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shadowtimesβ https://shadowtimes.hatenablog.com/

港千尋、勝又公仁彦、三木学による、視覚文化をレビューするウェブマガジンです。

shadowtimesβは、港千尋(写真家、批評家)、勝又公仁彦(写真家、美術家)、三木学(編集者、色彩研究者)による、視覚文化をレビューするウェブマガジンです。 写真のみならず、国内外のアート、テクノロジー、政治、経済、文化、芸能などを幅広く取り上げ、映像、視覚、色彩などの最新の知見によって、現代に起こる様々な事象を分析し、批評していきます。

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2015/06/22

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  • 瓦礫からアートは生まれるか?「平成美術 うたかたと瓦礫(デブリ)」三木学

    平成美術ーうたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019 発売日: 2021/02/20 メディア: 単行本 椹木野衣先生監修による、「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019」展が今週末に閉幕する。緊急事態宣言下で始まり、まん延防止等重点措置下で閉幕するのは象徴的である。 「平成美術」の美術評論は椹木野衣の時代であり、椹木史観ともでもいえる「悪い場所」論をはじめ、椹木先生の打ち出す歴史観や世界観は、その後、日本のアート業界全体に大きな影響を与えている。今回は、椹木先生の評論活動とそのまま重なる「平成」「美術」を大胆に読み取る試みになる。 1989年に始まる「平成」は、そのまま冷戦…

  • 光から始まったカラー写真『永遠のソール・ライター』三木学

    永遠のソール・ライター 発売日: 2020/01/09 メディア: 単行本 先日、ソール・ライターの展覧会「永遠のソール・ライター」をJR京都駅に併設されている美術館「えき」KYOTOに見に行った。ソール・ライターが数年前からブームと言われるくらい人気が出ていたのももちろん知っていたのだが、何度か行われた展覧会を見逃していた。今回、なんとか行こうと思ったのも、スライドショーがあると聞いたからである。 ソール・ライターはほとんど無名の写真家であったが、2006年、ドイツのシュタイデル社から写真集『EarlyColor』が出版されたことにより、カラー写真の黎明期に驚くべき美意識を完成させていた写真…

  • 和田三造が牽引した色彩調和論の結晶『配色辞典 応用編 大正・昭和の色彩と商品デザイン』三木学

    配色事典 応用編 (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ) 作者:和田三造 発売日: 2020/03/23 メディア: ペーパーバック 日本は柳田國男が「天然の禁色」と指摘したように、江戸時代までの日本は基本的には天然の染料・顔料を使って、絵画や織物などを制作しており、鮮やかさには自ずから限界があった。ただし、その中においても、ベロ藍(プルシアン・ブルー)などの化学染料が少しずつ入ってきて、若冲などが先駆け、江戸末期には北斎や広重などの浮世絵に多用されている。 明治に入ると、19世紀に西洋で発達した化学染料や顔料が大量に入ってくるが、それらを受容し自分のものとして使えるようになるには時間がかかった。江…

  • 失われた「未来都市」を求めて。建築が都市に、都市が建築になった時代を描く―橋爪紳也監修編著、高岡伸一・三木学編著『新・大阪モダン建築-戦後復興からEXPO'70の都市へ-』(青幻舎)三木学

    Webスナイパーに『新・大阪モダン建築』を少し違った角度から紹介させていただきました。是非ご高覧下さい。 http://sniper.jp/011review/0111book/expo70.html?utm_content=posttweet&utm_source=sample&utm_media=twitter

  • 『新・大阪モダン建築 戦後復興からEXPO'70の都市へ』ができるまでー三木学

    新・大阪モダン建築 -戦後復興からEXPO`70の都市へ- 作者: 橋爪紳也,?岡伸一,三木学 出版社/メーカー: 青幻舎 発売日: 2019/08/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る すっかりこのブログに投稿するのも久しぶりになってしまった。この間、さまざまな媒体に寄稿したり、アプリを制作したりしていたので、まったく暇がなかったのだが、久しぶりに本を制作したのでご紹介したい。 この本は、2007年に出版し、現在でも新装版として増刷されている、『大大阪モダン建築』の続刊という位置づけになっている。ただし、その造りは全く違うものだ。『大大阪モダン建築』を制作して…

