蒼生 さん プロフィール

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蒼生さん: I Love Rock 'N Roll
ハンドル名蒼生 さん
ブログタイトルI Love Rock 'N Roll
ブログURLhttp://aimotososei.blog.fc2.com/
サイト紹介文オリジナルBL小説(中長編) 完結六本 毎週、月・水・金曜、夜九時更新
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供260回 / 365日(平均5.0回/週) - 参加 2015/02/08 02:37

蒼生 さんのブログ記事

  • 午後五時の入場開始 1   幸宏
  • 少しずつ、リハビリは進んでいき、人混みも地下鉄も平気になった。伊織から、カウントダウンへの外出許可も出た。そして、とうとう、卓也からのメールを読んでみることになった。「いいかい?絶対に、無理しちゃダメだよ。 少しでも気分が悪くなったら、すぐに中止してね。 僕がそばにいると読みにくいかもだから、リビングで待ってる。 ただ、洋一がそばにいるのは、我慢してね」伊織の指示は、逆にありがたかった。洋一が隣に [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 16   冬威
  • 『音合わせは順調だ。剛さんは、なんとか痛み止めが効いてるっぽい。 ガキんちょどもも、張り切ってるぜ。 当日は、ギャンギャンに聴かせてやっから、楽しみにしとけよ』英一からのメッセージに、つい顔が緩む。剛の体調は、伊織から聞いていた。REALの専属医は、伊織と繋がりのある整形外科医だからだ。それでも、友人に気にかけてもらうのは、やはり嬉しいものだ。「ガキんちょ...ああ、海たちのことか。 洋一と同年代だも [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 15   幸宏
  • 居候期間が一ヶ月を越え、気がつけば師走。治療は、さらに次の段階に進んだ。「もう、大樹君に会っても大丈夫になってきたね。 人混みや地下鉄に慣れるのに外出しよう。 ただし、少しでも気持ち悪くなったりしたら、中断すること。 緊張や動揺がなくなるまでは、一人では行わないこと。 以上、注意点は、二つ。必ず、守ってね」伊織の指示を受けている隣で、洋一も頷いている。そばについていてくれると思うと、心強い。仕事を [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 14   幸宏
  • 半ば保護されるように居候を始めて、あっという間に三週間。卓也と高島のことを思い出しては、吐き気がしていたのが、少しマシになってきた。朝の問診で、そう報告すると、伊織がニコニコと指示を出した。「よし。じゃあ、次の段階に行こうか。 いきなり本人じゃなく、共通の知り合いになら、連絡取っていいよ。 大樹君には、僕から状況は話してあったけど、かなり心配してたし。 倒れる直前に話した先輩も、心配してるんじゃな [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 13   冬威
  • 「二人とも喜んでたね」伊織の部屋で、受験勉強前に茶を飲んで、少しお喋りする。毎日の習慣だが、楽しくて仕方がない。特に今朝は、心が浮き立つような感じが、くすぐったくも嬉しい。朝食の時に、洋一が見せた表情で、壁がさらに薄くなったように感じたからだ。最初の頃に気を抜いて、警戒心むき出しの顔を見せていたのとは大きく違う。「媚びを売るつもりはないけど、洋一君と仲良くなりたいんだよね。 REALのファンだって聞い [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 12   幸宏
  • 「あのさ、REAL WORLDのカウントダウンなんだけど。 ゲストに、SMSとBANZAI-SANSHOが出るんだ。 よかったら、二人も一緒に行かない?」朝食の席で、澤井冬威がにこやかに話しかけてくる。どうやら、ライブへの誘いで、二人とは自分と洋一のことらしい。REAL WORLDにはあまり興味がなくとも、SMSがゲストなら久しぶりに行ってみたい。しかし、病気療養中でライブ・コンサートとは、さすがにマズいような気もする。洋一は隠そうと [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 11   冬威
  • 幸宏が来て、二週間が経過した。離れの病室から、自分と同じように本館に部屋を与えられ、そこで寝起きするようになった。基本的に、食事は一緒に取ることにしている。伊織の指示なのか、幸宏の部屋へは洋一が詰めていることが多い。部屋のそばを通りかかると、二人で談笑している声をよく聞く。午後三時には、全員がリビングに集まり、茶を飲む。幸宏は、不眠を防ぐために、ノンカフェインのハーブティーを飲んでいる。普段はコー [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 10   幸宏
