かりん さん プロフィール

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かりんさん: 彼と彼女とエトセトラ
ハンドル名かりん さん
ブログタイトル彼と彼女とエトセトラ
ブログURLhttp://nakachuton.blog.fc2.com/
サイト紹介文鋼の錬金術師の二次創作小説です。ロイアイと軍部の愉快な仲間たちの日常をほのぼの書いてます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供57回 / 365日(平均1.1回/週) - 参加 2015/07/28 08:43

かりん さんのブログ記事

  • ずっと
  •  手を繋ぐのは日が暮れてからと決めていた。 非番の日に2人ででかけることはほとんどなかった。 今となってはずいぶん昔のことに思う。「夕方になるのが早くなったな。」 本を読んでいたはずの彼がそう言ったので、リザは洗濯物をたたんでいた手を止めた。 彼は窓の外を見ていた。まだ日は暮れていない。 けれども日差しの角度、光の色、外の明るさは確かに夕方のそれだった。 リザ は時計を見た。午後3時50分。「暗くなる [続きを読む]
  • ポートワイン
  • 「どうしてポートワインなんでしょうね?」 それはふと口をついて出た疑問だった。「何の話だい?」 マダムは眉をひそめて先を促した。「うちに来るときに大佐がよく持ってくるんです。」「ロイ坊が?」 マダムは驚いたように目を見開いた。「えー!ロイさん、ポートワイン持ってくるの?」 閉店後の片付けをしていたヴァネッサはわざわざ手を止めて、カウンターに駆け寄ってきた。「え?そうよ。まあポートワインばっかりじゃ [続きを読む]
  • 帰れ
  • 「おーっす、ロイ!親友の俺がわざわざきてやったぞ。俺の幸せのお裾分けをしてやろう」 ノックもせず、入ってくるなりテンションの高いヒューズは断りもせずに応接のソファにどっかり座った。「うるさい黙れやかましい。何しにきた?」 いつになく黙々とデスクワークに励んでいたロイは、チラリと顔をあげることもなくそう言った。「法務部の監査。今日は中将に挨拶にきたんだけど、あのじいさん、またサボってやがってよ。補佐 [続きを読む]
  • 彼と彼女の足音
  •  男同士で集まると、卑猥な話に花が咲く。 最初は好みの女性のタイプなどかわいい話だった。それが次第に、いつどこで何人とといった過去の武勇伝、誰とヤッた、またはヤリたい、好みの体位から自身の性癖といった赤裸々な暴露にまで及んでいく。 某大佐も非常に楽しそうに、部下とその話題に興じていた。むしろ積極的だったといってもいい。 最近ではあんなコトやこんなコトをという自慢にも聞こえるその話を、男たちは興味津 [続きを読む]
  • 彼の足音
  •  逃げるように走って、リザは自分のアパートメントに駆け込んだ。 ドアの前で鍵を取り出そうとして下に落とし、鍵穴にうまく鍵が差し込めなくて何度もガチャガチャとした。 ようやくドアを開けて家の中に入り、そのままドアの前に座り込んだ。 心臓が痛い。どくんどくんと脈打つ音が頭に響く。 目元が熱い。 耳を澄ましてみたが、彼の足音は聞こえなかった。 自分で彼を置いてきたにも関わらずそのことが苦しくて、リザは自 [続きを読む]
  • 彼女の足音
  •  君、お見合いする気ある? グラマン中将にそう訊かれ、マスタングは首を振った。「結婚する気のない男と見合いしたところで先方に得るものもないでしょう。」「結婚する気ないの?出世の足がかりにもなるよ。」 マスタングはため息をついた。「私はよくても、相手に失礼だと思いますが。」「相手のせいにするの?君って卑怯な男だよね。」 口ぶりは冗談ぽくあったが、目が笑っていない。「お見合いも結婚もしません。今は自分 [続きを読む]
  • 雨がやむまで|Riza & Roy
  •  懐かしい夢を見た。 とても満たされた気持ちで寝返りを打つと、夢の中で手を繋いでいた男が間抜けな顔で寝ていた。 愛しさが募り、彼を起こさないように気遣いながらそっと身を寄せた。「あんまりお天気がよくないですね。」 洗濯物を部屋干しながら、リザはため息をついた。 ここ2、3日ほど、細かい雨が降ったりやんだりとすっきりしない天気が続いていた。「洗濯物が乾かなくて困ります。」「私が乾かそうか?水分をとば [続きを読む]
  • 雨がやむまで|Roy side
