雪村月路 さん プロフィール

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雪村月路さん: 遥かな国の冒険譚
ハンドル名雪村月路 さん
ブログタイトル遥かな国の冒険譚
ブログURLhttp://snow-moon.cocolog-nifty.com/
サイト紹介文王子様やお姫様の一行が旅をする、メルヘンのようなファンタジーのようなオリジナル小説を綴っています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供87回 / 365日(平均1.7回/週) - 参加 2014/12/03 00:31

雪村月路 さんのブログ記事

  • 軽薄な石像(02)
  •  ついさっきまで石像だったはずの若者から、にこっと笑いかけられて、フィリシアは、目をパチパチさせて、「まあ」とだけ言った。若者は両手でそっとフィリシアの片手を包み込み、困惑するフィリシアに向かって、こんなふうに語った。「あなたほど優しい瞳のお嬢さんが、隣に来てくださったのは初めてです。どうか聞いてください。そして、ぼくを助けてください。 今から十年ほど前のこと、それとも二十年ほど前のことでしょうか [続きを読む]
  • 軽薄な石像(01)
  •  草ぼうぼうの荒れ野の中に、かろうじて道とわかる程度の頼りなさで、細い線が伸びている。夏の太陽の照り付ける下を、陽光色の髪をした若者と、青い豊かな髪の娘が、馬に乗って進んでいる。 娘のほうは、大きな麦わら帽子をかぶっているけれど、うつむきがちで、元気がないようだ。若者のほうも、それに気づいているらしく、ときどき案じるように振り返ったり、休む場所を探すように辺りを見回したりしているが、あいにく適当な [続きを読む]
  • 予告:「軽薄な石像」
  • すこし夏休みをいただいていましたが、何か軽いお話を書きたくなりました。フルートとフィリシアのお話で、「軽薄な石像」、全2回かな?を書こうと思います。あさって載せるつもりではいますが、遅くなったらごめんなさい***先日、浅草のお店で、冷たい鯛茶漬けというのをいただきました。冷たいお茶漬けって初めて食べたけど、さっぱりして美味しかったです。写真ピンボケですみません。薬味を乗せてから撮れば良かったかな? [続きを読む]
  • ひとやすみ:おくすり手帳
  • 創作活動を少しお休みしています。 暑いからなのか、なんなのか、お話の芽が育たない…。 * * * ふだんからお薬のお世話になることが多いため、前からほしかった、「医療系雑貨生みたて卵屋」さんの「おくすり手帳」を購入しました。 贅沢品だと思って我慢していたけど、よく使うものなので、具合の悪いときも少しハッピーになれたらいいな、と思って。 写真が下手で申し訳ありませんが、下のような感じです。青いのは一... [続きを読む]
  • 作者より:「お祝いのお菓子」
  • 「冷たいクリーム」とは、つまるところ、牛乳と卵のアイスクリームです!フィリシアが、氷よりも冷たく冷やしてもらったボウルで、一所懸命に混ぜて、混ぜて、混ぜて作りました。「アイスクリーム」と書いたら、人によっては世界観に合わないと感じるかも?と思ったので、お話の中では「冷たいクリーム」とさせていただきました。フィリシアの祖国は、農業の盛んな地方を多く抱えているためか、夏の贅沢なお菓子として、アイスクリ [続きを読む]
  • お祝いのお菓子(05)
  •  それからしばらく、みんなでクリームとパンケーキを食べながら、故郷での誕生日の慣習について話した。境遇が似通っているから、感想が似ている点もあって、パーティーでふだん会えないひとに会えて嬉しいという話や、初対面の人を覚えるのに苦労するという話や、一方で、王子と王女ではもらえるプレゼントがだいぶ違っていたり、お国柄によっても風習が異なっていたり・・・。「でも、こういう誕生日は、初めてだ」と、フルート [続きを読む]
  • お祝いのお菓子(04)
