言葉の救はれ??時代と文學 さん プロフィール

  •  
言葉の救はれ??時代と文學さん: 言葉の救はれ??時代と文學
ハンドル名言葉の救はれ??時代と文學 さん
ブログタイトル言葉の救はれ??時代と文學
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/logos6516
サイト紹介文言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。
自由文日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供92回 / 365日(平均1.8回/週) - 参加 2014/10/06 21:46

言葉の救はれ??時代と文學 さんのブログ記事

  • 『賢者の毒』を讀む。
  • 「賢者の毒」留守 晴夫圭書房 留守晴夫先生の新著である。昨日、帰宅すると書斎の机上に置かれてゐた。丁寧な拵へは、留守先生の本らしい。表紙の絵と扉の絵とは、誰のものかは分からないが、表紙の絵は先生の似顔絵にも見える。グラスチェーンをつけた先生の姿をお孫さんが写しとつたものであらうか。「賢者の毒」といふ言葉の厳しさと、絵のタッチの柔らかさが、この本から伝はる印象そのものである。毒は蜜であり、蜜は毒であ [続きを読む]
  • 「歴史と人間」4(最終回)
  • 承前 矢内原は、講演の最後に「歴史を創る人間とはいかなる存在か」について語る。「吉田松陰についても、今日に於て松陰の思想は斯うである、松下村塾は斯うであつたと言つて世人は尊敬し賞賛しますけれども、松陰の松陰たる点は、彼が時代に於て容れられなかつたにも拘らず、自分の信念は天地神明に対して背かざるものであるから、どんなに世間の人が自分を容れなくても、排斥しても、自分は正しい松陰の守つて居る道が正しい [続きを読む]
  • 内田稔氏の逝去を悼む
  •  私はただ三百人劇場で、内田さんの芝居を観ただけである。しかし、その声は舞台の底に絶えず響いてゐて、次の役者の台詞をしつかりと支へてゐた、そんな感じで芝居を観、聴き続けてゐた。決して派手ではない。『セールスマンの死』も『クリスマス・キャロル』も懐かしく思ひ出す。 享年91。大往生である。御冥福を祈る。http://www.theatercompany-subaru.com/ [続きを読む]
  • 太陽の塔に桜は似合ふか。
  • どうといふこともない感想を一つ。 大阪の夜桜は5年ぶり。この5年ほどは桜の見頃は4月だつたので、3月中にこれほどの開花状況は好機だ。そこで万博記念公園に出かけた。ここは若い人が多かつた。家族連れもゐたが、大学生やら若い男女やらが多く賑はひは独特。大道芸人がさうした人々に囲まれ盛り上がつてゐたし、各地?美味しい?ジャンクフードが店を出してゐてさながらグルメ博のやうであつた。 桜は満開。ライトアップ [続きを読む]
  • 歴史と人間 3
  •  次のやうな言葉を、現代日本人はどう読むだらうか。教条主義として一蹴されてしまふのであらうか。「このやうな真実の人間を新に生れ出でしめるものは基督教の福音である。罪を赦されて不死の信仰を与へられ絶対にして永遠の善たる神を信ずることによつて、始めて真実の人間、強い正しい人間が出来るのでありまして、かかる人間が真に真理を維持し、国を救ひ、人類の歴史を建設して行く者である。現代の思想的危機に於いて必要と [続きを読む]
  • 大阪城の春
  • 間もなく大阪を離れるので、昨日は大阪城に花見に出かけた。例年だと三月中の花見は難しいが、今年は一週間ほど早く開花して今が見頃。平日でもとんでもない人出。外国人の多さも9年前に出かけた頃とは大違ひ。社会が変化してゐることを感じた。 桜の花はいつまでも側で見てゐたいと思はせるから不思議だ。柔らかな色合ひが心の鎧を外してもいいと思はせるからであらうか。 もう少し、春の速度が遅くなれば。 [続きを読む]
  • 「歴史と人間」2
  • 承前「処女降誕が信ぜられないとか、何とか言つてますが、このやうに科学的に説明出来ないことは何でも信じないといふ合理主義が生き詰まつたところに、現代の思想的危機があるのではありませんか。(中略)科学の進歩によつて宇宙の秘密は見な解ると思つたが、科学が進歩すれば進歩するほど、科学の及ばない世界の存在が知られて来た。」 今日の言葉で言へば、価値相対主義こそ「現代の思想的危機」であらう。科学主義に基づき [続きを読む]
  • 「歴史と人間」1
