アカシア さん プロフィール

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アカシアさん: andante*アンダンテ*
ハンドル名アカシア さん
ブログタイトルandante*アンダンテ*
ブログURLhttp://andantetsukasa294.blog.fc2.com/
サイト紹介文花より男子二次小説です。CPは司×つくしオンリーです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供288回 / 365日(平均5.5回/週) - 参加 2015/11/08 10:28

アカシア さんのブログ記事

  • 出逢いは嵐のように 91
  • 心の中で突っ張っていたものが外れる。自分の気持を洗いざらい喋った後は、すっきりするもので、何かから解放されたような気になっていた。そして心の奥を覗いてみれば、その人が忘れられない人になることは頭の片隅にあったはずだ。ただ、はじめはそれを認めたくなかったが、自分をここまで必要としてくれる人間がいることに歓びを感じた。普通の恋人の付き合いをすると言った男のまっしぐらで強引な性分は、知り合って行くうちに [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 90
  • 『何か言ってくれ』それに対しての返事はなかった。だから司は言葉を継いだが声は引き締まっていた。「今後の仕事だが私生活が仕事に影響を与えるというなら出向期間を短縮すればいい。滝川産業に戻りたいというならそうしよう」それは彼女が同じ職場では嫌だというなら本来の職場に戻してやろうと思ったからだが、そもそも出向させた目的は美奈の願いを聞き入れることだったのだから、本人が希望するならそうしなければならなかっ [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 89
  • 気配を感じ振り返ったそこにいたのは黒いドーベルマン犬。ドイツ生まれで警備犬、軍用犬として活躍している犬は護衛能力が高い犬で飼い主を守るには最適の犬だと言われているが、そのドーベルマンがつくしの前にしゃがみこんだ姿でいて身動きせずにじっとこちらを見つめていた。犬が迷い犬ではない事は一目瞭然だ。強固なセキュリティ対策が施されたこの邸に人であれ動物であれ侵入することは先ず出来ないからだ。それに犬には首輪 [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 88
  • 「俺は喜んでお前と結婚しよう。いや結婚してくれ。俺の方が先にそれを言いたかった。俺はお前が好きだ。お前が許してくれるならどんなことでもするつもりでいた。だからお前が結婚を望むならすぐにでも結婚しよう」司は自分が言った言葉に呆然としている女をじっと見つめていたが、向けられた眼差しは真剣でまっすぐだった。牧野つくしの口から思ってもみなかったセリフが飛び出した時、自分の気持が伝わったのだと感じた。そして [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 87
  • 親兄弟というのは、血の繋がりがある分どんなことをしたとしても許せるといった面を持つ。そして姉は男だからと弱いところを見せない弟の気持を年上の余裕をもって理解してやることが長子の務めだと分かっている。それはどの姉弟にも同じはずだ。つくしにも弟がいる。両親を亡くした今では、たった二人の身内だ。その弟が困っているなら助けてやりたいと思う。だから椿の気持も理解できる。姉は例え弟が幾つになっても可愛いのだろ [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 86
  • 「それにしてもセレブのバーベキューは凄いですね?僕シイタケを手土産に持参しようと思いましたが、そんな必要全然ありませんでしたね?」沢田はそう言ってサーブされた皿に盛られた肉を前に呟いたが、隣に座るつくしは真正面に座った男の視線を感じていた。別室のメンバーは、ニューヨークから帰国した二人の態度に、触れてはいけない何かを感じているのか。それとも職務を全うすることが会社勤めをする人間の正しい態度でありプ [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 85
  • 「皆さん。今日は集まって下さってありがとうございます。いつも皆さんにお世話になっている弟ですが、人として至らぬ点も多いかもしれませんが、これからも支えてやって下さいね。今日は最高級のお肉を用意しましたので沢山食べて暑気払いをして下さいね。それからあの子、少し遅れて来るみたいだけど気にしないではじめましょう」バーベキューに招待されていたのは、エネルギー事業部、石油・ガス開発部別室のメンバー4人とつく [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 84
