朝霧とおる さん プロフィール

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朝霧とおるさん: とおる亭
ハンドル名朝霧とおる さん
ブログタイトルとおる亭
ブログURLhttp://torutei.blog.fc2.com/
サイト紹介文BL小説/R18/不定期更新/リーマンCP/大学生CP/高校生CPなど
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供71回 / 365日(平均1.4回/週) - 参加 2015/08/07 15:37

朝霧とおる さんのブログ記事

  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』46
  • 連れ出されたスカイ・バーは、ロケーションもさることながら、内装も趣向が凝らされていて見応えがある。アジアンテイストの壁面と照明は夜の妖しさを含んでいながら落ち着く空間だ。宮小路はますます永井の不在を心から悔やんでいた。地上を彩る星々は、ビルの窓から漏れる人工の光だ。そして車のライトが流れ星となって宮小路の眼下を縦横無尽に駆けていく。永井が横にいるなら、控えめな感嘆の息と、眩い夜景に彩られた瞳が見ら [続きを読む]
  • (無題)
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』45ただ挨拶回りに忙殺されるのは癪で、一つでも多くの手土産を事務所へ持ち帰ろうと奔走していると、午前中の大半を渡航の為に費やしていたので、気が付くと夕刻はとうに過ぎていた。運良く飲み明かせそうな同年代の経営者を捕まえることができ、父を撒くことにも成功したので、初日は無事乗り越えられそうだ。「鎌田、ちょっと一本電話を入れたいんだが。」ホテルへのチェックインを済ませて、仕 [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』44
  • シャツの袖を捲り上げようとして、手首に付いた赤い痕で我にかえる。パソコンのディスプレイを前にして赤面しながら深呼吸をして、袖を捲る代わりに背筋を伸ばした。昼食時、宮小路の不在を気にすることはなかった。時間が合わなければ会えないことは今までも多々あったし、宮小路の登場に浮き足立って集中力が散漫になることもない。失礼な話だが、心臓の平穏さを思えばいない方が平和であるのは事実なのだ。けれど宮小路の存在を [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』43
  • 永井と睦み合いながら寝入った翌朝。恋人のキスに見送られてご満悦だったが、タクシーに押し込まれて早々出張の全貌を聞かされ、宮小路は憤慨していた。「行けないから代わりに行くっていう話だったろう。騙された。」「同行は最初の一週間だけだから、後半残れないのは事実だな。」「鎌田までそういう事を・・・。」「こっちにも話が回ってきてなかったからな。まぁ、おまえの味方なのわかってるから、そういう意味では信用されて [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』42
  • 自分の身体の中に宮小路を取り込む感覚をいつも不思議な充足感で迎える。一方で、お腹は苦しいし、勝手に涙は出るし、自分のものとは信じ難い声に狼狽もする。けれど宮小路はそれを嬉しそうに眺めては逞しい身体で包み込んでくれるから、ネガティブな感情は一瞬で霧散するのだ。「永井さん」「ぁ・・・ん・・・」甘やかすのも甘えるのも上手な恋人は、今夜も圧倒的な存在感を放ちながら永井の中で息づく。大きな腕に抱擁される安心 [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』41
  • 堂々と永井を伴って仕事へ行けるなら言うことなしだが、そんな事を宮小路が言い出したら青褪めるに違いないし、強引に連れ出して軽蔑されたら元も子もない。ここは諦めて粛々と仕事を片付けくるより他ないだろう。二人の間を繋いでいるのは気持ちだけだ。けれどそれが一番大切なことを宮小路は知っている。物で繫ぎとめられる時間は有限で、永井はそういう物を決して望まないし、だからこそ心から愛おしい気持ちが湧いてくる。自分 [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』40
  • カモミールの香りに包まれながら蒸されて、魔性の手に甘やかされる。今宮小路は当たり前のように与えてくれるけれど、二週間の不在は永井に現実を突きつけるだろうし、心にぽっかり大きな穴を空けるに違いない。調子付いた近頃の自分に釘を刺すには丁度良い機会だろう。「良い香りですね。」「永井さんもね。」肺の中を満たすように背後から抱き着いて息を吸い込んだ宮小路に、永井はそれだけで逆上せそうになる。「ッ・・・。」宮 [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』39
