昭和のマロ さん プロフィール

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昭和のマロさん: 昭和のマロ
ハンドル名昭和のマロ さん
ブログタイトル昭和のマロ
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/to3300
サイト紹介文昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供345回 / 365日(平均6.6回/週) - 参加 2015/03/30 05:40

昭和のマロ さんのブログ記事

  • 小説「女の回廊」(17)大阪に戻る(2)
  •  大阪に戻ると、ふさは仕事が見つかる間、村橋から道頓堀沿いの小さなホテルをあてがわれた。  昼間は汚泥でどんよりと淀む道頓堀川も、夜になると色とりどりにきらびやかな虚飾に輝くネオンを映して煌めいている。 ・・・ここが私の住む世界なんだわ・・・ ふさは今までの二年間を過ごした野っ原に建つアパートでの、若者たちとの忙しなくとも清々しい生活を思い出していた。「小さいけれど手ごろな料理屋が見つかったよ・・ [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(16)大阪に戻る(1)
  •  村橋はこれ以上ふさに負担をかけることは諦め、アパートは某大企業の寮として売却した。「悪かった。家内に期待したことをキミに押し付けちゃって・・・」 彼は、ふさに会ったときの衝撃的な印象を改めて思い起こしていた。 ・・・一見温和な印象をあ与える眼の奥から発せられる何かを追い求める鋭い視線を・・・  「眼を閉じよ。そしたら見えるだろう」イギリスの評論家サミエル・バトラーは言っている。「どんなに眼を大き [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(15)アパート経営(5)ブログ開設10年目記念号
  •  ・・・ブログ「昭和のマロ」を開設してから今日で3650日目を迎えました。 10年間ほぼ毎日続けられたことに感無量です。 皆さまのご愛顧に深く感謝申し上げます。・・・ ふさのアパートは、食事付きで風呂付きで、洗濯もしてくれる。 こんな待遇の下宿なんて当時でも珍しかった。 あっという間に満室になったのは言うまでもない。 おまけに世話をしてくれるのは年齢的に彼らとそれほど差のない魅力的なマダムだ。  しかも [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(14)アパート経営(3)
  •  ふさが任されたアパートはK大学日吉校舎から6〜7百メートル東寄り、綱島街道から少し入った所にあった。   西側には神奈川警察の分校があり、 アパートの周囲は野原に囲まれている。 二段ばかり踏み石を上がると玄関口の、木造の総二階建てだ。 玄関を入ると、一階の左側は風呂場と洗濯場、細長く食堂が続く。 廊下を挟んで右側は応接用の広い座敷があり、その先は家主のプライベート空間として部屋が2つある。 二階が [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(13)アパート経営(2)
  • 「実は、私自身やっていることは株取引だけじゃなくて、不動産投資も手掛けているんだ・・・」 ・・・大阪でも不動産をかなり持っていらっしゃることは氏家社長からも聞いている・・・「不動産だけじゃなくて、東京のT映画館に出資するチャンスにもたまたま恵まれて、東京の実業界への進出を考えていたんだ」 「東京へ進出?」「それで、家内共々東京へ移転する計画を企んだんだ。家内のアイデアに乗っかってね」「奥さまのアイ [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(12)アパート経営(1)
  • 「東京へ行くんだが・・・」 高級そうな料亭の小部屋に落ち着くと、村橋は出されたおしぼりで顔をごしごし拭きながら切り出した。 「東京?」「うん、今とは全く別の仕事をやってみようと思って・・・」「・・・」 ・・・なんでまた別なお仕事なんかに・・・ 一瞬呆れたが、ふさには反対する理由なんかなかった。 彼にはそれだけの才能が秘められているんだ、と素直に受け止めた。 しかし、次に彼の口から出た言葉にはびっく [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(11)予知能力(11)
