詩と写真 *ミオ* さん プロフィール

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詩と写真 *ミオ*さん: 詩と写真 *ミオ*
ハンドル名詩と写真 *ミオ* さん
ブログタイトル詩と写真 *ミオ*
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/miolemon8
サイト紹介文毎日は砂浜のように。 きらきら光る粒を探して歩く。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供57回 / 365日(平均1.1回/週) - 参加 2014/11/23 11:43

詩と写真 *ミオ* さんのブログ記事

  • ひとひらの影
  • 目をこらす呼吸をしている生きているらしい胸のふくらむのに合わせて夢の中の場所がゆらゆらする鉢をのぞきこむと水の奥に金魚が泳いでいるように暗がりの中でそっと追いかけているかなしみなのかよろこびなのかわからないひとひらの影 [続きを読む]
  • 何度も聞いた思い出話だったけれど、それだって、一度きりの出来事だったんだ。なにもかも一度きりのことばかり。いっしょに過ごせる時間はたくさんあると思っているけれど、たくさんの思い出も、ひとつひとつが、すべて一度きりの経験だった。ありふれていることは切実でない、なんてことはないのだろう。それなのに自分自身が、むしろあたりまえのこととして、剥がれていく網膜の一部を簡単に切り捨てようとしてしまう。見えてい [続きを読む]
  • わすれてしまうかすれてしまう声顔は覚えているけれど声を思い出せなくなってしまったのと悲しそうに記憶という不確かな液体が時とともに流れていってしまう空洞によって形のない空気によってわたしの耳に届くないことによって生まれてくる声ふるえるふるえるどうやって失われたかもわからないもともと物ではなかったのになぜあなたはそこにいたのでしょうなぜあなたはそこにいないのでしょうつかめないものをたよりにひとは生きて [続きを読む]
  • JR
  • 山の手線に乗っていて、ふと顔をあげたら、向かいの電子車内広告にわたしの月には華があると出ていた。あれ?なんだろう。ちょっとおもしろい、と思った。おもしろいと思うとき、自分の中の何かが、ぐぐっと動かされる感触がある。その何かとは、「言葉とは、こうきたら、こう続くはず」という自分の中の教科書的な感覚。というか思い込み?大きく、ぐーっと動かれる、というよりも、重たい石(わたしの感覚)が、ぎゅっとした力で [続きを読む]
  • 風景の一部
  • ふとしたときにある情景が浮かぶことがある。見たことのない景色なのに、不思議と心惹かれるので、前世の記憶かな、と思っていた。信じる、というより、戯れに。前世という割に、けっこう現代的な光景もあるぞ、とあるとき気が付いた。もしかして、誰かの意識や記憶が、知らないうちに、他の誰かの意識にすっと紛れ込んだりすることもあるのかな、と思うようになった。戯れに。だから私も、なるべく幸福な気持ちを味わっているほう [続きを読む]
  • 目に映る緑
  • 眉毛の下にホテルがあるそれはだれにも言ってなかったことだ部屋からは空と湖が見渡せたボートは小さく向こうの水面を滑っているなびかせたい機微がいくつも揺れている野の花の地図胸の形の等高線湖畔詩人になろうかな言葉よりも前のゆるやかな結びつきで湖がまばたくとき色が変わる緑になり青になり黒になる雲の道連れの影が木々にも山々にもホテルにもひっかかることなく走って逃げたり遅れてついていったりするからここは電話の [続きを読む]
  • 投げつけようとして奪うもの
  • 時間があればかまってしまうからかえってわからなくなってしまう余裕がなくてぱっとつかまえる翼それが尾ひれのつかない正体速く激しく強く雑音にまみれた日々からはらわたを抜き取るそれは透明で柔らかいのに弾力があって抱き締めるとはちきれんばかりになって全身でかわいく抵抗する [続きを読む]
  • 待ち合わせ
