つむじ風 さん プロフィール

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つむじ風さん: つむじ風
ハンドル名つむじ風 さん
ブログタイトルつむじ風
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/scramblepoint
サイト紹介文世の中のこと、あれこれ。 見たこと、聞いたこと、思ったこと。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供74回 / 365日(平均1.4回/週) - 参加 2014/10/11 09:40

つむじ風 さんのブログ記事

  • 異境
  • 堂場瞬一/小学館文庫 2014年5月13日初版。484pの長編、ちょっとはみ出しの記者が主人公。なかなか素直になれず、意地を張り、本社社会部から追い出されて横浜支局へ異動(左遷された)。そこで待っていたのが今回のストーリーの中心になる同僚記者の失踪。異動してきたばかりで、信頼できる同僚も、何のバックアップもない状況での苦しさや、孤独感、無力感が迫る中、話をした数少ない同僚の一人が突然行方不明に。これは単なる [続きを読む]
  • 茨の木
  • さだまさし/幻冬舎文庫 2011年4月15日初版。「茨の木」=茨木(城)で、また面白い小話かと思ったが何の関係もなかった。兄に認知症が発症したというのに、見舞いも無しに、いきなりイギリスへ行くものだろうか、ヴァイオリンがいくら気になったからといってもちょっと唐突な設定のようにも思う。 モデルは著者が中学生の時に買ってもらったヴァイオリンらしいが、著者のヴァイオリンに対する憧憬が余すことなく描かれている。 [続きを読む]
  • アントキノイノチ
  • さだまさし/幻冬舎文庫 2011年8月5日初版、2011年10月31日第三刷。「アントキノイノチ」はアントニオイノキをもじった落語風の小話集か何かだと、読む前に決めつけていた。本文でもそのことに触れた部分があり、著者も気にしていたのかと笑えた。しかし、これは本当にさだまさしが書いたモノなのか、どうも今一つ信じられない。 当初、お題から「アントニオイノキ」に掛けた落語風のチャラい話かと思っていたが、冒頭いきなり引 [続きを読む]
  • 眉山
  • さだまさし/幻冬舎文庫 2007年4月10日初版、2007年5月10日第二刷。この作品を読んで、「阿波よしこの囃子」を自分の耳で直接聞き、男形、女形の踊りの動きを自分の目で確かめ、祭りの熱気を体感してみたいと思う人は多いだろう。このイベントを繰り返し描写するのは延々と続く祭りの盛り上がりにも似ている。「阿波よしこの囃子」が巧みに(音的に)聞こえるがごとく押し寄せる波のように繰り返す。そこのところは計算し尽くした [続きを読む]
  • 解夏
  • さだまさし/幻冬舎文庫 2003年12月5日初版、2014年3月30日第28刷。487pに4編を収めた一冊。短編というには長く、長編というには短いけれども、読み応え十分な重量級の作品である。昨今「〜事件」なるテーマの作品が多い中、珍しいと思う。「かすてぃら」のノリとは異なる本格的な小説である。まるで人が違ったように思うのは私だけではないだろう。これが「さだまさし」の小説なのだと認識を新たにする。失礼ながらハッキリ言っ [続きを読む]
  • 暗礁(上、下)
  • 黒川博行/幻冬舎文庫 2007年10月10日初版、(上)2018年3月30日第17刷、(下)2018年3月30日第18刷。シリーズとしては、「疫病神」「国境」に次ぐ第三弾。相変わらず黒川作品は面白い。話に勢いがある。今回は沖縄編とでも言おうか、例によって二宮、桑原コンビが獲物をトコトン追っかけて行く。上下二冊のかなりの長編なのだが全く気にならない。 例によってイケイケの桑原はめっぽう強いのだが今回はかなりやられる。頭突きを [続きを読む]
  • うめ婆行状記
  • 江佐真理/朝日文庫 2017年10月30日、初版。大店の苦労知らずの一人娘が不浄役人の妻になった主人公を中心にした家族の、一筋縄ではいかない人間関係の描写(人情の機微)が読みどころ。主人公(うめ)自身の心の変遷、年齢に伴う変化もあって、昔見えなかったものが見えてきたり、打ち明けることで思いもよらぬ話が出てきたり、著者の得意とする滑らかな繋ぎの流れが続く。 実際、いろいろな家の問題、家族の問題があまたあるの [続きを読む]
  • ぼくは明日、昨日のきみとデートする