  •  2度とそんな呼び方をしないでください。 そう言って彼女は、逃げ出すように出て行った。 私はため息をついて、乱暴に髪をかき乱した。 私を見る彼女の目が、切なげに歪むときがある。 それは本当にごく稀に一瞬現れるのみで、気のせいかもしれないと何度も自分に言い聞かせた。 彼女を副官にして半年。 まだ研修や演習の方が多く、任せる仕事も顔を合わせる機会もそう多くはない。 彼女は部下としての線をきちんと引いて [続きを読む]
  • 雨がやむまで|Riza side
  •  戦場の夢よりも苦しくなる夢がある。 それはまだ無垢だった頃の、懐かしい記憶。「今日は機嫌が悪いな。」 上司にそう言われ、私は首を振った。「いえ、別に。」 上司はそれ以上何も言わなかった。 私は上司から受け取った書類をめくりながら、不備不足の確認をした。 一段落つけて立ち上がる。「書類を提出してきます。」「ああ、頼む。」 彼は顔もあげなかった。 仕事に没頭している彼の横顔を、私はしばらく見つめてい [続きを読む]
  • ミス・イーグルの憂鬱(おまけ)
  • 「なんで大佐が現場に出てくるんですか?」 リザは紅茶を飲みながら、不機嫌そうに言った。「しょうがないだろ。どいつもこいつもダーツが下手くそなんだ」 ロイは言い訳するようにそう言い、リザの隣に座った。「どうせ私が勝つんだから誰が相手でも一緒ですよ」 リザは投げやりにそう言うと、リンゴのシブーストを大きく切って口に入れた。「あ、おいしい、これ」「1年はかかると思ったけどな。まさか半年で摘発まで行くとは [続きを読む]
  • ミス・イーグルの憂鬱
  •  繁華街の裏手にあるスラム街。看板もない寂れた雑居ビルの1フロアにあるダーツ・バーが、最近賑わっていた。 目的は誰もが同じだった。 3ヶ月ほど前ふらりと現れ、その美貌と類い稀な実力で瞬く間にナンバー1プレイヤーとなったその女性。 ミス・イーグル。「お金が必要なの」 初めて店を訪れたとき、彼女はそう言った。「ここならダーツで稼げる、って聞いたんだけど」「腕があればな」 店のマスターは鼻で笑い、じろじろ [続きを読む]
  • 彼女の長い1日|7
  •  どうして彼女がここにいるんだろう。 ロイは自分の腕の中で安らかな寝息を立てている彼女を見て、首を捻った。 昨日はひどい1日だった。 昼前頃に起きて司令部に電話をしたのだが、彼女に繋いでもらえなかった。 折り返しの電話はこなかった。 ふらふらしながら冷蔵庫に入っていたカボチャのスープを、温めもせずそのまま食べた。 片付ける元気もなく布団に戻ったのだが、いつの間にかまた眠っていたようだ。 すっかり部 [続きを読む]
  • 彼女の長い1日|6
  •  部屋の中は真っ暗だった。 リザは玄関の明かりだけつけ、薄暗い廊下を抜けてリビングに入った。 リビングにも明かりはついていなかった。 そのままキッチンに向かい、冷蔵庫を確認する。 昨日のうちに作っておいたカボチャのスープがきれいになくなっていて、リザはほっとした。 シンクも見てみたがとてもきれいに片付いていた。 使った食器を片付ける余裕はあったらしい。 寝室に入ると、ベッドが膨らんでいる。 サイド [続きを読む]
  • 彼女の長い1日|5
  •  ウィルソン中将は、セントラルの某中佐を連想させるような家族自慢大好きな将軍だった。「ほら、ホークアイ中尉見て。僕のひ孫。この前2人目が生まれてね。かわいいでしょ。こっちは上の子。赤ちゃんの時はさ、髪も少なくて男の子か女の子かわかんない感じだったけど2歳くらいからすっかりかわいくなってね。今はこのワンピースがお気に入りなんだよ。」「いーねぇ、ひ孫。赤ちゃんとか小さい子とか本当にかわいいよね。」「グラ [続きを読む]
  • 彼女の長い1日|4
  •  昼食を食べ損ねた。 空腹と疲労も相まって、リザは苛々と歩いていた。 すれ違う同僚が思わず道を譲ってしまうくらいには、険しい顔をしていたらしい。 大部屋に入ると、ハボック少尉と目が合った。 彼はリザに声をかけようとして、口を開けたまま声を飲み込んだ。「あ、中尉。お疲れ様・・・です。」 明るくそう声をかけたフュリーも、顔をあげてリザの方を向くと、頬を引きつらせて黙り込んだ。「あ、ああ・・・、中尉。お [続きを読む]
  • 彼女の長い1日|3
  •  昼休憩に半分かかるほどの会議を終え、リザは疲労しきっていた。 日頃マスタングを好ましく思っていないらしい年配の中佐に、ここぞとばかりに嫌みや皮肉を言われたのもこたえた。 とにかく昼食を終えて、議事録も早めにまとめてしまおうと急いでいると、グラマン中将に呼び止められた。「今日はマスタング君、どうしたの?」「申し訳ありません、閣下。本日大佐は体調を崩して休んでいます。」「ふーん。疲れてたのかな。意外 [続きを読む]
  • 彼女の長い1日|2
