happygogo さん プロフィール

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happygogoさん: 青い風のような貴公子たち
ハンドル名happygogo さん
ブログタイトル青い風のような貴公子たち
ブログURLhttp://aoikaze.sblo.jp/
サイト紹介文青春文学です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供61回 / 365日(平均1.2回/週) - 参加 2015/09/15 21:22

happygogo さんのブログ記事

  • 新聞記者
  • Vv貨物船は千葉港に入港したので、そこで下船してタカシは東京に戻った。また新聞記者の忙しい生活が始まった。8時に出社して編集長と打ち合わせして、カメラマンと一緒に現場に向かう。住宅会社の展示場を回って、その担当者に取材する。もっと詳しい話を聞きたい場合はそこの会社の本社に行って上の者の話を聞く。夕方帰社して記事を書き、編集長に記事を渡す。>.. [続きを読む]
  • 異国情緒
  • 外国にいるとどうも落ち着けないし、食べ物からも言葉からも文化からも阻外され一人ぼっちになってしまう。異国は異国情趣にひかれながらも異国の領域から出ることはない。セレベス島で見た日本の漁船が翻す日章旗の美しさは自分の心でもあるとタカシは思うのである。外国のまずい米を食べるよりは日本の米を食べた方が旨いと思うし、着物姿は美しいと思うし、日本のお城や寺院を見ているとなんとなく安心するし、日本の街には外国 [続きを読む]
  • ボルネオの海
  • 船が日本に近づくにつれて海が汚れてきた。それに比べてボルネオの海は王朝的である。あの海を見たただけでも価値があるとタカシは思う。日本にいると日本の事はよく解らないが、外国にいると日本の良さ、悪さがよく解る。民族主義者ではないが自分は日本人だし、日本にだけしか住めない人間なのだとタカシは思う。>sr.. [続きを読む]
  • 日本へ
  • 甲板のデッキ―チエアに座ってタカシは静かな海を眺めていた。まるで湖のような穏やかな海である。来月になればここは台風銀座になり荒れに荒れるのである。向こうから二等航海士の勝木がやってきた。「千葉に寄港することに決まったよ。千葉で下船してくれ」と言う。千葉なら東京に近いから便利だとタカシは思った。東京の騒々しい生活がまた始まるのかと思うとタカシは少々憂鬱になった。けれどもひと月あまりの海の東南アジアの [続きを読む]
  • 三島由紀夫の「美徳のよろめき」について
  • 土屋に節子は最後の手紙を書くのだが、出さずに破り捨ててしまう。そこで恋は終わるのだが、美しい都会の恋であり、作品としても成功をしていると思う。唯一気になるのは掻把である。掻把に暗いイメージがある。変な予感がする。タカシのその変な予感はやがて的中するのだが。三島の不幸の自決事件が近づいていたのである。><img </strong&g.. [続きを読む]
  • 三島由紀夫の「美徳のよろめき」について
  • 娘に行った娘たちのどれかに過ちがあつてもその日に辞表を出して身を世間から隠すという父親の言葉に娘はショツクを受ける。父親に対する愛から節子は土屋と別れる決心をする。二人の愛はこの程度のものかという見方もあるが、父親の対面を守るという娘の気持ちは十分に分かる。父親の立場を考えるなら節子のとった態度は決して浅くはない。世間体を考えるなら土屋を捨てていく気持ちは十分に分かるし不自然ではない。結局、この物 [続きを読む]
  • 三島由紀夫の「美徳のよろめき」について
  • 節子は松木の男の思想にうんざりして女の思想を探す。明治の花柳界出の人で、政界の大立物の未亡人である老婦人に節子は会いにいく。最後まで世間を味方につけなさいと老婦人は助言する。殿方と別れるときはこちらが捨てた形で別れなければいけません。そうすれば旦那様の傷は軽くて済みますと言う。ここで男の考え方と女の考え方を持ってきたのはうまいやり方である。物語の構成力は申し分ない。明晰さと言うか、頭の良さをタカシ [続きを読む]
  • 三島由紀夫の「美徳のよろめき」について
  • 節子は手ずるを探す。与志子では物足りない。忠言ではなく厳粛な訓元が欲しいのである。そうしなければ心は解体して破滅に向かってしまうと節子は考える。節子は松木と言う老人を訪ねて助言を乞う。「明日を恐れている快楽などは、偽物であり、恥ずべきものではないだろうか」と松木は言う。快楽は確かに素晴らしいものだ。思う存分に呼吸し味わい尽くすものだという。松木の考え方は男らしいし、これは男の思想である。href="http [続きを読む]
