MARIA さん プロフィール

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MARIAさん: 永久(とこしえ)の想い
ハンドル名MARIA さん
ブログタイトル永久(とこしえ)の想い
ブログURLhttp://fmana2000.blog.fc2.com/
サイト紹介文信義・シンイの二次小説です。 ウンスを待つ空白の4年間から、書き綴っています。
自由文「永久の想い」は、ウンスを待つ4年間から結ばれる迄を書き綴り完結しています。
「インソンの懸想」は「永久の想い」のビハインドストーリーとして、オリキャラ目線で書いています。
現在はふたりのヨンが登場する「花信風」を連載中です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供58回 / 365日(平均1.1回/週) - 参加 2014/10/31 14:22

MARIA さんのブログ記事

  • 素月
  •  後苑の石橋の上で、ウンスは空を見上げていた。 雲ひとつなくよく晴れた空に、満ちた月が光を放ち星々をかき消している。 真珠のようにひんやりと輝く月は、煌々と音を立てて池の水面を輝かせ、咲きそろった薄(すすき)は宵のなかで銀色に光っている。風が来るたびにさらさらと揺れ、伏目なその姿はそこはかとなく儚さを感じさせる。 月光鮮やかな夜は、恋しさが強くなる。 自らの肩を抱き、ウンスは二度と逢えぬ人たちに想 [続きを読む]
  • 黄色
  •  いつもより一時辰ほど早く務めを終えたある日、ふたりは少しだけ遠回りをして屋敷に戻ることにした。 頬を撫でる風の感触は穏やかになり、春の気配は日一日と濃くなっていく。木々の葉は目に見えて青みを増し、光は丸みを帯び柔らかくなっている。 足に任せのんびり歩いていると、路の外れの空き地に、菜の花が黄色い絨毯を敷いたように綺麗に咲いていた。 ウンスはふと立ち止まり、菜の花を見ながら話し出した。「ビタミンカ [続きを読む]
  • 任務・改変
  •  康安殿からの戻り道、ヨンはふと立ち止まり空を見上げた。太陽は天長を通過し、既に西に傾いている。 ──毎日は分かりませんが、来られたら……。 予めそう言っておいたものの、ここのところ雑事が絶えず、ぱーとなとやらの義務を全く果たせていない。思案ぶかげな眼差しで暫し宙を見据え、ヨンは典医寺に向かって歩き出した。 敷地内に干されている半夏を摘まみあげ、チャン侍医はまじまじと眺めている。出来具合を確かめる [続きを読む]
  • 明日のお話について
  • いつもお立ち寄り頂きありがとうございます。明日公開のお話は、先日頂いたコメントから閃きというか想像をお借りして書いたもので、「任務」の別バージョンになります。以前公開したものは、「任務・弐」「任務・参」と続いていきますが、今回の話は読み切りとなっています。途中まで全く同じですが、後半の展開を変えてありますので、明日またお立ち寄り頂けたら嬉しいです。ランキングに参加しております。皆様のぽちが創作への [続きを読む]
  • 任務・参
  •  翌日、いつものようにやって来たトクマンを捕まえ、ウンスは昨日のことを問い質した。「チャン先生の話していた事は本当だったのね。それであの人は? 中に入っていった?」「私は直ぐに立ち去りましたので、その後のことは……」 トクマンは申し訳なさそうに首を横に振る。(きっと中に入ってきたわよね。起こしてくれれば良かったのに、寝顔を見るなんて) 恨みがましい顔でブツブツと呟くウンスを見て、トクマンは咄嗟の思 [続きを読む]
  • 任務・弐
  •  薬草園を抜け典医寺の敷地内を歩いていると、兵舎に戻したはずのトクマンが再びやって来た。ヨンの姿を捉えるなり駆け寄ってくる。「隊長(テジャン)、王様(チョナ)がお呼びです」 肩に手をあてて凝り固まった右腕をぐるぐると回しながら、トクマンを一瞥する。 無言のまま手首をさまざまな角度に動かすヨンを見て、「どうかされたのですか?」 不思議そうな、気遣わしいような、曖昧な面持ちをして小首を傾げた。 トクマ [続きを読む]
  • 哀愍
  •  星明かりが降り注ぐ小高い丘の上で、足を前に投げ出し片膝を立て、両腕で躰を支えるようにしてヨンはだらりと座っていた。 ぼんやりと見据えた宵闇の先には、遠い昔の光景が色鮮やかに映し出されている。  真紅の衣裳の上に黒い半臂(はんぴ)を着た年若い男女が、仲睦まじく野を歩いている。娘はサントゥのようにきりりと髪を結い上げ、男の横顔を見つめては静かに眸で笑っている。 肩に掛けられた男の手にそっと指先を重ね [続きを読む]
  • 七夕ですね ―追記あり―