  •  しかしタクシーに乗り込んだ村橋は屈託がなく上機嫌だった。「氏家くんが言ってたぞ。キミはすばらしく感がいいそうじゃないか?」 「上がりそうな株がわかるらしいね。ずいぶん儲けさせてもらったと言っていたぞ」 彼女自身株をやっているわけじゃないが、氏家社長から与えられた情報の中から彼女が選択した株がことごとく的中したことを言っているのだ。「いえ、お遊びで選んだ株がたまたま当たっただけですわ」「いやいや、 [続きを読む]
  • なるほど!と思う日々(510)中国化するケニア
  •  <恐ろしき中国の世界戦略>    今やアフリカがターゲット!    ケニアの独裁政権に取り入り、交通インフラのみならず、国民監視システムが導入されて、中国化がますます進む。     新島襄の言葉   「一言をもって人を評定するなかれ。まず、その気質を察し、教育を探り、その境遇と生活の位置とを知り、終りにその非常な場合に処する挙動を観察すべし、酷に過ぐべからず、緻(こまかいこと)に失すべからず。酷 [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(10)予知能力(10)
  •  女将がすっ飛んできて。敷居に手を添えた。 「お呼びでしょうか。 何か?」「うん、ちょっと彼女を借りるよ」 そう言いながら村橋は立ち上がった。「あらごゆっくりしていただければよろしいのに。 まだ何も手をつけていらっしゃらないし・・・」「悪いな。 ・・・じゃあちょっと付いてきてもらえるかな?」 ふさの方を向くと、村橋は否応を言わせない太い声をかけた。 ふさはちょっと狼狽して上気した顔を、お伺いを立て [続きを読む]
  • なるほど!と思う日々(509)本音で語る政治家、亀井静香
  •  久しぶりで本音で語る政治家がテレビ出演したね。 「何をいつまでグダグダとやってるんだね。もっと重要なことがあるだろうが!」「官僚が政治家を忖度するなんて、当然のことだろうが。数多ある官僚の文書の中でゴミ箱に捨てられるものもあるだろうよ・・・」「森友文書問題なんて、司直に任せときゃいいんだ!」「官邸の顔色をうかがう政治家ばかりなのは、選挙制度の問題だな。人物が輩出しない」「安倍さんはいつまでもトラ [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(9)予知能力(9)
  • 「吉野の出やて? わしもやがな・・・」 村橋善兵衛のそのひと言に、ふさはますます頬が朱に染まるのを感じた。  他人(ひと)には吉野杉の産地の中心で生まれ、奈良女子大の出だと伝わっていたが、実際はそうではなかった。 財界のパーティーの席などへホステスとして呼ばれることも多いが、そんな時つい誰かに騙って口にしたひと言が、彼女に固着して広まってしまったのだ。  彼女は黙って下を向いていた。 村橋はいわゆ [続きを読む]
  • なるほど!と思う日々(508)西郷どんと犬
  •  西郷隆盛はなぜ犬を連れているのか?  西郷は西南戦争で、時の政府に反逆したとされている。 しかし、彼は内戦を起こそうとしていたのではなかった。 彼は政府軍の総督・有栖川宮に上申文を出している。         「今般陸軍大臣西郷隆盛等、政府え尋問之次第有之、出発致し候」 西郷の目的は<尋問>のための示威行動であって、内戦を起こす気は全くなかった。 たしかに彼は官僚も含めて当時の政府が利権、金儲け [続きを読む]
  • エッセイ(421)英語落語・鹿鳴家沙夢・壷算
  •  わが親愛なる中学同級生Eさんへ。 小生が、寸前に階段を踏み外し捻挫し、残念ながら貴兄から誘われた英語落語観戦に伺えませんでした。  貴兄としてはこれが最後だと聞かされていましたが、成功裏に終えられたことと思います。 <お江戸両国亭>で開催されたんですよね。  今回もこんな感じだったのでしょうか。  あれから10日ほど経ち、足首の方はよくなりましたが、肋骨の辺にまだ痛みが残っています。 それよりもお [続きを読む]
  • 三鷹通信(258)三鷹市民大学哲学コース運営委員会打ち上げ
  •  昨日は中国料理「ドラゴン」で市民大学哲学コースの運営に拘った6人で打ち上げ会を行った。      唯一の女性Kさんはやはり華だったね。  「つどい」の発表の中心になってたし、今回も彼女が仕切った。 企画委員のK氏が我々を運営委員に指名したんだよね。長老として、長年の体験、が存在感を主張していた。 市側の担当を務めたY氏は嫌な顔一つしないで誠実に我々の下働きをこなしてくれた。 S氏はわが哲学コース [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(8)予知能力(8)
