ちぇん さん プロフィール

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ちぇんさん: 書は言を尽くさず、
ハンドル名ちぇん さん
ブログタイトル書は言を尽くさず、
ブログURLhttp://chen.hatenablog.com/
サイト紹介文ミステリ、ホラー、その他小説の感想文・書評サイト。年間50冊読了を目標に、読んだ本は全て投稿!
自由文好きな作家は、島田荘司、大山尚利、吉田修一、森博嗣、森見登美彦、西尾維新、舞城王太郎、麻耶雄嵩、伊坂幸太郎、小林泰三、浦賀和宏、貴志祐介、佐藤友哉、北方謙三、法条遥、初野晴、白河三兎等。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供40回 / 365日(平均0.8回/週) - 参加 2015/06/14 10:09

ちぇん さんのブログ記事

  • 麻耶雄嵩 『友達以上探偵未満』
  • 3編収録の短編集。「小説 野性時代」「文芸カドカワ」などに掲載されたシリーズの単行本化。「伊賀の里殺人事件」はNHK「謎解きLIVE」の原作、いや時系列としてはノベライズか?(設定変更点あり)麻耶雄嵩らしからぬ表紙のファンシィな登場人物イラストは、女子高生でありながら名探偵コンビと持て囃されている「もも」と「あお」。これに「もも」の兄で刑事である空がワトソン兼警察側協力者として加わり、事件解決に向けて物語 [続きを読む]
  • 貫井徳郎 『宿命と真実の炎』
  • 『後悔と真実の色』続編。前作から主人公や捜査一課の登場人物らも引継いだ形で、時系列もほぼ地続きの続編。一応、前作を読まなくても楽しめるように独立した物語ではある。主人公・西條が警察を辞めているため、警察サイドに所轄の刑事・高城理那を視点人物として置き、加えて連続殺人事件の犯人・渕上誠也も主な視点人物となる。よって警察小説と倒叙物の両方の特徴も持つ作品。やや鬱陶しい生真面目さが生み出す重苦しさが、ど [続きを読む]
  • 小林泰三 『因業探偵 新藤礼都の事件簿』
  • 連作短編集。驚異的な頭脳と冷徹さを持つ女探偵・新藤礼都は、探偵事務所開業のための資金を稼ぐために様々なアルバイトを行なっていくが、毎度のように事件に巻き込まれていく。小林泰三節とも言える極めて論理的な会話。それ故のラチの開かなさ。相変わらずであり、不安定な居心地の悪さとともに何故か安心する要素。今回の主人公は金銭を何よりも優先する性格で、このあたりも前述の論理性と非常に相性が良い。ここの短編への感 [続きを読む]
  • 森博嗣 『ダマシ×ダマシ』
  • 「それ、まえにも言われました」と小川は応じたが、それを言ったのは、別の刑事だったかもしれない。敬語ではなく、受身であれば、間違いではない。 Xシリーズ第6作にして最終話。結婚詐欺にあったかもしれない。姿を消した男性を探して欲しい。公務員を辞めて東京に出て来た女性の依頼を受けた小川は、調査を開始する。シリーズ最終話となる本書では、小川・真鍋・永田・椙田らがそれぞれの人生の岐路に立つ姿が描 [続きを読む]
  • 森博嗣 『サイタ×サイタ』
  • 「何階なんですか?」三階の手前で、小川が尋ねた。「六階」と鷹知は答える。そして、さらに速度を上げて、上へ行ってしまった。目的地がわかったので、小川は多少速度を緩めた。三階には、明るいナースステーションがあった。それを見て、彼女は深呼吸をした。後ろから来た真鍋が、小川にぶつかりそうになる。「どうしたんですか?」真鍋がきいた。「なんでもない。まだ半分」「違いますよ、五分の二です。四十パーセ [続きを読む]
  • 浦賀和宏 『Mの女』
  • 幻冬舎文庫書き下ろし。主人公は女流小説家。親友の恋人として現れた男。彼は過去に世間を賑わした一家殺人事件の生き残りではないかという疑惑が生まれ、主人公を蝕んでいく。主人公が過去の事件も含めて調査していく流れは、桑原銀次郎シリーズに代表される今や著者の得意技。安定のストーリーテリング。聞くところによると電子書籍の『メタモルフォーゼの女』シリーズと関連のある作品らしい。本書の結末にはもやっとした印象が [続きを読む]
  • 『七人の名探偵』