  • おはようございます。今年は新しいお話をお届けする事が出来ませんでしたので、過去に書いた 七夕の話だけを改めて集めてみました。2014年公開・「逢瀬」、2015年公開・「催涙雨」、2016年公開・「銀漢」、2017年公開・「哀愍」上記四作は全て繋がるように書いてあります。「逢瀬」「哀愍」は一話読み切り、「催涙雨」は十話完結、「銀漢」は「分陀利華(未完)」のカテゴリの中の一話とになります。物語は「催涙雨」から「分陀利 [続きを読む]
  • 胸懐・弐
  • 「王命です。医仙はお行きください」 見ず知らずの男達に腕を掴まれ、無理矢理あいつの屋敷に連れてこられた。来るなりここに閉じ込めて、いったいどうゆうつもり? 『王命』だか何だか知らないけれど、ひとを物のようにやり取りするなんて──。ほんっと、むかっ腹が立つ。 それにもう夜は明けているはず、食べるものくらい持ってきなさいよ。まさか、餓死させるつもりじゃ……? あぁもう、お腹が空くと考えが後ろ向きになる [続きを読む]
  • 胸懐
  •  ──あの方は、この中にいる。 角を曲がるなり、俺は直感した。  立ちはだかる男達に容赦なく剣を振るい、一心不乱に向かって行く。辿り着いた部屋の扉には、真鍮の錠前がかけられている。 弾む息を整え、鬼剣を振り下ろそうとした刹那、不意に申し訳なさが込み上げて、俺は振り上げた手をゆっくりとおろした。 護ると言っておきながら、結局は護ることが出来なかった。皇宮から連れ去られる時も、薄汚い男達の視線に晒され [続きを読む]
  • 自覚
  • 「ねぇ──」 呼び止める声に、ゆっくりと肩を回した。「行ってらっしゃい」 にこやかな笑みを浮かべ、あなたは俺に手を振る。 一瞬、かけられた言葉の意味が、分からなかった。……行ってらっしゃい、胸の内でそっと繰り返してみる。嬉しいようなくすぐったいような、曖昧でいて優しい温もりを持つその言葉。 思わず小さな笑みがこぼれでた。すぐに決まり悪さを覚え、俺は真顔であなたに背を向けた。 「問題はどう持ち込むか [続きを読む]
  • 再び嵌っています
  • AbemaTVで放送が始まった「シンイ―信義―」、再びド嵌りしています。スマホで視聴してスクリーンショット(スクショ)をがんがんとっているのですが、6話と7話だけで、なんと! 300枚近くとっていました(汗)序盤ウェイビーヨンを愛してやまないわたし、ウンスを迎えに行きふたりで行った江華島への旅は萌え満載でした(//∇//)今回スクショを簡単にとるために、新たにアプリをインストールしたのですが、動画も録画ができるの [続きを読む]
  • 任務
  •  康安殿からの戻り道、ヨンはふと立ち止まり空を見上げた。太陽は天長を通過し、既に西に傾いている。 ──毎日は分かりませんが、来られたら……。 予めそう言っておいたものの、ここのところ雑事が絶えず、ぱーとなとやらの義務を全く果たせていない。思案ぶかげな眼差しで暫し宙を見据え、ヨンは典医寺に向かって歩き出した。 敷地内に干されている半夏を摘まみあげ、チャン侍医はまじまじと眺めている。出来具合を確かめる [続きを読む]
  • 花見への疑問
  • こんにちは。いつもお立ち寄り頂き、ありがとうございます。前回、前々回と「桜」の話を書いていて、ふと疑問に思ったことがあります。それは焦れ焦れの頃のふたりに、花見は可能だったのか? ということです。ドラマで調べる事は不可能なので、史実にドラマを重ねて、ちょっと調べてみました。まずは、恭愍王の冊封からです。※江陵君…のちの恭愍王冬十月とありますね。前の方のページに元至正十一年(西暦1351年)とありました [続きを読む]
  • 季節へのこだわり
  • こんにちは。いつもお立ち寄り頂き、ありがとうございます。花信風を書くにあたって、ずっと気になっていたことがあります。 それは……、 双城総管府が陥落したのは、1356年のいつ頃だったのか? 春と夏ではないような気がしていたので、私の中で勝手に秋と想定して書いていました。 きちんと調べきれていなかったので、季節が分かるような情景描写はあえて避けてきましたが、どうしても気になるので徹底的に調べてみました。ネッ [続きを読む]
  • 桜雨
  • 「この路って──」 チュホンの背の上で、ウンスはしみじみとした声をだした。春色の景色が緩々と流れ、生温かな風が光を揺らしている。 帯のような路を進みひなびた集落を抜けると、満開の桜の大木があの日と同じように出迎えてくれた。枝の先に小さな花びらを無数につけて、淡く静かに咲き満ちている。「やっぱり──、そうだったのね!」 眸を煌めかせ、ウンスは老樹に視線を縫い止めた。じっと見据えるウンスの横顔に頬を寄 [続きを読む]