  •  ふさはついこの間の氏家社長のひと言ひと言を噛みしめるように思い出していた。 今日の面会にその趣旨があることは間違いないと確信していた。 料亭”石月”の磨き上げられた廊下を、足元が滑るのを気にしながら付き当たりを右へ曲がり、一番奥まで行くと「竹の間」である。  廊下の両側に区割りされた部屋部屋からは、まだ6時を過ぎたばかりなのに、宴が始まろうとするさざめきが聞こえてくる。 今日も忙しくなりそうだ。 [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(7)予知能力(7)
  •  ふさは、見かけは切れ長の目が下がっていて一見おっとりした感じを人に与えたが、長いまつ毛の奥に光る眼には光があり、一度教えられたことは二度と忘れない、しかも人一倍気の利く、頭のよい女性との評判だった。  特別な美人ではなかったが、25歳という若さながら賢さが奥行きの深い美しさを醸し出していて、特に年配の男に評判が良かった。  三光証券の氏家社長もご贔屓で、このところ度々”石月”を利用していた。 「い [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(6)予知能力(6)
  •  戦後のインフレと復興ブームに乗り、吉野の山林地主はその豊富な資金を元手に北浜の株式市場で一世を風靡する「吉野ダラー」と称する仕手集団として活躍する。   その中心となったのが村橋善兵衛だった。  ふさは、財界のパーティでホステス役をした時、仕手筋などと言う得体のしれない名称でよばれている村橋が、予想とは異なり品のある風格を備えていることにひと目で惹きつけられた。 その男が今日の客だということを女 [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(5)予知能力(5)
  •  料亭”石月”では、仲居約30人を6チームに分け、グループで部屋の担当を受け持つ仕組みになっていた。 そしてキャバレーやクラブのように仲居の指名制を取り入れていた。 ふさはたちまち実力を発揮し、そのグループのチーフ役となり、このところ指名も多く忙しくしていた。  (ふさって、こんな感じだったのかな・・・)「ねえ、あの木下さんてなかなか格好いいじゃない? あなたお相手してくださらない? 私をご指名いた [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(4)予知能力(4)
  •  母親のぶ厚い唇から出る言葉は、真っ赤に引いたルージュのような毒を含んでいるとふさは思った。  いくら飾り立てても中身は自分本位のものでしかなかった。 美人の母は言い寄る男たちも多く、そのうちの何人かは家にも入り込んでくるようになり、そんな男たちからもらった金で自らの振る舞いはだんだん派手になって、ますます娘たちとの折り合いは悪くなっていった。 唯一の味方だった一つ違いの妹も、間もなく男について家 [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(3)予知能力(3)
  •  実際、ふさは目が大きいが少し垂れ目で、色が白く、耳は知的に立っている。  一見、太っていないのにふくよかで優しい感じを与える。 しかし、好奇心を持って見る人には、目の奥に強い意志と情熱の炎が燃えているのが窺えただろう。 高等小学校を卒業後、進学して勉強したいと思っていたが母は許してくれなかった。「女の子は下手に知恵をつけると男にもてなくなるわよ。男ってね、カワイイ子がいいのよ」「・・・」「あなた [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(2)予知能力(2)
  •  父信夫は、若い頃ほっそりとした優男で女の子の関心を惹く存在だった。  母シゲも目鼻立ちのはっきりした美人だったが、性格が強く、仲間内で評判だという理由だけで信夫を強引に誘って18の若さで結婚した。  当時信夫は20歳で家業の八百屋を手伝っていた。 結婚したものの、信夫の魅力は外見と優しさだけだった。 シゲは生活力のない夫に早々に見切りをつけた。 そういう男を飾りとして自分の甲斐性で生きる強い女もいる [続きを読む]
  • 小説「女の回廊」(1)予知能力(1)
  •  女将から今日の客が村橋だと聞かされ、ふさは身支度を整えながら窓から見渡した大阪の街並が真っ赤に染まっていくのを眺めた時、自らの内から血潮が沸き立って体中を駆け巡り、やがてこの風景に呑み込まれ融け込んでいくように感じた。    ・・・神のご加護が降りてきたのだ。ようやく私にも運が巡って来たんだわ・・・ 私は運が強いのだ。今までの逆境がそんなに続くはずがないんだという強い信念が、日頃は穏やかな目元の [続きを読む]