  • 宮小路を唸らせ、不機嫌にさせたのは父親から任された代理の出張だった。シンガポールに二週間だなんて、永井に何かあっても、すぐ飛んで帰ることのできる距離ではない。自分たちの関係は強固なものだと信じたい。しかし能天気に構えていられるほど絶対的な安定感が二人にあるわけではない。永井は主張が控えめだから、危険信号を察知しにくい。「せめて一週間に組み直すことはできないんですか?事務所のスタッフは皆優秀ですが、 [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』38
  • 事務所へ送られてきた大量の入浴剤サンプルを前に、宮小路は熱心に社員たちの話に耳を傾ける。永井が暫く残業するというので、テレビコマーシャルの打ち合わせに励む部下のミーティングに乱入したのだ。「宮小路さん、乙女ちっくなものお好きですもんねぇ。こっちのカモミールとかどうですか?」「うん。そっちも貰っていくよ。実際使ってインスピレーションを得るのは大事だからね。」「おまえは単に使いたいだけだろうが。」「失 [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』37
  • 好奇心旺盛で人を喜ばせることに目がない恋人。今度は何を企んでいるのだろうかと、永井はむしろ期待の方が大きかった。しかしまだこの冬が終わっていないうちから、次のクリスマスに思いを馳せるのは難しい。先の予定が読めないまま井伊夫婦に交渉してみると、意外そうな顔で驚かれ、思わぬ快諾を貰って面食らっている永井だ。休みを取りたいと言い出すこと自体滅多になかったので、二人にひとしきり揶揄われた午後。振り返ってみ [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』36
  • 本社の前で佇む永井の姿を見つけた時には、頭の中に咲かせていた花が吹き飛ばされ、心底肝が冷えた。もしや父が何か永井に仕掛けたのではないかと良からぬ被害妄想さえこさえたくらいだ。健気な努力で宮小路との関係を受け入れてくれようとする永井の事情を知って一息つき、会いたいと思ってくれたことが素直に嬉しい。「宮小路さん、食べづらいです・・・。」「お構いなく。」「構います・・・。」瞬きする間に永井が明後日の方向 [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』35
  • 心配無用だと笑顔で撒かれてしまうと深く追及はできない。けれど永井からしてみれば宮小路の両親がこんな自分で納得してくれるはずはないし、気に悩んでしまうのである。別れたいわけじゃない。益々別れ難くなってしまった。だから厄介なのだ。簡単に身を引く段階はとうに過ぎて、みっともなく宮小路の優しさに縋りたくなる。彼の手は温かくて、永井の弱さを愛おしそうに包んでくれるから、完全に絆されていた。しかしいい大人が貰 [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』34
  • 思い立ったが吉日とばかりに旅行誌を読み漁っていると、鎌田の影が頭上を覆う。影を見ただけでお目付け役の登場がわかるなんて我ながら神掛かっていると思う。「今度は何をやってるんだ?」「永井さんと婚前旅行に行こうと思って。」「・・・いつ?」目頭を押さえつつ唸る鎌田に、宮小路は己の素晴らしい計画を語ってみせる。「十二月に二週間ほど。」「は?馬鹿言うな。年末の繁忙期に二週間も休む気か?っていうか、どんだけ先の [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』33
  • 永井をこの腕に抱くだけでは安心できない。悩みの種が永井に蒔かれるたび、自分たちは浮き沈みを繰り返すだろう。そんな簡単に人間の性格は変わらない。だから先回りして芽を摘み、いっそのこと種をほじくり返してしまうしかないのだ。それは宮小路が面倒で脇に置いておいた問題とも向き合わなければいけないことを意味する。恋人の紹介と、両親がその延長線上に見ている結婚の話に何かしらの形でカタをつけなければ、永井は遠くな [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』32
  • 重力から解放され、身体中が甘い疼きに包まれている。覚えのある腕が永井の腰に回され、繰り返し愛撫するように大きな手が肌の上を滑っていく。「永井さん」「ん・・・」包まれる絶対的な安心感に安堵の息をつき、我に返って赤面する。けれど身体は捕らわれたままだし、宮小路の腕から逃れるほどの余力もなかった。幸せだと思ってしまった自分に居た堪れない気持ちがいっきに心を駆けていく。「永井さん、目が覚めましたか。」弾ん [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』31
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』31シーツに横たえた白い肌に、一つひとつ丁寧に口付ける。桜吹雪のように赤い痕が乱れるまで、宮小路は飽きることなく繰り返す。ピクッと小さく腰が跳ねるたびに繋がった下肢が宮小路を締め付けてくる。「みや、こ・・・じ、さ、んッ」永井が切なげに宮小路を呼ぶ。普段恥ずかしそうに身を縮める恋人が大胆にしがみついてくるのはベッドの中くらいだ。宮小路が調子付いて膨れ上がった熱を突き進め [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』30