  • 新本格30周年記念アンソロジー。綾辻行人、歌野晶午、法月綸太郎、有栖川有栖、我孫子武丸、山口雅也、麻耶雄嵩による全作書き下ろし。新本格世代の豪華メンバーが集合。作風に幅はあるが各々のらしさが垣間見える。麻耶…いつものあの銘探偵メルと美袋の上下関係。短編向き探偵の本領発揮。ラストシーンも本領発揮。山口…作中の時代設定的には浮いているが、パズラー度高し。我孫子…変化球。SF度が高い点は、らしさを感じる。有 [続きを読む]
  • 伊坂幸太郎 『死神の浮力』
  • 『死神の精度』の続編。主人公の千葉は死神。自然死以外で命を落とす予定の人間たちに生前会い、死を与えることについて「可」「不可」の判断を下すのが死神の仕事。実を言うと、伊坂幸太郎作品を時系列に読み進めて行って、初めてこれは面白いなと感じたのが『死神の精度』。文体やキャラクター面での癖が、人外である「死神だから」という設定で説明がつくのが大きい。本作でも、その特徴というか設定は引き継ぐ。被害者遺族が殺 [続きを読む]
  • 森見登美彦 『有頂天家族』
  • 『ミニシアター通信』で森見登美彦『有頂天家族』の読書感想文を書かせて頂きました。良い経験になりました。有頂天家族/森見登美彦のあらすじと読書感想文あらすじ部分でほぼほぼ全展開を記載しているので、未読の方はあらすじを読み飛ばすことを推奨します。(読書感想文の部分は、未読の方が読んでも大丈夫かと思います) [続きを読む]
  • 小林泰三 『わざわざゾンビを殺す人間なんていない。』
  • 『活性化遺体』ことゾンビが日常的に見られるようになった世界が舞台。企業役員の私邸で催されたパーティでの密室殺人。SF設定下の本格ミステリー。ゾンビが日常化に至るまでの経緯について、周囲の反応・裁判所の動き・立法対応までもが語られる。設定フェチのような層に受けが良いのでは、と思う。理屈っぽ過ぎて噛み合わずじれったい会話は、最早小林泰三のお家芸と言える。ただ本作については、会話文に偏り過ぎていてどこか息 [続きを読む]
  • 森博嗣 『作家の収支』
  • 小説家という仕事の収入と支出について、増刷数・印税率などの客観的データに基づいた分析と、森博嗣自身による「蛇足」が語られる。客観的データについて興味深いのは勿論、「蛇足」についても森博嗣らしさが満載で面白い。冒頭で森博嗣という作家の偏屈な特徴をまとめたり、事前に「自慢」という概念について語っておくあたり、自分への客観視もしている。エピソードとしては印税ゼロで本(『STAR EGG 星の玉子さま』)を出して [続きを読む]
  • 野崎まど 『独創短編シリーズ 野崎まど劇場』
  • 「電撃文庫MAGAZINE」連載作品に、没作品と書き下ろしを加えたショートショート集。野崎まどの特徴①壮大な風呂敷広げとそれっぽい畳み方よりも、②コミカルな会話やドタバタスラップスティックの側面が自ずと強化される。ミステリあり、SFあり、泣かせる話もありのごった煮本。以下がフェイバリット。「Gunfight at the Deadman city」…こりゃ実験作短編集なのだなと思わせる1球目。見事に読者を掴む。「第二十回落雷小説大賞 選 [続きを読む]
  • 『アイアムアヒーロー THE NOVEL』
  • 花沢健吾原作の有名漫画のノベライズアンソロジー。原作キャラを用いるも良し、設定のみ用いるも良し。ジャンルもどうやら自由で、作家ごとの特徴が強く出る。なお、佐藤友哉、島本理生、朝井リョウ以外は初めて読む作家。朝井リョウ:原作キャラ・比呂美のキャラクター補完。単独の読み物としては甘ったるくてだらだらした感が辛い部分があるが、原作の雰囲気に一番近いものも感じた。中山七里:リーダビリティが高く、綺麗に落とす [続きを読む]
  • 貴志祐介 『エンタテインメントの作り方』
  • 貴志祐介「語りおろし」の小説指南。アイデア、プロット、キャラクター、文章作法、推敲、技巧という6つの章立てで、ホラー・SF・ミステリなどエンタテインメントを作るにあたってのノウハウが語られる。目から鱗な内容といえば、著者のリアリティへの拘りを挙げる。想像力の限界に挑み様々な「もし…」を考えることで、設定の詳細化を行い、作品世界にリアリティを付与する。なるほど確かに、読んでいて無理筋を感じたり、説得力 [続きを読む]
  • 中田永一 中村航 『僕は小説が書けない』
