言葉の救はれ??時代と文學 さん プロフィール

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言葉の救はれ??時代と文學さん: 言葉の救はれ??時代と文學
ハンドル名言葉の救はれ??時代と文學 さん
ブログタイトル言葉の救はれ??時代と文學
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/logos6516
サイト紹介文言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。
自由文日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供87回 / 365日(平均1.7回/週) - 参加 2014/10/06 21:46

言葉の救はれ??時代と文學 さんのブログ記事

  • 『淋しい人間』を久しぶりに読む
  •  もう30年ほど前、仕事を辞めてしばらく家に引きこもつてゐた頃、心は焦燥にかられながらも何をしてよいか分からず、ただ外をうろつき回りながら本を読んでゐる時期があつた。今思ひ出してもひりひりするやうな危ない時期であつた。そんな時に熱心に、本当に熱心に読んだのが山崎正和である。中央公論社の著作集はそれよりだいぶん前に出てゐたが、本屋で今でも揃ひで購入できるかどうかを聞くと可能だといふので、うれしくてすぐ [続きを読む]
  • 『真実について』を読む。
  •  アメリカの道徳哲学者ハリー・G・フランクファートの書である。原著は2006年に書かれてをり。前著『ウンコな議論』(筑摩書房から出版。これは以前に紹介した。「おためごかし」のいい加減な議論を揶揄したものであつた。)に対する批判への応答書である。 とは言へ、その前著を読んでゐないと分からないといふ内容でもない。しかし、前著ほどの強いメッセージがあるのではない。ではなぜ本書が12年も経つて日本で翻訳出版され [続きを読む]
  • インフルエンザ明けの、今朝の讀賣新聞が面白い。
  •  初詣に出かけて家に戻つた直後からどうも体が重い気がしてゐたら、翌朝から発熱。以来丸四日間伏せてゐた。正月なので病院は休み。隣の市の救急外来に行くも、「インフルエンザは陰性です」と言はれトンプクだけもらつて帰宅。1時間待たされ、やうやく診察・検査を受けるが結果が出るのにまた1時間。これではインフルエンザでない人も、罹患すると感じた。それに診察も怪しい。頼りない感じであつた。 そして週明け、改めて近 [続きを読む]
  • 堂々と反知性主義
  •  元旦の産経新聞が面白かつた。曽野綾子の「正論」も気持ちのよい文章だ。 そしてとても良かつたのが別冊に載つてゐた「日本の針路 見据えて」といふ記事である。国連軍縮担当上級代表の中満泉、歴史家の磯田道史、そして国際基督教大学副学長の森本あんりの三氏のコメントはそれぞれに学ぶことがあつた。正月からかういふ文章に出会へたことがとても嬉しかつた。 森本のものは従前からの主張であるが、インタビューはそれをう [続きを読む]
  • 献血や薄着になりて風邪をひく
  • 昨日は前々からの約束で知人に会ふために梅田に出た。雪が降るかもしれないといふ天候で、十分に警戒して行つたが、これも前から行かうと思つてゐた献血の場所でどうやら風邪をひいてしまつたらしい。 献血前の検診で血圧を測ると「高いですね。深呼吸してもう一度」と言はれた。すると少し下がつたので血液検査をしてもらふ。「十分に濃いので、今日は400CCお願ひします」と順調。直ぐに移動してベッドに横になる。「10分ほ [続きを読む]
  • 西部邁の自死を改めて
  •  昨日、たまたま風呂上りにテレビをつけたら、NHKで西部邁の自死についての番組をやつてゐた。偶然とは思へない巡り合はせで、かういふことがあるから人生は不思議だ。まづそんなことが頭をよぎりながら視聴した。 タイトルは、「事件の涙」である。 今年の1月20日にそれは起きた。近著でもその予告はされてゐたが、衝撃だつた。家族ならさらにそれは強いものである。振り返るのに一年を要したといふことであるが、それに [続きを読む]
  • 『常識的で何か問題でも?』
  •  内田樹がアエラに連載してゐたものをまとめたものである。常識的で何か問題でも? 反文学的時代のマインドセット (朝日新書)内田 樹朝日新聞出版 一項目、新書にして2頁ほどのものであるので極めて短い。しかし、分量が決められてゐるから余計なことは言はずに結論をストレートに書くから分かりやすい。その分かりやすさは、納得がいくといふことではない。政治的な内容については殊に偏りがひどく、論理的に書いてゐるやうで [続きを読む]
  • 今年讀んだ本
