尚(創作小説屋) さん プロフィール

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尚(創作小説屋)さん: 創作小説屋
ハンドル名尚(創作小説屋) さん
ブログタイトル創作小説屋
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/shou0530
サイト紹介文BL高校同級生カップル(現在・普通高校教師×超美形小児科医)28年愛の軌跡。その他色々
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供99回 / 365日(平均1.9回/週) - 参加 2015/06/15 10:23

尚(創作小説屋) さんのブログ記事

  • BL小説・風のゆくえには〜時効の話・後編
  •  *『閉じた翼』『翼を広げて』のネタバレになってます。だから今さらその話ってことで『時効の話』、です。***「昔、今の山崎と同じようなこと、渋谷も言ってたなーと思ってさ」 苦笑いを浮かべながら言った委員長の言葉に、ポカンとしてしまう。 今の山崎と同じようなことって……『オレはただ、一緒にいられるだけでよかったのに………』 なに、それ。知らない……「それ、いつの話……?」「えーと……『全員30歳になっ [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜時効の話・前編
  • 2018年8月9日(木)【浩介視点】 慶は酔うと寝てしまう。 本人も分かっていて、外での飲み会の時はかなり飲む量をセーブしているらしい。だから、家飲みだと気にせず飲めていい、と言って、気にせず飲んで、すぐ寝る……。年々、その時間が早まっているのは、さすがの慶も歳を取ったということなんだろう。 でも……「こいつ、ホント変わんねえよな。一人だけ時間進むの遅くね?」 高校の同級生、溝部がローテーブルに突 [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ・エピローグ
  • 2018年4月28日(土)【真木視点】 チヒロと共に渡米してから、もうじき15年になる。 俺は仕事の都合で時々帰国するが、チヒロはほとんど帰らない。アロマオイルの販売店で働いていて、まとまった休みを取りにくい、ということもあるけれど、姉のアユミが年に一度は必ず遊びにくるので、チヒロの中ではそれで事足りているのかもしれない。チヒロは変わらずアユミのことが大好きだ。 アユミは今は母親と一緒に暮らしてい [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ30
  • 【真木視点】『真木さん、何だか辛そうだけど、大丈夫、ですか?』 ビー玉みたいな目でこちらを見上げてきたチヒロ。初めて出会ったときには、そのビー玉には何も映っていなかったけれど、今では綺麗な色が煌めいている。(この子には嘘をつけないな……) 思い返せば、チヒロには素の自分をさらけ出してしまうことが多かった。そばにいることが当然のような、温かい優しいぬくもり。この子と離れるなんて考えられない。 だから [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ29
  • 【チヒロ視点】 フロアマネージャーのミツルさんから追加の買い物のリストを受け取って、真木さんと一緒に買い物に出かけた。 ミツルさんと真木さんは何だか険悪な雰囲気だったけれど、それよりも気になる事がある。『明日、ご予約承っております。両家の顔合わせをなさるということで』 ミツルさんが真木さんに言った言葉……。これは、やっぱり、本当に本当に真木さんと環様が結婚するってことで…… そんなことを悶々と思い [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ28
  • 【真木視点】『真木さんもお幸せに』 そう言ってくれた慶の笑顔が頭から離れない。 それは慶に対する未練とか劣情とか、そういうものではなく、彼のあの真っ直ぐな瞳に恥じない道を、俺は選んでいるだろか?という疑問……焦り、みたいなもののせいだ。 環との結婚で得られるものは大きい。 両親を安心させられる。周りの圧力から逃げられる。社会的信用を得られる。そして何より、妻公認で男の愛人を持つことができる。 それ [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ27
  • 【真木視点】 2003年4月28日。 慶の20代最後の誕生日の夜、当直勤務中の慶に会いに行った。 思えば半年ほど前、慶に触れられない苛立ちを癒すために、チヒロを求めたのだった。でも今日は、チヒロに会えない淋しさを慶で紛らそうとしている。 たったの半年で、こうまで変わるなんて、人生何が起こるか分からないものだ。 あいかわらずの美青年の慶は、俺の姿を見つけると、サッと走りよってきて、いつものキラキラし [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ26