  •  青い髪の姫君は、仲間たちに無邪気な笑顔を向けて、「お待たせ! すぐに配るから、待っていてね」 そう言って、自分も木陰に座り、バスケットの中身を出し始めた。 ふたつのバスケットのうち、ひとつめの中には、重ねた皿と、重ねたパンケーキが入っていた。姫君がそれを配分して、みんなのお皿に2枚ずつ、きつね色のパンケーキが乗っかった。「まだ食べないでね」 いそいそとふたつめのバスケットを開けると、大きなボウル [続きを読む]
  • お祝いのお菓子(03)
  •  セレンは言葉を重ねてみる。「でもフルート、君の誕生日を祝うためのお菓子だよ」「少し、申し訳ないな。でも嬉しい」 フルートは目を閉じたまま、ほのかに笑みを浮かべている。セレンはさらに言う。「フィリシアが旅を終えてクルシュタインに帰ったら、ぼくたちは、お菓子をもらうどころか、ただ会って共に時を過ごすことすら、ままならなくなるね。さびしくなるだろうな」「ああ」 短く答えた声には、はっきりと翳。セレンは [続きを読む]
  • お祝いのお菓子(02)
  •  さて、陽光色の髪をした王子様のほうはと言えば。盛夏には自分の誕生日が来る、ということなど、もちろん、きれいさっぱり忘れていた。したがって、いつものようにセレンとふたりで地図を見ながら予定を計画しているとき、さりげなく、こう指摘されることになった。「その行程だと、君の誕生日は、一日中、移動日になりそうだね?」「誕生日。そうだな。不都合か?」 フルートは、思ってもみなかったことを言われて、そう聞き返 [続きを読む]
  • お祝いのお菓子(01)
  • 「ねえ、セレン?」 青い髪の姫君が、何か言いたそうに近づいて来るのを見て、セレンは、あれ、と思った。というのも、近くに金髪の王子がいないのを確かめるように、周りを窺がいながら近づいて来るその様子が、セレンの知っている宮廷の花たちの、「王子殿下はどのような女性を好ましく思われるのでしょう」という質問を思い起こさせたからだ。あるいは城下に住む女の子たちの、「ルークって、どんな子が好み?」という、聞き飽 [続きを読む]
  • 予告:「お祝いのお菓子」 & ひとやすみ:京王線で謎解き
  • まず予告。フルートの誕生日のお話を書きます。夏のお話なので、ちょうど季節にも合っています!フィリシアの誕生日やゼラルドの誕生日のようなドラマは、残念ながら特にありません。タイトルは「お祝いのお菓子」。あっさりした短いお話です。全2回かな。あさって7/20にスタート予定です。ただ、最近、更新間隔が空いてしまっているので、1回目と2回目の間が空いてしまったらすみません。***そして、ひとやすみして、久 [続きを読む]
  • こぼれ話:軽佻浮薄(けいちょうふはく)
  • 「訪問者」というお話の中で、ゼラルドはリーデベルクにやって来るわけですが、その後、ひと冬をセレンの家で過ごします。ゼラルドにあてがわれていた、隣に寝室の付いた広い客室は、いつしか、フルートとセレンとゼラルドが集まって話をする場所になります。ある日、三人で話しているとき、セレンが女性関係の浮ついた発言をしたことから、ゼラルドは母国語で、ぼそっと、『これほど軽佻浮薄な人物が、いずれ王となる者のそばにい [続きを読む]
  • 宝物:なっちゃんのフィリシア姫♪
  • 読者のなっちゃんから、フィリシア姫の絵をいただきました。なっちゃんは、私の親戚の、中学生の女の子で、冒険譚を読んでくれています。いつも応援ありがとうございますフィリシアの絵を2枚いただいて、お姫様ドレスの絵と、現代っ子バージョンの絵とあるのですが、スキャンしやすいサイズだったお姫様ドレスのほうをご紹介させてください。こちらです! 気さくで優しい印象の笑顔と、ゆるやかウェーブの髪が、フィリシアらしく [続きを読む]
  • 通販開始♪「火の鳥」
  • こぼれ話を書こうとしていたら、印刷所から上がってきました! 「火の鳥」! 早割を使って発注していたので、もっとゆっくりの納品だと思っていたのですが、早割の入稿締切日よりさらに早く入稿したぶん、早く届けてもらえたみたいです。嬉しい。 電子書籍サイトの「パブ―」さんが、お手軽だった印刷サービスをやめてしまったので、今回は「しまや印刷」さんにお願いしました。表紙の美麗さを損ないたくなかったので、奮発して.. [続きを読む]
  • こぼれ話:セレンは何を書いてるの?