  • 七月隆文/宝島社文庫 2014年8月20日初版。2015年11月7日第15刷。鴨川、三条の河原町、京都らしい風景描写とともに語られる話は、行ったこともないのに何故か懐かしい。最近読んだ「鴨川ホルモー」の影響だろうか。読みやすい。スイスイ進んでしまう。多少、少女漫画的青春ドラマか、いやこのままではあまりにもありふれている、と思いながら中ほどまで読み進んだところで177p遂に出た。愛美の「現実離れした話」が。どうやらこれ [続きを読む]
  • かすてぃら
  • ―僕と親父の一番長い日―さだまさし/小学館文庫 2013年6月11日初版。著者の幼少の頃から父(雅人)が亡くなるまでの話し。この本は、すべて実名で書かれているようで、ドキュメンタリー風、自伝的物語である。あくまでも著者の目から見て、気持ちで受け止めての話しであるが、単なる時系列の列記でなく人生の哀歓を豊かに含んだ物語になっているところが印象深い。 誇張でなく真に波乱万丈の人生。この頃の人達は皆大なり小な [続きを読む]
  • スマホを落としただけなのに
  • 志駕 晃/宝島社文庫 2017年4月20日初版。著者は現在53歳(1963年生まれ)現役のニッポン放送エンタメ開発局長ということだが、口だけじゃなく実力で示した格好。久々の一気読みをしてしまった。解説ではベタ褒めだったが、確かに面白い。ミステリアスで充分サスペンスでもある。読み物の面白さのツボを押さえたような作品なのかもしれない。話としては下着フェチでPCオタクの連続殺人犯の話しなのだが、そのリアルさは現実に極 [続きを読む]
  • 宰相A
  • 田中慎弥/新潮文庫 2017年12月10日初版。気色悪い宰相Aはアドルフ・ヒトラー、安倍晋三首相がモデルらしい。社会的、政治的、作家自身も含めての皮肉か。きわめて端的な現在日本の二面性が映し出されている。「紙と鉛筆」を欲しがるTは著者自身に違いない。Jの再来として期待されてしまうTだが最後まで「母の墓参りと小説を書く」という個人的な理由にこだわるも、結局わけのわからない理由によって国家管理下の御用作家にな [続きを読む]
  • 姫路・城崎温泉殺人怪道
  • ―私立探偵・小仏太郎― 梓 林太郎/実業之日本社文庫 2016年12月15日初版。とにかく登場人物が多い。小出しにいつまでも新人が出てくる。話に詰まると新人が出てくるような按配だ。多いから悪いということでもないが、相関関係が今一つ希薄な感じになってしまう。汚れ仕事を一手に引き受ける前田比左彦も印象が薄い。何故そのような人間になったのか背景、生い立ち等を設けた方が立体的でリアルになるように思う。3〜4件の殺 [続きを読む]
  • 研修医純情物語
  • ―先生と呼ばないで―川渕圭一/幻冬舎文庫 2011年2月10日初版。著者は本物の医者で、話のネタは実際の現場から集めたもの。実経験に基くものである。確かにそれは著者の目から見ての話しなのだが、医者の仕事は実に大変なものだということがよくわかる。これでは人間が多少ひねくれても仕方がないとさえ思えてしまう。こんな現場の中で毎日「死」に向かい合って過ごさねばならない仕事は他にないだろう。ノンフィクションでもあ [続きを読む]
  • プリンセス・トヨトミ
  •  万城目 学/文春文庫 2011年4月10日初版、2011年5月10日第三刷。あとがきで判ったことだが、この作品は著者の「ふるさと」を舞台にした創作らしい。大阪人にとって、秀吉がどのような位置付けにあるのか、よくわかるような気がする。他人にとっては「そんなアホな」であり「信じられない」ことになるのかもしれないが、そんな一言ではとても片づけられない、語らずとも永々と継がれてきた心の支えのようなものが脈々と流れてい [続きを読む]
  • 物語のおわり
  •  湊 かなえ/朝日文庫 2018年1月30日初版。「告白」を読んで以降、久々の著者の作品。最初の「物語のおわり」を読んで、こんな終わり方ってあるか?と茫然自失、そのフラストレーションは相当なものであった。湊さんも、嫌な書き方をするもんだねぇと。しかし、次の章を読むと例の原稿がひょっこり出てくる。成る程ね。こんな書き方もありだなぁと。短編風でありながら「空の遠方」で全てがつながっている長編。実に面白かった [続きを読む]
  • 遠い山なみの光
  •  カズオ・イシグロ(小野寺 健 訳)/ハヤカワepi文庫 2001年9月15日初版、2017年12月25日第19刷。1994年、先行した本のタイトルは「女たちの遠い夏」だったらしい。主人公は今イギリスで暮らしている。まだ結婚したばかりの頃の長崎での暮らしと、近くに住んでいた佐知子という女とその娘万里子との出会いを回想する。数週間という短い間だったかもしれないが、その心象風景が走馬灯のように思い出される。今にして佐知子の心模 [続きを読む]
  • わたしたちが孤児だったころ