  • 時計を見れば0時半だった。オンザロックで飲む場合に用いられる背の低いグラスのことをオールドファッションドグラスと言うが、アイスペールを引き寄せ、美奈の結婚式の引き出物だったバカラ社製のそのグラスに氷を入れると琥珀色の液体を注いだ。そして煙草に火をつけようとライターに手を伸ばしたが止めた。司は牧野つくしとの接点を見つけようとしていた。だが仕事以外で会うこともなければ話すこともなかった。まるっきりビジ [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 83
  • 「日本の夏ってテキサスの夏に似てると思わないか?」その問い掛けは誰に向けて放たれたものなのか?「そう思わないか?この暑さ。間違いなくテキサスと同じだ」再び放たれたその言葉は自分の周りにいる誰かに向かって言われていると思っていた。だから桜子は無視していたが、それでも周囲に目を配ってみると、半径3メートル以内には声の主と自分意外誰もいなかった。深夜営業のスーパーは普通のスーパーに比べれば物は少ないが、 [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 82
  • 最悪の精神状態だった一週間前の日曜。それから風邪をひき会社を休み、その間に色々と考えた。考えながら傷口を舐めた。出社して道明寺司と話しをしたが、今度は姪の白石美奈が会いに来た。用件を訊けば、先日のことを謝りたいと言った。会うべきか。会わざるべきか。インターフォン越しに話を済ませることも出来た。だが少し間を置き答えたのは、「どうぞお入り下さい」だった。つくしはスリッパを揃え、彼女を中に通した。「どう [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 81
  • 梅雨明けの発表と共に、長野の農協に勤める弟から野菜が送られてきたのは、土曜の午後だった。届いた箱の中には、レタスや青いトマトと共に沢山のゴーヤが詰められていた。そしてゴーヤの間に挟まれていた手紙には、「今年はゴーヤが豊作だ。夏バテ予防にどうぞ」と書かれていた。いつもなら隣の岡村恵子にお裾分けをするのだが、実家に帰るといった恵子はまだ戻って来てはいなかった。だがどの野菜も比較的日持ちがするもので、数 [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 80
  • 1分近くの沈黙を挟み、つくしも相手の顔を見据えていた。同じ職場の男性との恋が破綻した女性の中には、顔を合わせたくないから出社したくないという話も多いと訊く。だが、つくしの性格上職場放棄など出来るはずもないのだから、考えてみれば、こうして早々に話をするチャンスが持てたことは、良かったのかもしれない。職場恋愛が駄目になった男女は、なにもつくしだけではない。そんな男と女は世界中に大勢いる。それに二人は真 [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 79
  • 恋が終ったと言っている女ともう一度恋をすることは難しいのだろうか。身体ではなく心が欲しいといった思いをしたことがない男がひとりの女の心を自分に向けたいと望むのは、難しいのだろうか。女の気持を自分に振り向かせる。司はそもそもそんな経験がないのだから分るはずもないのだが、その経験をこれからしようとしていた。「副社長おはようございます。牧野さんもですが副社長もお早い出勤ですね?」佐々木純子は部屋の入口に [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 78
  • 美味しいものには力がある。そんな言葉をどこかで訊いたような気がするが、まさにそうだと感じた。それは体力の回復が早かったからだ。月曜の仕事帰りに立ち寄ってくれた桜子は、次の日も、そしてその次の日も立ち寄って料理を作ってくれた。そして夕食だけではなく、翌日の朝食と昼食まで作ると、これ食べて下さいと言って帰って行ったが、桜子の華やかな外見から色鮮やかで味の濃い洋食が似合いそうだが、実は和食が得意だと訊い [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 77
  • 「それにしてもよく降る雨だな。けどこの雨が上がればそろそろ梅雨も明けるか?この蒸し暑さとお別れしてカラッとした暑さと夏空に会える日が楽しみだ。まあそうは言っても毎年代わり映えしない夏が来るってことか」六本木にある昔馴染みのバーで飲んでいる二人の男のうちのひとりは、夏の到来を楽しみにしているが、もう一人の男は琥珀色の液体が入ったグラスの底を見つめながら訊ねた。「あきら。お前この前ここで飲んだ時、俺が [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 76
  • 司は三条と名乗った女がマンションから出てくるのを待っていた。友人と名乗った女がどんな女か分からなかったが、堂々とした物怖じしない声と落ち着いた言葉の切り返しは、気の強さの表れで自分に自信があると感じた。夜も9時を回れば、外出する人間は殆どいない。特に女となれば尚更だが、やがて年の頃からして牧野つくしと同輩と思われる女が出てくれば、それらしいと予想がついた。そしてマンションの敷地を出たところで声を掛 [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 75
