金さん さん プロフィール

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金さんさん: poems
ハンドル名金さん さん
ブログタイトルpoems
ブログURLhttp://nananosonetto.blog.fc2.com/
サイト紹介文詩とソネット 双極性障害を友に
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供103回 / 365日(平均2.0回/週) - 参加 2015/03/13 18:43

金さん さんのブログ記事

  • 17歳 6
  • 六 仄かに木犀の香りがする その花を見つめては思う 去年の今頃をふりかえるのが 容易でないことを 庭に漂う香りは艶かしく 私に少しだけ少女時代の 記憶を運んでくる 幼さと今の苦しさの相違に ため息をつきながら そして今という時空を 少しだけ肯定している 自分に驚いている 引きこもってばかりいる ひっそりとした 闘病生活のなかでも この匂い立つ庭の隅で そっと寄り添うひとを 見つめているような 微かなときめきを 今 静 [続きを読む]
  • 17歳 7
  • 苦しいときが緩んでも 本当の喜びは仕舞われたままだ 景色を見ていても 感動するということもなく 今日も一日が昨日と同じに 私の周りを通り過ぎてゆく まるで微風のように 私は一体なにものなのだろう 人として感じるすべての感覚を 失いながら 今日も途方に暮れている どこまでも どこまでも 千鳥足で歩いてゆく 鶏のようだ でも 今日も生きている 今だけでもいい 安堵の呼吸を胸に刻んで [続きを読む]
  • 17歳 8
  • 生きることは 風のそよいでいる 姿に 似ている 石のように 不動の心より いつも風のように 彷徨しながら そして 迷いながら 生きてゆくほうが 自分らしくて好きだ 風のように 生きること それは 戸惑いと ともにいること たえず自分が 存在を問われているのと 同じだから それでも 風のなか 彷徨いながら 歩いてゆく [続きを読む]
  • 17歳 9
  • 風が頬を撫でるようにそよぐ 風は失くしたものさえ 思いだせない追憶のよう 風には 一条の流れがある 一筋の紐のような流れが それを 胸に感じたときだけ 何故か涙が溢れる 失くした追憶が こんなに 大切なものだったことに 今更 気が付いて 風が頬を撫でるように そよぐ 涙が 同じように頬をつたう [続きを読む]
  • 17歳11
  • 主治医の先生の許可が取れて 今日から 学校に通うことにした 不安がまた心を揺さぶる 校門で立ち尽くしたまま 迷いながら不安を鎮め 暫くしてから校門をくぐった 懐かしい友達が笑顔で迎えてくれた わたしは吐き気がして 戻しそうになった 大好きなめぐみが 「今すぐにバケツを持ってくるから 吐いたっていいよ」 といってくれた そんな優しい友たちに支えられて わたしは教室にやっと入れた そして そんなみんなに 「ありがとう」 [続きを読む]
  • 17歳12
  • 学校へ行くことだけが 万事解決じゃないことを わたしは もちろん知っている それでもわたしは 学校まで来れた 嬉しさでいっぱいになった 暫くは保健室に 登校することになるかもしれない それは仕方がないことで それでも 懐かしい友達と話せたこと そして学校に行けたことは とても嬉しい 学校からの帰り道に 拡がり続ける鰯雲が 太陽を隠しながら わたしの心のように 微かに淡く輝いている [続きを読む]
  • メチエという街1
  • メチエという街には 汚染されていない 天然水の水源があって 街の人たちはそれを飲む 他の街の水源は 放射能で濁っているので みんなメチエの街まで来て 水請いをする ウラヌスという街の住人は 飲む水がないといつも心配している そういう自分たちの生活を嘆いている メチエの住人は惜しみなく水を 提供しては他の街の住人に この街に引っ越して来いとそっと呟く [続きを読む]
  • メチエという街2
  • メチエの街の噴水は 聖母マリアの恵み 貧しいひとたちの 恵みをも救う この国の帝王 ベーアもこの街だけは 犯さない ウラン鉱山の恵みに この街は救われている ベーアはウラン宮殿から エネルギーを得ているが ウラン宮殿を作っては 使用不能になると 廃棄してまた新しい宮殿を作る [続きを読む]
  • メチエという街3
  • ベーアが望んでいることは 戦争で利益をえること 海を挟んだアトランと それを共有すること そのために ウラン神殿が必要だと言う いつでもこの国は捨てられる 使い捨ての壊れた神殿はそのままにして 優秀な選民とともに 侵略とラプチャーの意思のもと 新しい土地を得ることによって より新しい国家を建築できる 騎馬隊は神の造りたもうた 箱舟の艀の上で整然とその時を待つ [続きを読む]
  • メチエという街7
  • 「黄色い人」は決断した 今迄は近隣住民と地方で 解決しようとしていたが これは国の責任でもあると メチエの人たちは内心不安だったが この国から援助して貰えれば 腐った川からでも清浄な世界が作れると この街がその第一号になれると希望した この国について話し合いたい 「黄色い人」は一言言った そのエメラルドの目にはもう 憎しみの感情はなかった 「黄色い人」は帝都トキオに向かうため 旅支度を始めている [続きを読む]
  • メチエという街8