  • 中田永一と中村航の合作。高校の文芸部に巻き込まれ入部した主人公が廃部の危機に立ち向かわされるという学園小説かつボーイミーツガール要素のある青春小説。心理的機微の描写など流石は中田永一と中村航だが、プロット面でもう一捻り欲しく感じる。中田永一ゆえに。これは合作の限界かもしれない。本作は単純な合作という特徴の他に、芝浦工業大学製作の「ものがたりソフト」なる小説創作支援ソフトの活用という独特さがある。あ [続きを読む]
  • 早坂吝 『ドローン探偵と世界の終わりの館』
  • 大型ドローンを移動に、小型ドローンを偵察になど、事件解決にドローンを活用するドローン探偵。とにかく斬新な本格ミステリのためだけに置かれた設定。他のシリーズで顕著な下ネタも今回は一切カット。ミステリの成立に不要であれば描かないという意味だろう。この心血注いで作り上げている感は凄い。細かい非現実的な要素を突っ込むことなど野暮の極みで、どこかに棚上げしまいたくなる。バカミスとも言えるかもしれない。本格( [続きを読む]
  • 森見登美彦 『聖なる怠け者の冒険』
  • とある怠け者の土曜日を描いた長編小説。怠惰な腐れ社会人を主人公として、宵山の催される京都を舞台に、謎のヒーローが活躍したり秘密結社などが暗躍したりミーツガールしたり。そして人外。森見のいいとこ取り感は強い。著者あとがきにて仄めかされている通り、他作品とのリンク…所謂スターシステムのような趣向もある。尤もこれは著者の得意技の一つでもあるが。新聞連載という著者の新境地で描かれた作品であり、連載版と単行 [続きを読む]
  • 森博嗣 『赤目姫の潮解』
  • シリーズとしては百年シリーズの第3作とされる。偶像(アイドル)的な存在の赤目姫を中心に、それを取り巻く二人の男、そして緑目王子・紫王など様々なカラーアイを持つ人々が代わる代わる登場する。中盤より幻想性が極めて強まり、定まっていたはずの視点もぼやける。森博嗣が得意とする抽象化を小説で以って表現したものか。 また、幻想性の一方で哲学的物言いも増加する。『スカイ・クロラ』シリーズともまた違う抽象性であり、 [続きを読む]
  • 殊能将之 『殊能将之 未発表短篇集』
  • 殊能将之没後に発掘された短編等をまとめたもの。短編は3つで媒体等への発表がない丸っきりの未公開作品。「犬がこわい」はともかく、「鬼ごっこ」「精霊もどし」は著者自らが生前認めていた通り、本格ミステリとしての期待を持ってしまうとやや肩透かしになるかもしれない。この辺り、著者の本質を表すような特徴を持った作品かもしれない。最後の「ハサミ男の秘密の日記」は、過去に雑誌『メフィスト』に収録されたもので、日記 [続きを読む]
  • 『十年交差点』
  • テーマは「十年」のアンソロジー。著者は収録順に、中田永一、白河三兎、岡崎琢磨、原田ひ香、畠中恵。SF設定かつ泣かせる話の中田、トリッキーで世知辛い白河は普段通りと言える。岡崎は初めてだが、手堅いお泣かせという印象。少しだけ、表現上の言い訳がましさを感じるが、作家性かこの主人公特有なのかは不明。原田も初めて。「十年」というテーマに一番素直に取り組んだ作品か。映像前提なのだろうか、文章力と会話文が親切で [続きを読む]
  • 浦賀和宏 『ifの悲劇』
  • if。もしもあの場面で違う選択をしたら、というパラレルワールドの想像が冒頭で語られる。本作では「犯行直後に目撃者を殺した場合」「犯行直後に目撃者を殺さなかった場合」という章題を付け交互に物語が綴られていく。なんとも上手いこと納める方の浦賀和宏で、器用にミステリとして着地に落とし込む。なお、じゃない方は、しっちゃかめっちゃかにしちゃう方。途中から出てくる某シリーズとのリンクも面白い。あの人はホント散々 [続きを読む]
  • 小林泰三 『クララ殺し』
  • 前作『アリス殺し』に続く、幻想的創作物世界と現実的地球世界をアーヴァタール(所謂アバター)によってリンクしている設定で、井森など登場人物も一部共通する。SFミステリの一種で、一方の世界で殺された者はもう一方の世界でも死を迎える点がポイント。この設定を活かしたトリッキーさはあるが、前作も同様の設定であり新鮮味に欠けるのは否めない。元ネタが前作は『不思議の国のアリス』だが、本作はE.T.A.ホフマンの作品群で [続きを読む]