  • 正直、二人の間に立ちはだかるものがなくなったわけではない。けれど立ち向かうこの心持ちは確かに変わったのだ。宮小路は両親に永井を会わせたいと言ってくれた。実際会うとなったら一大事だろうし、宮小路も自分も修羅場へと突っ込むことになるだろう。永井の不安を吹き飛ばす宮小路の迷いない軽快さが、すべてを二人から救い出している。ずっとこのまま甘いぬるま湯に浸かって、宮小路の囁く夢を見ていたいと思ってしまった。自 [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』29
  • エレベーターを出たら、もうそこは二人だけの世界だ。ここへ移り住んできた時は一人きりの寂しい空間だったが、今では永井という花が咲いている。「永井さん。早くあなたが何の疑問も持たずに、ここが我が家だと思ってくれると良いのですが。」「思ってますよ。それにここ以外帰る家もないですし。」もうちょっと前向きな言葉が欲しいと思うのは無粋だ。宮小路としては後ろ向きで遠回りをする永井の性格こそ愛おしく思う。まどろっ [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』28
  • 品良く整った小振りな口に、真っ白な冷たいソフトクリームが消えていく。外出ついでのデートに快く賛同を得たので、宮小路は永井を連れ歩いて大層ご満悦だった。「永井さん、はい、どうぞ。」「ッ……」困った顔で首を傾げた後、永井がはにかむ。その顔に満足して、宮小路は潔く突き出したスプーンを引っ込めた。二人の世界に浸るにはオーディエンスが多過ぎる商業施設の一角で、二人はソフトクリームを分け合っている。少なくとも [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』27
  • 「宮小路さんって、ちょっとお調子者です……。」公衆の場でキスを贈ったことが気に入らなかったらしい。「今さらですよ、永井さん。鎌田からは毎日小言が飛んできます。」大真面目な顔で返すと、永井が笑う。やはり好きな人の笑顔は何にも代え難い威力があった。「永井さん、何でワインなんですか?」「父が好きだったんです。」「それは意外です。永井さんはすぐ酔うのに。そこは似なかったんですね?」「そうみたいです。」どう [続きを読む]
  • 残業のため。。。
  • 皆さま、こんばんは。待っていてくださる方には大変恐縮ですが、残業のため、本日更新がどーしても間に合いそうにありません!!申し訳ありません。。。暫くの間、不定期更新、お許しくださいませ。。。管理人 [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』26
  • 電車に乗るのは久しぶりだ。このところ宮小路と車で出勤することが当たり前になっていて、足が遠退いていた。当たり前にあった日常が急に甦って、少し神経質になっていた永井の心を宥めてくれる。ずっと避けていた場所に恋人と名乗ってくれる変わり者の御曹司を連れていくのは妙な気分だ。妙だけど、嫌ではない。ようやく吹っ切れる予感があり、宮小路との関係がこの先どうなろうとも、一歩進める気がしていた。どちらかと言うと後 [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』25
  • 永井はふわふわと掴み所のない恋人だ。抱き締めていても、気を緩めた瞬間にすり抜けていくのではないかと不安になる。しかし運転席でハンドルを握っている鎌田に愚痴ると、恋なんて大体そんなものだと、呆気なく笑われてしまう。今日は朝からコネクション作りに追われていて、疲れも溜まっていたのでダブルパンチだ。「盛り上がってる時は忘れるんだけどな。我に返ると心配なもんなんだよ。いつまで続くのかとか、あっちが冷めたら [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』24
  • 相手を知りたければ自分から打ち明けるのが基本だ。万年思春期のまま大人になった自分が、慎重な恋人を上手く誘導できるかどうかはわからなかったが、どうしても永井の過去を知りたいという欲求には勝てなかった。お風呂から上がった永井のメンテナンスに精を出しながら、宮小路は口火を切る。「永井さん、もっと力を抜いてリラックスしていてください。それともくすぐったい?」クリームを塗りながら陶器のように白く滑らかな肌に [続きを読む]
  • 宮小路社長と永井さん『二人の父』23
  • 結局、愛しい恋人が何を思い煩っていたのかは不明のままだ。けれど心ここに在らずだった永井が自分を真っ直ぐに見つめ返してくれたから、宮小路は充分胸を撃ち抜かれ、満ち足りてしまった。父の勉が余計な事を永井に吹き込んだらしいが、仕返しを企むほど子どもではない。永井は荒事を好まないから、ここは器の広いところを見せるべく大人しくしているべきだ。「鎌田、どっちが良いと思う?」「どっちも飾らない方が身のためだぞ。 [続きを読む]