  • 「星降る夜に」で、セレンが寝る前に何か書きものをしていますが、彼は比較的こまめに書きものをする人です。 *** 「フルート、君もたまには、陛下に手紙を書いたら?」 「君が書いてくれるから、いい」 「フィリシア、君はどのくらいご両親に手紙を書いているの」 「大きな街に着いたときには。でも、心配をかけないようにと思うと、書けることと書けないこととあって…。セレンは、どのくらい本当のことを書くの?」 「... [続きを読む]
  • こぼれ話:小鳥の巣
  • ゼラルドは鳥が好きなので、こんなこともあったのでは。 *** フィリシアが買い物を終えて表に出て来ると、ゼラルドはいつものとおり、建物の陰になったところに、ひっそりと一人で立っていた。 ただ、いつもと違うところもあった。ふだんは視線が下を向いて、たいてい聖札を眺めているのに、今日は視線が上を向いている。口元には、ほのかな笑みさえ浮かんでいる。 ゼラルドの視線を追いかけて、フィリシアも首を巡らした。... [続きを読む]
  • 進捗状況報告(2017/06/15)
  • 更新間隔が空いてしまってごめんなさい! 「火の鳥」を印刷に出す準備をしていました。 そろそろ入稿です。刷り上がりは7月下旬の予定。 pixivにお話を持って行くのも続けています。 ルークとセレンの少年時代の話などを見直してみると、 セレン主体で進むお話が多いけど、なんだかんだ言って、ルークの人格形成にも良い影響があったはずだよなあと思います。 ケンカしたあと「ごめんなさい」が言えるのも、 相手に届... [続きを読む]
  • 作者より:「なりゆきの英雄」
  • あれこれ落ち着かず、あとがきを書くのが遅くなりました。「なりゆきの英雄」は、予定より少し長くなりました。作者にはリーダー気質があまりないのですが、ルークのそういう一面をきちんと書けていればいいなあと思います。時系列順の目次を、近々、もう少しちゃんとしようと思っています。晩秋から、解呪の冬にかけての季節には、まだ書く余白が多く残っていて、そのへんを埋めながら、全体の結びを意識し始めようかな、と。以前 [続きを読む]
  • なりゆきの英雄(04)
  •  ルークは広場を見渡して、軽くうなずき、大きな声で、落ち着いて、続けた。「ここに、あの花の化け物を叩き斬れる剣がある。見えるか? よし。 俺はただの通りすがりだけど、これも何かの縁だから、あの化け物を叩き斬る!」 おお、と広場がどよめく。「一番でかい花は俺がぶった切るけど、町中に伸びてるツルのほうも、この際いっぺんに始末しちまおうぜ! そっちは、あんたたちが! 男も女も、みんなで! 斧でも包丁でも [続きを読む]
  • なりゆきの英雄(03)
  • 「どうだかな」と、ルークは気乗りしない顔をしたものの、「試してみるしかないか。あんたはここにいてくれ」 言い置いて、タタッと駆けて行くと大剣を抜き放ち、花の化け物に向かって振り下ろした。 バチバチという硬質な音ともに、花のウロコが何枚か弾け飛んだ。赤っぽい液体も飛び散った。だが、それだけだった。花は怒り狂い、歯を噛み鳴らしながらルークに迫り、同時に、四方八方に伸びているツルが、一斉にうねうねとルー [続きを読む]
  • なりゆきの英雄(02)
  •  ひょろりと痩せた若者は、名をヒンデンと言った。ルークは馬に乗り、ヒンデンはロバに乗って、一緒に、ヒンデンの住む町まで行くことになった。道々ルークが、この大剣で何を切ればよいのかと尋ねてみると、ヒンデンは、「ツタの化け物なんだ。たくさん花があって、口があって。見てもらったほうが早いと思う」と答えた。あまり面倒なことにならないといいが、とルークは心の中で思った。 果たして、町に着いたルークは、「何だ [続きを読む]
  • なりゆきの英雄(01)
  •  愛馬は軽快に歩いているが、太陽は空高く、もうすぐ真南に届こうとしている。いくらか食べものを持っているし、どこかで休憩しよう。と、思っていたルークは、行く手の道の脇に、白っぽい石碑のようなものが見えることに気づいた。何だろう。  石碑の近くまで行って馬を止め、降りて、食べものをモグモグとパクつきながら石碑を眺めてみると、人の背丈くらいの白っぽい石でできた碑の真ん中には、一本の立派な剣が浮き彫りにさ. [続きを読む]
  • 予告:「なりゆきの英雄」
  • よーし、予告を出しちゃうよ。タイトルは「なりゆきの英雄」。ルーク単独行動の、短いお話です。全2回か3回。あさっての金曜日にスタートするつもりでいます。(土曜日になっちゃったらごめんなさい。)ちゃんと新作を書くのは久しぶりな気がします。どうぞよろしくお願いします! [続きを読む]
  • 進捗状況報告(2017/05/14) & WORD縦書きで行数が減る人へ
  • ブログの更新をさぼっていてすみません 次回のお話は、ほぼ決まっていて、「なりゆきの英雄」みたいなタイトルになります。 まだあまり書けてなくて見通しが悪いので、もう少しお待ちください。 あわせて、「火の鳥」縦書き冊子の作成にも着手しています。 こっちも、ちまちまと。 *** WORDで横書き文書を縦書きにしたとき、ページによって行数が減ってしまって、どうして? と思っていました... [続きを読む]
  • 「ゆがんだ城」を修正しました
  • そういうわけで、ゴールデンウィーク中は、せっせと作品をpixivに運んでいました。 そして、「今こそ、このお話の読みづらさを修正するとき!」と信じて、「ゆがんだ城」を全面的に見直しました。 他より長めのお話なので、ガシガシ直すのは一仕事でしたが、やっただけの甲斐あって、いくらか読みやすくなったのではないか、と思います。 と言いつつ、また時間をおいたのちに、さらにもう一度見直すべきなのだろうな、とい... [続きを読む]