  • 【チヒロ視点】 真木さんが結婚する、らしい。 それはきっと、家の事情で決まったことで、真木さんの望みではないと思う。思うけど……(幸せそう……) お相手の環様は長身の美人で、真木さんととてもお似合いで、二人はどこからどうみても幸せなカップルで。 でも。でも……『こうして声を聞いたりしたら、会いたくて我慢できなくなるから、電話もしないよ』 真木さんは切ない声で言ってくれた。『また、連絡する』 そう約 [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ25
  • 【真木視点】 古谷環は俺のことを『鴨ネギ』だといったけれど、俺にしてみれば環の提案は『渡りに船』だった。 俺たちの利害は完全に一致している。この際、俺は環に賭けてみようと思う。**「空封筒の話をしましょうか」 環が「結婚して」と言ったあの朝、流れで入った駅近くの珈琲店で環はニヤニヤと言ってきた。 空封筒の話、とは、チヒロの勤める会員制のバーに行った際、先に帰った俺に環がチヒロを使って封筒を届けさせた [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ24−2
  • 「それはもしかしたら、政略結婚じゃない?」と、アユミちゃんが「そうに違いない」って肯きながらいった。「政略結婚?」「そうそう。真木さん前に言ってたんだよね。自分が金持ちなわけじゃなくて、家が金持ちなんだって」「そう……なの?」 真木さんは以前、アユミちゃんの勤めていたキャバクラによく行っていたので、アユミちゃんの方が真木さんとお喋りをした時間は多い。というか、真木さんと僕はあまり話しをしないので、 [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ24−1
  • 【チヒロ視点】 真木さんが、恋人延長してくれた。 真木さんが、僕のものを大きな手で包み込んで、いかせてくれた。 高校生の時の初体験からはじまり、色々な人と色々なことをしてきたけれど、こんなに気持ち良くて、心の中、体の中、全部が蕩けるほど幸せになる射精をしたのは初めてだった。 真木さんのことが大好きで、大好きで、後ろから抱きしめてくれてる真木さんと一つに溶け合えればいいのにって思った。けれど、真木さ [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ23
  • 【真木視点】 シャワー室を出てから、携帯メールの着信に気が付いた。相手は、古谷環、だ。(空封筒の件か?) 一応、ホテルについてチヒロの到着を待っている間に、今日のお礼と、先に失礼したお詫びと、チヒロ経由でもらった封筒の中身が入っていなかったということをメールしておいたのだ。その返事かもしれない、と、一瞬、携帯を手に取りかけたけれど、(まあ………いいか) もう深夜2時半を過ぎている。読んだところで返 [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ22−2
  • 【チヒロ視点】「チヒロ……かわいいね」 耳元でささやかれた声に、体中の力が抜けてしまった。真木さんの優しい声。チヒロって。かわいいって。もう溶けてしまいそう……「シャワー浴びようか?」「あ」 うっとりとしていたけれど、続いた優しい声にハッとした。 そうだ。真木さんはいつも、部屋に外の空気を持ち込みたくないっていって、僕が来るとすぐにシャワーを浴びるように言ってたんだった。「すぐ浴びてきます」「急が [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ22−1
  • 【真木視点】『恋人、延長する?』 気がついたら、言ってしまっていた。 今思えば、この2週間ほどチヒロと会うのを避けていたのは、このセリフを言ってしまうと自分で分かっていたからかもしれない。 でも、だからこそ、これ以上の関係に進むべきではないと思う。………それなのに。『前に真木さんが僕を太らせてから食べるっていってたから最近頑張ってご飯食べて……』 チヒロの言葉に軽い目眩をおぼえた。 俺に食べられる [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ21
  • 【チヒロ視点】 真木さんと1階のエレベータホールで別れてから、再び職場の会員制バーに戻ると、環様が僕に向かって手招きしているのが目に入った。慌てて、でも静かに、サッと隣にいく。と、耳元で小さく囁かれた。「ヒロ君、色気だだ漏れだよー? 何かあったのかなー?」「え」 何かって…… ニコニコしている環様。でも、こういうことは言っちゃダメなので言わない。環様のおかげで真木さんと約束できたけど…… と、言う [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ20
  • 【真木視点】 今日は4月1日。エイプリルフールだ。 3月末まで恋人、と言ったのに、結局、残りの3月は一度も会わなかった。『今度は今度。じゃあね』 そんな風に電話を切ってしまって以来、チヒロからも連絡はない。(俺が「今度」と言ったから、その「今度」を待っているのかもしれないけど) それでも、この2週間あまり連絡を寄こさないのは、どういうつもり……、と思いかけてため息をついた。(前にも同じようなことが [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ19
