ちぇん さん プロフィール

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ちぇんさん: 書は言を尽くさず、
ハンドル名ちぇん さん
ブログタイトル書は言を尽くさず、
ブログURLhttp://chen.hatenablog.com/
サイト紹介文ミステリ、ホラー、その他小説の感想文・書評サイト。年間50冊読了を目標に、読んだ本は全て投稿!
自由文好きな作家は、島田荘司、大山尚利、吉田修一、森博嗣、森見登美彦、西尾維新、舞城王太郎、麻耶雄嵩、伊坂幸太郎、小林泰三、浦賀和宏、貴志祐介、佐藤友哉、北方謙三、法条遥、初野晴、白河三兎等。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供29回 / 365日(平均0.6回/週) - 参加 2015/06/14 10:09

ちぇん さんのブログ記事

  • 吉田修一 『太陽は動かない』
  • 『ミニシアター通信』で吉田修一『太陽は動かない』の読書感想文を書かせて頂きました。太陽は動かない/吉田修一のあらすじと読書感想文こちらでのお仕事は二度目です。前回の『有頂天家族』と比べ、かなり苦労しました。途中で一週間か二週間放り出して遊ぶくらいに笑 端折り辛い話はしんどいっすね、あらすじが。良い経験をさせていただきました。あらすじ部分でほぼほぼ全展開を記載しているので、未読の方はあらすじを読み飛 [続きを読む]
  • 山白朝子 『私の頭が正常であったなら』
  • 『幽』『Mei』『文芸カドカワ』など掲載作品に書き下ろし1編を加えた短編集。舞台や設定に共通点は見られず、切なさ、陰惨さ、狂気と癒し、様々なホラーが描かれる。中でも「子どもを沈める」「トランシーバー」の2編が秀逸。方向性は違うが山白朝子、というか乙一の本領発揮の2編。ラストの書き下ろし「おやすみなさい子どもたち」は、いかにも締めくくりという感じ。堅い。 [続きを読む]
  • 早坂吝 『探偵AIのリアル・ディープラーニング』
  • 文庫書き下ろし。エロミステリーに限らず、最新時事ネタもミステリに活用する早坂吝の最新作の題材は「AI」。人工知能探偵を主人公とし、対立軸として人工知能犯人をライバルとして描く。「AI」ならではのトリックもあり流石の一言ではあるが、惜しむらくは「AI」という魅力的な題材はSFでは頻出のネタという点。既に多くの作者や読者の目に触れていて、真新しさという面では著者の他作「ドローン探偵」に劣り、それ故にトリックを [続きを読む]
  • 小林泰三 『ドロシイ殺し』
  • 『アリス殺し』『クララ殺し』に続く、井森とビルが活躍するシリーズの三作目。当シリーズは毎回海外児童文学をモチーフとして用いており、今回は『オズの魔法使い』。魔法の存在する世界に、主人子・ビルが迷い込む。地球と異世界をアーヴァタール(化身)にてリンクする設定や、それを活かしたミステリ要素も毎度。小林泰三節というか、いつまで経っても摺り合わない意見・噛み合わない会話も堂に入っている。中毒性が高い。なお [続きを読む]
  • 森博嗣 『孤独の価値』
  • 森博嗣実用書シリーズ。幻冬舎新書より。『孤独』という言葉に一般的に持たれているマイナスイメージを払拭するような主張が描かれる。こうした、一般的にはマイナス・マイナ(森博嗣風には横棒を付けない)の概念・具象に対して、こういう考え方もある…というか森はそう考える、という展開が森博嗣実用書シリーズの定番パターン。面白いのは、「考えすぎて落ち込んでしまう人に「あまり考えすぎるのは良くない」なんてアドバイス [続きを読む]
  • 堀江敏幸 『熊の敷石』
  • 芥川賞受賞作の中編と、短編2作を収録。表題作はいきなりセンテンスが長く装飾的な文章に面喰らう。次第に落ち着いてこちらもホッとするが、時折混ぜられる特殊な表現や意味深な内面描写で文章を追う目が止まる。フランス文学者と聞いて、なんとなく分かったような印象。他の2編でも独特な文章は続くが、「砂売りが通る」の方は、幾分かとっつきやすい。西尾維新『本題』より触発されて手に取ったが、収穫があったのか無かったのか [続きを読む]
  • 小森健太朗 『大相撲殺人事件』
