の姿を見せる。 「歩いても、歩いても」では原田良雄が演じる夫をずーっと我慢して [続きを読む]
  • 消費増税、来年10月実施
  • 消費増税、来年10月実施             自民党憲法改正草案を読む/番外240(情報の読み方) 2018年10月14日の読売新聞朝刊(西部版・14版)。消費増税 来年10月実施/2%還元 中小店舗に補助/首相あす表明 という見出しで、記事が書かれている。ニュースのポイントは「2%還元 中小店舗に補助」のようだが、私はこのニュースに非常に疑問を持っている。内容もそうだが、なぜ、いまなのか、ということに非常 [続きを読む]
  • 高橋睦郎『つい昨日のこと』(98)
  • 98 夜航 「船は欲望の象り」とはじまる。股間の船首を掲げての 若い私の夜ごとの航海も 例外ではなかったいまは纜は波止に結んだまま 机の上の詩を目指す真夜のひそかな小舟の漕行乱倫のまにま習い覚えた詩法とやらを 頼りない水先案内にして 「股間の船首」は欲望の水先案内人。「股間の船首」は「船首」にとどまらず、「船」そのものだった。 しかし、いまは停泊したまま。 夜、海へ出ていくのは「小舟」である。この「 [続きを読む]
  • 外国人労働者と太陽光発電
  • 外国人労働者と太陽光発電             自民党憲法改正草案を読む/番外239(情報の読み方) 2018年10月13日の読売新聞朝刊(西部版・14版)。安倍が総裁選に3選してから、社会を激変させるニュースが連続している。私のように目の悪い人間は、そのニュースを読むだけで手一杯で、考えるところまで時間がとれない。 で、一日遅れで、思ったことを書いておく。 1面に、太陽光発電について、こういう見出し。九 [続きを読む]
  • ロシアのミサイル訓練通告
  • ロシアのミサイル訓練通告             自民党憲法改正草案を読む/番外238 7(情報の読み方) 2018年10月13日の読売新聞夕刊(西部版・4 版)の一面。北方領でミサイル訓練/露通告、日本政府が抗議 見出し通りのことが書いてある。 この情報を、どう読むか。 やっぱり日露交渉(平和条約締結、北方領土返還)はうまくいかない、という証拠と読むか。 私は、まったく違うことを指摘したい。 記事の末尾に、 [続きを読む]
  • 時里二郎『名井島』
  • 時里二郎『名井島』(1)( 思潮社、2018年09月25日発行) 時里二郎『名井島』。読まずに書くのだが「名井島」を私は「ない/島」は読む。「ある」「ない」の「ない」である。「ない」が「ある」ということが発見された(?)のはギリシャにおいてであると言われている。哲学、つまり「ことば」発祥の地である。「ない」のに、「ない」が「ある」と「ことば」で言うことができる。そういう「矛盾」のようなもので、時里の詩は [続きを読む]
  • 高橋睦郎『つい昨日のこと』(97)
  • 97 遺跡 ギリシア人は山づたい、海づたいにポリス、コロニアを増やしていった。それが現代極東の都市(東京)にまで飛び火した。新宿 渋谷 新橋 上野 浅草 飛び飛びの店店若い私は夜ごと漂流 止り木に纜を結んでは沢山の目と 唇と 腿と 出会っては 別れた それから年月が経て、目をつぶれば甦る 数かずの燃える眼差 熱ある睦言私自身 愛のコロニアの 時経た 歪な遺跡 「目」が「眼差」に、「唇」が「睦言」にか [続きを読む]