  • 渡邊 耕一展「Moving Plants」1/13~@ 資生堂ギャラリー

    Moving Plants 作者: 渡邊耕一 出版社/メーカー: 青幻舎 発売日: 2015/12/28 メディア: ハードカバー この商品を含むブログ (2件) を見る 以前、ご紹介した渡邊耕一さんの作品で、大航海時代に逆輸入された日本産のイタドリが、外来種として世界を席巻している風景を追いかけた、「Moving Plants」のシリーズの展覧会が、資生堂ギャラリーで開催されます。 また、初日1月13日(土)には、関連企画として、長谷川 新(インディペンデント・キュレーター)さんとの対談、 3月3日(土)には、山内 朋樹(京都教育大学美術科講師、庭師)さんとの対談も開催されます。渡邊耕一さん…

  • 国際的な評価という経験「新しい泉のための錬金術―作ることと作らないこと」(2)三木学

    左からドリュン・チョン氏、小崎哲哉氏、ヤノベケンジ氏 ULTRA GLOBAL AWARD 2017 Exhibition 12月5日(火)より 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY ULTRA GLOBAL AWARD 2017 Exhibition「新しい泉のための錬金術―作ることと作らないこと」展では、先日、M+の副館長兼チーフ・キュレーターのドリュン・チョンさんと、小崎哲哉さんによる講評に加え、ドリュンさんによる最優秀賞の審査が行われたので前回に追加して報告しておきたい。ドリュンさんと小崎さんによる講評は非常におだやかながら、鋭い指摘が多数なされ、出品作家も大いに勉強になった…

  • 現代アートのゲーム・チェンジャーは生まれるか?「新しい泉のための錬金術ー作ることと作らないこと」三木学

    ULTRA GLOBAL AWARD 2017 Exhibition「新しい泉のための錬金術―作ることと作らないこと」京都造形芸術大学ギャラリー・オーブ会期:2017年12月5日(火)〜12月19日(火)時間:10:00〜18:00会期中無休入場料:無料 今年は、マルセル・デュシャンが『泉』を制作してから100年になる。それに関連して、デュシャンをテーマにした展覧会が各地で開催されている。実質上、現代アートは、デュシャンが始めたといってよいだろう。デュシャンの本格的な評価が戦後とはいえ、デュシャンはそれ以前のアーティストの態度とはまったく異なる。デュシャンは、狭義の作ることを止め、観念的な操作…

  • 自然体のグラン・ジュテ(跳躍)「ULTRA GIRLS COLLECTION」三木学

    hotel-anteroom.com ULTRA x ANTEROOM exhibition 2017 「ULTRA GIRLS COLLECTION(ウルトラ・ガールズ・コレクション)」 会 期:2017年7月27日(木)ー 8月27日(日)会期中無休・入場無料 営業時間:12:00-19:00トークイベント&レセプションパーティゲスト:清川あさみ(アーティスト)聞き手:ヤノベケンジ(美術作家)日 時:7月27日(木)18:00-20:00会 場:ホテル アンテルーム 京都 GALLERY9.5 清川あさみをゲストに迎えた出品作家たちとのトークイベント 7月27日(木)からアンテルーム京都で…

  • 「ニュー・ファンタスマゴリア―スライドショー新世紀」7/13~16@京都芸術センター

    (C)2017 Chihiro Minato+DOZAN11 www.kac.or.jp 開催概要 展覧会名:『ニュー・ファンタスマゴリア――スライドショー新世紀』KAC TRIAL PROJECT / Co-Program 2017 カテゴリーC「共同実験」採択企画会期:7月13日(木)-7月16日(日)10:00 - 17:00(最終入館16:30)※13日のみ19時まで。会場:京都芸術センター フリースペース ※会期中無休・無料参加アーティスト:港千尋+DOZAN11(EX 三木道三)、勝又公仁彦、キオ・グリフィス、佐久間里美、鈴木崇、澄毅、関口涼子+DOZAN11、武田陽介、田中和人、…

  • 連面と続く人類と作像の歴史ーデイヴィッド・ホックニー&マーティン・ゲイフォード『絵画の歴史』(青幻舎)三木学

    絵画の歴史 洞窟壁画からiPadまで 作者: デイヴィッド・ホックニー,マーティン・ゲイフォード,木下哲夫 出版社/メーカー: 青幻舎 発売日: 2017/02/01 メディア: 大型本 この商品を含むブログを見る デイヴィッド・ホックニーは、ポップ・アートの先駆者としてデビューし、20世紀後半から現在に至るまで、もっと影響力のあるアーティストの一人である。現在、テートブリテンで60年に渡る画業を振り返る大回顧展が開催されているが、常に新しいメディアを駆使して画法が変わり続けるホックニーにおける「変わらないもの」が逆に見えてくるかもしれない。 ※ホックニーの画業に関するオーバービューは、IMA…

