narikawayuichi さん プロフィール

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narikawayuichiさん: 認知症と美しい老後
ハンドル名narikawayuichi さん
ブログタイトル認知症と美しい老後
ブログURLhttp://narikawayuichi.jp
サイト紹介文緑協和病院院長の成川有一です。ブログ内で認知症のご相談をお受けしています。お気軽にご相談ください。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供186回 / 365日(平均3.6回/週) - 参加 2015/06/06 10:42

narikawayuichi さんのブログ記事

  • 診察室からコンニチハ(39)
  • 「さらに、ご無礼を承知で申し上げれば筆者の視点が常にずれているのですね。時に患者さんの視点だったり、医師の視点になったりと目まぐるしいのです。ある程度は視点を定めて、医師の見解を述べたいのであれば患者さんが医師から説明を受けた体裁を取るべきなのです。それにメインテーマが認知症であるなら、もっと認知症に関するエピソードを詳細に記述する必要があるのではないでしょうか?」「そ、そうなんですね」私は戸惑い [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(38)
  • 待ちに待ったS出版社から電話が入ったのは、9月初旬で猛暑の夏は未だその勢いを少しも緩めてはいなかった。4日後の火曜に病院に訪問しても良いかとの確認だった。午後3時からなら都合がつくと私は答え、互いにのスケジュール調整が了解出来た。S出版社に出向くと言うのではなく、向こうから訪問して来るとの話に私の夢は大きく前進した。そして火曜の午後3時、その少し前にS出版社の50歳代と思われる男性・川島(仮名)さんが院長室 [続きを読む]
  • レビー小体型認知症の父の娘さんへの回答(4度目)
  • レビー小体型認知症の父の娘さんへの回答(4度目)再度のメールを拝読させて頂き、同じ医師として慙愧に耐えません。"Nフォレストクリニック"にしても当初は真摯に患者さんを診ていたのでしょうが(私も彼の講演を聞きに行った事はあるのですが…)、何処かで脱線し始めています。とても残念な思いで医師としての彼の行く末を案じています。日本認知症学会でも、学会の反逆児としての彼には心の奥で拍手を送っていた時期もありましたが [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(37)
  • 家に戻り、妻に今日のT女史との遣り取りを話す。妻の第一声は、「800万円!…それって非常識な金額じゃない。結局は自費出版を甘い言葉で勧誘されただけじゃないの。それにしても800万円ってのは、法外な金額だわ。そんなドブに捨てる様なお金の使い方は、直ぐに断ってちょうだい。とても納得出来ないわ」そう言うなり、妻はネットで幾つかの出版社に自費出版にかかる費用と販売に乗せる負担額を調べ出した。その結果は300〜400万 [続きを読む]
  • レビー小体型認知症の父の娘さん(再々)
  • レビー小体型認知症の父の娘(再々)HbA1c/NGSP 5.3と云うのは、認知症患者さんでは低すぎる値です。低血糖発作が、しばしば起こしてしまう危険があります。少なくても7.0以上の値が理想的です。またレビー小体型認知症にリスペリドンを使用する医師は怖いです。レミニールの使用も明らかに不適切です。ここまで来ると、貴方が仰っていた医原性疾患と云う言葉に思い当たります。どの地域にお住まいかは存じませんが、他にまともな医 [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(36)
  • 2日後の金曜、午前中の外来診療はいつも通りの忙しさであったが私の心は落ち着かなかった。昼食も殆ど喉を通らなかった。約束の午後2時にT女史から、少し遅れるとの電話が入った。幾らか拍子抜けしたが、それでも大きな期待感が萎(しぼ)んだ訳ではない。午後2時15分になって彼女はやって来た。やや恐縮の態で、先ず遅刻の謝罪をした。私はそんな彼女の謝罪を意に介する様子は見せず、笑顔で院長室に招き入れた。先ずは名刺交換を [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(35)
  • 比較的大手の出版社Mから病院に速達の手紙を頂いたのは、猛暑の8月初旬でした。何事かと思って、M社の手紙をくれた女性営業の方に直ぐ電話を入れてみました。私を待っていたかの様に営業のT女史は、直ぐ電話口に出て来て、「わあ、先生からこんなにも早く電話が頂けるなんて光栄です」と、20代後半から30代前半と思われるその女性は華やいだ、それでいて妙にテンションの高い声の持ち主であった。私は少しばかり腰が引けそうにな [続きを読む]
  • レビー小体型認知症の父の娘さんへの回答(再)