  •  1 『リズムの哲学ノート』山崎正和 中央公論新社リズムの哲学ノート (単行本)山崎 正和中央公論新社 2 『批評の魂』前田英樹 新潮社批評の魂前田 英樹新潮社 3 『学級の歴史学』柳 治男 講談社の歴史学 (講談社選書メチエ)柳 治男講談社 山崎は、今年文化勲章をもらつた。「この章をいただいたのは国民からで、国民に感謝する」などといふことをどうして言ふのか、授章した嬉しさに動転したのかもしれないが、 [続きを読む]
  • 「時事評論石川」平成30年12月号
  • 「時事評論石川」12月号のお知らせ。 今月号の内容は次の通り。 今月号では久しぶりに書かせていただいた。内容はゴーン氏逮捕の意味するものである。マスコミは、いつも悪者を特定し、それを懲らしめるやうな報道をし続ける。権力を批判するポーズを表向きはしてゐながら、実は権力に寄り添ふのが日本のジャーナリズムであらう。今回の一件もまつたく何も知らされてゐないうちから、日産の西川社長の記者会見の内容をベースにし [続きを読む]
  • 芦田宏直先生との哲学、教育談義
  • 努力する人間になってはいけない―学校と仕事と社会の新人論芦田宏直ロゼッタストーン 今となつては、当地に来て唯一の楽しみとなつてゐるのが芦田先生との談義である。昨日の晩に近くのホテルに宿泊してゐるとフェイスブックにあつたので今朝メールすると1時間半ほど空いてゐるとのことで、その時間に合はせて大学に伺つた。 いつも一方的に話を伺ふばかりなので、今日は先手を取つて、「今日は伺ひたいことが二つありま [続きを読む]
  • 西郷どん、あと一回
  • 西郷どん、とうとう見続けてしまつた。史実かなと思はれるやうな怪しい展開に少々疑問を持ちながらも見てしまつた。 前回の放送では以前住んでゐた延岡市の和田越峠が出て来て懐かしく見た。そこは激戦の地でもあり、薩摩軍が解散を宣言した場所とも近い。敗走する西郷が通つた可愛岳(えのたけ)も懐かしい響きだつた。 西南戦争だけを見ると悲劇の側面は強い。しかし、鳥羽伏見の戦ひで怪しい勅書を奉じたのも西郷である [続きを読む]
  • 蟹の穴ふせぎとめずは高堤やがてくゆべき時なからめや
  • 夜明け前 全4冊 (岩波文庫)島崎 藤村岩波書店 蟹の出入りするやうな穴があれば、それを塞いでその出入りを止めなければ、高い堤防もやがて崩れてしまふ時が来ないわけがない。 先日、新保祐司先生の「正論」を読んでゐて出てきた、島崎藤村『夜明け前』の中の歌である。 かういふ危機意識を持つことを私達は嫌ふ。曰く「縁起でもない」。曰く「何にも無かつたら、それに対処した時間とお金をどうするつもりだ」。 危機意識を言 [続きを読む]
  • 「散り椿」を観る
  •  観る機会を逸してゐたが、やうやく観ることができた。 映像の美を観られればいいと思つてゐたが、まつたくその通りだつた。脚本が悪いのかもしれない。そして台詞の速度も切り方も映像を見せるために制御されてしまつたのかもしれない。とても説明的なのである。 事件の背景や人間関係の状況は台詞を通じて説明するしかないから、前半が説明的になるのは仕方ないが、それにしても「この役者はこんなに平板で、あの役者はこんな [続きを読む]
  • 時事評論石川 平成30年11月号
  • 「時事評論石川」11月号のお知らせ。 今月号の内容は次の通り。 どうぞ御關心がありましたら、御購讀ください。 1部200圓、年間では2000圓です。(いちばん下に、問合はせ先があります。)                     ●    ☆    ☆    ☆韓国「徴用工判決」の意味するもの    明星大学戦後教育史研究センター 勝岡寛次            ● 『知りすぎた男』カショギ氏殺害 [続きを読む]
  • 物を捨てるといふこと。
  •  大阪の家を引越し、人生で初めて「以前よりも小さい家」に移つた。職場の移動を契機に、増え続ける本のために書棚を置けるスペースを確保できるやうな家を探して来た。もちろん、ほとんどは読んでゐない本である。物欲も絡んでゐるだらう。好きな作家は全集を揃へるといふ読書スタイルも絡んでゐるかもしれない。となれば、本はとめどなく増えていく。 しかし、最近は「もうこのあたりで今ある本を読むことに専念しよう」といふ [続きを読む]
  • 時事評論 平成30年10月号
  • 「時事評論石川」10月号のお知らせ。 今月号の内容は次の通り。 どうぞ御關心がありましたら、御購讀ください。 1部200圓、年間では2000圓です。(いちばん下に、問合はせ先があります。)                     ●    ☆    ☆    ☆我々は安倍首相に日本を託したがトランプ大統領に託した覚えはない        韓国語翻訳家 荒木信子            ● 今、なぜ新 [続きを読む]
