かりん さん プロフィール

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かりんさん: 彼と彼女とエトセトラ
ハンドル名かりん さん
ブログタイトル彼と彼女とエトセトラ
ブログURLhttp://nakachuton.blog.fc2.com/
サイト紹介文鋼の錬金術師の二次創作小説です。ロイアイと軍部の愉快な仲間たちの日常をほのぼの書いてます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供70回 / 365日(平均1.3回/週) - 参加 2015/07/28 08:43

かりん さんのブログ記事

  • 猫のようにしなやかに|5
  •  夕飯を終え、マスタングはソファを1人で占領して、買ったばかりの錬金術書を読みふけっていた。 食器を洗い終えたリザは適当な料理本を開き、ソファに背をもたせかけた。 2人はそのまま言葉も交わさず、互いに自分のことに集中していた。「・・・大佐。」 先に声をかけたのはリザの方だった。「なんだ?」「喉が渇きました。」「奇遇だな。私もそう思っていた。」「お茶が飲みたいです。」「冷蔵庫に入っている。」 本から顔 [続きを読む]
  • 猫のようにしなやかに|4
  • 「もうあのお店行けません。」 そう言って少尉はため息をついた。「どうして?」 マスタングは少尉に訊いた。「恥ずかしくて。」 少尉はマスタングを睨んだ。「あなたのせいですよ。」「痴話げんかに見えたかな。」「言わないで下さい。」 少尉はマスタングを肘で小突いた。「大体なんであのお店に来たんですか?」「君の大好きなレジーナさんに会いに行ったんだ。」「レジーナ、って女性の名前でしょ。なんであのマスターをレ [続きを読む]
  • 猫のようにしなやかに|3
  •  そのカフェは駅裏の路地を5分ほど歩いた先にある、小さなお店だった。 木の葉型の小さな看板がドアにかかっただけのそのカフェは、見た目は普通の民家のようだった。 それと知らなければ店とは気づかずにとおりすぎてしまうだろう。 目指して向かったはずのマスタングですらその看板を見落とし、何度も同じ道を行ったり来たりしてしまった。 ドアを開けても、ベルも鳴らない。「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ。」  [続きを読む]
  • 猫のようにしなやかに|2
  • 「疲れた。」 仕事帰りに立ち寄ったカフェで、リザはため息をついた。 カウンターの端では、このお店の看板猫が丸くなって眠っている。 ビロードのように滑らかな毛並みは黒々と美しく、気品あふれるその背中には彼女の許可がないと触れることはできない。 そして気位高いこの猫は、自身に触れることを滅多に許さなかった。「今日もきれいですね。」 そっとリザが声をかけると、彼女はちらりとリザに流し目を送り、すらりと立 [続きを読む]
  • 猫のようにしなやかに|1
  • 「あんた、動きが硬いね。」 マダムに指摘されて、リザはきょとんとした。「そうですか?」「姿勢はいいよ。でももうちょっと女らしさを意識した方がよさそうだね。」 普段から女らしさを極力排除するように努めていたリザは、その根本を否定されて戸惑った。「軍は男社会ですから。」「違う違う。男社会の中で、女らしさを消すことに関していえばあんたは満点。それは大事な武器。でもね、必要なときに女らしさを発揮できること [続きを読む]
  • 中尉のお使い
  •  カウンターで水割りを飲んでいると、奥から見慣れない格好の見慣れた女が、手に袋を持ってマダムに近づいた。 彼女は私の姿を見て、少しだけ眉間にしわを寄せた。 その口が「たいさ」と動きかけた。 しかし彼女はその言葉を飲み込み、とってつけたような笑顔で「ロイさん」と私を呼んだ。「いらしてたんですね。」「ああ、君を待ってた。」 私はグラスを揺らして氷を鳴らした。 それが落ち着かないときの私の癖だと知ってい [続きを読む]
  • 少尉のお使い|2
  • 「遅かったじゃないか。」 ホテルに戻ると、不機嫌そうな顔で中佐はビールを飲んでいた。「中佐は早かったんですね。」「19時は回ってたよ。」 中佐に促されるまま隣に座ると、彼は黙って新たにグラスを出しビールを注いだ。「あの、私は遠慮します。」「どうして?」「疲れたので部屋に戻ります。」「まだ報告を聞いてないぞ。もしかして飲んだのか?」「すみません。バーで何も飲まないのも申し訳なくて。」「どうせマダムが勧 [続きを読む]