  • 運び込まれて、三日目。自分でも驚くほど、体調は回復していた。伊織の許可が出たので、洋一の付き添いで自宅へ戻り、衣類などの必要なものを取ってきた。勤務先に、診断書を郵送したついでに、郵便物の転送も届けを出した。自宅療養は、伊織が認めないのだ。診断ミスだと後悔しているようで、かなり慎重になっている。転送届も伊織の指示だ。「うつと違って、大きなストレス源と離れていれば症状は出ない。 でも、自宅で一人だと [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 9   冬威
  • 「こうなると、今、卓也君がアメリカにいるのは、運が良かったかも」朝食を摂りながら、伊織が加代に話しかける。給仕をしていた加代が、動作を止めて少し考え出した。「...そうですね。 症状が治まるまでは、ストレッサーに近寄らない方がいいでしょう。 幸宏様が、冷静になって、どう向き合うか考えられるようにならないと」「うん、卓也君と会うのは、それができるまでは止めてもらう。 もちろん、メールや通話もね」二人 [続きを読む]
  • 拍手コメ質問に対する回答←今さら... 20180401
  • 毎度、妄想屋でございます。長い間、拍手コメへの回答方法がわからずに放置してました。しかし、三年もやってると、重複する質問がいくつか出てきてまして。なので、記事にて回答させていただこうかと、ここに公開する次第です。質問1 『どうやって話を作るのか』回答これは、その話ごとに違います。キャラ先行の話もあれば、こんなテーマがいい、緩いの書きたいなぁ、とか。まぁ、いきあたりばったりということです。ただ、基本 [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 8   幸宏
  • 何時間眠ったのだろう。薄暗い部屋、微かなアルコールの匂いがして、自分がどこにいるのかは理解した。トイレに行きたくなったが、体が重くて起き上がれない。やはり、どこか壊れたのかとは納得したが、尿意はどうしようもない。「......すみません、トイレに行きたいんです」恥を忍んで、洋一に声をかけた。既に、真っ裸を見られた後だ。それに、わずかだが、洋一の態度が軟化していたので、頼みやすくもなった。「ん、起き [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 7   冬威
  • 患者は、軽く食事も取れるようになったと、伊織が説明している。勤務先と連絡がついたようで、北川たちは安心して、一旦帰っていった。「とにかく、一人にしないようにしないと。 僕と洋一と加代さんで、しばらくはついていることになるからね」「俺も、手伝うよ。調子が悪そうだったら、すぐに誰かに言えばいいよね?」ありがとうと耳元で囁いて、倒れ込んでくる。抱きしめて、ソファに座りこんだ。自分の判断が甘かったことに、 [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 6   幸宏
  • 吐き気止めと安定剤を点滴されて、気を失うように寝ていた。目覚めると、既に日は暮れていて、笹井が呼んだのか、相馬がやってきた。「大樹君に持ってきてもらいたいモノがあれば、メールか電話してね。 下着やなんかの着替えは、ここにあるもので足りると思う。 それと、診断書を書いておくから、連絡がつくようなら、上司に報告して。 明日から三ヶ月休むってね」ベッド脇に座って、手を擦ってくれながら、ゆっくりと相馬が話 [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 5   冬威
  • 患者が運ばれてきて、伊織は離れへと誘導しに行った。医療用ベッドに寝かせると、洋一と加代が着替えさせる。伊織は、患者にいくつか質問し、血圧や脈を計っている。その後、洋一に指示を出して、一旦は母屋へ戻ると言う。北川、原田に加えて、もう一人若い男もいた。伊織と同じくらいの華奢な体格だが、貧相には見えない。ファッションと姿勢の良さでカヴァーしているのは、伊織と同じで好感が持てる。「お久しぶりです」母屋のリ [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 4   幸宏
  • 高一の秋。「ただいまー」「おい、幸宏、手伝え」玄関から、両親の声がする。白いネクタイの礼服姿の父と、留袖を着た母。両手に風呂敷包みや紙袋抱えて、疲れた様子で帰ってきた。荷物を受け取り、居間へ運ぶ。とりあえず、冷蔵が必要なモノはなさそうだと台所へ移動して、湯を沸かした。父も母も、さっさと着替えて、居間で座り込んでいる。日本茶を淹れて運んでいくと、嬉しそうに湯呑を手に取って話し始めた。「あー、いいお式 [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 3   冬威
  • 「ここなら「民俗学研究所」もあるし、歩いて通える。 こじんまりした大学だから、お勧めだよ」日曜午後。伊織と二人で、志望大学を絞るため、ネットで情報を集めていた。大きな窓から、庭の楓が鮮やかに染まっているのが見える。笹井加代が、玉露ときんつばを運んできて、一休みしてはどうかと声をかけた。「もう三時間近くになりますよ。 伊織様は、無理をされるとお熱が出ますでしょう?」年が近く、穏やかで朗らかな性格のせ [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 2   幸宏