  • 知っている人と会うために知らない場所を選んだ早めに着く景色になれる場所を見つけて擬態する通り過ぎるたくさんの人たちは違う星の言葉を話し知っている人は少し知らない人になる服装も髪型も表情も予想だから未知になる腕時計の1分毎に違う色の物語を埋め込むそうしてあらわれるあなたはいつも私の予想を少し上回り新しい星のように瞬きながらやってくる [続きを読む]
  • あじさい
  • 雨が降り、タオルケットを蹴飛ばした。元気のいい人を思い出した。私は起きない。魚眼レンズのように天井を眺める。雨が降ってもおもしろいことは降ってこない。今日一日が空気の層のように手応えがなく宇宙から帰還した人のようにその重さだけずしりと感じた。内からも外からも私を動かす力がない。このままでは日暮れまでここにいてしまう。グゥ。おなかが鳴った。内から現れたふいに私を動かす力。ピザトーストを食べてコーヒー [続きを読む]
  • ローズ
  • 花びらの重なりの緊密さに害が及んでゆるく結ばれていた手と手も離れていく夕暮れが曇り空へおずおず別れを告げ始めるあたり坂道を登っていく車を背後に私は中腹で立ち止まり地図を確かめる霧に包まれた荒野のような頭の中からかかとが交互に出ていった都会に紛れ込む森のほうへと澄んだ鳥の声は姿を持たないまま光を受けた雨粒のように降る窓がある初めて聞く音楽の中に遠い昔の記憶が形も色も少しも損なわれることなく残っていた [続きを読む]
  • さぶいぼ やばし
  • お疲れさまです。ミオです。今日は仕事で何通もメールを書いたので、その感覚がまだ残っています。ふと、どこに残っているのだろうと思ったのですが、会社でメールを書くときにはキーボード入力、いまこれを書いているのはフリック入力、とすると手の動きではない気がします。お疲れさまですと言いたくなる感覚を、耳をすませるように、体をすまして探してみると、頭の中の口が、ぱくぱく、と動いているのを感じます。などと書くと [続きを読む]
  • 忘れ物
  • ひとりで出掛けた葉っぱのように風が揺れてまだらな影が落ちるどんな声が呼び交わしている聞こえるものは意味を失い聞こえない声が伸びてきて背中に触れる太陽のきらきらする粒子に混ざっている過去の中の可能性の石たちカーディガンを重ねるわたしをはるかに追い越して星座のように光るはめるのを忘れてきた腕時計がテーブルの上で確かめられることのない時を刻んでいる [続きを読む]
  • ネタバレ注意!
  • 先日は、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』のセミナーの日だった。そうでなくても読むのが遅い私。そうでなくても年度末は忙しい前職場を、年度末で退職することにしていた私。そうでなくても学ぶことがたくさんある新しい職場で、4月の課題図書として5冊も本を与えられた私。通読してから行かなければいけないのに、間に合わなかった。今回は第4巻『花咲く乙女たちのかげに2』の会で、前回のセミナーの際に主催の先生 [続きを読む]
  • ある晴れた五月の日
  • ある晴れた五月の日木立の中のベンチに座る風が吹いているついさきほどまで室内で踊る影として見ていた枝葉とわたしも同じ空気に色彩の部屋として溶かされさらわれている煉瓦の小道を木の葉が駆けるすべてが一体となり同じ向きへたなびくわたしはなにもしなくてもわたしでずっと昔のある日から立っている一本の木地層のように積み重なったあまたの風の層を貫く [続きを読む]
  • 片割れ
  • 夢には独特な作法があってあなたの感触がある無造作にペンキの刷毛を沿わせた壁のようにベッタリとあなたがわたしに塗られているあなたが誰なのかも不明のままで意識が均等に分け与えられているはずのこの世界に目覚めたいまわたしに塗られたペンキは他の人にも見えるだろうか鮮烈な青を抑えた日々は過ぎ窓から流れてくる淡い色だけ受けとめるそのようにわたし自身さえ思っているからだに朝の若葉さえ招き入れない強い透明が反射し [続きを読む]
  • 生放送
  • いまお昼を食べて、ラジオを聞きながら書いています。そう、新しい職場ではラジオを流しながら仕事をしています。良さそうでしょう。始めは私もそう思いました。でもすぐにわかりました。ラジオを聞きながらの仕事は私には向いてません。もともと集中力がありません。動物的本能が優れている、と言っていただきたいところですが、現代ではちょっとした刺激にいちいち反応しているようでは、仕事も勉強も、まして詩を作ることなんて [続きを読む]
