akizakura さん プロフィール

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akizakuraさん: ストーリーテラー
ハンドル名akizakura さん
ブログタイトルストーリーテラー
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/akizakura5877
サイト紹介文自己流の小説風ストーリーを書いています。絵本なども載せる予定です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供49回 / 365日(平均0.9回/週) - 参加 2015/04/01 12:40

akizakura さんのブログ記事

  • 高嶺の野草 第49歩 「ボストンバッグ」
  • 絵里子はショックを受けている翔太にきいた。「なんで急にそんなこと聞いたの?」翔太は顔を上げて絵里子を見た。そして「いや…。」と呟いて、少しうつむいた。しかし、また顔を上げて絵里子を見ると、こいつなら何か高峰さんを助けれる方法を知ってるんだろうか、と思った。百合のプライベートなことなので、誰にも言わないつもりではいたが、絵里子はすでに百合が実の両親と暮らしていないことを知っていた。そこで翔太は [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第48歩 「誇り」
  • 百合もそれを見て急いでポーチから降りてくると、父親の腕を掴んで「ちょっと待って!」と言った。父親は翔太を睨みつけたままその腕を振り払ったので、その手が百合の顔に当たって、百合は「いたっ!」と言った。その瞬間、翔太の中で何かが切れた。翔太は両腕で目一杯、父親を押した。逆上した父親は「何だお前、この野郎!」と怒鳴ると翔太を殴った。翔太はドサっと中庭のど真ん中に吹っ飛んだ。「野中!」と百合は叫ぶと [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第47歩 「前にも後ろにも動けない」
  • 翔太はそれからの数日、またあんな視線を交わせやしないかと必死で百合のことを目で追った。しかし不自然なほどに百合と目が合うことはなかった。そんなある日、スポーツ大会が開催された。男子がクラス対抗でサッカーの試合をしている時に、翔太がゴールを決めたので、周りで応援していた7組の男女は大いに盛り上がった。囃し立てるみんなに駆け寄って翔太は何人かとハイタッチをしてまわった。そして百合からも何かポジティ [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第46歩 「初めて見る笑顔」
  • 翔太は義男の顔を伺いながら言った。「実はもう俺が手術の結果、嶋田に話しちゃったんだよな。」義男は顔を上げて翔太を見た。そして「…そうなんですか。」と言った。翔太は続けて言った。「あいつ、あの手術の日、お前んち行ったみたいなんだよ。」義男の表情が変わった。「…え!」「で、電気真っ暗だったから勝手に悪い結果想像してたみたいで。しかもあの日、土砂降りだったろ?そんな中行ったもんだから、風邪ひいたみ [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第45歩 「兄と友の涙」
  • 翔太は携帯を見つめていた。夜の11時をまわったが、まだ義男からの連絡はなかった。義男の番号を出してかけようかとしたが、やめると携帯を持つ腕を下ろした。翔太は窓の外を見て思った。こう思いたくないが、手術は成功しなかったのだろうか…。そんな時に俺なんかから電話がかかって来てズケズケと聞かれたら…。今はそっとしておくべきだろうか…。でも、翔太は信じたかった。きっと手術は成功して、何かしらの理由で連絡 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第44歩 「電気の消えた窓」
  • 翔太は、大事なものを失って傷ついた百合の心はどうやったら癒されるのだろうかと思い、うつむいた。すると百合が「…義男君の妹さんの手術、成功するかな。」と呟いた。翔太は顔を上げて百合を見た。その目は何か確証めいたものを探しているように見えた。こういう時、人は何の根拠も証拠もない人間の言葉にすらすがりたくなるものだ。翔太は口をきゅっと結んで、「もちろんだよ。」と力を込めて言った。すると百合は言った [続きを読む]
  • 挿絵
  • 前回の投稿の時に、時間がなくて挿絵を入れれなかったので、足しました。いつもこのような拙いブログをみに来て下さりありがとうございます! あきざくら [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第43歩 「公認ファンクラブナンバーワン」