  • めくらない巨大な絵本『Big Book おおきなかぶ 』『うらしまたろう』(青幻舎)三木学

    Big Book おおきなかぶ 作者: 藤本真央 出版社/メーカー: 青幻舎 発売日: 2016/12/10 メディア: ? この商品を含むブログを見る Big Book うらしまたろう 作者: 藤本真央 出版社/メーカー: 青幻舎 発売日: 2016/12/06 メディア: ? この商品を含むブログを見る bigbook Big Book おおきなかぶ 青幻舎 SEIGENSHA Art Publishing, Inc. Big Book うらしまたろう 青幻舎 SEIGENSHA Art Publishing, Inc. 360度開いてくり抜かれたページをまたぎながら物語が展開され…

  • アーティスト紹介 「スライドショーの未来形―写真と音楽の新たな出会い」

    「PhotoMusic」(音楽自動生成スライドショーシステム)リリース記念スライドショー&トークショー 日時:2016年12月4日(日)16時~18時 場所:MEDIA SHOP会費:1500円(1DRINK付き) 12/4メディアショップで開催するトークショー&スライドショー 「スライドショーの未来形―写真と音楽の新たな出会い」で上映するアーティストの紹介です。 ■アーティスト名(1) 港千尋(写真家、著述家、映像人類学者)群衆や記憶、市民などをテーマに、文化人類学的な視点と持ちつつ、世界各地で起こる様々な出来事を文明批評的な考察とともにスナップ写真で捉えることで知られる。写真集の他、批評家…

  • 才能の発掘・育成・評価のプログラム-ULTRA AWARD 2016 Exhibition「ニュー・オーガニクス」公開審査会 三木学

    左2番目からヤノベケンジ、長谷川祐子、遠藤水城、やなぎみわ、浅田彰。背景は檜波一彦のインスタレーション《Object:π》。 ULTRA AWARD 2016 Exhibition 「ニュー・オーガニクス」 11月5日~ 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY 会期 : 2016年11月5日(土)~11月27日(日)10:00~18:00会場 : 京都造形芸術大学 人間館、智勇館ほか各所 現在、京都造形芸術大学でウルトラアワード2016「ニュー・オーガニクス」展が開催されている。 その関連イベントとして、11月20日(日)に公開審査会が開催された。公開審査会の審査委員は、浅田彰(批評家…

  • 港千尋×三木学×谷本研×木村利行 「スライドショーの未来形―写真と音楽の新たな出会い」

    http://www.media-shop.co.jp/talk_event/photomusic/photomusic.html 「PhotoMusic」(音楽自動生成スライドショーシステム)リリース記念スライドショー&トークショー 日時:2016年12月4日(日)16時~18時 場所:MEDIA SHOP会費:1500円(1DRINK付き) トークショー:港千尋(写真家・著述家)×三木学(編集者・色彩研究者)×谷本研(美術家・デザイナー)×木村利行(Webデザイナー) ※作家本人解説作品あり。 スライドショー作品上映作家:港千尋(写真家、著述家、映像人類学者)勝又公仁彦(美術家、写真家)佐…

  • 新たな感性と価値観の生態系「ULTRA AWARD 2016 ニュー・オーガニクス」三木学

    ULTRA AWARD 2016 Exhibition 「ニュー・オーガニクス」 11月5日~ 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY 2016.115~11.27 京都造形芸術大学 人間館エントランス、地勇館ほか学内各所 「ニュー・オーガニクス」展という学生・若手アーティストを中心とした展覧会が、京都造形芸術大学で開催されている。とはいっても卒業制作展ではない。列記とした企画展であり、キュレーターは長谷川祐子氏である。学生のアーティストを対象とした展覧会に、国際的な舞台で活躍するキュレーターが参加する展覧会は少ないだろう。 この企画展は、優秀な学生を集めたグループ展という意味合いもあ…

