takokakuta さん プロフィール

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takokakutaさん: 緑の森と図書館
ハンドル名takokakuta さん
ブログタイトル緑の森と図書館
ブログURLhttp://takokakuta.asablo.jp/blog/
サイト紹介文中小企業診断士の書評集です。
自由文本は多くの一流の人たちの話が聞ける心の栄養です。主に経済、経営、自然科学系の新刊本を中心にレビューしています 。一つでも新しい物の見方があれば積極的に評価し、多くの人に知っ てもらいたいと思っています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供78回 / 196日(平均2.8回/週) - 参加 2015/06/13 20:46

takokakuta さんのブログ記事

  • 「世界史を大きく動かした植物」稲垣栄洋著 PHP
  • https://www.amazon.co.jp/gp/product/456984085X/ref=as_li_tl?ie=UTF8&tag=takokakutaasa-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creat
    iveASIN=456984085X&linkId=647aa3120919f0c2cca11882cc8ed33a本書は植物と人類史について書かれた本であるが、実
    に面白い。そしてその視点がユニークである。それは、植物(本書に登場する穀物や野菜)がわ
    れわれ人間を利用してその勢力を拡大して来たというものである。例えば、コムギ。そ [続きを読む]
  • 「明治の技術官僚」柏原宏紀著 中公新書
  • 本書は、幕末にイギリスへ密航して、帰国後に明治期において活躍した五人の長州藩士の物語である。その名は、伊藤博文、井上馨、井上勝、遠藤謹助、山尾庸三である。本書を通じて、明治期日本が多くの試行錯誤を経て形作られていくさまが丁寧に描かれている。また、この五人がいくつもの偶然の結果、明治日本の中枢で活躍したこともよくわかる。すなわち新政府において、英語ができ海外の事情に詳しい彼らは貴重な存在だった。 [続きを読む]
  • 「リサイクルと世界経済」小島道一著 中公新書
  • 本書によれば、古紙や廃プラスチック、鉄スクラップなどの再生資源や中古車は、日本の輸出の主力品目の一つとなっているという。本書はこれら再生資源の国際的なリサイクルにスポットを当て、現状と課題を論じたものである。この分野については普段報道等で接する機会も少ない一方で、国際貿易面で見ると大きなものがあり、本書のような視点も重要であり一読の価値はある。・また、日本では認知度が低いが、中古タイヤに新たに [続きを読む]
  • 「遺伝子(下)」シッダールタ・ムカジー著 早川書房
  • 「不完全な世界は我々の世界」冒頭で著者は、詩人ウォレス・スティーブンスの言葉を引用しているが、これが本書の要旨となる。下巻では、遺伝子解読、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、そしてクリスパーキャス9による遺伝子改変などがテーマとなる。以下興味の引かれた言葉を引用する。「健康を定義するために病気が使われ、異常が正常の境界を定め、逸脱が適合の境界を定める。鏡文字を介した結果、医師の目に映るヒトの身体は壮 [続きを読む]
  • 「トマト缶の黒い真実」ジャン・バティスト・マレ著 太田出版
  • 何とも衝撃的な本である。トマト缶の誕生から現在の中国産のトマトが世界市場を制覇するまでをたどる内容で、現地を歩いて取材した生々しいルポルタージュに説得力がある。まずは、中国は世界最大の濃縮トマト輸出国という話である。そのトップは、世界中の大手食品メーカーに濃縮トマトを供給している新疆ウイグル自治区にあるコフコグループ(中糧集団有限公司)で、ハインツ、ユニリーバ、ネスレ、キャンベルそしてカゴメ、 [続きを読む]
  • 「幕末史かく流れゆく」中村彰彦著 中央公論新社