  • とりあえず、高島のことでも調べてみようか。卓也との話し合いを終えて、最初にそれが頭に浮かんだ。ネットゲーム仲間のうち、卓也の同期で、現在は母校で講師をしている内村へメールしてみた。話したいことがあるので、時間がある時にコールしてくれと。自分たちの関係を知っていて、研究職で学会などのつきあいもある。卓也ともよく会っている彼なら、何か知っているだろうと思ったからだ。Skypeをオンにしたままだったからか、 [続きを読む]
  • 午後三時のメッセージ 1   幸宏
  • 笙たちから忠告と激励を受けた翌日、日曜午後。卓也との話し合いに臨んだ。「メール、読んだか?」画面に広がるのは、冷静さを取り戻してはいるものの、すっきりしない表情の卓也。自分が思い込みで動こうとしていたように、卓也も「基準が自分になっていた」と気づいたようだ。そのことについては謝ってきた。しかし、東京への転勤か他社への転職は、実行したいと主張する。『お前の予想通り、米国研究所への誘いもある。 ただ、 [続きを読む]
  • extra chapter  2   2/2
  • 「こんにちはー!」地下の駐車場で、受付のおじさんに、関係者証見せて、小さい箱渡した。びっくりしてたけど、いっつも世話になってるからって言ったら、笑って「ありがとう」だってよ。照れくさいけど、嬉しいもんだよな。まずは、いつも通りに駿さんの部屋へ。何度も来てるけど、いきなり社長やレンさんの部屋には、やっぱ行きにくい。自分のバイトの時、いっつもここだったからってのもあるかな。「こんちゃーっす!」「おう、 [続きを読む]
  • extra chapter 2   1/2
  • 今日は、学校は休み。んで、和哉の仕事にくっついてく。すっげ楽しみで、昨夜はなかなか寝つけなくてさ。インタビューで、垂井音楽事務所に行くんだ。英一さんに許可もらってっから、大丈夫だよな?もっちろん、邪魔になんねぇようにするけどさ。学校が休みの日にやるってって聞いて、即効、英一さんにメッセしたんだ。すぐに「いいぞー!」って返事来て、今度ばかりは遠慮しないって、和哉にも宣言した。だってさ、Quiet Lifeの三 [続きを読む]
  • 午前六時のアラーム音 16   冬威
  • 伊織との共同生活が始まった。伊織は、宣言通りにクリニックを閉鎖した。と言っても、わずかに「クリニックらしさ」を示す掲示を取り外しただけで、他はよくわからない。おそらく、伊織の弟に通知しただけではないかと思う。自分はと言えば、春樹と共演した映画が最後の仕事だ。そこそこの興行収入を上げたらしく、すぐにBlu-ray化の話を聞いた。事務所も自分というお荷物がいなくなって、肩の荷を下ろしたことだろう。商品価値が [続きを読む]
  • 午前六時のアラーム音 15   冬威
  • 「...俺が欲しかったもの?」「うん、素のまんまの君を、僕は全部受け入れる。 支え合って、甘え合いっこして、肩肘張らずに一緒に生きよう。 君が、ずっと追い求めてたのは、そういう存在でしょ? 守ろうとしてくれるのは、とっても嬉しいけど、一人で頑張らなくていいんだよ」「............」「それにね、勉強したいんなら、最高の環境を提供するよ。 通学しなくてもいいように、ここに来てもらえばいい。  [続きを読む]
  • 午前六時のアラーム音 14   冬威
  • 伊織の体中にキスを落とし、手で触れて確かめた。二歳上とは思えないほど、瑞々しい肌に驚きながら。そのうち、伊織の手が自身に伸びてきた。ククッといたずらっぽく笑っているのが、少し悔しい。「エステや整形で、見た目は頑張れるけど、そこまでは無理だよ」「わかってるってば。逆に、昔みたいだと、僕が困る。 元から弱いのに、年で体力落ちてるんだからさ」勃ち具合も硬さも、若い頃とは比べ物にならない。伊織を欲しいと感 [続きを読む]
  • 午前六時のアラーム音 13   冬威
  • 「来年の三月で、芸能界は卒業するよ」来年の契約について話し合うために、事務所へ寄ってきた。現状では、息子とのバーターばかりで、「澤井冬威」自身へのオファーは、ほぼない。契約を更新しないことで、そのまま、ひっそりと引退するつもりだ。事務所側も、それで納得した。ただ、春樹の足を引っ張らないようにと、釘は刺してきた。それも、当然だろうとは思う。商品価値があまりに違うのだから。相馬の家に入り浸っていること [続きを読む]
  • 午前六時のアラーム音 12   幸宏
  • 声をかければ、笙がこっちを向いた。シニカルに笑っていた口元が、すっと引き締まる。「転職のこと?」やっぱ、お見通しかぁ。予想はしてたけど、先手打たれたら言いにくいのな。いや、そんなこと言ってる場合じゃねぇっての。これからがかかってんだ、しっかりしろ、俺!自分で考えたことと、卓也と話し合った内容を、真剣に説明した。特に、自分の天秤と卓也の天秤が違うこと、それを卓也が理解していないことに重点を置いて。「 [続きを読む]