あたりを闇がすっぽりと包みこみ、だれもが互いを干渉しなくなったときふと、こころをかすめる――あの空って、ほんとの空?宇宙につながるはずのこの空に、なにかが覆いかぶさり、すべての恵みをうばいさる闇が生まれる……、否、生まれた。おもいを遠くにはせ、おおい被さる闇をつきやぶり、宇宙のなかに溶けこむ。脳裏にうかぶ霞のたなびく果てに、赤い月がある。地上で見るよりはるかに大きい。そして、山のみどり、川のせせらぎ……みんなキレイだ!林をあるき回り、立ちこめる陽炎をはらい、いま、茶畑に立っている。湧きでる清水の流れをつたい歩く、あるく、、、いつの間にか山あいを緩やかに流れる川になり、魚やちいさな虫がなににも脅かされることなく、泳ぐ。悲しい、、、寂しい、、、ほゝを伝う涙が、止まらない。母という名のつく女性はいても、おふくろ...ポエム焦燥編(おふくろの詩(うた))