舞茸 さん プロフィール

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舞茸さん: 或る成人発達障害者の愛とかなしみ
ハンドル名舞茸 さん
ブログタイトル或る成人発達障害者の愛とかなしみ
ブログURLhttp://sanpowosiyou.blog.fc2.com/
サイト紹介文ただの日記です
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供59回 / 365日(平均1.1回/週) - 参加 2015/06/05 20:57

舞茸 さんのブログ記事

  • 背中
  • 薄汚いアパートの一室でちいさなCDプレイヤーから流れる音楽(それは音楽)テーブルのうえには酒の入ったコップあたりめの盛られた皿スマートフォン「こうやっているとひとりをごまかせる」そうおもいこんでいる背中それが寂しい曲がった背中だった [続きを読む]
  • 自爆スイッチ
  • 最近気になることがある自爆のことだ不意に自爆したいという気持ち自爆して粉々になって路上に自分を撒き散らしたいファミリーマートでつり銭を渡されるタイミングでの自爆おでんの汁が一瞬で沸騰するツタヤでのジブリアニメコーナーでの自爆DVDがなだれ落ちトトロも血まみれ電車で爆発爆風で女子高生のスカートがめくれあがるトイレの個室での自爆大嫌いな会社で自爆するためのスイッチはどこにあるのだろうそのことが気になって [続きを読む]
  • 外の夜
  • 二つの窓を細く開けると部屋に風が入ってくる透明な風の素足は床に落ちた綿ぼこりをかすかに動かし通り過ぎたわたしはパソコンの前に座り詩を書こうとしている白い画面のうえを自分の呼吸が歩いていくほどけた文字知らない言葉が並ぶ詩の暗号宇宙に興味がある光らない空間に惹きつけられる頭の上の底なしの話詩を書き終わり窓を閉めると外に夜が立っていた [続きを読む]
  • やること
  • やることがあるやらなくてはいけないこともあるやるべきことがあるでもおれは酒を飲んでいるだけでなにもやらないやることをやらない酒を飲んでいるだけでなにもやっていない本を読まない資格を取らない満員電車に揺られない女を抱かない運動しないハローワークに行かないやることはあるいくらでもあるやらなくてはいけないともおもうでもやらないあとでやる明日やるこんどやるいつも酒を飲んでいるだけで金が減っていく酒を飲んで [続きを読む]
  • 狭くて人の多い場所
  • 仕事中に仕事が嫌すぎて仕事ができなくなるマジックペンが キュッキュッとする音が苦手だ会社からの帰りに 弱い雨が降っている折りたたみ傘を持っていたけれど使わずに駅まで歩いてみた二月のつめたくてそれでいて湿っている空気は鼻の裏でぐじゅぐじゅになるもうそろそろぼくは行かなくてはいけないなぜならここは狭くて人が多いからこの曲がり角を曲がったらたぶん五月だ「ここが正念場ですな」メンタルクリニックの先生は言っ [続きを読む]
  • アホの自分
  • 昼寝をして目が覚めてなんだかかなしい気持ちだなまるで子どもの自分がいまの自分を見ているようだかなしみの種類としてはそんなかんじだ今日は会社を早退して昼の電車で帰ってきた昨日は日曜日だったから免許の更新に行ってきたペーパードライバーのゴールド免許だそれで今日は早退して家に帰って昼寝をしていた昼寝の後でお風呂に入ってずいぶん人生から遠く離れてしまったそういうことを考えようとしたけれどそこにいるのは三十 [続きを読む]
  • 彼女はいない
  • 最近おもうのは 彼女はいないドアを開けても そこにはいない音楽をかけても そこにはいない週末にも 彼女はいない日々おもうのは 彼女はいないぼくの生活には 彼女がいないすべての男たちの生活に彼女はいるのに日々の生活に 彼女がいない駅の雑踏を歩いていても ぼくは透明公園のベンチに座っていても ぼくは透明あきらかに晴れている青空なのにこんなに心は 澄んでいるのにこんなに心は 求めているのに十六年間 彼女 [続きを読む]
  • 雪の降った一週間
  •  日曜日は暖かくてよく晴れていた。わたしは渋谷でTwitterのフォロワーさんに会って、手作りの詩集の交換をした。フォロワーさんは、自分のことはブログに書かないで欲しいと言ったので、そのときのことは書かない。 月曜日には会社に遅刻した。 最近、わたしの住んでいるマンションの上の階で、木槌をガンガンする音や、のこぎりをギコギコする音がしている。そういう音がすると、心が脅かされるようなかんじがする。上の階で [続きを読む]