  • 三島由紀夫の「美徳のよろめき」について
  • 街上で見た忌まわしい不具者の顔が浮かんでくる。やがて恐怖に変わることの確実なある種の感動が節子の心に起こるのである。あの恐ろしい顔も、むかしは人並な美しいと言える顔だった日があってそれがこんな廃墟になったとすれば、今の私の顔はただの原型にすぎないのではないかしら。節子のこの言葉は三島の言葉であるわけだが、、三島は老いることに恐怖心を持っていたことは事実である。三島の美学から考えると老いることは三島 [続きを読む]
  • 三島由紀夫の「美徳のよろめき」について
  • 節子は向こうから異様な人物が歩いて来るのを見た。その男の鼻のあるべきところは黒黒と落ちくぼみ目はひきつれて歪み,眉はなかった。男はすれ違ったが、この奇怪な顔は深刻な印象を節子に与えるのである。妊娠した節子は片端者が生まれるのではないかと心配する。或る英国婦人が生んだ子供の手が6本あったという話を聞いて節子はぞっとするのである。子供を産むのはそんな意味でも大変だとタカシは思うのである。href="http://no [続きを読む]
  • 三島由紀夫の「美徳のよろめき」について
  • 彼の指が節子のうしろ髪をそっと持ち上げるのを彼女は感じた。節子の優しい優雅な肩から背はあらわになった。なだらかな美しい肩の線を、心に思い描く必要はなかったのである。なぜなら土屋の唇が、その線を忠実になぞったから。節子の頭を、後ろから包むように掻き抱いている。節子は突然背中の肌に、彼の愛のしるしを感じるのである。性の描写と言うものが写実的に非常に美しく描かれているとタカシは思う。卑猥ではない。文学的 [続きを読む]
  • 三島由紀夫の「美徳のよろめき」について
  • ホテルの玄関口で伯父の横顔を節子は見るのである。慌てて節子はライブラリに逃げ込む。土屋の手を自分の胸に当てる。激しい動悸である。節子は立ち上がるのだが、その美しい脚は震えている。ホテルで伯父を見るという設定がこの物語の展開を面白くさせている。軽い接吻の後、二人はベツトカバーを外す労をいとうほど激しく抱き合うわけである。そこで節子は男の筋肉のひしめきの一つ一つに感動するのである。恋とはそんなものであ [続きを読む]
  • 三島由紀夫の「美徳のよろめき」について
  • 自分の肉体に自信を持たず、恋人の不手際を許し、いじらしいと節子は恋人土屋に対して思うわけだがこの心理の流れは良く描けているとタカシは思う。土屋は子供に返り、猛獣狩りと言って節子を追い回すのだが、子供に返れば道徳的恐怖から解放されると節子は考える。真裸かで朝食を二人は取るのだが、この辺は非常に面白いと思い、思わずタカシは笑った。href="http://novel.blogmura.com/novel_literary/ranking.html" target="_bl [続きを読む]
  • 南大東島にて
  • 掻把については三島は書かないほうがよかったとタカシは思う。中絶は人殺しである。宿った命を抹殺することであるから。生命と言うものを簡単に考えては困る。それによってこの物語は非常に暗くなった。堕胎の部分がなければ、この物語は都会の女の恋として十分に納得できるし、美しさもあるのである。href="http://novel.blogmura.com/novel_literary/ranking.html" target="_blank">にほんブログ村人気ブログランキングへ 人.. [続きを読む]
  • 南大東島にて
  • 土屋との恋のため宿った子供を節子はおろすのであるが、この辺の心理はよくわからぬ。腹の中にいる子供への愛は深いものだと思うのだが、こんなに簡単に堕胎というものはできるものなのか。レイプされたというのであれば、堕胎も理解できるが、宿したのは夫の子供であるから。自分なら堕胎は認めないとタカシは思う。土屋との恋に邪魔になるから堕胎すると言う節子の心理は読む者としては理解できぬとタカシは思う。母親としての母 [続きを読む]
  • 南大東島にて
  • 甲板は暑い。午後からは自室に戻ってクーラーを入れる。三島由紀夫の「美徳のよろめき」をタカシは続けて読む。本を読むこと以外に何もすることがない。乳房が少し垂れていて、平らな胸もとから、樹脂が流れて固まったように、小さな子供っぽい乳房が落ち、不機嫌に顔を背向け合っている。不機嫌と言う言葉がなかなか良い。デッサンの力は素晴らしいものがある。もっとも美しいのはその脚である。上半身は頼りないのに、下半身には [続きを読む]
  • 南大東島にて