  • 色をめぐるポリティクス「ランドセル・都知事・大統領選挙」三木学

    www.j-cast.com togetter.comと 3月に「赤色のランドセルが欲しい」という男子を持つ母親の相談が質問投稿サイトに寄せられたこと対して、今月になってツイッターで広がり、ジェンダー論に発展している。 その背景に、最近ではランドセルもかなりの色のラインナップがそろって、かつてのように、男子は黒、女子は赤という選択肢しかなった状態からかなり変わっているということがある。とはいうものの、さすがに、赤を選ぶ男子はほとんどいないようである。 これは性差を前提とした大人の押しつけであり、個人の自由に委ねられるべきである、という主張はたしかにそうだろう。一方で6年使用することが前提であり…

  • 田中和人|Kazhuhito TANAKA 《after still》

    今回は、田中和人さんのスライドショー作品をご紹介します。田中さんは、写真によって、写真と絵画・立体との関係、具象と抽象の境界を探求する作品で知られています。今回は、抽象表現主義、カラーフィールドペインティングの先駆者であり、2011年当時オークションで最高値を付けたことでも知られる、クリフォード・スティル(Clyfford Still)の絵画のオマージュである作品《after still》をスライドショー作品にしています。タイトルから、スチール写真(still picture)とクリフォード・スティルの後(after)という二重の意味に読めます。《after still》は、カメラを使わず、ス…

  • 武田陽介|Yosuke TAKEDA 《Stay Gold》

    今回は、様々な光の現象に着目し、クールな視線と洗練された構図で日常を切り取るストレート写真で知られている注目の写真家、武田陽介さんのスライドショー作品をご紹介します。 武田さんは、代表作《Stay Gold》を元に、自分の鼓動のBPMを測定し、ハードビートに合わせて、スライドショーを展開しています。 ハートビートに合わすことによって、「凍れる時間」「凍れるメディウム」「凍れる身体」である写真を、今までにない方法で「蘇生」していると言えます。 武田さんの光の現われを観察する冷徹な視線に、ビートによって身体の鼓動と熱さが伝わり、身体の延長としてのカメラと、人間の知覚と分離したメディウムとしての写真…

  • 山本聖子|Seiko YAMAMOTO 《One Day's Music Color》

    今回はアーティストである山本聖子さんのスライドショー作品をご紹介します。山本さんは、千里ニュータウンという、戦後日本において高度に均質化された新興住宅地で育ち、現在も制作拠点をかまえています。その計画的、人為的空間への身体的違和感を元に、不動産屋のチラシの間取り図を無数に切り取り、網目のように貼り付け、平面、立体作品にすることで知られています。その後、メキシコやオランダでの滞在制作を経て、心身に及ぼす空間に漂う「気配」を色をモチーフに表現しています。今回は、千里ニュータウンのマンションの高層階から、1日24時間、ピンホールカメラで定点撮影し、漂白された均質的空間がスクリーンのように、光と色によ…

  • 山内亮二|Ryouji YAMAUCHI 《Quiet River, Seoul 》

    今回は、写真家の山内亮二さんのスライドショー作品をご紹介します。山内さんは、急劇にグローバル化し、均質化していく主にアジア圏の都市を遊歩しながら、そこに潜んでいる歴史や記憶、風土、風俗が現われる様子を、採集するようにスナップ写真を撮影しています。今回、韓国、ソウルの都市を舞台にした作品を使って、雄大な漢江の流れを背景に、マルチスクリーンのような技法で、都市の様々な景色が表れては消えていくようなスライドショー作品を制作して頂きました。ソフトにはマルチスクリーンの機能はついていませんが、画像処理ソフトで写真を重ね合わせ、少しずつずらしていくという画期的な技法でそれらの効果を実現しています。それによ…

  • 中屋敷智生|Tomonori NAKAYASHIKI 《visual X music》

    今回は、画家・アーティストの中屋敷智生さんのスライドショー作品をご紹介します。 中屋敷さんは、色彩豊かで幻想的な具象画を描くことで知れています。一見すると、色彩に対する豊かな感性を感じることができますが、実は色弱者のため見えていない色がかなりあります。しかし、見分けのつかない色に関しても、色の名前と、見えている色からの想像で描いています。画面には少し他の画家とは違う不思議な統一感がありますが、色ではなくコントラストの識別を駆使して、全体のトーンを合わせているそうです。 中屋敷さんの絵画は、とても魅力的なので、見えていない色があることは驚きですが、色から音楽に変換するソフトを使えば、新たな識別や…