  • 『批評の魂』――いいな、かういふ本をずつと讀んでゐたい。
  • 批評の魂前田 英樹新潮社 『批評の魂』をついに読み終はつてしまつた。かういふ本をずつと讀んでゐたい。忘れてゐたことを思ひ出させてくれる、さういふ経験ができる本には滅多に出会はないが、久しぶりに邂逅できた。 言ひたいことは、次の言葉に尽きていようか。「遠い昔に学問と呼ばれたものは、どうなっているのであろうか。人は何を信じ、いかに生きるべきかを、わが身を賭けて問い詰める分業の役割、宣長の言う『道の事』 [続きを読む]
  • 内田樹『ローカリズム宣言』を読む。
  • 久しく更新してゐなかつた。それでも毎日のやうにこのブログをのぞいてくれる方がゐるのはありがたい。感謝してゐます。 公私ともに大変な時期に入つてゐて、距離を取るのが非常に難しい。そんな時に以前なら福田恆存やら山崎正和やらがとても良い安定剤になつてゐた。が、今は彼らの問題意識よりももつと浅いところで起きてゐる瑣末な(少なくとも私には瑣末にしか思へないことで、私と私の周囲が真剣にならざるを得ない)事 [続きを読む]
  • 樹木希林さん、さやうなら。
  •  現代人が「演戯」と接する場面は、テレビ、映画、演劇であるが、その中で圧倒的に多くの数を占めるのは、テレビと映画である。となれば、その中で演じる人=俳優の水準が私たちの国の演戯の水準である。さうであれば、さらに言ふと、その中でも名優といふ人がゐなくなれば、私たちの国の演劇の水準も怪しくなるといふことである。 その意味で、この樹木希林といふ女優の死が、私にはとてもつらい。 悲しいし、悔しいし、なぜだ [続きを読む]
  • 時事評論 平成30年9月号
  • 「時事評論石川」9月号のお知らせ。 今月号の内容は次の通り。 どうぞ御關心がありましたら、御購讀ください。 1部200圓、年間では2000圓です。(いちばん下に、問合はせ先があります。)                     ● すつかり秋らしくなつた。エアコンをつけることも少なくなり、休みの日の夕方ベランダで読書をしてゐても寒くてくしゃみが出ることもある。天気の良い日が少ないといふこともある [続きを読む]
  • 『ゴッホの手紙』
  • 小林秀雄全作品〈20〉ゴッホの手紙小林 秀雄新潮社 小林秀雄に『ゴッホの手紙』といふ評論がある。 そのはじめの方に「悪条件」について書かれた節がある。私たちの近代が、どういふ状況の中にあるかといふことだらうと思ふ。やや唐突な感じで書かれたのが次のやうな文章である。 悪条件とは何か。 文学は翻訳で読み、音楽はレコードで聞き、絵は複製で見る。誰も彼もが、さうして来たのだ、少くとも、凡そ近代藝術に関する僕 [続きを読む]
  • 「無様な理想主義」
  • 批評の魂前田 英樹新潮社 今、前田英樹の『批評の魂』を読んでゐる。とても面白くて、ゆつくりと時間をかけて読んでゐる。 今日読んでゐるところに、昨日書いた話題に関連する事柄があつたので引用する。「自然主義作家らがしたことも、多かれ少なかれ創作に過ぎないが、その創作がもたらす真実味は、彼らを取り巻く現実よりも生き生きとしている。それはなぜか。言うまでもない。『どうかして生きたい』という彼らの烈しく、無 [続きを読む]
  • 「ものの奥行き」
  •  観念的な営みがとても大事なものだと思つてゐるが、その観念が現実を破壊しようとするとき、私はその観念を信じることを全力で否定する。何度も書いてゐることだが、北極星は私が今いるところを正しく示し、私が行く道を正しく導くものとして十分に意義ある存在である。このことは誰よりも深く信じる。しかしながら、だれかが北極星に行くことを目的として人々を先導しようとするならば、それを私は否定する。私たちの行く道は決 [続きを読む]
  • 伊井直行といふ作家
  •  『さして重要でない一日』に収められてゐる別に一篇「パパの伝説」を読んだ。「パパ」といふある田舎の資産家の下にひよんなことから居候するやうになつた「僕」が記録した「パパ」とその家族の話である。どこかしら不気味な感じがあつて、いろいろなエピソードで構成されていく仕立ては「さして重要でない一日」と同じである。こちらの方が先に書かれ、その5年後に「さして重要でない一日」が書かれたやうだ。私には後者の方が [続きを読む]
  • 『さして重要でない一日』を読む
  •  6月の地震で崩れた書棚の本を整理すべく、ここのところ本の分別をしてゐる。事前に本を段ボール6箱取りに来てもらふことになつてゐたので、期日までにいるもの、いらないものに分ける。それが昨日終はつたので今日は朝から少し落ち着いた気分で本を読んでゐる。 整理してゐる途中で目に入つたのがこの『さして重要でない一日』であつた。何だか今の気分にぴつたりに感じたからかもしれない。作者の伊井直行といふ人もよく知ら [続きを読む]