  • 廊下で翔太と百合はお互いに向き合って立っていた。百合の表情は変わらず強張っていた。2人の間にあきらかに気まずい空気が流れている。翔太は少しためらうようにうつむくと、次の瞬間顔を上げて言った。「いや、さっき優一からビックリするような事きいちゃって。」百合は表情を崩して「え?」と訊き返した。翔太は百合の表情を伺いながら続けた。「高峰さん、お笑い芸人の金袋盛男って知ってる?優一、昨日見かけたらしくっ [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第42歩 「怒った顔と笑顔」
  • 義男は麗奈に言われるまま門のところに来ると、ポストを開けて見た。中を覗くと薄紙に包まれた何かが入っていた。義男は中身が分からないので、慎重にそれを取り出した。その瞬間ふわっといい香りがした。懐かしい匂いだ。義男はそっと薄紙をめくって中身を見た。そして驚いた顔になると呟いた。「キダチルリソウ…!」義男は、野中先輩か高峰先輩が見つけて持ってきてくれたのだろうか、と思った。 義男が麗奈の部屋の扉 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第41歩 「腹立たしくなる理由」
  • 次の日の7限目終了後、皆部活にはける前の時間に1年5組の教室でクラス会の話が出て盛り上がっていた。鈴香が「じゃぁさ、その後カラオケも行こうよ。バイト組も合流してさ。」と提案すると、前に谷山に義男のことを告げ口していたサッカー部の小谷が「いいじゃん!じゃぁさ、あの店行こうよ。」とさらに盛り上げる。いつもならその輪のど真ん中で盛り上がっているはずのゆうも、今日は何となくそんな気分になれず、自分の席に [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第40歩 「ヘリオトロープと冬の空」
  • 義男の家からの帰り道、翔太はまた百合に話を切り出すタイミングを伺っていた。会話がふと途切れた時に−と言っても翔太が話題を振り続けて百合が相槌を打っていただけの会話だが−翔太は思い切って笑顔で百合の方を向くと言った。「高峰さん、明日誕生日だよね?」「え?」と百合は顔を上げて「…うん。そうだけど。」と言った。翔太は笑顔で続けた。「またクラスのみんなで誕生会しようって近藤と話してたんだけど、近藤が [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第39歩 「ちょっとした奇跡」
  • 野中翔太花マニア説が浮上してしばらくしたある日、翔太は司や優一達と理科室から教室に戻るために廊下を歩いていた。翔太はふと前方に目を止めた。廊下の先に義男が暗い顔をして窓を向いて立っていたのだ。翔太は司と優一に「悪い。先行ってくれ。」と声をかけて、義男の方へそっと歩いていった。翔太は近くまで来ると「おい義男、どうかしたのか?」と声をかけた。義男は顔を上げて相手が翔太であると分かると、「野中先輩 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第38歩 「花マニアと意地っ張り」
  • 帰り際、挨拶に降りてきてくれた義男の母親と義男に見送られて、翔太と百合はお屋敷を後にした。翔太は自転車を押して百合をバス停まで送りながら、義男の家のでかさや義男の妹の事について会話をふった。隣で時折相槌をうつ百合見つめながら、翔太は自転車のハンドルを握りしめた。そして百合の方を向くと、翔太は思い切ってきいた。「…あのさ、高峰さんの好きな人ってさ、どんな人なのかな?」「え?」と言って百合は翔太 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第37歩 「兄の涙」
  • 百合は言った。「ごめん。立ち入った事を聞いてしまって。前夜祭で見た後にちょっと気になってたから。でも話したくなければ話さなくていいから。」義男は言った。「いえ、妹、喜ぶと思います。気付いてもらえていたなんて。ほとんど外に出る事なんてありませんから。」翔太は義男を見つめた。どういう意味だ…?妹さんは一体…。その翔太の無言の問いかけに答えるように義男は言った。「11歳になる妹は心臓が悪くて、体調の [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第36歩 「ランチでピンチ」
  • 文化祭からしばらくしたある日の事だった。翔太が放課後部活に向かっていると、「野中先輩。」と誰かが呼んだ。翔太が振り返って見ると、それは義男だった。「おう、義男!どうした?」「あの、今週の土曜日おひまですか?」と聞かれ、翔太は呑気な顔で答えた。「部活と英会話に行く以外暇だけど何で?」「いや、あの母が…。」「義男のお袋さんが?何?どうした?」「前夜祭のお礼に家に招待しろって聞かなくて。このまま放 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第34歩 「文化祭、前半戦」