  • 先ずは血圧からの話です。一般内科で考える正常という認識では、認知症患者さんに当てはまらない事があります。と申しますのは、認知症患者さんでは日本高血圧症学会で定義されるよりは少し高めに設定する必要があるのです。70歳代だと140〜160/80〜90ぐらいで丁度良いのです。ある程度は血圧を上げて行かないと、脳血流循環が落ちて認知症が悪化する危険性があるのです。まあ、それでも170ぐらいが限度ですが。次に糖尿病の話です [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(34)
  • もう一編だけ私の拙い詩に付き合って下さい。「詩集の小箱」からナースコールです。 「ナ−ス・コ−ル」 一本のコ−ドに託(たく)された私のはかない希(ねが)い 小さな事 めんどうな事 時には どうでも良い様な事かも 看護婦さん あなた方がどんなに忙しいのか 分かってはいるのです でもね どうしょうもないのです 不安で切なくて&nbs [続きを読む]
  • レビー小体型認知症の父の娘さんへの回答
  • 失礼ですが、お書き頂いた処方箋には量的に不明瞭な点があります。・デパケン細粒 40% 0.075mg・カルバマゼピン細粒 50% 0.075mg・パルプロ酸ナトリウムSR錠 100mgと云うのが分かりません。先ずデパケンとパルプロ酸ナトリウムは同成分の薬ですし、0.075mgと云うのが理解出来ません。こんな微量処方と云うのは有り得ないからです。もしかしたら0.075gでしょうか?それなら納得です。さらにビソプロロールフマル酸塩錠 1.25mgの [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(33)
  • 私の詩集の小箱から「魂の宿にありて」を書きます。初めて あなた方に問う本当は だれに問うのか…だれで もない私に…弱き者…小さき者…老いたる者…病に伏したる者…これらの人達は、いつも愛に包まれていなくてはならない愛とは 魂の目である…それは心を捧げた注意力である小さき者…それは未だいい…光輝く何かが待っているかもしれないから老いたる者…はかなき命という名の灯の中で…そのはかなき灯の数々を [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(32)
  • 私はブログの中で幾つもの小説を書いています。はじめは認知症の公開質問が目的だったのですが、小さい時から小説家に憧れていた私は、この私的ブログの中で何時しか小説を書き始めていました。これまで拙い詩はかなり書いていましたが、少し長い小説となると息が続かなかったのです。ただ日記だけは50年近く書き続けていましたので、書く事そのものは苦ではありませでした。。何度かは小説に挑戦していましたが、多くは途中で投げ [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(31)
  • また知り合いの老人ホームから、「認知症の講演」を頼まれました。私は色々な施設から年に5〜6度は「認知症の講演」を頼まれます。その為に年に数度は講演の原稿を少しずつ書き直して行きます。常に最先端の知識をお伝えしなければならないと云う義務感に襲われるからです。この講演も「認知症ブログ」と合わさって、常に私を勉強にと駆り立てる大きな要因になっています。「睡眠時無呼吸症候群」や「認知症講演」を幾度ともなく熟 [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(30)
  • 認知症患者さんの新患が徐々に増えています。増え方は月に数例ですが、それでも私の認知症ブログを見てやって来たと言われますと、心から嬉しくなります。普段以上に緊張します。やはり私のブログ・ファンを裏切りたくないと云う思いが強くなります。ご家族の方のこれまでのご苦労を考えますと30分以上はお話を伺う事になります。原則的に私の認知症外来は予約制なのですが、新患で飛び込みでお出でになる方は予約なしの方も多いの [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(29)
  • そろそろ私の診察室から生の話をして行きます。外来は週に3回です。今のところは火曜の午前、木曜の午後、金曜の午前です。それ以外は入院患者さんを診たり、このブログを書いたりしています。このブログは平成27年6月12日から始まり3年以上続いています。多くの認知症患者さんを診ながら、公開質問を受ける事により自らを叱咤激励して、まともな回答をする為にずいぶんと勉強をさせられました。生来が怠惰な私は、この様に自分を [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(28)
  • 【認知症に関する昨今の知見】認知症といえばアルツハイマー型認知症という考え方が2010年ぐらいまでは、神経内科・精神科では支配的でありました。MRIにおける所見、遺伝子検査、家族性アルツハイマー病の存在、アミロイドβ蓄積の学説、タウ淡白犯人説それぞれが主張を譲らず認知症学会でも多くの意見が分かれていました。電子顕微鏡を使った脳内蓄積物質の解明に、世界中の医学者や生理学者が血まなこになっていたのです。しか [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(27)
