かりん さん プロフィール

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かりんさん: 彼と彼女とエトセトラ
ハンドル名かりん さん
ブログタイトル彼と彼女とエトセトラ
ブログURLhttp://nakachuton.blog.fc2.com/
サイト紹介文鋼の錬金術師の二次創作小説です。ロイアイと軍部の愉快な仲間たちの日常をほのぼの書いてます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供104回 / 365日(平均2.0回/週) - 参加 2015/07/28 08:43

かりん さんのブログ記事

  • 師弟と親子|5
  •  どうやら台風が近づいているらしい。 窓枠が強風の煽りを受けて、ガタガタと音をたてている。 ラジオでは交通情報や地域別注意報や警報、今後の台風の予想進路を延々と流していた。 イーストシティは台風が直撃したらしく、すべての交通機関がストップしているようだった。 幸いホークアイ家周辺はまだそれほどの影響はない。 おそらくはこれから夜にかけて、雨風がひどくなってくるだろう。 庭に出ていたリザが、勝手口か [続きを読む]
  • 師弟と親子|4
  •  今日から1週間、師匠は留守である。「夏期集中講義?」 その話を聞いて、ロイは怪訝な顔をした。「誰が?」「私だ。」 ホークアイは重々しく頷いた。「どちらで?」「イーストシティの私立大学だ。」「錬金術の発展のため、押しかけ講義の営業にでも行くんですか?」「おまえ、だんだん無礼になってきたな。」 ホークアイは顔をしかめた。「ちゃんと招かれている。依頼状が来た。」 ホークアイが差し出した依頼文書を受け取 [続きを読む]
  • 師弟と親子|3
  •  リザの部屋に紅茶を持っていくと、彼女は机に突っ伏して眠っていた。 家事に学校にバイトにと毎日フル回転の彼女は、時々こうしてうたた寝をしている。 寝顔を覗き込んでみると、何の変哲もない普通の女の子だ。 早くご飯を食べてください!こんなところで寝ないでください!リビングを散らかさないでください!と、ロイは毎日怒られてばかりだが、寝顔を見ているとその可愛さに心が癒された。 何の勉強をしているのだろう、 [続きを読む]
  • 師弟と親子|2
  •  与えられた部屋のデスクに突っ伏して、ロイは完全にへこたれていた。 優秀な自負はあった。自分の才能は人並み以上であると根拠のない自信にあふれていた。 それを師匠に叩きつぶされた。木っ端みじんに。「この本を読んで要点をまとめろ。」 それが師匠から最初に与えられた課題だった。 渡された基本書はとてつもなく分厚くて読みにくいものではあったが、さほど難解な内容ではなかった。 ロイは一晩でそれを読み切り、意 [続きを読む]
  • 師弟と親子|1
  •  電話が鳴ったその時から嫌な予感はしていた。「あ、わしだけど。」「ご無沙汰しています。」 それは妻の父親だった。 ホークアイはこの男が嫌いだった。 向こうもホークアイのことが嫌いだろうから、お互い様だとは思う。 しかしホークアイは妻と駆け落ちして苦労をかけたことに、向こうは向こうで結婚を反対したことに負い目がある。 それ故に正面切って対立することはなく、これまでは一切の関与を避けてきた。 妻が亡く [続きを読む]
  • 師弟と親子
  • 世界の中心で「ハガレン実写化反対」を叫びたい。夫が山田涼介の宣材写真を見て呟きました。「鋼・・・?・・・アルミじゃん」やめろ、夫。もう「アルミの錬金術師」にしか見えん。昨日テレビでミッチーが「ストレス解消法」について語っていました。「全裸でハイボールを飲みながら、犬神家を見る」だそうです。ロイさんで脳内変換して1人でちょっとウケてしまった。ラストの松雪泰子さんはちょっと妖艶な色気に、不覚にもときめ [続きを読む]
  • 郷愁|夫婦
  •  手を繋いで、リザが生まれ育った町を夫婦で歩いた。 昔お世話になったご近所があちこちから声をかけてきて、リザはぎこちない笑顔で返事をしていた。 子どもたちは山遊びに夢中だ。 父親譲りの社交性と、都会育ちらしからぬやんちゃさで早々に周囲に溶け込んだ双子は、ハヤテ号とその子どもたちも引き連れて暗くなるまで友だちと遊びに行ったまま帰ってこない。「この辺もずいぶん変わりましたね。」 夕飯の買い物に出たつい [続きを読む]
  • 郷愁|Roy
