napier さん プロフィール

  •  
napierさん: Soul and Belief 孤独な哲学者たち
ハンドル名napier さん
ブログタイトルSoul and Belief 孤独な哲学者たち
ブログURLhttp://soulandbelief.seesaa.net/
サイト紹介文苦悩した哲学者たちから現代をより良く生きるヒントを学びたいと思います。後に英訳も併記する予定。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供13回 / 365日(平均0.2回/週) - 参加 2014/12/18 14:58

napier さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 82冊目『心臓を貫かれて』マイケル・ギルモアShot in the heart
  • 村上春樹による翻訳なので読みました。本書についても翻訳書では通常は使われないようなこなれた表現が多く小説家でなければできない訳業となっています。著書のマイケル・ギルモアは全米の死刑廃止の潮流を変えた死刑囚ゲイリー・ギルモアの実弟です。ゲイリーは1940年生まれで学童期より問題行動を繰り返し、ついに1976年に金目的で無実の店員2人を連続殺害すると、逮捕後には自ら処刑されることを要求します。それにより家族の [続きを読む]
  • 80冊目『永山則夫 封印された精神鑑定』堀川惠子
  • 1968年に米軍基地から盗みだした拳銃を使って全国各地で4人を殺害した連続射殺魔事件。翌年逮捕されたのは19歳のひ弱な少年でした。本書では、1997年に死刑執行された彼、永山則夫の精神鑑定を担当した石川義博医師から託された鑑定書と100時間を超すテープレコーダーを中心資料として、以前より永山の足跡を追っていたジャーナリストの著者が、永山をして凶行に向かわせた家族と虐待の問題に迫っています。逮捕された当初の自白で [続きを読む]
  • 79冊目『精神医学と制度精神療法』ジャン・ウリ
  • 著者のジャン・ウリは、フェリックス・ガタリが勤務していたラ・ボルト病院の創設者であり、ラカンに長年師事した精神科医です。そのラカンには賛同してもらえなかったとも言われていますが、本書では「制度精神療法」という自身が重視した治療法の立場を表明する論文集となっています。それは端的に言えば、以下のように、生活の場における有形・無形の構造=関係の網目に発生するミクロな「制度」に配慮することを治療で重視する [続きを読む]
  • 78冊目『裁かれた命 死刑囚から届いた手紙』堀川惠子
  • 本書は、NHKのディレクターである著者が2年間にわたる取材をまとめたものであり、インタビューした何人もの関係者たちの重層的な声で構成されています。関係各所に出向く徹底的な取材により死刑囚長谷川武の実像と司法の問題点を浮かびあがらせる読み応えある本です。主人公は、死刑存置論者で知られる元最高検察庁検事の土本武司と、彼自身が死刑で起訴し後に文通した死刑囚の長谷川武です。土本は、長谷川の取り調べを行い、彼に [続きを読む]
  • 77冊目『異常者たち』ミシェル・フーコー
  • フーコーの講義録を読みましたが、論理展開が親切であるため分かりやすく、内容も非常にスリリングで、フーコーの凄さを改めて思い知らされました。『私は花火師です』というインタビューのなかで、彼自身も言ってましたが、面白いものを書こうとしているのが伝わってきます。自分を歴史家でもなく、哲学者でもなく、花火師だと語る彼。ニーチェは自らをダイナマイトに例えましたが、それよりは控えめですね。しかし、知を愛するフ [続きを読む]
  • 76冊目『ピエール・リヴィエール』フーコー
  • われわれは、精神医学と刑事裁判とのあいだの諸関係の歴史を研究しようとしていた。その過程で、このリヴィエール事件に出会ったのである。p.17本書はフーコーらが歴史に埋没していたリヴィエール事件を発掘し、犯人の手記や精神鑑定書に、裁判記録や新聞記事、それと合わせて論考も付した内容となっています。「われわれにとって本質的なことは、これらの文書を出版することであったp.27」と語るフーコーは犯人=作者リヴィエール [続きを読む]