  • 少尉のお使い|1
  •  マスタング中佐にお使いを頼まれた。「本当は一緒に行くべきなんだろうが・・・」 なんだか気が進まない様子で、何度もため息をついている。 いくら私が都会慣れしていない田舎育ちだからとはいえ、お使い一つできないと思われているのは気にくわない。「中佐は会議でしょう。」 素っ気なく告げると、彼は呻いた。「あんな意味も中身もない話し合い、時間の無駄だ。」「司令部では口を慎んでください。」「わかっている。とに [続きを読む]
  • 野性的な彼女
  • 「あっちーな。」 軍服の上着を脱いでタンクトップ1枚になったハボック少尉が、額の汗を拭いながらため息をついた。「ハボック少尉、だらしないわよ。」 かたや軍服をきっちりと着込み、くわえてアンダーはハイネックのホークアイ中尉はシャツ1枚のハボックに眉をひそめた。「資料室なんて暑くて狭くて息苦しいとこで力仕事してんですから、これくらい許してくださいよ。・・・っつうか、中尉は暑くないんすか。」「暑いわ。」  [続きを読む]
  • かわいくない彼女
  •  ホークアイ家にくるまで、自分は才能とルックスに恵まれた完璧超人だと自惚れていた。 それを口や態度に出したことはないつもりだが、きっとマダムには見透かされていたのだろう。「中身からっぽの女と遊んで何が楽しいんだい?」 人付き合い、女づきあいについて話したことはないはずなのに、思い当たる節があるときに限ってマダムは私にそう言った。「何も言ってないのに何で相手の中身がマダムにわかるの?」「あんた自身が [続きを読む]
  • 恋する唇(おまけ)
  • 「レベッカ!お願い!相談のって!」 そう言ってリザが手を合わせると、レベッカは怪訝な顔をした。「珍しいこと言うじゃん。何よ。」「これなんだけど。」 リザがルージュとグロスを差し出すと、レベッカはそれを手にとった。「へー。あんたにしちゃかわいいの買ったわね。」「もらいものよ。」 リザが目をそらしながら言うと、レベッカは頷いた。「ああ、納得。さすがこういうのは外さないわね。」「・・・別に誰からとは言っ [続きを読む]
  • 恋する唇 | 後編
  • 「これ、どうですか?あなた専用ですよ。」 そう言って彼女は指を唇に当て、艶やかに微笑んだ。 珍しく彼女に食事に誘われた。 時間も場所もお任せください、とまるで業務連絡のような口ぶりだったため、もしかして仕事の打合せかと思ったほどだ。 しかし待ち合わせに現れた彼女は、ネイビーのワンピースにゴールドのカーディガン、ヒールこそ低めだがラメの入ったベージュのパンプスというかなり気合いの入った装いだった。  [続きを読む]
  • 恋する唇 | 前編
  • 「中尉!これ!これなんかどうだ?かわいいだろ。」「大佐。」「キャッチコピーがいいな。『恋する唇。キスしたくなる』。なあ、これにしよう!」「しません。」「なんでだ!」 本気で詰め寄ってくる彼に、リザは頭痛を覚えてこめかみを押さえた。「今日は仕事用のルージュを買いに来たんですよ。」「うん。それで?」「そんなおしゃれでかわいいルージュは不要です。」「でもきっと似合うと思うんだ。ちょっとこっちきて。」 そ [続きを読む]
  • エドの趣味
  • 「大体さ、節操ねーよな、おまえは。」 ブレダの揶揄をハボックは鼻で笑った。「何とでも言ってくれ。」 どうやら彼女ができたらしくご満悦なハボックは、足取りも軽くステップすら踏んでいた。「何?ハボック少尉ご機嫌じゃん。」 東方司令部に顔を出したエドワードとアルフォンスは、軍らしからぬふわふわした空気に戸惑った。「ハボック少尉に恋人ができたんだよ。」 フュリー曹長は苦笑いしながら2人にこの空気を説明した [続きを読む]
  • いい男
  • 「大佐ってパーフェクト超人っすよね−。」 火の付いていないタバコを咥えて上下に揺すりながら、ハボックは言った。「イケメンだし、頭いいし、強えーし、国家錬金術師だし、出世してるし、高給とりだし。」「羨ましいか。」 そう言ってロイはニヤリと笑った。「女受けもいいしな。」 ブレダが付け足すと、何か思うところがあったのかハボックが呻いた。「くっそー。世の中不公平だ。なんであんたばっかり。」「こういうのは持 [続きを読む]
  • ミス・Mr.