  • 花霞
  •  ──春になったら桜が見たいな、一面を覆っていた雪が溶けて、春がどこともなく地上に揺れ立ちはじめたある日、あなたはぽつりと呟いた。典医寺の窓を開け放ち、まだ春も浅い中庭を眺めている。「長く開けていては、風邪をひきます」 閉めようとする俺の手を制し、──閉めないで、と頸を横に振って目顔で訴える。 仕方なく手を離すと、あなたは満足そうに微笑んで再び窓の外を眺めた。鬢を揺らす風はまだ冷ややかだが、淡いな [続きを読む]
  • 「企画物」カテゴリについて
  • こんにちは。いつもお立ち寄り頂き、ありがとうございます。ブログ村もしくは検索でこちらに辿り着いた方の為に、ちょっとご説明をしたいと思います。「永久の想い」には、「企画物」というカテゴリがあります。タイトルどおり何らかの企画に参加させて頂いたときに、投稿した話だけを集めたものになります。※太字は して頂くと飛ぶようになっています。「不在」   仲良しと企画した、「ウンスのいない日」をお題に書い [続きを読む]
  • 関心
  •  カビに叱責されて以来、ウンスは寺から出る事を自粛していた。ヨンの事が心に残って離れなかったが、カビのいう事は最もだったし、何よりも大師の険しい面持ちが留まらせていた。(カビさん、今頃あの子のところに居るんだろうな) 路端の平石に腰を下ろし、ウンスはぼんやりと空を見上げた。午後の柔らかな日差しが枝の隙間から細く差し込み、色なき風が優しく梢を揺らしている。 ──かさっ、かさっ、乾いた落ち葉を踏む控え [続きを読む]
  • 間柄
  • 「考えてみればわたしたち、『恋人同士』の期間もあまりないまま夫婦になっちゃったわね」 干店で饅頭(マントウ)を食べながら、不意にウンスが話しだした。満足そうな顔でのみ込んで、茶を手に取り旨そうにすする。 つと躊躇うように顎をひき、ウンスは皿に残った最後のひとつを見つめはじめた。唇を一文字に結び、食べて良いものかと頭を悩ませている。 話に相槌をうつ訳でもなく、ヨンは目前の見慣れた光景を黙って見ていた [続きを読む]
  • 憂悶・弐
  •  あれから数日、ウンスはすっきりと割り切れないものを胸に残したまま、日々を遣り過ごしていた。 妻として夫の欲を満たしてやることも出来ず、夜毎胸に抱かれ眠るだけ──。 この腕でほかの誰かを抱き、この指がほかの誰かを酔わせ、この唇をほかの誰かに重ねるのだと思うと、赤黒い炎で胸が焼け焦げそうになる。最愛の夫を誰かと分かち合うなど、到底考えられない。 だが高麗で生きると決めたからには、『家門』と『安泰』が [続きを読む]
  • 憂悶・壱
  • 「判吏部事(パニブサ)も御史大夫(オサデブ)も、息女を大護軍の側室にと──、先達て王様に申し入れてきた」 王妃は憂わしげに大息を吐くと、傍に控えるチェ尚宮に視線を合わせた。「甥は既に医仙を正室として迎えており、側室程度では然程有益とは思いませぬが……」「王様の覚えめでたい大護軍だ。側室であろうと、充分家門繁栄に繋がると踏んでおるのだろう」 苛立ちにも似た感情が、王妃の語気を強める。「医仙は子を孕ん [続きを読む]
  • 出逢うまえのふたり
  • こんにちは、MARIAです。いつもお立ち寄り頂き、ありがとうございます。ウンスを待つ空白の四年間からスタートした「永久の想い」ですが、それだけでなく色々な時間軸を切り取って、本編とは別に書いたりしてきました。ドラマの隙間を埋めるように書いた「回顧編」、出逢う前のふたりから始まり時間軸に沿って再編集した「月に恋」。わたしはどちらかというと(いえ、絶対的に)女子力が低いので、話しの流れを決めるときは、大抵 [続きを読む]
  • 法雨
  •  ぱらぱらと軒に弾ける雨音で、ヨンは目を覚ました。 褥に妻の温もりはとうになく、軽くなった腕に寂しさを覚える。凝り固まった腕を緩りと戻し、ヨンは指先で目頭を擦った。 まだ眠気の残る顔で寝台をおり、肩に手を当て頸を回しながら扉に向かう。両開きの扉を勢いよく開けると、雨の匂いを含んだ風がヨンの頬を撫でていく。しっとりとした空気を大きく吸い込んで、ヨンは中程に置かれた卓子にやってきた。椅子に腰をおろし、 [続きを読む]
  • 花信風の始まり
  • 現在連載中の「花信風」ですが、ある話を書いたときにストーリーが浮かびました。その話のなかで、ヨンはウンスのいない世界に紛れ込んでしまいます。でもそれは現実ではなく、うたた寝中に見たヨンの夢、ということで話は終わります。その夢の部分を書いているときに、「花信風」は生まれました。このシーンから物語を進め、こんなふうに展開して、こんな感じで締めくくろう、驚くほどあっという間に出来上がりました。如何せんわ [続きを読む]