  •  「真の意味に於いて人間が歴史を作るといふことは、ただ日常の営みをする、何かを行動するといふことではありません。根本的意味に於いて歴史を作る者たる宇宙的意思へ、己の意思を合致せしめ、歴史作成者たる絶対者の定めたる歴史の目標に向つて己の行動を向ける時に、人は始めて真の意味に於いて歴史を作る者であり得る。」(矢内原忠雄「歴史と人間」) 同じ行動でも、時代を画することになる場合とならぬ場合とがある。それ [続きを読む]
  • 欠落感が思考を生み出す。
  • 矢内原忠雄全集を読み続けてゐる。 彼は神学者ではないけれども、世界は体系的であるといふ信念から、さまざまな事象を解釈して、かうあるべきであるといふ理想を提示する。したがつて、勢いその文章は演繹的でもあるし、極めて論理的に文章を書いた構築物のやうでもある。 トマス・アクィナスはほとんど知らないけれども、神学を体系立てるにはかうした構築物として言葉を組み立てることが必要なのだらう。 [続きを読む]
  • 時事評論 平成30年3月号
  • 「時事評論石川」3月号のお知らせ。 今月号の内容は次の通り。 どうぞ御關心がありましたら、御購讀ください。 1部200圓、年間では2000圓です。(いちばん下に、問合はせ先があります。)                     ● 世の中、またぞろ森友学園問題である。 もはや何が問題なのかが不明である。八億円の値引きが問題だといふのであれば、それは隣の豊中市への払ひ下げが、さらに安い2000万円であつ [続きを読む]
  • 今年の卒業生に書いたもの
  •  今月の4日は、私の勤めてゐる学校の卒業式だつた。2年生から教へてゐたので、丸5年。最後の一年は担任も務めた。さうした生徒に、伝へるべきことは伝へたか。あるいは伝へられたかと言へば、心許ない。私の意識は、あまりさういふところに向かはなくなつてしまつた。これが年齢によるものなのか別のものなのかは分からないが、事実として記録しておかうと思ふ。ただ、書き物としては書いておいた。 以下は、『卒業文集』に載せ [続きを読む]
  • また蘖(ひこばえ)が生えて来るのだ。
  •  矢内原の「自由と統制」の続きである。 真理は、学問の中で明らかになつていくものであるが、それぞれの主観に基づいてゐる限りは、人の数だけ真理があることになる。だから、主観とは別に客観性といふことも大事である。この「真理の客観的権威が統制の基礎」である。学問や思想には自由があるが、それは同時に客観的な真理の統制を受けなければならない。「自由と統制」である。これが二つの原理である。 「自由主義の時代に [続きを読む]
  • 真理は楕円形だ。
  •  矢内原の「自由と統制」を読んだ。全集の頁で6頁半。実に短いが重要な論文である。 1937年11月29日。東京商大(現在の一橋大学)基督教青年会50周年記念講演で話されたもので、文末には追記として「右は私自身の一身上の問題が切迫した最中に為した講演速記であつて、その四十時間後に私は東京帝国大学教授の辞表を提出したのであつた」と書かれてゐる。思ふところがあつて、決意にみなぎる迫力が伝はつてきた。その不思議な印 [続きを読む]
  • 時事評論 平成30年2月号
  • 「時事評論石川」2月号のお知らせ。 今月号の巻頭は、拙論です。 どうぞ御關心がありましたら、御購讀ください。謝罪を公表する意味も考へられずに何でも「謝れ」の大合唱は、見てゐて「厭な感じ」がするものです。犯罪は日々起きます。しかし、それを裁くのは司法だ。テレビを使つて国民に謝らせるのは、それを国民が求めてゐるからであらう。まさに公衆リンチである。 特別目新しい論点でもないが、整理をしてみたものです。 [続きを読む]
  • 「自由と自由主義」を読む
  • 河合栄治郎全集〈第2〉トーマス・ヒル・グリーンの思想体系 (1958年) (現代教養文庫)河合 栄治郎社会思想研究会出版部 矢内原の続き。 ここのところは、自由論が続いてゐる。中でも中心をなすのはこの「自由と自由主義」である。河合栄治郎の二つの論文「トーマス・ヒル・グリーンの自由論」「自由主義」を取り上げて、その自由概念の混乱を論じてゐる。 河合は、日本にグリーンを紹介した中心人物であるらしく、「熱心なるグリ [続きを読む]
  • 『結論は出さなくていい』は現実だけにして
  • 結論は出さなくていい (光文社新書)丸山俊一光文社 NHKのプロデューサーで「ニッポンのジレンマ」など人気番組を担当してきた丸山俊一氏の著書。本屋でそのタイトルに惹かれて購入したが、これほど「結論のない」本が出版されるといふのもすごいことだと思つた。 終りの方で著者自身がかう書いてゐる。「開き直るわけではないが、この一見脈絡ない運動性こそが、ひとつの思考の方法なのであり、安易には消費されない免疫力を [続きを読む]