  • 「リーザちゃん。」 大佐の執務室から顔を覗かせて、ヒューズ中佐がリザを手招きした。「少々お待ち下さい。」 リザは手持ちの書類を整えると、席を立った。 マスタング大佐は会議中だった。 いつものようにアポを取らず大佐を突撃訪問したヒューズ中佐は、主のいない執務室でのんびりコーヒーを飲んでいた。「お呼びですか、ヒューズ中佐。」「うん、暇でさ。」「申し訳ありません。もう間もなく大佐も戻ってくると思いますが [続きを読む]
  • 私の側に
  • 「傷が残ってしまったな。」 そう言って彼は私の首に唇を寄せた。 触れられた箇所がズキンと痛んで、思わず私は首をすくめた。「すまん。痛かったか?」「いえ、大丈夫です。」 そう言って私は自分から腕を伸ばして彼を抱き寄せた。「大佐。」「ん?なんだ?」「ありがとうございます。」「何が?」 とどまってくれて。諦めないでくれて。 生きていてくれて。 いろいろ言葉が浮かんだが、私はその中から1つだけ選んだ。「私 [続きを読む]
  • 私は君に
  •  伝えたい気持ちがある。 自堕落だった時期がある。 女と寝てきた、などとわざわざ報告したりはしないのだが、どうやら少尉は察していたようだった。 どこかで見られたのかもしれない。 その時の私は、とにかく1人で戦うことに躍起になっていた。 誰も信用していなかった、というわけではない。 ただ誰も、私を理由に傷つけたくはなかった。 1人の力に限界があることは承知していたはずなのに。 1人で全部を守ろうと気負 [続きを読む]
  • 私はあなたに
  • 「あんた、中佐好きなんじゃない?」 軍人になって半年くらいの頃、レベッカにそう訊かれてリザはびっくりした。「え?なんで?」「あれ?違った?」 リザが驚いたことに、レベッカは驚いたようだった。「おかしいな。私のこういう勘、結構当たるんだけど。」「レベッカの言う『好き』って、恋愛的意味で、ってことよね?だったら違うと思う。」「でも中佐、かっこいいじゃん。」「・・・どこが?」「顔。」「書類によだれ垂らし [続きを読む]
  • Raining
  •  とても晴れた日だった。 眩しすぎて、泣くことさえできないくらいに。 雨の音に気づいて、リザは読んでいた小説から顔をあげた。 体を支えるようにしてゆっくり立ち上がり、窓を開けた。 風はぬるい。濡れた草木が、ふわりと香った。 最近匂いに敏感だ。 手にしていた小説に目を落とす。 昨日図書館で借りてきた本だった。 歩いて20分の距離にある図書館は、散歩がてらちょうどよかった。 この本はカウンター前の「おす [続きを読む]
  • 名前のない時の中で|夫婦
  • 「寝たか?」 双子を寝かしつけていたリザがそっとリビングに戻ってきたので、ロイは声をかけた。「寝ました。」 リザは口元に微笑を浮かべて頷いた。「よし。君は座ってろ。私がする。」 ロイも笑みを浮かべて、キッチンに立った。「今日は何ですか?」「ミモザだ。」「ミモザ?お花ですよね。黄色くてきれいな。」「君の髪の色とよく似ている。」 ロイはティポットとカップをテーブルに置くと、彼女の髪に鼻をつけた。「華や [続きを読む]
  • 名前のない時の中で|中尉と大佐
  • 「大佐。いい加減にしてください。」 出張帰りに寄ったショッピングモールの一角で動かなくなってしまった上司に、私はうんざりしながら声をかけた。「紅茶を買おう。」 そう言い出したのは彼だった。「まだ残ってますよ。」 私は眉をひそめてそう言った。「今、家にあるのは冬に買ったやつじゃないか。」 彼はそう言い返してきた。「最近暖かくなってきたし。春用の紅茶が必要だ。」 春用の紅茶ってなんだろう。 私も紅茶は [続きを読む]
  • 名前のない時の中で|少尉と中佐
  •  昼寝でもしようと屋上にやってきたら、少尉がいた。 とっさにドアの影に身を隠して、様子を窺う。 見覚えはあるが名前は知らない若い男が、緊張した面持ちで少尉に好意を告げていた。 少尉は困った様子で、首を横に振っていた。 私は音がしないようにゆっくりドアを閉め、一息ついてから乱暴にドアを開けた。「何だ、少尉。こんなところにいたのか。」 物音にびっくりしたような顔をして、2人は私を見つめた。「じゃあその [続きを読む]
  • もてる男
  • 「なんっで、俺はモテないんっすかね?」 仕事中に真面目な顔で不真面目なことを訊いてきた部下を、リザは呆れたように見た。「ハボック少尉、モテねーの?なんで?」 たまたま遊びに来ていたエドワードは、無邪気にそう訊いた。「うるせー。」「ハボック少尉、背も高いし顔も悪くないのにね。」 たいして興味もなさそうに、リザはそう言った。「口が悪りーんじゃねーの?」 エドワードがからかうように言うと、ハボックは眉間 [続きを読む]
  • 彼の母
  • 「あんたのロイ坊好きも相当だねえ。」 マダムの手伝いをしているときに突然そう振られ、リザはびっくりした。「なんのことですか?」「それ。」 マダムの指さした先には、マダムの指示に従ってリザの作ったアヒージョがくつくつと煮込まれていた。「なんですか?」「今、それ見ながらロイ坊のこと考えてなかったかい?」「いえ、別に。」 リザは訝しげに眉を寄せた。「これ、ブロッコリー入れてもおいしくできるかな、って考え [続きを読む]