  • 明治150年の節目にあたり、幕末史を振り返る著作が多く出版されているが、本書もその一つである。見開き1ページで読み切れるような構成になっており、かつ作家らしく著者独自の視点から描かれており、わかりにくい複雑な明治維新に向かっていく動きが手に取るようによくわかる。いくつか興味を惹かれたところをあげる。〜明治維新への動きへのきっかけとなったペリー来航。この時の老中主座阿部正弘、相談を受けた水戸藩前藩主 [続きを読む]
  • 「戦国時代と大航海時代」平川新著 中公新書
  • 中世における世界進出を進めるスペインとポルトガル。この時代はインドや東南アジアの国々が植民地化されている。多くの住民も虐殺されている。ところが、日本は全くそういうことはなかった。また、豊臣秀吉の朝鮮出兵についてはその理由が諸説あり定まっていない。これらの疑問に、明確に答えたのが本書である。また、この時代の世界との交流が、次々と明らかにされ、我々が思っていた以上に世界とのつながりがあったことに新 [続きを読む]
  • 「議院内閣制」高安健将著 中公新書
  • 主にイギリスの議院内閣制について論じた本であるが、本書の本質は最終章「政治不信の時代の議院内閣制―日本政治への合意―」にあると言っていい。すなわち、近年のイギリスにおける国家構造改革は、貴族院改革、権限委譲改革、人権法の制定、司法改革、政治運営に関する暗黙のルールの法典化などイギリスにおける権力の中心である議員内閣制を外部から拘束しようとするものであり、これらの改革を著者は、権力を分散させ、透 [続きを読む]
  • 「10万個の子宮」村中璃子著 平凡社
  • ここのところマスコミ報道に偏りがあると感じることが多い。とかくセンセーショナルな話題が大きく取り上げられる。子宮頸がんワクチンに関する報道などはその最たるものであることが、本書を読むとよくわかる。本書は、子宮頸がんワクチンによるとされる被害が科学的根拠に乏しいにもかかわらず、その健康被害を訴える声が相次ぎ、事実上の接種停止状態に追い込まれた現状について、多くの問題点を指摘する書籍である。すなわ [続きを読む]
  • 「電力と政治」上川龍之進著 勁草書房
  • 政治学の立場から原発事故以降の政治の対応を時系列に辿ることにより、原発政策がなぜ変わることができないのか、深く切り込んだ好著。本書においては、特に終章「時間のなかの電力・エネルギー政策」が秀逸である。すなわち、まず福島第一原発事故のタイミングに注目する。それは、民主党が政権を取っていたということであり、その影響をいくつかあげている。まずもともと電力会社と深い関係を築いて原発を推進してきた自 [続きを読む]
  • 「シリアの秘密図書館」デルフィーヌ・ミヌーイ著 東京創元社
  • 本書は、シリアの反政府軍とされた町ダラヤで政府軍の攻撃を受けながら瓦礫から本を集めた若者が、ある建物の地下に秘密図書館を作っていたという記録である。著者は、シリアに行くことはできなかったが、インターネットで現地の若者とのやりとりを通じてこの本を書いた。アサド政権の厳しい検閲のため、それまでこの町には図書館がなかった。2011年のアラブの春の反乱で、若者たちはとても紳士的にデモを行った。それでも、こ [続きを読む]
  • 「神経免疫学革命」ミハル・シュワルツ、アナット・ロンドン著 早川書房
  • ★★★☆☆本書は表題のとおり、うつ病、脊髄損傷、緑内障、アルツハイマー病、ALSなど脳や神経系の病氣や怪我が免疫系を高める方法によって治療できる可能性があるという驚きの研究成果がいくつも出て来る衝撃的な本である。著者は、まず免疫系を外部から侵入して脅威となった病原体から体を守るための仕組みだけではなく、体のメンテナンスと防御における役割に注目し、脳や神経系も例外ではないとする。まずは老化。著者は [続きを読む]
  • 「大予測次に来るキーテクノロジー」城田真琴著 日本経済新聞出版社
  • ★★☆☆☆最新の技術動向を紹介し、そのメリットデメリットも考察しながら近未来を展望する本。よく耳にするテーマが多いが、本書の魅力はアメリカを中心とした具体例が豊富に紹介されている点にある。では、興味を惹かれたところをいくつかあげる。「第1章人工知能はホワイトカラー業務をこなせるか」 において、米国の裁判所や刑務所で活用されているコンパスと呼ばれるソフトウェアは、被告人が将来再び犯罪に走る可能性を [続きを読む]
  • 「近代日本一五〇年」山本義隆著 岩波新書