  •  珍しく早起きをしたハボックは、1番のりのつもりで出勤した。 ところが金髪の上司が既に出勤していて、しかもとっくに仕事を始めていることに仰天した。「中尉?早いっすね?」「今日は大佐がお休み。」 リザは疲れた両目を押さえてそう言った。「風邪引いたみたい。」「中尉のとこに連絡でもあったんですか?」「まあね。」 リザは立ち上がって背伸びをすると、ハボックの方を向いた。「コーヒー淹れてくるわ。あなたも飲む [続きを読む]
  • 彼女の長い1日|1
  • 「熱がありますね。」 ソファにもたれてぼんやりしている彼の首に両手を当てて、私は眉をひそめた。「熱?」「様子がおかしいと思ってたんですよ。」 しまっておいた体温計を持ち出してきて、私は彼に差し出した。「ちょっと測って下さい。」「測ったら重症になりそうだから嫌だ。」「訳わからない屁理屈こねないで下さい。」 低い声で威嚇するように迫ると、彼は頬を引きつらせながら渋々体温計を受け取った。「・・・何度です [続きを読む]
  • 猫のようにしなやかに|5
  •  夕飯を終え、マスタングはソファを1人で占領して、買ったばかりの錬金術書を読みふけっていた。 食器を洗い終えたリザは適当な料理本を開き、ソファに背をもたせかけた。 2人はそのまま言葉も交わさず、互いに自分のことに集中していた。「・・・大佐。」 先に声をかけたのはリザの方だった。「なんだ?」「喉が渇きました。」「奇遇だな。私もそう思っていた。」「お茶が飲みたいです。」「冷蔵庫に入っている。」 本から顔 [続きを読む]
  • 猫のようにしなやかに|4
  • 「もうあのお店行けません。」 そう言って少尉はため息をついた。「どうして?」 マスタングは少尉に訊いた。「恥ずかしくて。」 少尉はマスタングを睨んだ。「あなたのせいですよ。」「痴話げんかに見えたかな。」「言わないで下さい。」 少尉はマスタングを肘で小突いた。「大体なんであのお店に来たんですか?」「君の大好きなレジーナさんに会いに行ったんだ。」「レジーナ、って女性の名前でしょ。なんであのマスターをレ [続きを読む]
  • 猫のようにしなやかに|3
  •  そのカフェは駅裏の路地を5分ほど歩いた先にある、小さなお店だった。 木の葉型の小さな看板がドアにかかっただけのそのカフェは、見た目は普通の民家のようだった。 それと知らなければ店とは気づかずにとおりすぎてしまうだろう。 目指して向かったはずのマスタングですらその看板を見落とし、何度も同じ道を行ったり来たりしてしまった。 ドアを開けても、ベルも鳴らない。「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ。」  [続きを読む]
  • 猫のようにしなやかに|2
  • 「疲れた。」 仕事帰りに立ち寄ったカフェで、リザはため息をついた。 カウンターの端では、このお店の看板猫が丸くなって眠っている。 ビロードのように滑らかな毛並みは黒々と美しく、気品あふれるその背中には彼女の許可がないと触れることはできない。 そして気位高いこの猫は、自身に触れることを滅多に許さなかった。「今日もきれいですね。」 そっとリザが声をかけると、彼女はちらりとリザに流し目を送り、すらりと立 [続きを読む]
  • 猫のようにしなやかに|1
  • 「あんた、動きが硬いね。」 マダムに指摘されて、リザはきょとんとした。「そうですか?」「姿勢はいいよ。でももうちょっと女らしさを意識した方がよさそうだね。」 普段から女らしさを極力排除するように努めていたリザは、その根本を否定されて戸惑った。「軍は男社会ですから。」「違う違う。男社会の中で、女らしさを消すことに関していえばあんたは満点。それは大事な武器。でもね、必要なときに女らしさを発揮できること [続きを読む]
  • 中尉のお使い
  •  カウンターで水割りを飲んでいると、奥から見慣れない格好の見慣れた女が、手に袋を持ってマダムに近づいた。 彼女は私の姿を見て、少しだけ眉間にしわを寄せた。 その口が「たいさ」と動きかけた。 しかし彼女はその言葉を飲み込み、とってつけたような笑顔で「ロイさん」と私を呼んだ。「いらしてたんですね。」「ああ、君を待ってた。」 私はグラスを揺らして氷を鳴らした。 それが落ち着かないときの私の癖だと知ってい [続きを読む]
  • 少尉のお使い|2
  • 「遅かったじゃないか。」 ホテルに戻ると、不機嫌そうな顔で中佐はビールを飲んでいた。「中佐は早かったんですね。」「19時は回ってたよ。」 中佐に促されるまま隣に座ると、彼は黙って新たにグラスを出しビールを注いだ。「あの、私は遠慮します。」「どうして?」「疲れたので部屋に戻ります。」「まだ報告を聞いてないぞ。もしかして飲んだのか?」「すみません。バーで何も飲まないのも申し訳なくて。」「どうせマダムが勧 [続きを読む]