  • 江戸時代には認知症患者に対する行動制限や身体抑制は、どの様になされていたかを記載します。「妄言(もうげん)・妄走(現在で言う徘徊)・夜不寝(よるもねじ)」に対しては繋置(けいち : ひもで縛る)・桎梏(しっこく : 手枷足枷)、座敷牢もやむを得ないと考えられていた様です。しかし、これらの身体拘束にはそれなりの手続きが必要で安易な拘束には一定の制限が加えられていました。つまり拘束を行う為には提出書類があったのです。 [続きを読む]
  • 青田さんへの回答(再)
  • 青田さんへの回答お母様は軽度のアルツハイマー型認知症とお伺いしていましたが、認知症の診断の困難さには種々の認知症が合併している場合が多い事にあります。アルツハイマー型認知症にレビー小体型認知症が合併していたり、ピック病が合併したりする事もあるのです。その意味では、現状のお母様の病状はレビー小体型認知症が強く疑われます。はじめからレビー小体型認知症であったのか、アルツハイマーにレビーが合併したのかは [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(26)
  • ここで認知症の概念の変遷(へんせん)と医学的・社会的な考え方の歴史を振り返ってみたいと思います。以下の文章の多くは「認知神経科学 Vol.17 No.3〜4 2015 福井俊哉の論文」より引用しています。Ⅰ. 本邦古代における認知症神話の世界では認知症や精神病を有する者は畏敬と脅威の対象であったらしいのです。これらの人たちの言動や行為が全く理解出来ず、ただ崇(あが)めるしかなかったのでしょう。7世紀後半の万葉集では、 [続きを読む]
  • 青田さんへの回答
  • まず第一にお母様の病状が本当にアルツハイマー型認知症の軽度のタイプであるかの疑問です。現在服用なされている『抑肝散』『フェルガード』『プロズマローゲン』『アルファベスト』の効果はどうですか?『抑肝散』は医師の間では広く認知されており、私も時には使用しています。『フェルガード』も数十例に使用しましたが、その効果のほどが私には分かりませんでしたので現在は使っておりません。『プラズマローゲン』は2009〜20 [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(25)
  • ある認知症患者さんは、顔を覚えたケアスタッフが行くと素直に口を開き、自分で薬を進んで飲んでくれる様になりました。そして暴れることもなくなり、両手の拘束が不要になります。そして次の段階では、患者さんの好物であるバナナを用意しました。自分で皮をむいて食べる事さえ出来る様になりました。その5日後には車いすに座って箸を使い、食事を取れるまでに改善したのです。「ユマニチユード」を発案したジネスト氏は、こう述 [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(24)
  • ケア中は、触覚や視覚、聴覚の全てにポジティブなメッセージ(人間として支え合うことの喜び、金銭ではなく奉仕出来る事への感謝、誰かの役に立っていると云う充実感、人格の尊重)を伝える「知覚の連結」を行います。認知症患者さんであってもケアしている人の心は伝わっているのです。仕事だから、嫌々行っているオムツ交換、効率化を優先する食事介助などにはへきへきしながら患者さん達は我慢しているのです。オムツ交換をして清 [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(23)
  • さて、「ユマニチユード」の実践編です。テクニックは見る、話す、触れる、立つという4つの柱を基本とし、150を超える技術で構成されています。そして全てのケアは、5つのステップを経て行います。? [1]「出会いの準備」? [2]「ケアの準備」? [3]「知覚の連結」? [4]「感情の固定」? [5]「次回の約束」 まずは「出会いの準備」というステップで声かけをしながら、患者さんのプライベートな領域に入る許可を得ます。 [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(22)
  • 話が少し脱線しているかもしれません。「ユマニチユード」優しさを伝える介護の基礎に戻りましょう。根本は認知症患者さんの視点にどうすれば立てるかと云う発想にあります。視野狭窄や聴力障害、記銘力障害(もの忘れ) 、行動異常(普通の人にとって)そして味覚障害、自律神経障害(排便、排尿コントロールの困難さ)、そして睡眠障害など認知症患者さんの多彩な症状を介護者が充分に理解する事から全ては始まります。これらの充分な [続きを読む]
  • 診察室からコンニチハ(21)
  • 今回は認知症に対する介護について考えて行きたいと思っています。先ず注目すべきは数年前にフランスから伝えられて来ました「ユマニチユード」です。優しさを伝える介護の基礎と解釈されている手法です。つまり「認知症」への純医学的な解明に糸口を見出せぬまま、今度は社会心理学的なアプローチを求め出したのです。それは、かつての精神医学が医学的な解明が出来ぬまま、フロイトやユングに社会心理学的な解釈を試みさせたのと [続きを読む]