  • 連鎖
  • 動いているわたしがそこにあるはずなのに空気がそこに満ちているはずなのにわたしのインクは広がるには不器用すぎてわたしはわたしの書くことにうんざりするだから他の人の書いたものを読む他の人の文章にもときどきうんざりする読んでいる心が剥がれかけるすると言葉の連なりがふいに布のようになって波打つ見えない形のまま隠されている何かにぐいと押されてまだ現れてもいない言葉を書き留めたいと思う嘆きでも昂ぶりでも意味で [続きを読む]
  • 時間がない、らしい
  • 仕事で本を読まされているのだけれど、それで私もがんばるぞ、と思うのだけど、もともと目的のない時間、目的のないことが好きなのだった。だから詩、というか文章の周辺を、言葉の砂漠地帯のような私なのに、なんとなく続けているのだった。でも新しい職場では、目的地が大事っと言われていて、私も聞いてる時はふんふんふん、そうですよねそうですよね、と思って聞いている。土日に、近所のスーパーにたらたら歩いて買い物に行く [続きを読む]
  • ほんのり好きなもの
  • 朝、NHKのニュースを見るのだけれど、世界のメディアザッピングがいまの私のお気に入り。朝というのは仕事に行く前の時間であり、大抵は少し憂鬱。だから、なんとなくつけている番組にひそかな楽しみを見つけて、小さなことなのに、実はそれにしがみつくような気持ちであったりする。高松にいた頃は『シャキーン!』だった。その当時は生保会社に勤めていて、とても楽しかったけれど、内容的にはかなり緊張感のある仕事だった。お [続きを読む]
  • 木の姿
  • 木の姿を幻想にまとわせた美しい絵本展示を見終えて美術館を出た母とわたしは公園で立ちどまる絵本のページの続きのように冬の木立ちに囲まれていた遠い国の言い伝えが紙の舟に乗って心の入江に接岸しまなざしから出港して木々に命を吹き込む夏の間隠れて見えなかった声が空に向かって希求する移りゆく色を背景にして公園は劇場になるトランポリンを運ぶようにわたしたち二人は母と子太古からの円をこの空間に持ち込んでいたそこで [続きを読む]
  • 卒業
  • 昨日は3年5ヶ月勤めた会社の最終出勤日だった。このブログを始めて少ししてから今のところに勤め始めて、最初は、それまで住んでいた高松や高松で勤めていた会社が懐かしいと思ったりした。けれど、そのときはまだあまり馴染んではいなかった新しい職場が、いまはすっかり懐かしい会社。離れることになって、とても離れがたい会社。朝少し早めに行って広い敷地の中で、陰に隠れているベンチに座ってコーヒーを飲むのが好きだった。 [続きを読む]
  • 徒らに
  • 時間がないと時間があれば一日詩を書いたりその周りのことについて考えていたいのれんのように文章を行ったり来たりしていたいと思ったりする時間があれば詩なんて書けないと思う言葉ばかり考えていられないと思う用事と用事の合間を縫うようにでないと文章なんて考えられないのにと思う私の心は虹のように移りにけりな徒らに時間に対してなんて勝手なんだろうと思う街を歩いているとショーウィンドウに誰もいないシステムキッチン [続きを読む]
  • 新しい一歩
  • この縁を捨てて新しい場所へ行こうとするわたしはそれほどのわたしなのだろうか胸の中で水たまりのように疲れがだらしなくひろがっている笑顔が咲く野原を出て正しい考えもなく煉瓦を壊して新しく積みあげる気力もなくニュースペーパーのインクの匂いも風に消えチェシャ猫の笑顔のように拳だけが残っているわたしも煽られただけだったんだ街中を踊っている文字たちに自分の願いを叶えたいためにひとを動かそうとする文字たちにすべ [続きを読む]
  • 美しいに至る道
  • 美しいという言葉は美しいそう思うのは歴史だろうか生きているわたしはいま歴史の最先端に立っていてそのわたしがそれを美しいと認識するまでわたしが美しいと思うものを造ったひとがその分野の伝統を学ぶまでその分野の美しいがいまの姿に至るまでわたしが何かを美しいと思うに至るには長い歴史が必要でわたしが美しいと言いたくなるものを造るひとが美しいを学ぶまでその道でいまの美しいができあがるまで美しいという形容は薔薇 [続きを読む]