  • 75冊目『出エジプト記』Exodus
  • 今回は出エジプト記の味わい方について。本書は前半ではエジプトで奴隷に甘んじていたユダヤ人たちが神の声を聞いたモーセに率いられてエジプトを脱出する歴史が語られ、後半は神がモーセに授けた律法から構成されます。こうした書を興味深く読むためには、どういったことを考えながら読んだらよいかという話ですが。行間から倫理を読み解くことが出来ます。本書はex-odus、「外部」への移動を表す接頭詞exで表される通り脱出がテ [続きを読む]
  • 74冊目『教誨師』堀川惠子
  • 教誨師という役職があります。死刑囚との面会が家族以外で許された唯一の人たちで、その活動内容を公言することは禁止されていることから、その存在は私達にはあまり知られていません。僧侶や牧師がその任にあたっており、日頃の面会から、死刑に際しての立会まで、ボランティアで行われているそうです。本書は、浄土真宗の教誨師がジャーナリストの著者に告白した半生を軸に編まれ、刑場の「守秘義務」が免除される死後に刊行され [続きを読む]
  • 73冊目『黄泉の犬』藤原新也
  • 2018年7月、オウム真理教教祖麻原含む13名の死刑執行がなされたことで世間は騒然としました。それは一度に行われる死刑として例を見ない人数だったからであり、また教祖の神格化が懸念されるため死刑が容易にはなされないものと考えられていたからであり、残された元信者による報復を恐れる声もあったからでしょう。平成の総括という意味合いを感じ取った人も多かろうと思われますが、長きに亘った裁判をとおして、口を固く閉ざし [続きを読む]
  • 70冊目『エミール』ルソー
  • 『100分de名著』で読んだ後に原著(和訳)も部分的にあさってみました。この作品は教育論の古典とされていますが、人生論であり社会論であり立派な哲学書でもありますね。非常に奥が深いです。『100分de名著』シリーズで『ツァラトゥストラ』の解説も書いている西研氏が本書も担当しているせいか、議論の進め方から『ツァラトゥストラ』を連想することしきりでした。思い返してみれば、『ツァラトゥストラ』も教育論として読めないこ [続きを読む]
  • 69冊目『騎士団長殺し』村上春樹 Killing Commendatore
  • 読み飛ばしせず読み切りましたが、正直な感想は「長い」です。けっして退屈な作品というわけではないんですが。こんなモチーフ前の作品にあったなとか、この描写はあの作品でも見たなとか思い出しながら、自制的な主人公が自分自身からちょっと解放されるに至る第二部まで読み進めていきました。物語の風呂敷を広げていく第一部はその後の展開を楽しめる構成になってましたが、事件の「ひとまず」の収束へ向かっていく第二部で肩透 [続きを読む]
  • 68冊目『精神医学的面接』サリヴァンThe Psychiatric Interview
  • 面接ってなんでしょうか?面接とは字義からすると顔を直接付き合わせることです。つまり本書で面接とは、われわれが一般的にイメージするところの「診察」のことを指しており、「診察」の基本的な姿勢から具体的な診察な進め方までおおまかに指南してくれています。しかし「診察」と言ってしまうと、その主体は医者ですね。医者が患者を診察するのであって、患者が医者を診察するのではない。診察の場において、患者は一方的に診察 [続きを読む]
  • 67冊目『オープンダイアローグ』ヤーコ・セイックラ/トム・E・アーンキル
  • 本書は「オープンダイアローグ」と「未来語りのダイアローグ」の技法について書かれた本です。前者は急性精神病を治療するための、後者はより広く不安を解消するためのテクニックとして、フィンランドの心理学者、社会学者たちの実践を通して開発されました。哲学的にはミハイル・バフチンの思想も参照されていますが、著者たちの試行錯誤があって徐々に体系化されていったことが強調されています。フィンランドの精神病入院患者を [続きを読む]
  • 過去の記事 …