  • 「黄色い人」は決断した今迄は近隣住民と地方で解決しようとしていたがこれは国の責任でもあるとメチエの人たちは内心不安だったがこの国から援助して貰えれば腐った川からでも清浄な世界が作れるとこの街がその第一号になれると希望したこの国について話し合いたい「黄色い人」は一言言ったそのエメラルドの目にはもう憎しみの感情はなかった「黄色い人」は帝都トキオに向かうため旅支度を始めている [続きを読む]
  • メチエという街9
  • メチエの街は静かに 平穏を保っていた 時々耳にする噂で二千人の テロリストが帝都に押し寄せ そして拉致殺害されたと言う情報を知るが 自分の街の住人だとは思っていなかった 帝王ベーアは新憲法九条の安全保障に 則ってテロ集団を一網打尽にしたと 内閣で発表したが メチエの住人には 何のことか分からない 静かなメチエの街には つめたく澄んだ 初夏の風が吹いていた [続きを読む]
  • メチエという街10
  • メチエという街10 だが生き残りがまだ顕在していたそれはメチエの住人で帝都に行った者の僅か20人「黄色い人」」も深手を負いながらもメチエに戻ってきた彼らを助けたのはKという新聞記者だったkはベーアの遣り方を嘘で固められたものと感じて国のあちこちを巡り真実を求めていたkの考えに「黄色い人」は体の痛みをこらえながら同調せざるを得ないものを感じたメチエの街を「だれもしらないちいさな国」にすること放射能で [続きを読む]
  • 低空飛行
  • 雲が低空飛行で大気を包む無力な雨がそのまま街を覆って暗黒の眼光を揺さぶる無力のものはいつまでも無力のまま暗黒の存在が周囲を見つめている慰めの言葉を失くした今鬱蒼とした外景を開く曇天が魂の源を溶かすどこかにむかって飛躍したい心がある憂鬱のまま夢の塊を抱いてかなしみを失った瞳だけが光る夢が幻でないことをそして青を描く空が目覚め始める [続きを読む]
  • 十六歳
  • 十六歳ぼくは十六歳 大人たちよりも 伸び伸びと太陽と空とそして夢と遊べた 未来は地下水のように樹木の根から溢れ自由に空を翔ることを教えてくれた ぼくは十六歳女の匂いを知ったばかりで 銀河の流れに酔うように彼女に抱かれた 大人になるのを拒んでいたわけではない大人になれば もう自由を失うのだと錯覚していただけだったぼくは十六歳 すべてが甘い蜜のようにぼくを包んだ幻滅と退屈というふたつの言葉が やがて木 [続きを読む]
  • 不安と抑うつ
  • 不安と抑うつどんなに生きたいと願っていることだろう普段なにも考えなくともそう思っているそれが失われたら世界が混乱する風景全てが歪み自分に向かって無生物のように迫ってくる思わず目を覆わないと還れないベッドに横たわりカーテンを閉ざして暗い部屋の中で全ての世界を消し去りたい自らの存在も宇宙の何処かに捨ててしまいたい無に等しい時計の秒針生きているという世界をありのままに感受できないこと人の苦しみでこれほど [続きを読む]
  • 日内変動
  • 日内変動 朝が怖い人は昼が怖い人は時々夜空の満天の星群を仰ぐといい宇宙の広さを祈りながら人間の小ささを感じながら数億年の人類の時間を感じながら一瞬の生の魂の叫びをきくといい [続きを読む]
  • 夜夜の夢は暗闇の中で深海の魚を照射している仄かな灯りの中で眠りを揺らしている夢の果てに零れ落ちる手脳髄の在りかを探している拡がりを求め始めてその水飛沫で溢れる深海から波が揺れている海岸線を果てしなく覆い其処から故郷に帰還する深夜の海原は果てしなく宇宙の境界線で邂逅するあの波音は一編の句 [続きを読む]
  • 障害
  • 何も 何もしなければ問題はないただ日常のことをしようとすると問題が発生する健常者がいかに生き生きとすることが出来ないその葛藤に苦しむその背後に廃人という言葉を残したまま [続きを読む]
  • 宇宙の渚
  • 宇宙の渚海は海のままでいい渚から見つめる海は何処かの国に繋がっているのではない何処か他の宇宙に繋がっている潮の満ち引きが土星の衛星の幻を呼ぶそれだけでいいたった一人でもわたしと言う存在があるだけでそうして宇宙という別の海原を何処までも何処までも泳いでゆく [続きを読む]
  • 星野 富弘
  • 星野 富弘さんボクが勇気図けられる人だ。ボクの今の体の様態。手足の動きが不自由で、PCを操作するのも一苦労の状況。食事も介護がなければ食べられない。倒れてしまいそうな眩暈と、離人症。あと、治るのかどうかわからない、鬱。いろいろあるが、なんとか生きている。哲学でいう実存というよりも、実際の障害にぶつかっている。星野さんは、麻痺をしてない、口にくわえたペンで、残された機能で、絵を書き、文章も書く。相当 [続きを読む]
  • 風そよぐ風それは沈黙のうちに去ってゆく放浪者その呟きは拙い命を大切にするひとの祈りに似ている風はうたうもういないひとのつたえたかった呟きをそれは天秤のようにいつも揺れやまない価値の悲哀と安堵 [続きを読む]
  • サルビア
  • サルビアサルビアの赤を見つめているとあなたの遠い夏の記憶に嫉妬するだってサルビアの甘い汁をあなたが吸ったのはあの頃の彼女だったからきっと初めてキスをしたもの彼女なのかもしれないわたしと結婚したあなたとは歳が離れていてわたしは十代なのにあなたは中年に手が届く大人わたしはまだまだ子どもだから真っ赤なサルビアの花たちとビデオで写っているあの頃の古い映像に嫉妬するああわたしは小さい人減だなあと涙が伝う彼と [続きを読む]
  • 水脈
  • 水脈たったひとつの命それが泉から溢れる水のように溢れるのは感情のゆくえの果ての川そして私自身の歪んだ心で感情の泉を涸らしたままでは生きるという透明な果実は実らないのかもしれないそれでも命の水脈の一滴の水をこの魂にためておかなくては [続きを読む]