  •  カズオ・イシグロ(入江真佐子訳)/ハヤカワepi文庫 2006年3月31日初版、2017年10月16日第11刷。主人公クリストファー・バンクスはケンブリッジ大を卒業し、ロンドン社交界に出入りする探偵である。彼には幼少の頃両親が突然失踪し、孤児になったという経験がある。この「両親の失踪」を自らのアイデンティティに関わる重要な問題(原因)として捉え、追求にかかる。最終章の「わたしたちのようなものにとっては、〜」は、この [続きを読む]
  • 偉大なる、しゅららぼん
  • 万城目 学/集英社文庫 2013年12月20日初版。「しゅららぼん」は、「あれ」が人間に与えた二つの音、つまり日出家のゲップの音と棗家のオナラの音だというから、人を小馬鹿にしている。いや、狂信的な事を持ち出さないだけマシか。「あれ」とは何だ「あれ」とは。私が思うに「あれ」は昔から古い沼、湖にお住まいになっておられる「竜神様」に違いない。バンカラのホルモー、漱石張りの鹿男、そしてファンタジックなマドレーヌ婦 [続きを読む]
  • かのこちゃんとマドレーヌ婦人
  • 万城目 学/文庫 2013年1月25日初版、2013年5月20日第3刷。神社の秋祭りで、参道の夜店の二人、この楽し気な描写はなかなかのものだ。と、思っていたら最後に種明かし、何とマドレーヌ婦人が二回目の「猫股」ですずちゃんのお父さんに化けていたのだという。この幸せなゴム風船、タンポポの綿帽子のようなおとぎ話風物語は、あの無骨な「ホルモー」とは一線を画す。繊細な、それでいて別離を涙しながらも乗り越える健気さ、生命 [続きを読む]
  • 鹿男あをによし
  •  万城目 学/幻冬舎文庫 2010年4月10日初版、2011年7月25日第6刷。剣道の試合など、小説で読むことはめったにないが、なかなか新鮮で迫力もあり、殺陣やアクションにつながる面白さがあった。著者は剣道経験者なんだなぁと。 何もかもが殺人事件が起きないと気が済まない昨今の小説の中で、こんな清々しい作品はまれだと思う。その源泉は主人公の「おれ」であり、ヒロインの「堀田イト」だろう。著者の作品は「鴨川ホルモー」 [続きを読む]
  • 鴨川ホルモー
  • 万城目 学/角川文庫 2009年2月25日初版のデビュー作。鬼の姿が見えるようになってからの非現実、姿が見えなくなってからの現実、落差を感じないシームレスな連続性。古い京都であれば、それも有りかなと思ってしまう小説ならではの青春グラフィティー。結局のところ、主人公の片思い(女の鼻に魅惑されるフェチ?)と、思わぬところで出現する彼女との出会いが本音か。 話としては、本当にたわけたバカバカしい話なんだけれど [続きを読む]
  • 会計天国
  • ―ビジネス戦略ノベルシリーズ― 竹内謙礼/青木寿幸/PHP文庫 2013年9月17日初版、2016年9月12日第20刷。「アパレルブランドの会社」「フィギュア製作販売会社」「食品加工会社」「建材販売会社」「若き実業家」それぞれを例にとり、現状の分析と改善策を探る。分析は主に「財務諸表/財務三表」を使う。「財務諸表」は誰でも知っているし、作成した方も多いだろう。しかし、その分析は本当にできているのかといえば、極めて怪 [続きを読む]
  • 仔羊の巣
  • ―ひきこもり探偵シリーズ― 坂木 司/創元推理文庫 2006年6月26日初版、2013年3月1日第17刷。数あるミステリーの中でも人が死なないミステリー。「ひきこもり探偵シリーズ」は三部作。「仔羊の巣」はその中の作品で前に「青空の卵」、後に「動物園の鳥」がある。主人公は鳥井真一なのだが、なにせ「ひきこもり気味」なので、坂木 司が話をリードする。鳥井真一の論理的推理、状況分析は人並み外れているが、(坂木以外の)人 [続きを読む]
  • 仔羊の巣
  • ―ひきこもり探偵シリーズ― 坂木 司/創元推理文庫 2006年6月26日初版、2013年3月1日第17刷。数あるミステリーの中でも人が死なないミステリー。「ひきこもり探偵シリーズ」は三部作。「仔羊の巣」はその中の作品で前に「青空の卵」、後に「動物園の鳥」がある。主人公は鳥井真一なのだが、なにせ「ひきこもり気味」なので、坂木 司が話をリードする。鳥井真一の論理的推理、状況分析は人並み外れているが、(坂木以外の)人 [続きを読む]
  • 裂壊
  • ―警視庁失踪課・高城賢吾5― 堂場瞬一/中公文庫 2010年6月25日初版。何といっても「失踪課」だから、毎回誰かが失踪するが、今回はあろうことか分室長の阿比留真弓だった。しかもいつの間にか銃を持ち出しているらしい。この失踪で、隠し通してきた室長のプライベートが主人公の前にすっかりオープンになってしまった。まあそれはそれとして、この展開で、結末まで引っ張って一冊にしてしまうから、やはり作家としかいいよう [続きを読む]