  • 理性と知識とを信仰する近代人
  •  矢内原忠雄を読んでゐる。 今日は、「人口問題と聖書」である。経済学者である矢内原は、当然ながら産業化によつて人口が増えていく近代社会の人口問題を考へていく。マルサスの『人口論』、ゴッドウィンの『政治的正義』、ブハーリンの『歴史的唯物論』を俎上に載せて論究してゐる。私にはあまり理解ができない事柄も多く、ただ頁を繰るだけといふところもあつたが、批判の中心は「自ら人間の理性と知識とを信仰する」だけの彼 [続きを読む]
  • 機械こそ、画一的に物をつくるのが難しい。
  •  車の調子がおかしくて、ここのところディーラーに行く機会が多い。 どこから出てゐるか分からない異音が出るのだ。 運転席のドア辺りから音がするので、それを見てもらひ、「確かにしますね」といふことで、修理する。すると後ろの方からも音がするので、また別の機会に行くと、「なるほどしますね」といふことで、部品が届くのが二週間かかるので、その頃にまた来てくださいとのこと。三時間ほどかかつて修理するが、帰りの車 [続きを読む]
  • 『マルクス主義とキリスト教』
  • マルクス主義とキリスト教 (1956年) (角川文庫)矢内原 忠雄角川書店 矢内原忠雄を引き続き読んでゐる。 『マルクス主義とキリスト教』は全集第16巻の巻頭に収まる大論文である。 キリスト者にたいして、マルクス主義はどういふものかを社会科学者たる矢内原が渾身の筆致で書いたものだ。 今日では、マルクス主義など見向きもされない思想であり、もう「終はつた」思想であると思はれてゐる。しかし、どつこいさうはいかぬ。唯 [続きを読む]
  • 段差を一つ見つけました。
  • 一橋大学の入試問題を解いてゐる。10年ほど前のもので、肉声による情報の重要度とメディアによる情報の重要度が転倒したといふ内容であつた。そのことをちよつと高校生には分かりにくい表現で書いてゐて、ご多分に漏れずそこに線が引かれ、どういふ意味かと訊いてゐた。転倒といふ意味はひつくり返ることだが、一人の生徒は倒れたといふ意味で理解してゐた。それでは何のことか分からうはずはない。 20分くらゐしてその事態に私 [続きを読む]
  • 「嘘を愛する女」を見る
  • 忙しいから気持ちを切り換へたくて、映画を観に行くことにした。朝一番の劇場はとても空いてゐた。観たのは「嘘を愛する女」。観た後の印象はタイトルが違ふのではないかといふこと。家内がどんなタイトルがいいのかと訊くので、「愛に気付いた女」だと思ふと答へた。内容は書かない。内容からしたら私の方がいいと思ふが、それでは観に来る人はゐないかもしれない。プロが付けた名前に違和感があるが、それが狙ひなのかもしれない [続きを読む]
  • 大学入試問題を解いてゐます。
  • 国公立大学の願書受付が終はり、あとは25日の本番を待つばかり。阪大や京大の物理の問題での不備が取りざたされてゐるが、入試は滞りなく行はれる。 今は問題を解いては生徒の解答を添削してゐる。言つて良ければ、入試問題は悪文ばかり。それらを読みながら生徒の答案を採点する。これが随分大変。 しかし、これ無くしては国語力はつかない。単なる受験力ではないかといふ疑問は尤もだが、悪文を読んで主張を読み取るといふの [続きを読む]
  • 保守主義者の生き方
  •  先日、なぜか知らないけれども、次のページのアクセスが伸びた。 改めて読んで、こんな言葉を噛みしめた。「さほど希望を持たず、目下の情勢の成り行きを変えたいという野心も持たず、そして結果として何も起こらないように思われる時でも意気消沈したり挫けたりすることなく、ひたすら問題の核心を見抜くこと、真理に達しそれを説こうと努めることに専念する数少ない作家が必ずいなければならない」 かういふ作家がゐないこと [続きを読む]
  • 内田樹『直感はわりと正しい』
  • 直感はわりと正しい 内田樹の大市民講座 (朝日文庫)内田 樹朝日新聞出版 内田樹は、とても文章がうまい。読みやすいのだ。思考のリズムと書き方のリズムが軽快で、一読して理解される。何度も読み返すといふことは難解な文章にはよくあることだが、ただ難解といふだけでは困る。難解でありながら味はひがあるといふのは、読書にとつては幸福な体験である。しかしながら、そんな体験は滅多にあることはなく、だいたいはただ難解な [続きを読む]