  • 鈴木崇|Takashi SUZUKI 《Fictum -beat and vision》

    今回は、台所用のスポンジを使って、即興的なアレンジで何種類もの仮の構築物を作り、その生成のアルゴリズムを示した「BAU」、影のフォルムを浮き彫りにし、物体のように捉える「ARCA」などの作品集の出版で注目されている鈴木崇さんのスライドショー作品をご紹介します。 鈴木崇さんは、現在、東京国立近代美術館で展覧会が開催され、注目されているトーマス・ルフが教鞭を務めていたデュッセルドルフ芸術アカデミーで、ルフに師事するとともに、トーマス・シュトゥルートのアシスタントを務めていた経歴があり、日本では珍しいベッヒャー・シューレの系譜に直接的に連なるアーティストでもあります。 もちろん、鈴木崇さん独自の展開…

  • 鈴木崇|Takashi SUZUKI 《Fictum-sound and vision》

    今回は、台所用のスポンジを使って、即興的なアレンジで何種類もの仮の構築物を作り、その生成のアルゴリズムを示した「BAU」、影のフォルムを浮き彫りにし、物体のように捉える「ARCA」などの作品集の出版で注目されている鈴木崇さんのスライドショー作品をご紹介します。 鈴木崇さんは、現在、東京国立近代美術館で展覧会が開催され、注目されているトーマス・ルフが教鞭を務めていたデュッセルドルフ芸術アカデミーで、ルフに師事するとともに、トーマス・シュトゥルートのアシスタントを務めていた経歴があり、日本では珍しいベッヒャー・シューレの系譜に直接的に連なるアーティストでもあります。 もちろん、鈴木崇さん独自の展開…

  • 田中和人|Kazuhito TANAKA 《GOLD SEES BLUE》

    田中和人|Kazuhito TANAKA 《GOLD SEES BLUE》 田中和人(写真家、アーティスト) http://kazuhitotanaka.tumblr.com/ 写真により色彩、形態、視覚を問い直す数多くの抽象作品シリーズを発表している。「写真と絵画や彫刻との関係」、そして「抽象と具象の境界」を探求する表現方法で知られている。モダニズム〜フォーマリズムの成果を批評的に継承し、写真というメディウムの潜在的な可能性を探ることで、今日的な視覚表現を独自のアプローチにより生み出している。 この度、カメラの前に金箔をかざし、金箔の透過光である青の光によって撮影することで、意図的にピクトリ…

  • 澄毅|Takeshi SUMI 《comme de vent》

    澄毅|Takeshi SUMI 《comme de vent》 澄毅(写真家、アーティスト) http://www.sumi-takeshi.com/ 自分の家族や友人が写る写真に無数の穴をあけ、逆光で再撮影することで、記憶を光で呼び起したり再創造する作品を制作。家族や友人の身体から光が漏れる写真は、今にも光によって溶けてしまいそうな危うさを感じさせる。作品を創造する一連のプロセスは、澄の伯父が広島に落とされた原爆の被爆者であることも関係している。近年は、パリに制作拠点を移住。写真に無数のスリットを入れて、髪の毛のような波打つ模様を作り、光によって触覚が喚起されるような作品を制作している。 プ…

  • 佐久間里美|Satomi SAKUMA 《In a Landscape》

    佐久間里美| Satomi SAKUMA 《In a Landscape》 佐久間里美(写真家、アーティスト) http://sakumasatomi.com/オーストラリアなど日差しの強い場所に行き、幾何学的で大胆な構成の写真を撮影することで知られる。基本的にはフィルムによる一発撮りで、撮影後の加工は行わない。抽象性が高く、一見何が撮影されているかは分からないが、光や色彩など撮影場所が極めて重要な意味を持つ。長年、西洋絵画の教育を受け、現在は知的障害者の施設で働いているため、写真にそれらの記憶が反映されている。また、禅画の影響を受け、幾何学的な還元をモダニズムではなく、禅の思想に根拠を求めて…

  • 勝又公仁彦|Kunihiko KATSUMATA 《"Panning of Days -Syncretism / Palimpsest-"「5Days」》

    勝又公仁彦|Kunihiko KATSUMATA 《"Panning of Days -Syncretism / Palimpsest-"「5Days」》 勝又公仁彦(美術家、写真家) http://www.kunihikok.com/ 多様な被写体のもとで「時間」「光」「場所」「空間」などをサブテーマに、常に写真と映像の構造に触れる作品を展開。日常の中に現象しながらも知覚されることのなかった世界を掬い取ることで、観る者を新たな認識へと誘うとともに、歴史・社会・文明への批評的な暗喩を込めた作品制作を続けている。エネルギーと視覚と文明の問題を提示した《Unknown Fire》。ホテルの室内から…