  • 【チヒロ視点】 僕の、アユミちゃんを大切に思う気持ちは、姉に対するものとしては行き過ぎている、と言われることがある。でも、真木さんは、「チヒロ君の気持ち、何となく分かるよ」と、言ってくれた。ふかふかのお布団の中で、腕枕をしてくれながら、頭を撫でてくれながら、優しく優しく言ってくれた。「俺も、家族に対する依存度は普通の人より高いからね。転校ばかりで、家族が唯一って環境で育ったせいかなって自己分析はし [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ18
  • 【真木視点】「俺の恋人になる? 期間限定だけど」 そう言ったのは先月のこと。「3月末まで」と約束したことをチヒロは覚えていないようなので、そろそろ確認しないといけない、と思っていた矢先、『事務所から契約更新できないと言われたので次のお仕事を探します』と、チヒロが電話で報告してきた。よりによって、契約は3月末で切れるという。(……心配だ) 電話の翌日に会いにいった際にも、AV出演の勧誘話を「???」 [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ17
  • 【チヒロ視点】 モデル事務所の契約が3月末で切れる。 今までは一年ずつ更新してくれていたのだけれども、今回は更新できないと言われた。「私はずっといて欲しかったんだけどね……」 小さい頃からお世話になっている社長さんが、苦いものでも食べたみたいな顔をして、メールが印刷された紙を見せてくれた。〈今月の特集に出てるモデルのチヒロは、不特定多数の男性と関係を持ち、お金をもらっているような男です〉「今月の特 [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ16
  • 【真木視点】「本当にいいの?」と、二人きりの夕食の席で母に聞かれた。お見合いの話だ。もう何度目かの確認なので、またか、と思いつつ、「大丈夫だよ」と答えたところ、「でも……『チヒロ』さんは、大丈夫?」「!!」 母からの思わぬ言葉に、息が止まるかと思った。何かを飲んだり食べたりしている最中でなかったことが幸いした。止まりつつも、すぐに吹き返して、母を見つめ返す。と、母は申し訳なさそうに手を合わせた。「 [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ15
  • 【チヒロ視点】『チヒロ、そういう気持ち、何ていうか知ってる?』 コータが今までみた中で一番の優しい顔で言った。『嫉妬。独占欲。情熱。……恋、だよ』 ………恋? 僕、真木さんに、恋してるの? でも、恋って何? 恋って……恋って………「………ロ君、チヒロ君?」「!!」 気がついたら目の前に真木さんの綺麗な茶色の瞳があって、ビックリして飛びのいてしまった。「えと………あの」「コータ君なら帰ったよ」「…… [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ14
  • 【コータ視点】 今年、2003年のバレンタインは、朝から仕事だけで何の予定もなかった。なので、終わってすぐに、チヒロに電話してみたけれど、電源切れてるのか繋がらなくて……。 翌日の夜にいつものバーで会えたので聞いてみたら、「真木さんと一緒だったから電源切ってた」 だって! バレンタインまで一緒に過ごすなんて、それもう恋人じゃん!! って言うんだけど、「そうなの?」 って、かわいいキョトン顔のチヒロ [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ13
  • 【チヒロ視点】 真木さんが前に言っていた。『俺もお菓子の家の住人でね。ずっとそこに居続ける。グレーテルはいらない』 ……………。 どういう意味なんだろう?と、その時に思ったことを、本屋で『ヘンゼルとグレーテル』の絵本の表紙を見て思い出した。 本屋には、アロマテラピーの本を買いに行ったんだけど、レジのすぐ近くに、たぶん、今日がバレンタインだからか、お菓子の家の作り方の本が紹介されていて、その横に絵本 [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ12
  • 【真木視点】『助けて、ください』 チヒロの切迫した声に、今まで忘れようとしていた感覚が一気によみがえってきた。 大阪に戻ってきて3週間あまり経つ。 俺は煙草を吸わないので本当のところは分からないけれど、おそらくきっと、禁煙したらこんな感じなんだろうな、と思っていた。 忙しくしていると忘れていられるのに、ふっと気を抜いたときとか、疲れて帰ってきた時とか、無性に欲しくなる。(チヒロ……) あの子のマッ [続きを読む]
  • BL小説・風のゆくえには〜グレーテ11
  • 【チヒロ視点】 真木さんと最後に会ったのは11月の終わりだったので、会わなくなってもう20日以上になる。「何かあったら電話して?」 別れ際、真木さんがそう言ったので、「何かって何ですか?」と、聞いたら、真木さんは「そうだねえ……」と言いながら、「何か、困ったことがあったら、とかね」と、ちょっと笑った。 でもその「困ったこと」がどのくらい「困ったこと」なのか分からないので、電話はできずにいる。 今「 [続きを読む]