  •  ヒューズの結婚式は、穏やかな秋の日だった。「いいお式でしたね。」 いつもより着飾った副官は、汽車の中でそう言った。「そうだな。」 私は曖昧に頷いた。「よかったのですか?二次会に残らなくて?」「もっぱら惚気られるだけだ。くだらん。」 私はネクタイを緩め、上着を座席に放り投げた。「しわになりますよ。」 副官が眉を寄せて、私の上着を丁寧にたたんだ。「幸せそうだったな。」 私が呟くと、彼女は微笑した。「 [続きを読む]
  • 郷愁|Riza
  •  卒業前の戦場実地訓練を控えたある晩。 レベッカがシャワーを浴びて戻ると、同期で同室の親友の姿が見えなかった。 先に寝たのかとベッドも覗いてみたが、布団はきれいに整えられたまま横になった形跡すらない。 はてはて、と部屋を見回し、ようやくテーブルの真ん中にあった置き手紙に気づいた。「屋上にいます」 イシュバール控えてナーバスになってんのかしら。 わざわざ手紙を残すということは迎えにこいという意味だろ [続きを読む]
  • くだらない嘘|大尉と准将
  •  夜勤から帰ってきたリザは、リビングの惨状に目眩がした。 昨日は司令部ですれ違うことしかできなかった男が、リビングの真ん中で眠っている。 着ているものが下着ではなく、普通の服であったことからいろいろ予想がついてしまい、リザはため息をついた。 今日は自分も彼も非番だ。 それゆえのこの有様なんだろうが非常にムカつく。 とにかくリビングは目に入らないように薄目で通り過ぎ、バスルームへと向かった。 思った [続きを読む]
  • 永遠の嘘|中尉と大佐
  • 「あのとき」 私の腕の中でまどろみながら、リザは呟くように言った。「背中なんか見なければよかった、と。」 そう思ったことはありませんか? 私が答える前に、彼女は眠りに落ちた。 デスクに山積みにされた書類にうんざりして、私は手にしていた万年筆を放り投げた。 ポケットから発火布を出して、軽く指を擦る。 マッチよりも小さな焔があがり、すぐに消えた。 火をつけたり消したりして遊んでいると、ノックもせずにハ [続きを読む]
  • 永遠の嘘|少尉と中佐
  •  出会わなければよかったなんて思ったことはありませんよ。 それは優しい嘘。 戦場の慰み者にするにはもったいないな。 セントラルから来た将軍は、ロイの耳元でそう囁いた。 その視線の先に自分の副官がいることに気づいて、ロイは怒りで目の前が真っ赤になった。 無意識にポケットの発火布をつかんだ手を、その当の副官に抑えられて我に返る。「閣下。グラマン中将がお待ちです。」「そうか。どちらに?」「ご案内いたしま [続きを読む]
  • for you|中尉と大佐
  •  あなたのために何かしたいです。 そう告げられて、ロイはぽかんとした。 それを口にした当の本人は、しかめっ面でそっぽを向いている。 長い付き合いのロイにはそれが照れ隠しだとわかるが、傍から見るとロイが何かやらかして彼女が怒っているようだ。「君は十分私のためにいろいろしてくれてるけど。」 そう言うと、彼女は不機嫌そうに口を尖らせた。「そうじゃなくて。なんでもいいから言ってください。」「急に言われても [続きを読む]
  • for you|少尉と中佐
  •  君のために何かしたいと思った。「プレゼントだ。」 そう言ってピアスを贈った。「こんな高価な物はもらえません。」 そう言って君は固辞しようとした。 誕生日だ!就職祝いだ!成人祝いだ!と、私はそれを強引に君に押しつけた。 誕生日にかこつけておいてよかった。 花を贈ろうとした。「うちには花瓶がありません。」 邪魔だし、というありがたいお言葉までついていた。 邪魔にならないように、コサージュを贈った。  [続きを読む]
  • 悲しんでいるあなたを愛している
  •  母が亡くなって幾月か過ぎた頃、父がリンドウの鉢植えを買ってきた。 理由も言い訳も何も告げず黙って押しつけられたそれを、戸惑いながら私は受け取った。 子どもなりに一生懸命お世話をしたつもりだったが、やはり不十分だったのか、リンドウが翌年以降に花をつけることはなかった。 急にそれを思い出したのは、花屋の店先でリンドウが咲きほこっていたからだろう。 セントラルへの異動を控えて忙しいはずなのに、それが目 [続きを読む]
  • 慣れるまで
  •  キスをしようと彼女に顔を近づけると、彼女は一瞬身を固くした。 それをじっと見ていると、なかなか触れられないことに焦れたのか、彼女は目を開けた。 私は彼女の額にチュッとキスした。 よくわからない、という顔で、彼女はキスされた額を指で押さえた。「いつまでたっても慣れないんだな。」 からかうようにそう言うと、彼女はきょとんとした。「何がですか?」「キス。いつも緊張してる。」 自覚がなかったのか、彼女は [続きを読む]
  • 恐竜/今昔