  • 連作短編集。2017年で3刷発行。角界の問題に乗じてリバイバルヒットしたとの噂。行きがかり上、相撲部屋に入門することになった外国人・マークは、様々な殺人事件に巻き込まれていく。「立ち合いの瞬間、爆死する力士」「頭のない前頭」「密室状態の土俵で殺された行司」だとか、目次と裏表紙のあらすじがよく出来ていて、笑いを求めて手に取る人がいるだろうが、読んでみると、あんまり笑えない。本格ミステリを意外にも真面目に [続きを読む]
  • 西尾維新 『西尾維新対談集 本題』
  • 西尾維新と5人のクリエイターたちとの対談集。お相手は小林賢太郎、荒川弘、羽海野チカ、辻村深月、堀江敏幸。まず西尾維新より「手紙」が綴られ、それを元に対談が始まる。西尾維新の「発言」を読むのは恐らく初めてで、小説についての考え方、執筆スタイル等を見られる点は貴重と言える。以下は対談相手ごとに。小林賢太郎…やってる本人が面白い、の例に『りぽぐら!』があるのは、そらそうやろうな、と思う。小林賢太郎という [続きを読む]
  • 吉田修一 『愛に乱暴』
  • 桃子は義父・義母の家の庭にある離れに夫・真守と暮らしている。ある日、義父の入院・夫の不倫などの事件が勃発する。愛人と対話し、夫から離婚を迫られるという非常事態。視点は桃子中心に描かれる。こう聞くと単なる不倫小説に思えるが、こうした状況で、桃子は離れの床下が気にかかり始め、畳を剥がし、床板をチェーンソーで切り離し、穴を掘り始める。こうした理外を混ぜ込むあたりが吉田修一。桃子がチェーンソーを買ってウキ [続きを読む]
  • 西尾維新 『悲球伝』『悲終伝』
  • 伝説シリーズ第9弾と第10弾。感情のない英雄の地球との戦争もついに完結。一年に一冊程度の刊行ペースだった当シリーズだが、『球』と『終』は二ヶ月連続刊行でスピード感を維持。『球』では、前作『衛』のラストシーンの後、行方不明となった空々空らが乗り込む人工衛星『悲衛』の所在を探すための、地球居残り組の杵槻鋼矢、手袋鵬喜、人造人間・悲恋らの活動が描かれる。『終』では、『衛』から地続きで、空々空と地球の対面と [続きを読む]
  • 麻耶雄嵩 『友達以上探偵未満』
  • 3編収録の短編集。「小説 野性時代」「文芸カドカワ」などに掲載されたシリーズの単行本化。「伊賀の里殺人事件」はNHK「謎解きLIVE」の原作、いや時系列としてはノベライズか?(設定変更点あり)麻耶雄嵩らしからぬ表紙のファンシィな登場人物イラストは、女子高生でありながら名探偵コンビと持て囃されている「もも」と「あお」。これに「もも」の兄で刑事である空がワトソン兼警察側協力者として加わり、事件解決に向けて物語 [続きを読む]
  • 貫井徳郎 『宿命と真実の炎』
  • 『後悔と真実の色』続編。前作から主人公や捜査一課の登場人物らも引継いだ形で、時系列もほぼ地続きの続編。一応、前作を読まなくても楽しめるように独立した物語ではある。主人公・西條が警察を辞めているため、警察サイドに所轄の刑事・高城理那を視点人物として置き、加えて連続殺人事件の犯人・渕上誠也も主な視点人物となる。よって警察小説と倒叙物の両方の特徴も持つ作品。やや鬱陶しい生真面目さが生み出す重苦しさが、ど [続きを読む]
  • 小林泰三 『因業探偵 新藤礼都の事件簿』
  • 連作短編集。驚異的な頭脳と冷徹さを持つ女探偵・新藤礼都は、探偵事務所開業のための資金を稼ぐために様々なアルバイトを行なっていくが、毎度のように事件に巻き込まれていく。小林泰三節とも言える極めて論理的な会話。それ故のラチの開かなさ。相変わらずであり、不安定な居心地の悪さとともに何故か安心する要素。今回の主人公は金銭を何よりも優先する性格で、このあたりも前述の論理性と非常に相性が良い。ここの短編への感 [続きを読む]
  • 森博嗣 『ダマシ×ダマシ』
  • 「それ、まえにも言われました」と小川は応じたが、それを言ったのは、別の刑事だったかもしれない。敬語ではなく、受身であれば、間違いではない。 Xシリーズ第6作にして最終話。結婚詐欺にあったかもしれない。姿を消した男性を探して欲しい。公務員を辞めて東京に出て来た女性の依頼を受けた小川は、調査を開始する。シリーズ最終話となる本書では、小川・真鍋・永田・椙田らがそれぞれの人生の岐路に立つ姿が描 [続きを読む]