  • 大反響の中終了した前夜祭は、次の日の文化祭の生徒達の士気にも影響したようで、校内は朝から俄然盛り上がっていた。2年7組も例に漏れず、開場前からクラスは異様な程の盛り上がりを見せていた。男子達が無意味に円陣を組んで気合を入れたりした。女子達が浴衣で登場した時には、隣のさらに隣の教室まで聞こえてくるくらいの歓声が上がった。翔太はいつも以上に美しい浴衣姿の百合を見て、声にもならず「くっ…!」とうつむ [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第33歩 「前夜祭と色んなもんの幕開け」
  • 文化祭も間近に迫ったある日、百合が廊下を歩いていると誰かが「高峰さーん。」と呑気な声で呼んだ。振り返ると写真部部長の蒼が立っていた。百合は会釈した。蒼は相変わらずの爽やかな笑顔を浮かべて言った。「久しぶり。元気だった?」百合は「はい。」と手短に返事した。すると蒼はそんな反応は予想していたかのようにサクサクと話を切り出した。「まぁこんな所で長々と無駄話してたら、また野中君に写真部部室に乗り込ん [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第32歩 「キダチルリソウとうろこ雲」
  • ゆうは担任に言われて、授業で資料に使った本を図書室に返しに来ていた。司書に「あぁ、はいはい。ちょっと待ってね。確認してバーコード読み取るから。」と言われ、手持ち無沙汰に周りを見渡した。カウンターに置いてある本にふと目をやった。『香りのある季節の花』と言うタイトルだ。ゆうはふとページをめくって見た。8月のところをパラパラ見ると、見覚えのある花が目に入った。あの紫の花だった。「キダチルリソウ…。」 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第31歩 「花火よりも」
  • 皆が様々な理由で待ちに待っていた新学期がやって来た。ゆうはいつもより時間をかけた髪型と新しいネイルで決めに決めて登校した。ゆうは教室に向かいながら思った。中洲に見せつけてやる、格の違いってやつを。ちょっと変に品が良くて時計のセンスがいいから何だっての。私なんかとはレベルが違うし。義男がゆうに何か言ったわけではないことを思い切り棚に上げて、ゆうは勝手に対抗意識を燃やしていた。ゆうは教室に入ると [続きを読む]
  • 高嶺の野草第30歩 「頑張れそうです」
  • 夏は暑さを増し、翔太は百合に会えない毎日を何とか一日一日消化していた。思い切って電話してみようかとも思ったが、電話番号すら知らない事を思い出しあえなく撃沈していた。ある日の部活帰り、翔太は自転車置き場に向かってとぼとぼと歩いていた。すると仲良さそうに手を繋いで歩いてくるカップルが目に留まった。ますます虚しい気持ちでその2人を眺めていると、それは司と理香だった。理香が翔太に気付いて声をかけた。「 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第29歩 「義男観察日記」
  • 蝉の声が響く中、翔太はスパイクの紐を結びながらため息をついた。入道雲らしき物が浮かんだ真っ青な空を眺めながら、百合に連続で会えない日何日目だろうか、と翔太は思った。百合と毎日教室で会えるとあっという間に夏休みが来てしまい、そのくせ百合と会えない夏休みは毎日が拷問のように長く感じた。ゆうが寄って来て言った。「先輩!寂しそうですね。いつだってデート付き合いますけど?今日の部活の後とか空いてます。 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第28歩 「粗探しの結果」
  • 谷山は翔太を睨みつけて、「何だよ?俺ら寂しそうな一人ぼっちの一年生と仲良くしてあげてただけだろ。」と言い訳した。翔太は気まずさにも周りからのプレッシャーにも全く怯まず、真剣な顔で言った。「ごまかすな。よってたかって、仲良くじゃないだろ。学校で休み時間もおしんで楽器の練習して何が悪いんだよ。」百合達は廊下からその様子を見守っていた。同じサッカー部2年の桑田が谷山をなだめに入った。「おいおい谷山落 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第27歩「粗探し」
  • 体育祭も終わり、暑さを増し始めた鏡西に梅雨が涼しさと落ち着きを運んで来た。ジメジメした覇気のない教室で、霧は百合にお菓子を差し出すと言った。「なんかさ、何で野中ってあんななの?」百合は顔を上げて霧を見た。霧は言った。「いやさ〜、体育祭の刺繍といいやりすぎじゃん。諦め悪いのって男らしくないし。やっぱり百合には不釣り合い。諦めも肝心だと思うわ〜。」その瞬間、隣にいた理香の顔つきが変わった。「そん [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第26歩 「こいつにはあいつしかいねぇ」
  • ゆうは言った。「え?今何て?」鈴香は言った。「だから、この間水飲み場のところで高峰先輩が野中先輩に言ってたんだって。あんたと踊ってあげろって。岸野がたまたま通りかかって聞いたって言ってた。ほら、岸野ってそう言うのにめざといじゃん。噂話が好きって言うか。」ゆうは目を見開いて「…高峰百合が、野中先輩にフォークダンスを私と踊ってあげろって言った…?」と言うとストンと椅子に腰を下ろして [続きを読む]