  • 回覧・野菜サラダ・夕焼け
  •  わたしは電車のなかで、本から顔をあげて、周りにいる人たちを見る。普通の人たちが電車に乗っている。普通の人たちというのは、こうしてあらためて見ると、みすぼらしいとおもう。冬なので、日射しは電車のなかに斜めの直線みたいに入ってくる。 他の部署に、回覧を渡しに行くとき、よく挨拶をする女の子(C子)がいて、C子のことはわりと好きだ。彼女の喋り方には特徴がある。 この前、人事異動があって、C子のいる部署に既 [続きを読む]
  • 性の目覚め・フレンチトースト・遅刻
  •  子どもの頃は好きなものを枕元に置いて寝る習慣があった。わたしは、ウルトラマンの人形を枕元に置いて寝ていた。いちど持ってきた人形はそのままにするので、お気に入りのウルトラマンが変わるたびに、人形は片付けられず、増えた。ウルトラマンとウルトラマンの人形が腕と足を絡み合わせ、ごちゃごちゃと枕元にかたまっていた。 子どもの頃はウルトラマンだったが、いつかそれが本に変わって、いまは枕元に詩集がある。なんか [続きを読む]
  • ラブポエム
  • あなたはわたしのことを考えていない時間世界のことを考えているあなたはわたしのことを忘れている時間哲学をしているでもあなたが時間を忘れているときにはあなたはわたしと一緒にいるわたしたちは一緒にごはんを食べて たくさん笑いまるくなって 三角になる液体になり 気体になるみどりから青になり ピンクになるわたしはあなたにキスをして同じ布団で寝るけれどそのときわたしは世界のことを考えているあなたのことを忘れて [続きを読む]
  • 年明けの近況
  •  詩を書くときのルール。書き終えた詩は、数日は寝かせる。その詩を読んでくれる人の立場になって考える。 詩を書くときは、それっぽくしてはいけない。詩を書こうとおもって、「詩というのはこういうものだろう」という意識で書かれた、「それっぽい詩」はつまらない。 詩を書くときは、いい気分で書いてはいけない。自分に酔って書かれた詩はよくない。 わたしは十年以上、詩を書いているので、そういう詩はすぐにわかる。  [続きを読む]
  • かみにんぎょう
  • ぺらぺらのぼくをはさみできりだしてそこにたたせてぼくはぼくのうまれてきたかみよりもずっとしろくてそしてあいまいでふにゃふにゃしたりんかくをしているいまにもふうけいにとけこんでとうめいになってみわけがつかなくなりそうだそんなぼくがこうしてここにたっていられるのはぼくのこのにほんのあしのおかげ?それともそのちいさなはさみをつかってぼくをきりだしてくれたきみのおかげ?ぺらぺらのぼくはかぜにふかれてへらへ [続きを読む]
  • 電車のなかで立っているだけの人
  • 電車のなかで立っているだけの人立っていることしかできない人電車は走っているのに外の景色は移り変わっていくのに電車のなかでは立っているしかない人なにもすることのない人スマホをいじらず勉強せず本も読まない寝ているわけでもない電車のなかで立っているだけの人目をつむり目を開けて電車のなかで意識のはっきりしている人私は電車のなかで立っているだけの人ただ立っているだけで精一杯で立っていることに耐えている人その [続きを読む]
  • 無意識の水平線
  • わたしはいつもあまり意識せず無意識に水を飲んでいる水道の蛇口をひねるとコップに勢いよく流れ出る水喉を鳴らして ごくごくと飲んでしまうが「おいしかった」とはおもわない水には水の味があるらしいでもそんなことは信じられない水はからだをくねらせて恥じらいに透き通るでもそんなことは信じられない人間のからだの六割は水子どものからだは七割が水地球の表面も 七割は水だがそんなことはどうでもいいそうおもってしまうい [続きを読む]
  • 回想(校庭の砂利と桜の木)
  • 思い出したくないことがある小学六年生のときのこととか中学二年生のときのこととかそれでもついつい思い出してしまうのでわたしは短い音楽になった古い名前が記憶の底から浮かんでくる記憶の底は 薄い扉でそこを開けると懐かしい匂いがする嫌な匂いだ思い出したくないことがあるそれでも思い出してしまう蛙の解剖をした 理科室の匂い音楽室のピアノとバッハの肖像(校内放送)「それは思い出したくないことです校庭の砂利と桜の [続きを読む]
  • デパ地下の寿司・スタ丼・Aランチ