  • 時計の針は午後8時を指していた。司は西田に午後からのスケジュールを調整しろ、時間を空けろと言ったが海外から帰国したばかりの月曜は余裕がなく結局この時間になった。端から電話をしても出ることがないと分かっていた。 それに寝ているところを起すのではないかと躊躇した。そしてもし電話に出たとしても、何も言わず切られることは目に見えていた。司はマンションの入口で、彼女の部屋の番号を押し返事が返ってくるのを待っ [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 74
  • 「先輩大丈夫ですか?エアコンのかかった部屋で髪の毛乾かさずに寝るなんて、風邪をひいても仕方がないですよ。それにしても今回の風邪は質が悪そうですね?」欠勤しますと会社に連絡をしてベッドに横たわると、ウトウトしながらひたすら水分を取っていたが、ちょうど昼休みに入った頃携帯に桜子からメールが届いた。そこには、ニューヨーク土産に渡したチョコの感想と共に、『月曜出社。道明寺副社長と会いましたか?恋人になって [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 73
  • 心臓が冷たくなるという感覚はそうあるものではない。だがそれは失恋したと自覚したからだが、それとは別に風邪かな?と思った時にはもう風邪をひいていた。それは多分昨日お風呂から出た時のことだった。暑かったのでエアコンを付けた。髪を乾かさずそのまま寝た。つまり濡れた髪に冷たい空気が絡みつき風邪をひいたということだ。早朝に目が覚めたのは、トイレのためだったが、ベッドから起き上がり、床に足を着けた途端、立ち眩 [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 72
  • 「隆信さん。どうぞ座って頂戴」椿はゴルフに出かけていた美奈の夫に電話をすると、世田谷の道明寺邸に来て欲しいと言った。隆信はロスにいるはずの義理の母親からの突然の電話に驚いていた。美奈の母親は嫁いだとはいえ道明寺家の長女で、隆信が役員を務める不動産会社の親会社である道明寺ホールディングス副社長道明寺司の姉だ。そして社長である道明寺楓の娘であり、美奈は楓の孫だ。そんな立場の女と結婚した男は、入婿ではな [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 71
  • いつの間にか降り出した雨の中をつくしは歩いていた。いつもなら15分で帰れる道だがまだマンションには辿り着かなかった。日曜の夕方だというのに人通りが少ないのは雨だからか。それとも何か別の理由があるのか。だが今はそんなことは正直どうでもよかった。ただ、濡れた路面を走るタイヤの音だけが聞こえていた。美容院に行った帰りにスーパーに寄ろうと思っていた。それは庶民的な料理でもいいと言った恋人に手料理をご馳走し [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 70
  • 雨が降っていた。どんなにいい天気の空だとしても、まだ梅雨明けしていない空からは突然雨が降ることがある。そしてザーザーと降る雨は、窓を叩いているのが分るが部屋の中まで音は届かなかった。だが窓から眺める外の景色が黒く滲んで見えるのは、司が心の中に抱えた後悔がそうさせるのか。人を騙すということは褒められたことではない。嘘は時に真実を隠すために用いられることがあるが、それでも嘘をつけば、いつか嘘をついた本 [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 69
  • 司が走り込んだ喫茶店はウナギの寝床と言われる間口が狭く奥行のある店。都会的でもおしゃれでもなく、街のどこにでもある普通の店。その店の一番奥の席に二人はいたが周りに他の客の姿は見当たらなかった。司はつくしの大きな瞳が自分を見上げているのを見下ろしていたが、店の中の一番奥の席は静かすぎるほどで、テーブルの上に出されているコップの中の氷が溶け隣の氷とぶつかる音まで聞こえてきそうだ。そんな中、見つめ合う男 [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 68
  • 『道明寺司は私の叔父様ですもの』つくしは目の前でアイスコーヒーを飲む女性の言葉を反芻していたが、その言葉を解釈すれば、白石美奈と道明寺司は近い親族ということになる。そして親族だということが頭を過ると、彼女に恋人との血の繋がりを、共通点を感じさせる何かを見つけ出そうとしていた。背が高い女性の整った顔立ち。瞳は切れ長で冷たさが感じられる。だがそれは単なる特徴で、先祖代々の遺伝的な要素ではあるが、必ずし [続きを読む]
  • 出逢いは嵐のように 67
  • 恋人の家をはじめて訪ねる男は何を持っていけばいいのか。今までそういったことを考えたことはなかったが、やはり一番オーソドックスなのは花だということに気付いた。花束を貰って喜ばない人間はいないといわれるが、司は自ら花を買い求めたこともなければ贈ったこともない。そして花として見分けがつくのは、薔薇とユリとチューリップと菊といった程度だが、彼女はどんな花が好きなのか。花の好みは知らないが、司の好みで言えば [続きを読む]