  • 「スライドショーと音楽の新しい可能性-日本のビジュアルアーティストとPhotoMusicの試み-」三木学

    www.value-press.com スライドショーは写真と動画の境界領域にあり、フィルム時代において表現ジャンルとして確立されていたとは言い難い。デジタル時代においても、ビジュアルアーティストにとって、スライドショーは取り残された課題である。しかし、新しい表現ジャンルになる可能性も秘めている。 フィルム映写機の場合は、写真は連続的に見せているが、回転に伴う機械音と暗闇、時間的断絶によって、前の写真と現在の写真は違うという「幕間」のサインになっていると同時に、効果的な「音楽」の役割を果たしていた。 デジタル時代のスライドショーは、メディア的にも時間的にもつながっており、それだけに写真の切り替…

  • アートと文化の虹のグラデーションを渡る旅-「あいちトリエンナーレ2016」三木学

    メインビジュアルとなっているジェリー・グレッツィンガーの《Jerry's Map》を背景に、公式コンセプトブック『夢見る人のクロスロード』を持つ芸術監督の港千尋さん。 いよいよ「あいちトリエンナーレ2016」が開幕した。港千尋さんが2年前に芸術監督に就任し、テーマを「虹のキャラバンサライ 創造する人間の旅」と掲げてから、いったいどんな人選にするのか、芸術祭の全貌はどうなるのか、僕も楽しみにしていた一人である。 あいちトリエンナーレは、現在日本各地で開催されるようになった芸術祭の中でも、都市型ではもっとも規模が大きいといってよい。港さんによるとスタッフは臨時も含めて総勢60名以上になるというから…

  • アートとホテルの実験場「ホテルアンテルーム京都リニューアル+ULTRA x ANTEROOM exhibition 2016」三木学

    hotel-anteroom.com さる7月22日(金)に、京都造形芸術大学ウルトラファクトリーと、ホテルアンテルーム京都の共同企画の展覧会「ULTRA x ANTEROOM exhibition 2016」に見に行った。この企画は今年で3回目となり、京都造形芸術大学の共通造形工房ウルトラファクトリーに集うアーティストが、ホテルアンテルーム京都が併設しているギャラリーに一堂に集う展覧会で、ディレクターのヤノベケンジや名和晃平をはじめ、ウルトラファクトリーが運営している実践演習「ウルトラプロジェクト」を牽引するアーティストや、独自で開催しているコンペティション「ウルトラアワード」で選抜されたア…

  • 近藤高弘「『生水(せいすい)』―うつろいゆくウツワ―」展 秋丸知貴(美術評論家)

    瀬戸内市立美術館 現在、瀬戸内市立美術館で「近藤高弘『生水(せいすい)』―うつろいゆくウツワ―」展が開催されている(会期:2016年7月23日~8月28日)。 展示について/瀬戸内市ホームページ 瀬戸内市立美術館は、その名前から想像されるように瀬戸内海に面した美術館である。岡山県の瀬戸内市役所牛窓庁舎の3階と4階に位置し、エレベータで上がった入口からはすぐ眼前に瀬戸内海のパノラマが広がっている。まず、この海の近さから自ずと身体的に触発される潮騒感覚が、この展覧会全体の展示効果において極めて有効に働いていることを指摘しておこう。 美術館入口から眺めた瀬戸内海 展覧会場に入ると、最初の展示室では、…

  • 自然と技術による認識の革命-ウィリアム・ヘンリー・フォックス・トルボット、青山勝訳『自然の鉛筆』三木学

    自然の鉛筆 作者: ウィリアム・ヘンリー・フォックス・トルボット,マイケルグレイ,青山勝,畠山直哉,ヘンリー・F トルボット,金井直,ジュゼッペペノーネ 出版社/メーカー: 赤々舎 発売日: 2016/02/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 人類史を大きく分けると、写真以前と写真以後という、新たな紀元ができるかもしれない。今日における写真の隆盛を考えるとそう思いたくなる。端的に言えば、より現実を再現する写真があるかないかで、史実としての客観性がまるで異なる。なかでも、写真がここまでの力を持ったのは、やはり複製ができるからである。 写真の複製について発明し、最初の…

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