  •  父が六十歳になった。少し前からそのことが気にかかっていたけれど、わたしは実家と疎遠になっているので、お祝いの電話だけで済ませようかとおもっていた。でも、わたしは自分が三十歳になったとき、父が「おめでとう」と言ってくれたときの優しいかんじが忘れられなかったので、直接会って祝うことにした。母にメールで「お父さんが六十歳だから、お祝いにお寿司を奢る」と伝えた。 こうやってお寿司を奢るというくらいのこと [続きを読む]
  • 十二月の日記
  •  十二月も半分を過ぎた。年末が好きなので、徐々に気分は盛り上がってきている。ひとりで勝手に盛り上がっているという意味だ。今時、年末を喜ぶような能天気な人間はあまりいないという印象がある。なので、やはり、ひとりで盛り上がっていると言えそうだ。いろいろと書きたいことはある。職場で、同じ部署にいる三人のおばちゃんについて書きたい、という気持ちがある。三人の仕事の仕方。それと、生き方について。 最初のおば [続きを読む]
  • グッド・アイディアとの再会
  • 風呂に入っているときに浮かんできた考えがぼくを見ている浮かんできた考えはぼくの胸と膝のあいだ辺りを漂っているいまつかまえないときっと沈んでしまうだろうその考えが沈んでしまうのをぼくは静かに待っているゆっくりと沈んでいくのをやさしく待っている雨上がりの街の匂い人ごみでどこかで見た顔だと振り返るときにそれもぼくを見ていた旅人のような顔をして [続きを読む]
  • 詩人サイクリング
  • 近所に詩人が住んでいた現実離れはしていたがわりと平凡な人だったよく自転車に乗っているのを見たスーパーのレジの女の子に電話番号を聞いていた振られて自転車で走り去ったすーっと走り去った百円ショップでかわいい便箋を買い毎日母親に手紙を書いていた詩人は貧乏のようだった「最近 瞑想に凝っているんだ」と詩人は言った「最近 寒いね」と詩人は言った「最近 ジョギングをはじめたんだ」と詩人は言った「最近 料理に凝っ [続きを読む]
  • 後片付け
  • ああやばいな片付けなきゃなこんなふうに床にものを散らかして隙間のないくらい散らかして足の踏み場もないくらい散らかして地平線の彼方までものに覆われている考えなくてはいけないなどういう手順で片付けるかどこに片付けるかなにを捨ててなにを取っておくかものを考えなくてはいけない床がぬらぬらしているめっちゃ血が出ていて真っ赤だ肉片と内蔵は手に余る突き出た骨が痛い脳と目玉ああやばいなこんなふうになるはずじゃなか [続きを読む]
  • 十六歳の赤ん坊
  •  電話に出ると受付の西沢さんだった。「白井さん、お疲れ様です。ところで、近くに赤ん坊のような方はいらっしゃいませんか?」と西沢さんは言った。「赤ん坊のような方ですか?」ぼくは聞き間違えたのではないかとおもった。もういちど確認して、「近くというと、この近くですか?」と言った。 受話器を持ったまま、職場のなかを見回した。事務机がずっと遠くまで並んでいて、パソコンの前に座っている人や、コピー機の前にいる [続きを読む]
  • 黙って消えていく権利
  • 子どもの頃 住んでいた辺りに雑草が生えていた車に轢かれるのは怖い(通り過ぎていく車の音)今日は誰とも話したくない気持ちだ最近は 音楽を聴かなくなった性格の悪い若者は多い中年男性の首はネクタイですこしずつ締められていく老年になり 国から年金を貰えた者たちは白杖を持って歩行者天国へと遊びに行くだろう忘れっぽくなって唇の端が切れたそのまま証明写真を撮り片方のソックスを失うはっきり言って誰とも話したくない [続きを読む]
  • レモン水
  • 自動販売機でレモン水を買った(れもんみず)飲むと健康になれる気がしたレモン型のペットボトル(百三十円)レモンって高級品だからさ毎日飲んでいるうちに果物のレモンの味は忘れた唐揚げに添えられている薄切りのレモンは?(それ以上でもそれ以下でもない)毎日レモン水を飲んでいるうちに詩人だった祖父の存在をもう完全に思い出せないおしっこからレモンの匂いのするさわやかさ満員電車のなかでもレモンが香る庭にまいたら虫 [続きを読む]
  • 下北沢のライブ
  •  三年ほど前に通っていた作業所の室長さんに電話をかけた。生活についてアドバイスを受けたかったのだ。 生活。それはなんとも言い難いことだ。ひとり暮らしをはじめて、二年半。部屋がすこしずつ汚くなってきている。ひとりでは生活を維持できない。誰かの助けが必要だった。 電話をかけて、室長さんが、年を取っていたので驚いた。年を取っているだけなら、とくに驚かないけれど、ぐっと老け込んでいて、ボケてきているのがわ [続きを読む]