  • 「ハボック少尉。恐竜って見たことある?」 美人上司の唐突な問いに、ハボックは「は?」と間抜けな声を出した。「恐竜、っすか?」「そう。恐竜。」「俺、まだ生まれて24年しかたってないんでさすがに世代が違うっす。」「当たり前でしょ。バカね。」 リザはため息をついた。「図鑑とか博物館とか。見たことないの?」「俺、恐竜よりもロボ好きだったんで。あ、でも映画は見ましたよ。ガキの頃。ジュラシックなんとかってやつ。 [続きを読む]
  • 彼の十戒|大佐の場合
  • 1.長生きをするつもりはない。 だからといってそう簡単に死ぬつもりもない。 だが私の生には君の存在が不可欠だ。 側にいろ。わずかな時間も離れるな。 私が死ぬまで、君は私の背中を守る義務がある。2.君が私に望むことは理解している。 だが同様に私が君に望むことも理解して欲しい。 多くは望まない。 ただプライベートくらいミニスカでいて欲しい。3.たまには。少しでかまわない。 私のことを尊敬して欲しい。 通 [続きを読む]
  • 彼女の十戒|少尉の場合
  • 1.男性の平均寿命が80.75歳、女性の平均寿命が86.99歳だそうです。 お互い平均まで生きることができれば一緒に死ぬことは可能かもしれません。 しかし私はあなたを守るためならば、平均寿命が全うできなくともまったく意に介しませんので、その旨ご了承下さい。 あなたはどうぞ、平均以上まで長生きして下さい。2.あなたが私に望むことは理解しているつもりです。 けれども私は私の望むことを優先するつもりなので、私に理解 [続きを読む]
  • たまには
  •  誠に遺憾であるが欲求不満のようである。 タイミングがあわない時がある。 1月前、郊外の軍事工場でぼや騒ぎがあり、事故と事件両方の疑い有りということで、司令部はしばらくかかりきりになっていた。 結局は機材の老朽化に伴う事故と判明したのだが、今度はその間にたまった通常業務をこなすために残業が続いていた。 ようやく休みがとれた時はリザの月の事情により、いちゃいちゃは延期になってしまった。 その後、彼の [続きを読む]
  • 手を繋ぐ|夫婦
  •  彼の手が好きだ。 彼と手を繋ぐのが好きだ。 軍を辞めたので、もう妬み嫉みやっかみ冷やかし、その他諸々他人の煩わしい目を気にする必要もない。 イシュバールの英雄でも鷹の目でもなく、ただのロイとリザでいられることがこの上なく幸せだ。「暑くなってきましたね。」 彼と手を繋いで歩きながら、リザは空を見上げて目を細めた。「雨が降るかもしれませんね。」「なんで?」 ロイはきょとんとしてそう訊いた。「いい天気 [続きを読む]
  • 手を繋ぐ|中尉と大佐
  •  すぐにでも復帰したい!という私の意見は黙殺され、大佐は勝手に3週間の入院とプラス1週間の療養休暇を決めてしまった。 確かに約束の日に負った首のケガは重傷ではあったが、錬丹術の応急処置のおかげで命に関わることはなかったというのに。 こんなに暇で退屈で、することが何もない時間は初めてだ。 とはいえ、生死の境をさまよったことも、そのことで大佐に死ぬほど心配をかけたことも事実なので、わがままはいわずおとな [続きを読む]
  • 手を繋ぐ|少尉と中佐
  •  彼と手を繋ぐのが好きだ。 彼の手が好きだ。 彼の手はいつも白い。 戦場で真っ黒に日焼けしていたときでさえ、彼の手は白かった。「みっともないよな。」 そう言って、彼は自嘲したような笑みを唇の端に浮かべた。 彼の手が白いのは、彼が戦場で必ず手袋をはめているからだった。 それは人を殺すための手袋。 たとえば日常生活や、仕事であっても視察などに出るときは、発火布を持参はしていても常にはめているわけではな [続きを読む]
  • maybe
  •  目が覚めると、見慣れた上官が見慣れない間抜けな顔で、いびきをかいて寝ていた。 私が鼻をつまむと、息が苦しかったのかフガフガ呻いて、彼は片目だけうっすら開けた。「おはようございます、大佐。」 彼の鼻をつまんでいたことなどおくびにも出さず、私はすました顔でそう挨拶した。「・・・おはよう。」 彼は納得いかない顔で、不機嫌そうにそう言った。「君、今、何かした?」「いえ、何も。」 私はまっすぐ彼の目を見て [続きを読む]
  • The night before
  •  いつもより丁寧に紅茶を淹れた。 師匠と話したこと、詰られ、失望させ、それでも歩み寄ることはどうしてもできず決裂してしまったこと、もはや自分の荷物はすっかりまとめてしまったことを、彼女に伝えなければならない。 聡い彼女のことだから、ここ数日の師弟の空気についてはきっと察していることだろう。 黙って出て行くことも考えた。 言葉にすれば彼女は悲しむだろう。 優しい彼女はそんな素振りは見せないかもしれな [続きを読む]