  • 森博嗣 『サイタ×サイタ』
  • 「何階なんですか?」三階の手前で、小川が尋ねた。「六階」と鷹知は答える。そして、さらに速度を上げて、上へ行ってしまった。目的地がわかったので、小川は多少速度を緩めた。三階には、明るいナースステーションがあった。それを見て、彼女は深呼吸をした。後ろから来た真鍋が、小川にぶつかりそうになる。「どうしたんですか?」真鍋がきいた。「なんでもない。まだ半分」「違いますよ、五分の二です。四十パーセ [続きを読む]
  • 浦賀和宏 『Mの女』
  • 幻冬舎文庫書き下ろし。主人公は女流小説家。親友の恋人として現れた男。彼は過去に世間を賑わした一家殺人事件の生き残りではないかという疑惑が生まれ、主人公を蝕んでいく。主人公が過去の事件も含めて調査していく流れは、桑原銀次郎シリーズに代表される今や著者の得意技。安定のストーリーテリング。聞くところによると電子書籍の『メタモルフォーゼの女』シリーズと関連のある作品らしい。本書の結末にはもやっとした印象が [続きを読む]
  • 『七人の名探偵』
  • 新本格30周年記念アンソロジー。綾辻行人、歌野晶午、法月綸太郎、有栖川有栖、我孫子武丸、山口雅也、麻耶雄嵩による全作書き下ろし。新本格世代の豪華メンバーが集合。作風に幅はあるが各々のらしさが垣間見える。麻耶…いつものあの銘探偵メルと美袋の上下関係。短編向き探偵の本領発揮。ラストシーンも本領発揮。山口…作中の時代設定的には浮いているが、パズラー度高し。我孫子…変化球。SF度が高い点は、らしさを感じる。有 [続きを読む]
  • 伊坂幸太郎 『死神の浮力』
  • 『死神の精度』の続編。主人公の千葉は死神。自然死以外で命を落とす予定の人間たちに生前会い、死を与えることについて「可」「不可」の判断を下すのが死神の仕事。実を言うと、伊坂幸太郎作品を時系列に読み進めて行って、初めてこれは面白いなと感じたのが『死神の精度』。文体やキャラクター面での癖が、人外である「死神だから」という設定で説明がつくのが大きい。本作でも、その特徴というか設定は引き継ぐ。被害者遺族が殺 [続きを読む]
  • 森見登美彦 『有頂天家族』
  • 『ミニシアター通信』で森見登美彦『有頂天家族』の読書感想文を書かせて頂きました。良い経験になりました。有頂天家族/森見登美彦のあらすじと読書感想文あらすじ部分でほぼほぼ全展開を記載しているので、未読の方はあらすじを読み飛ばすことを推奨します。(読書感想文の部分は、未読の方が読んでも大丈夫かと思います) [続きを読む]
  • 小林泰三 『わざわざゾンビを殺す人間なんていない。』
  • 『活性化遺体』ことゾンビが日常的に見られるようになった世界が舞台。企業役員の私邸で催されたパーティでの密室殺人。SF設定下の本格ミステリー。ゾンビが日常化に至るまでの経緯について、周囲の反応・裁判所の動き・立法対応までもが語られる。設定フェチのような層に受けが良いのでは、と思う。理屈っぽ過ぎて噛み合わずじれったい会話は、最早小林泰三のお家芸と言える。ただ本作については、会話文に偏り過ぎていてどこか息 [続きを読む]
  • 森博嗣 『作家の収支』
  • 小説家という仕事の収入と支出について、増刷数・印税率などの客観的データに基づいた分析と、森博嗣自身による「蛇足」が語られる。客観的データについて興味深いのは勿論、「蛇足」についても森博嗣らしさが満載で面白い。冒頭で森博嗣という作家の偏屈な特徴をまとめたり、事前に「自慢」という概念について語っておくあたり、自分への客観視もしている。エピソードとしては印税ゼロで本(『STAR EGG 星の玉子さま』)を出して [続きを読む]
  • 野崎まど 『独創短編シリーズ 野崎まど劇場』
  • 「電撃文庫MAGAZINE」連載作品に、没作品と書き下ろしを加えたショートショート集。野崎まどの特徴①壮大な風呂敷広げとそれっぽい畳み方よりも、②コミカルな会話やドタバタスラップスティックの側面が自ずと強化される。ミステリあり、SFあり、泣かせる話もありのごった煮本。以下がフェイバリット。「Gunfight at the Deadman city」…こりゃ実験作短編集なのだなと思わせる1球目。見事に読者を掴む。「第二十回落雷小説大賞 選 [続きを読む]