  • 探求心や理論や洒落た会話や文学は節子には無縁というところが面白い。大体においてそんな女が多いわけである。会話には機知が欠けているが、一定の言葉使いを聞けば節子の育ちの良さがわかるのである。節子は都会の女である。田舎に住んでいるなら育ちの良さは出てこない。節子に対する三島由紀夫の叙述は読者に鮮明なイメージを与えることで成功しているとタカシは思う。href="http://novel.blogmura.com/novel_literary/ranking [続きを読む]
  • 南大東島へ
  • 「昨日の女、タコみたいで吸い付いて来るんだ、一睡もさせないんだ。参ったよ」と勝木は眠そうな顔をして言った。列車の中では勝木はずっと眠っていた。高雄港から沖縄を経て南大東島へ。南大東島の沖で貨物船は一日中、機関部の点検のため停泊する。静かな太平洋である。ベンチに腰を下ろし、三島由紀夫の「美徳のよろめき」を読む。こんな女、いるかもしれないな。都会の恋だとタカシは思う。href="http://novel.blogmura.com/no [続きを読む]
  • 北投温泉にて
  • 一時間ほどして女に「帰っていいよ」と言うと、女は黙って起き上がって出ていった。独りになり清々した気分になったが、南国台湾の夜が深まるにつれて寂しさは募っていった。いろいろ将来の事を思うとまんじりともできなかった。朝、勝木に朝食の時に会ったが、眠そうだった。「眠い、眠い」と言って、タカシがセックスをしないことについては一言も聞かなかった。二人は高雄に帰るため台北の駅にタクシーで向かった。href="http:/ [続きを読む]
  • 北投温泉にて
  • 指名したグラマーな女性とは違っていたのでタカシはがっかりした。痩せた女がタカシの隣に滑り込んできた。胸はぺちゃぱいで男のそれである。これでは抱く気がしない。この女は男ではないかと思った。高い金を払ったのにタカシはがっかりした。豊かな乳房を持った女を期待していたので本当にタカシはがっかりした。顎骨のように痩せた女の登場はタカシの期待を大いに裏切った。href="http://novel.blogmura.com/novel_literary/ran [続きを読む]
  • 北投温泉にて
  • タカシが断るとおばさんは猛烈に怒って「私たちには中国大陸があるんだ」と訳の分からんことを言ってドアをバタンと閉めた。タカシは唖然とする。中国大陸があるというのは、台湾は大国なのよと言う意味なのか。日本なんか問題ではないと言いたかったのか。しばらくすると、ドアを誰かノックする。顎骨のような痩せた女が入ってきた。href="http://novel.blogmura.com/novel_literary/ranking.html" target="_blank">にほんブロ.. [続きを読む]
  • 北投温泉にて
  • 夕方になって勝木とタカシは北投温泉に向かった。ホテルに着くと大広間に通された。大広間には若い女性がずらりと並んでいる。その中から気に入った女性を選ぶのである。男にとっては夢の世界である。乳房の大きい女性をタカシは指名した。部屋に入ると、風呂場で掃除していたおばさんが、「子供二人いるが、今晩寝てくれ」と頼む。タカシが断ると大変怒って、我々には中国大陸があるんだと叫ぶように言う。怒ってドアをばたんと閉 [続きを読む]
  • 台北にて
  • 勝木はお土産を買ってしまうと、「博物館でも行ってみるか」と言った。北投温泉に行くには早すぎたし、何もすることがなかったのでタカシも同意した。タクシーで国立故宮博物院に向かった。この博物館は台湾では最大で収める美術品も膨大である。観音像、早春図、宋太祖座像など一級の美術品である。素晴らしいの一言に尽きる。ただ人が多いのには閉口した。駐車場にはアメリカのフォード製の車が多く、中国本土とは趣がかなり違う [続きを読む]
  • 台北にて
  • お店の店主はにこにこしながら、「日本のファンは台湾だけですよ。日本がくしゃみをすると台湾は風邪を引きます。夜、日本人が安心して歩けるのは台湾だけです。もし何かあったら私にいってください」と言う。日本のファンは台湾だけという言葉には賛成しかねたが、流暢な日本語で話したのにはタカシは驚いた。アメリカなら中国人に間違われることもあるのだが、台湾においてはそんなことはなく、日本人を間違えることもなく日本語 [続きを読む]
  • 台北にて
  • 貨物船は高雄の港に入った。3日停泊することになった。タカシは勝木さんと台北に汽車で向かった。北投温泉には夕方行くことにして台北の観光をすることにした。露店で台湾のお茶をタカシは飲んだ。隣の台湾人が日本語で話しかけてきた。日本語で話しかけてくるのは台湾くらいであろう。勝木さんは奥さんに土産物を買うんだと言って土産店に入っていった。お店の店主は愛想がいい。にこにこしている。財布のような小物を勝木さんは [続きを読む]