  • ★★★★★明治以来の日本の科学技術のキャッチアップから破綻に至るまでを、数多くの文献によってたどっている。新書ながら、多くの知見に富んでおり教えられるところが多い上に、著者独自の歴史観が随所に示され、考えさせる本となっている。以下、印象に残った箇所を抜粋する。「欧米の科学と技術が本格的に学ばれるようになったのは、1842年に中国がアヘン戦争で英国に敗れた直後からである。当時、欧米列強の艦隊の日本沿 [続きを読む]
  • 「1868 明治が始まった年への旅」加来耕三著 時事通信社
  • ★★★★★本書は、明治元年である1868年という激動の1年をほぼ当時の日付に沿って、庶民の様子や、幕府と新政府の動きを追うことによって、まるでこの時代に自分がタイムスリップしたかのような錯覚まで起こさせる秀逸な本である。なんといっても、日付順でたどることによって、個別の知識に過ぎなかったあの時代の理解が、一つの線のように結ばれて、明治という時代がいかに形作られていったのか、非常によくわかる。ま [続きを読む]
  • 「石油の終わり」松尾博文著 日本経済新聞出版社
  • ★☆☆☆☆表題とは異なり、中東を中心とした今の国際情勢と、シェールオイル革命によって進む勢力図の変化、パリ協定批准によるエネルギー戦略の方向性などここ最近の新聞記事によって耳にする話題をまとめたものである。新聞記者らしく情報の整理がなされているものの、目新しいものはない。本書で参考になったところは、パリ協定の内容と最新のシェール革命の姿である。まず、パリ協定。日本の目標は、30年時点で13年比26% [続きを読む]
  • 「移民の政治経済学」ジョージ・ボージャス著 白水社
  • ★★★☆☆今我が国では、深刻な人手不足を背景に、29年10月時点で外国人労働者が128万人と過去最高になっているという。本書は、キューバからの移民である著者が、経済学や統計データなどを駆使して、移民がもたらす様々な影響を検討したものである。まず、前提条件として、「労働者の二国間の移動と財の二国間の移動を同じものとしてみる。すなわち、移民が我々の文化的、政治的、社会的、経済的な生活には全く関与しない存 [続きを読む]
  • 「官僚たちのアベノミクス」軽部謙介著 岩波新書
  • ★★☆☆☆本書は、第二次安倍政権が誕生する際のいわゆるアベノミクスと呼ばれる経済政策が練られていく過程を、関係者の取材を元に克明に追っていったものである。特に、政権復帰前に練られた本田、浜田、高橋洋一らブレーンによる金融政策の形成過程が興味深い。また、当時の日銀総裁の白川の抵抗と挫折に至るまでの交渉経過も実に丁寧に記録されている。金融政策にここまで立ち入って政策形成をすすめたことが今の景気回復 [続きを読む]
  • 「消費資本主義」ジェフリー・ミラー著 勁草書房
  • ★★★★★現代社会の消費社会を冷静に分析し、そこから抜け出すために我々はどのように行動したら良いか、提言する本。非常に多方面から分析し、特に生物学的分析や、心理学からのアプローチなどは注目に値する。逆説的に言えば、マーケティングに携わる立場からも参考になる書籍である。すなわち、(1)私たちが消費で見せびらかそうとしているのは富や地位というより、資質・適応度である。(2)そうした見せびらかしの欲求 [続きを読む]
  • 「職場のハラスメント」大和田敢太著 中公新書
  • ★★★★☆表題のとおり、ハラスメントに関する定義、事例、そして対策について網羅しており、この問題についての教科書である。最近のハラスメントに関する具体的事例が数多く掲載されおり、この問題がいかに日本の社会に深く根付いているのか、深く考えさせられる。いくつか興味を引かれた箇所を抜粋する。・スポーツ界でのハラスメントについて、フランスの柔道のコーチを務めたことのある溝口紀子氏は、選手とコーチは同権 [続きを読む]
  • 「ベルルスコーニの時代」村上信一郎著 岩波新書
  • ★★★☆☆本書は、表題のとおりベルルスコーニの生い立ちから政界失脚までの足取りを追った著作であり、イタリアの戦後の政治史を詳細に解説している。正直、よくもまあここまでイタリアを私物化することができたものだと驚く。まず彼は、大学を卒業後高度経済成長期の波にも乗って、不動産事業を成功させる。その後、小さなケーブルテレビ業を足がかりに、政治家の後ろ盾も使ってテレビ局を次々と買収し、民間テレビ局をほぼ [続きを読む]